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レポートナンバー 0000038353

褐色脂肪組織

株式会社シーエムシー出版

Brown Adipose Tissue: Science and Applications

発刊日 2024/05/17

言語日本語

体裁B5/284ページ

ライセンス/価格284ページ

0000038353

書籍版 99,000 円(税込)

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ポイント

世界的な蔓延に歯止めがかからない肥満と代謝性疾患の予防が期待される褐色脂肪組織(BAT)!
遺伝子改変技術・オミクス解析技術の発展と共にBAT研究領域への研究者の参入が加速,日本人研究者の活躍も目覚ましい!
ヒトの生理学的意義、基礎的な制御機構と多様な機能、応用のためのツール開発という3つの観点から解説!

レポート概要

■刊行にあたって

 エネルギーの消費と熱産生に特化した褐色脂肪組織(BAT)は,ヒトにおいて体温と肥満度の維持に寄与し,加齢に伴う肥満やインスリン抵抗性,冠動脈疾患のリスクに影響することが広く認知されている。これらの知見は,成人におけるBATの存在が証明された2009年からわずか10年足らずの間に急速に集積された研究成果により証明されたものであり,世界的な蔓延に歯止めがかからない肥満と代謝性疾患を予防するための刺激標的としてBATが期待される根拠になっている。

 本書は,BATを標的とした生活習慣病予防法の確立を見据え,多岐にわたる研究進展を網羅した。臨床研究と基礎研究の第一線で活躍される研究者の方々に最新の研究成果と世界の動向を概説いただいた。

 本書が,読者の皆様の研究・開発の一助となり,効果的なBAT刺激法の開発とそれによる肥満関連代謝性疾患の予防・治療の実現となることを願います。

(本書「刊行にあたって」より抜粋)

レポート詳細

監修

米代武司

著者一覧

米代武司   東北大学
斉藤昌之   北海道大学
中山一大   東京大学
石田悠華   東京大学
若林 斉   北海道大学
浜岡隆文   東京医科大学
田中璃己   福岡大学
篠田幸作   アルバートアインシュタイン医科大学
小栗靖生   京都大学
塚田杏樹   北海道大学
加藤(鈴木)美羅   北海道大学
岡松優子   北海道大学
内田邦敏   静岡県立大学
高橋宙大   東北大学
伊藤 亮   東北大学
稲垣 毅   群馬大学
松村欣宏   秋田大学
酒井寿郎   東北大学
脇 裕典   秋田大学
江草玄太郎  広島大学病院
長野 学   広島大学病院
大野晴也   広島大学病院
吉澤達也   熊本大学 現在 京都府立医科大学
山縣和也   熊本大学
日野信次朗  熊本大学
田守義和   神戸大学
高橋 圭   東北大学
片桐秀樹   東北大学
高山浩昭   金沢大学
篁 俊成   金沢大学
高橋春弥   京都大学
後藤 剛   京都大学
梶村真吾   Beth Israel Deaconess Medical Center
吉田尚史   国立循環器病研究センター研究所
山下智也   神戸大学
平田健一   神戸大学
池田賢司   東京医科歯科大学
二連木晋輔  オハイオ州立大学
清水逸平   国立循環器病研究センター
片岡直也   名古屋大学
上田和孝   東京大学
小室一成   東京大学
保坂佳代子  カロリンスカ研究所
関 孝弘   カロリンスカ研究所
松下真美   天使大学
津田孝範   中部大学
長谷川達也  味の素(株)
長尾健児   味の素(株)
日比壮信   花王(株)
井上栞杏   東京医科歯科大学
一ノ瀬彩加  東京医科歯科大学
佐伯久美子  東京医科歯科大学
西尾美和子  東京医科歯科大学
武田行正   京都府立医科大学
原田義規   京都府立医科大学
戴 平    京都府立医科大学

目次

【第Ⅰ編(解明・技術)】
第1章 褐色脂肪組織の熱産生と健康
1 ヒト褐色脂肪組織とエネルギー代謝・肥満・メタボリックシンドローム
1.1 はじめに
1.2 褐色脂肪による非震え熱産生
1.3 褐色脂肪によるエネルギー消費と肥満
1.4 褐色脂肪の全身作用とメタボリックシンドローム
1.5 褐色脂肪の日内・年内変動と加齢に伴う減少
1.6 褐色脂肪に影響する遺伝要因
1.7 褐色脂肪に影響する生活環境要因
1.8 おわりに
2 褐色脂肪組織活性の多様性に寄与するゲノム多型
2.1 はじめに
2.2 関連解析
2.3 関連解析によって同定された褐色脂肪組織活性に関与する遺伝子
2.4 検証が望まれる候補SNP
2.5 褐色脂肪組織活性の多様性に関係する遺伝子の進化
2.6 おわりに
3 褐色脂肪組織と骨格筋の機能協調による体温調節
3.1 寒冷環境における自律性体温調節反応
3.2 BAT活性の集団差,個人差,個人内変動
3.3 BATと骨格筋によるCITの相互関係
3.4 体温調節応答における代謝系と循環系のシステム連関の可能性
3.5 まとめ
4 運動トレーニングが褐色脂肪様組織に与える影響
4.1 はじめに
4.2 運動と褐色脂肪様組織
4.3 運動トレーニングと褐色脂肪様組織(縦断研究)
4.4 おわりに

第2章 褐色脂肪細胞の細胞起源と組織形成
1 単一細胞RNA解析技術による細胞起源と制御因子の解明
1.1 熱を作る脂肪の起源を求めて(Angueira et al., Nature Metabolism, 2021)
1.2 唐辛子の辛味成分は幹細胞を活性化させるか。(Shamsi et al., Nature Metabolism, 2021)
1.3 必須脂肪酸による「デノボ」BAT形成の制御(Abe et al., Dev Cell, 2022)
1.4 甲状腺ホルモンと褐色脂肪組織,切っても切れない関係(Liu et al., Nature Communications, 2022)
1.5 寒さはあなたの免疫を活性化する? 熱産生をサポートするリンパ球の役割
(Gallerand et al., Nature Communications, 2021)
2 ベージュ脂肪前駆細胞の制御機構
2.1 はじめに
2.2 ベージュ脂肪細胞の役割と起源
2.3 一細胞解析を用いたベージュ脂肪前駆細胞の探索
2.4 CD81+前駆細胞の制御機構の解析
2.5 生体の恒常性維持におけるCD81の役割
2.6 ヒトにおけるCD81+前駆細胞の役割
2.7 おわりに
3 生後の脂肪組織リモデリング
3.1 はじめに
3.2 生後の褐色脂肪組織形成
3.3 ハムスターにおける白色から褐色への脂肪組織転換
3.4 乳子期マウスにおける白色脂肪組織の褐色化
3.5 おわりに

第3章 褐色脂肪細胞の熱産生機能制御機構
1褐色脂肪細胞における物理刺激センサーTRP/Piezoチャネルの役割
1.1 はじめに
1.2 褐色脂肪細胞の分化・熱産生調節
1.3 TRPチャネル
1.4 Piezoチャネル
1.5 TRPチャネル,Piezoチャネルの褐色脂肪細胞における役割
1.6 おわりに
2 環境変化に伴うエピゲノム変化を介した脂肪細胞の運命決定機構
2.1 褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞
2.2 エピゲノムによる遺伝子発現制御
2.3 体重とエネルギー代謝を制御するシグナル感知エピゲノム因子JMJD1A
2.4 JMJD1Aはシグナル感知タンパク質として環境ストレスへの急性応答を担う
2.5 ヒストン脱メチル化酵素JMJD1Aを介したベージュ化機構
2.6 リン酸化JMJD1Aの脱リン酸化酵素MYPT1-PP1βの同定-新規ベージュ脂肪細胞化制御因子の発見
2.7 最後に
3 NFIAによる褐色脂肪遺伝子とエネルギー代謝制御
3.1 褐色脂肪組織のエピゲノム解析とNFIAの同定
3.2 NFIAの糖エネルギー代謝における役割
3.3 マウスの脂肪組織褐色化能と遺伝的背景
3.4 ヒトの肥満とNFIA
3.5 おわりに
4 PPARαによるベージュ脂肪細胞の機能制御:ペマフィブラートがベージュ脂肪細胞の機能維持に与える影響について
4.1 ベージュ脂肪細胞の機能制御に関連する因子の探索
4.2 PPARαと熱産生脂肪との関連について
4.3 新規の選択的PPARαアゴニスト-選択的PPARαモジュレーター:ペマフィブラートがベージュ脂肪細胞に与える影響とは?
4.4 ペマフィブラートによる転写補因子を介した転写調節機構の解析
4.5 PPARαの合成リガンドによる活性化は熱産生脂肪細胞の抗肥満治療へ繋がる可能性を持つ
5 脱アシル化酵素SIRT7はエネルギーの無駄遣いにブレーキをかける
5.1 はじめに
5.2 褐色脂肪細胞におけるSIRT7の欠損は熱産生とエネルギー消費を亢進させる
5.3 SIRT7が欠損すると低代謝状態において熱産生とエネルギー消費を抑えることができない
5.4 SIRT7は複数の経路でエネルギー消費と熱産生を抑制している
5.5 SIRT7によるIMP2の脱アセチル化がUcp1 mRNAの翻訳を抑える
5.6 おわりに
6 フラビン依存性ヒストン脱メチル化酵素による脂肪細胞制御
6.1 はじめに
6.2 H3K4メチル化による遺伝子発現制御
6.3 フラビン依存性ヒストン脱メチル化酵素
6.4 LSD1による脂肪細胞制御
6.5 LSD1による骨格筋の代謝・線維型可塑性の制御
6.6 LSD2による脂肪細胞制御
6.7 おわりに
7 褐色脂肪細胞の脂肪滴形態を制御するメカニズムとオートファジー
7.1 脂肪細胞の脂肪滴形態と機能
7.2 Cideファミリーの同定と各発現臓器における機能
7.3 白色脂肪細胞の単房性脂肪滴形成を担うFSP27
7.4 FSP27βの同定と褐色脂肪細胞の多房性脂肪滴形成への役割
7.5 ヒトの疾患とCideファミリー
7.6 脂肪細胞の脂肪滴形態を制御するFSP27とオートファジー
7.7 今後の展望

第4章 褐色脂肪組織の機能制御に関わる臓器連関
1 肝臓と脳の臓器連関を介した代謝調節
1.1 はじめに
1.2 エネルギー消費を規定する褐色脂肪組織(BAT)
1.3 神経を介してBATを制御する肝―脳臓器連関
1.4 液性因子を介してBATを制御する肝―脳臓器連関
1.5 最後に
2 抗酸化分泌タンパク質セレノプロテインPによる褐色脂肪熱産生制御
2.1 はじめに
2.2 レドックスと熱産生
2.3 抗酸化分泌タンパク質セレノプロテインPと還元ストレス
2.4 褐色脂肪組織におけるセレノプロテインP作用
2.5 今後の展開 ―SePによる還元ストレスワールドの解明に向けて―

第5章 褐色脂肪組織の機能制御に関わる代謝産物
1 褐色脂肪細胞,ベージュ脂肪細胞の機能を制御する代謝経路
1.1 はじめに
1.2 脂肪組織の褐色化を制御する代謝経路の探索
1.3 おわりに
2 褐色脂肪組織の機能制御における分岐鎖アミノ酸の役割
2.1 はじめに
2.2 BCAA代謝とインスリン抵抗性の因果関係に関する論争
2.3 BATの生理機能と基質選択性
2.4 BATにおけるBCAA酸化分解
2.5 ミトコンドリアBCAAトランスポーター
2.6 BCAA代謝と心理的ストレス性発熱
2.7 おわりに
3 腸内細菌による褐色脂肪組織の機能制御
3.1 はじめに
3.2 腸内細菌はBATのBCAA代謝と関連する
3.3 Bacteroides菌は肥満で低下したBATのBCAA代謝を改善させる
3.4 BATの炎症がBATのBCAA代謝を制御する
3.5 上記研究のまとめと課題
3.6 腸内細菌とUCP1
3.7 腸内細菌制御によるBATの熱産生亢進を介した抗肥満治療の課題

第6章 褐色脂肪組織の老化
1 熱産生脂肪細胞と老化の影響
1.1 熱産生脂肪細胞
1.2 熱産生脂肪細胞の分化制御機構
1.3 熱産生脂肪細胞の維持機構
1.4 熱産生脂肪細胞の生理的機能
1.5 新規同定されたベージュ脂肪細胞のサブタイプ
1.6 熱産生機構について
1.7 熱産生脂肪細胞と老化
1.8 抗加齢治療の可能性について
1.9 老化ミトコンドリアの制御分子Bola3
2 褐色脂肪組織の加齢変化と運動
2.1 加齢によるBATの白色化
2.2 加齢によるBATの熱産生機能の低下
2.3 齢によるBATの内分泌機能への影響
2.4 運動によるBATの再活性化の可能性
2.5 結論
3 褐色脂肪と心血管代謝性疾患
3.1 はじめに
3.2 肥満時に褐色脂肪不全が生じるメカニズム
3.3 心不全時に褐色脂肪不全が生じるメカニズム
3.4 老化と褐色脂肪の関連
3.5 まとめ

第7章 褐色脂肪組織が関与する新たな病態,組織修復
1 心理ストレス性褐色脂肪熱産生の中枢回路機構
1.1 ストレスとは何か?
1.2 ストレスによって起こる身体反応
1.3 体温調節に関わる褐色脂肪組織
1.4 褐色脂肪熱産生の制御は脳で行われる
1.5 心理ストレスは心因性発熱の原因となる
1.6 心理ストレスは延髄縫線核(rMR)の交感神経プレモーターニューロンを活性化する
1.7 DMH→rMR神経路の活性化は褐色脂肪熱産生を惹起する
1.8 腹側前頭前皮質の神経細胞群はストレス性褐色脂肪熱産生を惹起する
1.9 DP/DTT→DMH神経路の活性化はストレス性交感神経反応を惹起する
1.10 心理ストレスによる恒常的な交感神経活性化は様々な疾患を引き起こす
2 血管周囲脂肪組織のベージュ化による褐色脂肪機能と血管組織修復
2.1 血管構造とPVAT
2.2 PVAT脂肪細胞の形態的・分子発現的特徴と褐色脂肪機能
2.3 PVATの生理学的意義,炎症
2.4 PVATにおける血管傷害への応答
2.5 今後の展望
3 がんにおける脂肪組織活性化の意義
3.1 はじめに
3.2 白色脂肪組織の褐色化とがん悪液質
3.3 寒冷刺激による抗がん効果

【第Ⅱ編(応用動向)】
第1章 褐色脂肪細胞の活性化成分の探索
1 食品成分による褐色脂肪組織の活性化作用と肥満予防
1.1 食事誘発性熱産生(DIT)
1.2 マクロニュートリエントバランスが適応的DITに与える影響
1.3 寒冷誘導熱産生(CIT)
1.4 食品成分がTRPを介して褐色脂肪に与える影響
2 ミツバチ産品プロポリスによる肥満・糖尿病予防と褐色脂肪細胞化の誘導
2.1 はじめに
2.2 プロポリスの定義と起源植物
2.3 プロポリスと肥満・糖尿病予防
2.4 ブラジル産グリーンプロポリスの成分と脂肪細胞機能
2.5 おわりに
3 カプシノイドの褐色脂肪活性化作用とヒトでのエネルギー代謝に対する効果
3.1 はじめに
3.2 カプサイシンとカプシノイド
3.3 カプシノイドの作用メカニズムと安全性
3.4 カプシノイド摂取によるBATを介したエネルギー消費の上昇効果
3.5 カプシノイドの継続摂取によるBAT誘導効果
3.6 カプシノイド摂取の身体機能に対する効果
3.7 まとめ
4 茶カテキンの褐色脂肪活性化作用
4.1 はじめに
4.2 茶に含まれるカテキン類とその生理的効果
4.3 茶カテキンによる褐色脂肪活性化
4.4 臨床研究における茶カテキンによる褐色脂肪活性化効果

第2章 褐色脂肪細胞の人工作製技術の開発
1 ヒトiPS細胞からの褐色脂肪細胞の作製技術と利用
1.1 はじめに
1.2 iPS細胞研究のいま
1.3 BAは肥満症治療の標的として期待されている
1.4 ヒトiPS細胞からのBAの分化誘導技術
1.5 ヒトiPS細胞由来BAの利用
1.6 おわりに
2 低分子化合物によるヒト褐色脂肪細胞の誘導とその応用
2.1 肥満と褐色脂肪細胞
2.2 ヒト褐色脂肪細胞と代謝疾患の予防
2.3 低分子化合物を用いたヒト褐色脂肪細胞の誘導
2.4 ciBAの網羅的な遺伝子発現解析と間葉系幹細胞由来脂肪細胞との比較
2.5 カプサイシンによるciBAの直接的な褐色化効果
2.6 ミトコンドリア膜電位を介したUCP1の発現フィードバック機構の解明
2.7 おわりに

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