目次
第1編 基礎編
第1章 乾燥の基礎
第1節 湿り空気の性質 〈立元 雄治〉
1.湿り空気の諸性質
2.湿度図表
第2節 熱,物質移動現象 〈立元 雄治〉
1.はじめに
2.熱移動の基礎
3.物質移動の基礎
4.乾燥時の熱,物質収支
第3節 乾燥速度 〈立元 雄治〉
1.含液率
2.乾燥速度の定義
3.乾燥過程
4.定率乾燥速度
5.減率乾燥速度
6.乾燥速度の向上
第4節 水分拡散モデルによる乾燥機構と選択拡散機構 〈山本 修一〉
1.はじめに
2.選択拡散理論による揮発性成分の封じ込め
3.溶媒濃度依存性を有する拡散係数が支配する乾燥過程
第5節 溶媒多成分系の乾燥における基礎理論 〈吉田 正道〉
1.はじめに
2.多成分湿りガスの特性
3.乾燥過程における組成変化の定式化
4.多成分乾燥研究のショートレビュー
5.高分子膜からの不純物除去促進
第6節 乾燥機の種類と選定 〈中村 正秋〉
1.はじめに
2.材料の加熱方式による乾燥機の種類と選定
3.材料の供給方式による乾燥機の種類と選定
4.材料の形状で乾燥機を選ぶ
5.乾燥の目的で選ぶ
6.エネルギー効率や環境へ配慮して選ぶ
第2章 乾燥機の種類とメカニズム
第1節 熱風乾燥機 〈山本 修一/木原 康博/木原 利昌/木原 功一朗〉
1.はじめに
2.熱風乾燥機構
3.乾燥操作
4.棚段乾燥装置の効率改善
第2節 トンネル式乾燥機 〈丸山 勝之/武藤 貞保〉
1.トンネル式乾燥機とは
2.トンネル式乾燥機の種類と材料の移動方法
3.熱風の供給方法
4.バンド乾燥機
5.台車移動式乾燥機
6.おわりに
第3節 流動層乾燥機 〈山田 圭一〉
1.はじめに
2.流動層の原理
3.流動層乾燥機の特性
4.流動層乾燥機の選定条件と用途例
5.流動層乾燥機の装置設計
6.流動層乾燥機の応用例
7.おわりに
第4節 連続瞬間気流式乾燥機「フラッシュ・ジェット・ドライヤー」 〈林 潤/今泉 竜一〉
1.はじめに
2.構造と原理
3.運転管理
4.特 徴
5.乾燥事例
6.今後の展望
第5節 赤外線乾燥機 〈吉村 信也〉
1.はじめに
2.乾燥原理
3.赤外線乾燥機の紹介
4.赤外線乾燥機の応用・今後の展開
5.おわりに
第6節 波長制御乾燥システム 〈近藤 良夫/小牧 毅史〉
1.はじめに
2.従来型の赤外線加熱炉
3.近赤外線選択ヒーターの原理
4.空間構成と物理学的解釈
5.近赤外線選択による乾燥効果検証例
6.近赤外線選択ヒーターと加熱装置のスペック
7.今後の導入に向けて
8.赤外線乾燥過程に関する解析技術
9.おわりに
第7節 噴霧乾燥機 〈古田 武〉
1.はじめに
2.噴霧乾燥装置の構成
3.乾燥塔内の液滴乾燥機構
4.噴霧乾燥による液状食品のマイクロカプセル化
5.噴霧乾燥粒子の構造と物理的特質
第8節 真空乾燥機「EVADRY(エバドライ)」 〈杉村 昌昭〉
1.真空乾燥機とは―真空乾燥の原理
2.真空乾燥の特徴
3.EVADRYの仕様
4.おわりに―環境への貢献と課題
第9節 凍結乾燥機 〈中川 究也〉
1.凍結乾燥とは
2.凍結乾燥の原理と現象
3.凍結乾燥機の概要とオペレーション
4.凍結乾燥の数理モデル
5.常圧凍結乾燥
第10節 高周波誘電加熱による乾燥 〈山本 泰司〉
1.はじめに
2.高周波誘電加熱による乾燥
3.高周波乾燥装置の概略
4.高周波乾燥の応用例
5.高周波乾燥装置の開発動向
第11節 マイクロ波を利用した乾燥技術 〈和田 直之〉
1.マイクロ波加熱の特徴
2.マイクロ波による乾燥
第12節 超臨界乾燥 〈後藤 元信〉
1.超臨界流体とは
2.エアロゲルの調製
3.半導体デバイスへ超臨界乾燥の応用
第13節 電気浸透脱水機 〈加藤 宏行〉
1.はじめに
2.脱水の原理
3.回転ドラム式電気浸透脱水機
4.おわりに
第14節 UV硬化 〈本田 晴彦〉
1.UV硬化とは
2.UV硬化樹脂の構成要素
3.UV硬化樹脂の硬化の仕組み
4.UV硬化のメリット
5.UV硬化に使用する紫外線波長
6.UV硬化の工程
7.UV硬化と組み合わせる技術
8.UV硬化装置―UV 硬化装置の選定―
9.UV安全管理―UV 作業時の装備・服装など安全対策について―
第15節 伝導伝熱乾燥機 〈佐藤 澄人〉
1.はじめに
2.水蒸気管付回転乾燥機
3.溝形撹拌乾燥機
4.適用例
第16節 機能複合型乾燥機
第1項 ろ過・乾燥 〈竹井 一剛〉
1.ろ過乾燥機の適用分野
2.ろ過乾燥機の基礎理論
3.ろ過乾燥機の特長
4.ろ過乾燥機の性能比較と選定方法
5.フィルタードライヤの高機能化技術
第2項 造粒工程にかかわる乾燥技術 〈吉原 伊知郎〉
1.はじめに
2.造粒技術の俯瞰
3.乾燥を伴う造粒工程
4.次工程の要求事項に基づいた乾燥工程における適切な「原理の選択」と「機種選定」
5.複合化造粒機といわれる分野
6.液体バインダーを使って造粒した湿潤粒子の「乾燥装置の要求事項」
―撹拌造粒,押出造粒,転動造粒で造粒した,表面が湿った造粒品―
7.おわりに
第3章 乾燥の評価・計測・解析
第1節 カールフィッシャー法による微量水分測定 〈寺田 達士〉
1.はじめに
2.カールフィッシャー法の特徴
3.カールフィッシャー法の測定原理
4.水分測定の実例
5.測定上の注意事項
第2節 ガラス転移温度と水分活性 〈望月 匠峰/川井 清司〉
1.はじめに
2.ガラス転移
3.Tgの決定
4.Tgの水分含量依存性
5.Tg曲線と水分収着等温線
6.組成が複雑な材料のTg
第3節 食品成分中の水の分析へのNMRの応用 〈小島 登貴子〉
1.はじめに
2.ゆで麺の水分分布測定におけるNMRおよびMRIの応用
3.NMRによる乾燥工程中の麺の状態分析
4.おわりに
第4節 スラリー薄膜乾燥過程のその場計測 〈鈴木 崇弘/津島 将司〉
1.はじめに
2.重量計測
3.可視化計測
4.交流インピーダンス計測
5.おわりに
第5節 熱分解GC-MSとラミノグラフィによる乾燥プロセスの評価 〈末広 省吾〉
1.はじめに
2.バインダー樹脂偏析状態の分析
3.ラミノグラフィによるスラリー乾燥過程の観察
4.おわりに
第6節 ウェット塗布膜乾燥過程の評価技術 〈山村 方人〉
1.はじめに
2.乾燥過程のin-situ計測法
3.おわりに
第2編 応用編
第1章 木 材
第1節 木材乾燥の意義と近年の動向 〈藤本 登留〉
1.木材乾燥の意義
2.木材乾燥の近年の動向
第2節 木製品の含水率 〈松元 浩〉
1.国内の含水率基準
2.海外の木質製品の規格
3.おわりに
第3節 木材の乾燥装置 〈河崎 弥生〉
1.乾燥方法および装置の歴史
2.利用状況からみた木材乾燥装置の分類
3.技術的な面からみた木材乾燥装置の分類
4.乾燥装置の基本仕様
5.乾燥装置の種類
6.乾燥設備費
7.乾燥装置の点検
8.乾燥設備の関連法規
第2章 ポストハーベスト
第1節 穀物の含水率・水分 〈小出 章二〉
1.はじめに
2.水分の測定法
3.含水率の計算法
4.平衡含水率
5.おわりに
第2節 乾燥ストレスによる葉菜の栄養・機能性成分の増強 〈小山 竜平/宇野 雄一〉
1.環境制御技術と機能性野菜栽培の可能性
2.乾燥をはじめとする環境ストレスに対する植物の応答
3.乾燥ストレスを利用した機能性強化栽培技術
4.今後の展望
第3節 ハーブの乾燥方法による香気変化 〈野口 有里紗〉
1.ハーブの利用と保存における乾燥
2.バジル
3.ミント
4.まとめ
第3章 食 品
第1節 食品工業における乾燥技術 〈古田 武〉
1.はじめに
2.材料の含水率,水分活性および水分移動
3.乾燥特性と乾燥機構
4.乾燥速度の推算法
5.連続式熱風乾燥装置の容量計算
6.乾燥機の特徴と選定
第2節 噴霧乾燥による機能性食品粉末の作製 〈吉井 英文〉
1.はじめに
2.噴霧乾燥による粉末作製
3.噴霧乾燥機を用いたフレーバー粉末の作製
4.シクロデキストリン(CD)を用いたフレーバー粉末の作製
5.噴霧乾燥フレーバー粉末からのフレーバー徐放
6.まとめ
第3節 食品素材の凍結乾燥 〈中川 究也〉
1.凍結乾燥食品(フリーズドライ食品)の動向
2.食品の形態と凍結乾燥
3.固形食品の凍結乾燥
4.液状食品の凍結乾燥
5.食品機能性成分と凍結乾燥
6.常圧凍結乾燥の適用
第4節 食品モデルの赤外線乾燥 〈橋本 篤〉
1.はじめに
2.赤外線加熱
3.赤外線乾燥の特徴
4.食品の赤外線乾燥
5.おわりに
第5節 インスタントコーヒー製造における乾燥技術 〈奥田 知晴〉
1.はじめに
2.インスタントコーヒーの製造工程
3.インスタントコーヒー製造における乾燥技術
第6節 乾燥条件の違いによる原木乾シイタケの各種成分含量の変化 〈福島(作野) えみ〉
1.はじめに
2.乾燥によるトレハロース含量の変化
3.低温乾燥法
4.おわりに
第7節 過熱水蒸気による小豆あんおよびおからの乾燥
〈丹羽 昭夫/玉川 友理/森川 豊/藤井 正人/戸谷 精一〉
1.概 要
2.はじめに
3.実験方法
4.実験結果および考察
5.おわりに
第8節 水蒸気加熱処理を用いた乾燥食品の製造法 〈山﨑 慎也〉
1.はじめに
2.水蒸気加熱処理による高品質なドライフルーツの開発
3.おわりに
第9節 フリーズドライによるインスタント味噌汁の開発 〈畠中 和久〉
1.はじめに
2.FDの原理と濃厚溶液におけるトラブル
3.凍結工程の重要性
4.包装技術について
5.賞味期限の設定に関して
6.今後の課題について
7.おわりに
第10節 冷凍とマイクロ波減圧処理を組み合わせた新たな食品乾燥技術 〈安藤 泰雅〉
1.マイクロ波減圧乾燥の特徴と青果物材料への利用
2.凍結-マイクロ波減圧乾燥法の特徴
3.青果物材料への適用例
4.おわりに
第11節 野菜乾燥工程のメイラード反応の制御と速度論的設計 〈小西 靖之〉
1.はじめに
2.長ネギ乾燥工程
3.まとめ
第4章 医療・医薬品
第1節 凍結乾燥医薬品のプロセス設計 〈川崎 英典〉
1.はじめに
2.凍結乾燥医薬品の開発
3.おわりに
第2節 医薬品とワクチンの凍結保存と凍結乾燥 〈伊豆津 健一〉
1.はじめに
2.医薬品の保存安定性と凍結乾燥の選択
3.医薬品の凍結乾燥工程と効率改善の取り組み
4.タンパク質医薬品の凍結乾燥と添加剤の役割
5.リポソームなどの凍結乾燥
6.ワクチンの剤形と長期保存
7.医薬品とワクチンでの凍結保存の活用
第3節 凍結乾燥機のシステムメンテナンスとバリデーション 〈細見 博〉
1.はじめに
2.凍結乾燥機のシステムメンテナンスについて
3.凍結乾燥機のバリデーション
4.稼働性能適格性確認(PQ)での確認事項
5.おわりに
第4節 凍結乾燥のゲームチェンジャー撹拌式凍結乾燥機(RHEOFREED)
〈國谷 亮介/越智 俊輔/小川 智宏/岸 勇佑〉
1.はじめに
2.ペプチド・オリゴ核酸原薬製造における凍結乾燥の役割と課題
3.凍結乾燥のゲームチェンジャー撹拌式凍結乾燥機RHEOFREED
4.RHEOFREEDを使用した実験結果
5.まとめ
第5章 電 池
第1節 電池材料粉体における噴霧乾燥技術 〈根本 源太郎〉
1.はじめに
2.スプレードライヤについて
3.リチウム二次電池の乾燥造粒技術
4.おわりに
第2節 Li2FeSiO4/C複合材料の噴霧凍結乾燥合成 〈志田 賢二/松田 元秀〉
1.はじめに
2.噴霧凍結乾燥法によるLi2FeSiO4/C複合材料の合成
3.噴霧凍結乾燥法によるLi2FeSiO4/C複合材料の微細構造
4.噴霧凍結乾燥法によるLi2FeSiO4/C複合材料の充放電特性
5.おわりに
第3節 リチウムイオン電池正極材製造工程における減圧乾燥システム 〈鵜澤 茂久〉
1.はじめに
2.乾燥システム
3.乾燥機構
4.乾燥効率の向上
第6章 エレクトロニクス
第1節 半導体基板乾燥技術の過去・現在・未来 〈服部 毅〉
1.はじめに
2.半導体産業黎明期の半導体基板表面乾燥技術
3.ウォーターマーク対策としてのIPAべーパー乾燥やマランゴニ乾燥
4.枚葉スピン洗浄向けの乾燥
5.脆弱な構造の倒壊を抑止するIPA置換乾燥と究極の超臨界流体乾燥
6.まとめ―将来に向けた洗浄・乾燥の課題
第2節 セラミックス薄膜の乾燥収縮特性 〈板谷 義紀〉
1.はじめに
2.乾燥収縮挙動概要
3.セラミックス薄膜乾燥試験とモデリング
4.おわりに
第3節 有機EL用塗布型乾燥剤 〈白神 崇生〉
1.はじめに
2.OLEDにおける水分対策について
3.PM-OLEDにおける水分影響と乾燥剤の役割
4.乾燥剤の要求特性
5.OleDry-P10の紹介
6.まとめ
第7章 塗料・印刷インキ・ケミカル
第1節 重合トナーの乾燥 〈中村 正秋〉
1.はじめに
2.トナーの製造方法
3.重合トナーに使用される乾燥技術
4.重合トナーの乾燥に使用される乾燥機
5.おわりに
第2節 インクジェット液滴の乾燥挙動 〈上野 明〉
1.はじめに
2.インクジェット技術の特徴
3.インクジェット液滴の定着プロセス
4.乾燥による主な課題と対策
5.現象を直接観察する重要性
6.おわりに
第3節 液中乾燥法によるマイクロカプセルの調製 〈田口 佳成〉
1.液中乾燥法
2.芯物質の離脱防止
3.マイクロカプセルの内部構造
4.液中乾燥法によるマイクロカプセル調製の実施例
5.おわりに
第8章 公共事業(下水汚泥,コンクリート)
第1節 乾燥促進剤を用いた汚泥・高含水率物質の乾燥 〈小林 信介〉
1.はじめに
2.乾燥促進剤を用いた汚泥の乾燥
3.樹脂系乾燥促進剤の乾燥メカニズム
4.乾燥促進剤の効果
5.おわりに
第2節 汚泥脱水発酵システム 〈和田 光司〉
1.はじめに
2.汚泥脱水と乾燥技術の理論的背景
3.デルコンポ開発の経緯
4.デルコンポの乾燥技術
5.汚泥処理フロー
6.汚泥の標準処理量・仕様一覧
7.競合技術との比較
8.将来の展望
9.おわりに
第3節 液化ジメチルエーテルを利用する汚泥の高度乾燥と脱臭 〈神田 英輝〉
1.はじめに
2.液化ジメチルエーテル抽出法の概略
3.液化ジメチルエーテルによる汚泥脱水の例
4.おわりに
第4節 乾燥材齢182日までのコンクリートの乾燥収縮率の測定 〈佐竹 重則〉
1.はじめに
2.生コン工場の乾燥収縮率試験実例
3.生コン工場の乾燥収縮率試験結果実例
4.乾燥材齢182日までの乾燥収縮率に関するまとめ
5.おわりに