目次
序論 財満 鎭明
1. 次世代エレクトロニクス分野の課題と期待
2. 次世代結晶性半導体薄膜形成の課題
第1編 結晶性半導体ナノ薄膜の成膜と電子物性に関する物質科学
第1章 ヘテロエピタキシーの基礎 佐藤 勝昭
1. はじめに
2. エピタキシーとは何か
3. ヘテロエピタキシーと格子整合
4. 熱膨張係数差
5. 極性・無極性ヘテロ成長−アンチフェイズドメイン
6. 格子不整合がエピタキシャル成長に与える影響
7. 異種原子価ヘテロ成長−Ⅲ−Ⅴ族半導体基板上へのⅡ−Ⅵ族半導体層のエピタキシャル成長
8. 格子不整合度がある場合に転位を抑制する成長技術
9. 成長領域選択成長(マイクロチャネルエピタキシー)によるミスフィット転位の軽減
10. ナノワイヤ成長における臨界膜厚増大とナノワイヤを用いた縦型トランジスタの実現
11. おわりに
第2章 結晶性半導体エピタキシャル成長の量子論 押山 淳
1. ナノ成膜と量子論
2. エナージェティクスとダイナミクス
3. 密度汎関数理論による大規模・長時間計算
4. シリコン表面上の拡散・成長・酸化
5. 展望
第3章 CVD 法によるSiGe(C)系エピタキシャル成長における原子層成長制御と原子層ドーピング
1. はじめに
2. CVD 法によるSiGe(C)系エピタキシャル成長
3. SiGe(C)系原子層成長と原子層ドーピング
4. まとめ
第2編 ポストシリコン半導体ナノ薄膜結晶成長と構造電子物性制御
第1章 ワイドギャップ半導体SiC
第1節 省エネルギー半導体開発を先駆するSiC 開発の現状
1. はじめに
2. パワーエレクトロニクス革新の意義、重要性
3. ワイドギャップ半導体と電力変換器への効能
4. Si デバイスとSiC デバイスの違い
5. SiC 半導体パワーデバイス開発の現状
6. 薄膜形成技術としての今後の課題
7. まとめ
第2節 ワイドギャップ半導体の表面とエピタキシャル成長 北畠 真
1. はじめに
2. SiC の結晶多形
3. SiC の表面構造とエピタキシャル成長
4. CVD エピタキシャル成長とδドープ層状構造
5. SiC − DioMOS デバイス
6. おわりに
第3節 CVD によるSiC のエピタキシャル成長メカニズム 石田 夕起
1. はじめに
2. SiC エピタキシャル成長の特徴
3. ステップフロー制御エピタキシー法
4. SiC におけるエピタキシャル成長の阻害メカニズム
5. まとめ
第4節 SiC デバイスプロセスにおける新規表面・界面改質技術
1. はじめに
2. SiC のMOS デバイス作製プロセス
3. POCl3 アニールによる界面準位および界面近傍酸化膜トラップの低減
4. SiO2/SiC 界面に導入した原子の化学結合状態
5. POCl3 アニールによるMOSFET 特性の改善
6. MOSFET 特性の温度依存性
7. まとめ
第2章 Ⅲ族−窒素物系半導体
第1節 窒化物半導体の特徴とデバイス動向 竹内 哲也
1. はじめに
2. 窒化物半導体の特徴
3. 窒化物半導体デバイスの動向
4. おわりに
第2節 窒化物半導体結晶工学と薄膜成長制御
1. 低温バッファ層によるGaN 単結晶薄膜成長
2. ELO 技術による転位の低減
3. GaN 薄膜成長における極性制御
4. 非極性面の薄膜成長
5. おわりに
第3章 Ⅳ族高移動度半導体Ge
第1節 Ge CMOS 開発におけるゲート酸化膜形成の界面制御 鳥海 明
1. はじめに
2. Ge の界面制御
3. MOSFET 技術
4. まとめ
第2節 ウエハボンディングによるGe − On − Insulator 基板の開発と界面制御
1. はじめに
2. GeOI 基板ウエハボンディング技術
3. GeOI 基板におけるGe/BOX 界面の原子的・化学的構造
4. GeOI 基板におけるGe/BOX 界面の電気的特性
5. 高キャリア移動度Ge(111)− OI 基板
6. 低界面準位密度GeOI 基板のためのAl2O3/SiO2 ハイブリッドBOX 層
7. まとめ
第3節 Ge エピタキシャル成長と薄膜構造制御 中塚 理
1. Ge 薄膜のエピタキシャル成長技術
2. ヘテロエピタキシャル成長と転位構造の制御
3. Ge 表面偏析の制御
4. 不純物偏析およびキャリア物性の制御
5. おわりに
第4章 Ⅲ−Ⅴ族化合物半導体
第1節 Ⅲ−Ⅴ族化合物半導体のナノ構造エピタキシャル成長機構
1. はじめに
2. MEE の成長プロセス
3. MEE 法による選択エピタキシャル成長
4. 微細構造に表れるファセット構造
5. As4 を用いたMEE 法によるGaAs(001)基板上へのドット構造成長
6. As2 を用いたMEE 法によるGaAs(001)基板上へのSAE
7. As4 を用いた(111)B 面上のGaAs のSAE
8. As2 を用いた(111)B 面上のGaAs のSAE
9. おわりに
第2節 テラヘルツエレクトロニクスにおけるInP 系化合物半導体バンドエンジニアリングと結晶成長制御 杉山 弘樹
1. はじめに
2. InP 系化合物半導体バンドエンジニアリングと結晶成長
3. InP 系HEMT におけるバンドエンジニアリングとエピタキシャル結晶成長
4. InP 系RTD におけるバンドエンジニアリングとエピタキシャル結晶成長
5. まとめ
第3節 MOCVD 法による化合物半導体のエピタキシャル成長とデバイス開発展望
1. はじめ
2. MOCVD 法エピタキシャル成長設備の概要
3. GaAs 系半導体結晶のMOCVD 法エピタキシャル成長とデバイス応用例
4. 今後のデバイス開発展望
第4節 次世代半導体としての化合物半導体のポテンシャルとデバイス開発の現状
1. Si プラットフォーム上のロジック用Ⅲ−Ⅴ MOSFET の必要性と課題
2. Si プラットフォーム上Ⅲ−Ⅴ MOSFET のチャネル材料と構造
3. Si プラットフォーム上Ⅲ−Ⅴ MOSFET 実現のための要素技術
4. Si プラットフォーム上Ⅲ−Ⅴ MOSFET の実例
5. まとめ
第5章 酸化物半導体
第1節 次世代半導体としての酸化物半導体の信頼性と可能性
1. はじめに
2. 酸化物半導体の歴史
3. 酸化物半導体の物性
4. 酸化物半導体の可能性 − ZnO を例として
5. 今後の展望
第2節 新規ワイドギャップ半導体・酸化ガリウムの成膜と物性およびMESFET 試作評価
1. はじめに
2. Ga2O3 の物性、特徴
3. 高品質単結晶Ga2O3 基板
4. Ga2O3 分子線エピタキシー(MBE)成長
5. Ga2O3 MESFET
6. まとめ、今後の展開
第3節 ワイドギャップ酸化物の界面機能開発 須崎 友文
1. はじめに
2. ペロブスカイト型酸化物の分極不連続界面
3. ワイドギャップ絶縁体界面を利用した仕事関数制御
4. 単純酸化物における極性面
5. まとめ
第6章 炭素系半導体
第1節 ダイヤモンド
1 ダイヤモンド構造電子物性と高性能デバイスの可能性
1. はじめに
2. 新たなヘテロ界面創出による二次元正孔ガスのキャリア密度および移動度の向上
3. FET 構造最適化による高耐圧、高周波、耐環境性能向上
4. 高濃度ボロンドープp 型層での超伝導を利用したダイヤモンド超伝導デバイス開発
2 n 型ダイヤモンドの創成とバンドエンジニアリング 小泉 聡
1. 半導体ダイヤモンド
2. n 型半導体ダイヤモンド研究の背景と動向
3. リンドープn 型ダイヤモンド薄膜の気相成長
4. リンドープn 型ダイヤモンド薄膜の電子物性
5. n 型ダイヤモンドを利用した半導体デバイス研究と今後の展開
3 ダイヤモンドの成膜性 伊藤 利道
1. はじめに
2. (001)基板におけるアンドープダイヤのホモエピ成長
3. (001)微斜面基板におけるアンドープダイヤのホモエピ成長
4. (001)微斜面基板上へのホモエピ成長により作製したダイヤ自立膜
5. ホウ素ドープダイヤのホモエピ成長
6. 窒素ドープダイヤのホモエピ成長
7. リンドープダイヤのホモエピ成長
8. 微斜面基板上にホモエピ成長した多層δリンドープ層
9. おわりに
4 ダイヤモンドのヘテロエピタキシャル成長と基板整合性 鈴木 一博
1. はじめに
2. 各種基板におけるエピタキシャルダイヤモンド成長
3. おわりに
5 低抵抗高濃度ドーピングと低損失デバイス開発
1. はじめに
2. ダイヤモンド半導体のドーピング
3. 金属との接触抵抗
4. ダイヤモンドの持つ特徴的な性質
5. 低抵抗高濃度ドーピング
6. 高濃度ドーピング層を直接利用したパワーデバイス開発
7. まとめ
第2節 グラフェン
1 グラフェンエレクトロニクスの可能性
1. CMOS 技術とグラフェン
2. グラフェン物性と電気特性
3. グラフェンFET 作製プロセス
4. グラフェンの諸課題
5. グラフェンのRF デバイス応用
6. おわりに
2 エピタキシャルグラフェンの電子状態
1. グラフェンの電子状態
2. SiC 基板上にエピタキシャル成長したグラフェン
3. 金属基板上でのエピタキシャルグラフェン
4. おわりに
3 デバイス展開に向けたグラフェン合成とプロセスの現状と課題 近藤 大雄
1. はじめに
2. グラフェン合成の進歩と現状
3. グラフェン合成における課題とデバイス化への展望
4. グラフェンデバイス実現に向けた課題と現状
5. 今後の展望
第3編 結晶成長・成膜法
第1章 ハイドライド気相成長法 〜 InN を事例として〜
1. はじめに
2. 窒化物半導体結晶HVPE 成長の熱力学解析
3. InN のHVPE 成長
4. 前駆体二段階生成HVPE によるInN 成長
5. おわりに
第2章 Na フラックス法によるGaN 結晶育成技術
1. はじめに
2. Na フラックス法によるGaN 結晶育成技術
3. まとめ
第3章 固体ソース溶液成長法 〜 AlN 単結晶成膜を事例として〜 寒川 義裕
1. 窒化アルミニウム(AlN)自立基板の必要性
2. 窒化物半導体の結晶成長機構
3. 固体ソースAlN 溶液成長法の開発
4. 自然核形成AlN 種結晶を用いた固体ソースAlN 溶液成長
5. 固体ソースAlN 溶液成長法の展開
第4章 溶液法によるSiC 結晶成長法 〜 SiC を事例として〜
1. はじめに
2. SiC 溶液成長法
3. SiC 溶液成長の現状
4. おわりに
第4編 評価・解析
第1章 結晶性半導体薄膜および異相界面の構造物性評価技術
第1節 半導体薄膜およびヘテロ界面の原子構造評価 〜 SiC を例に〜
1. はじめに
2. SiC エピタキシャル膜/ 基板界面、pn 界面における基底面転位の挙動
3. エピタキシャル薄膜層/ 基板界面近傍のミスフィット転位の高分解能電子顕微鏡観察
4. イオン注入で形成した二次欠陥の高分解能電子顕微鏡観察
5. オーム性電極/ エピタキシャル層界面の原子構造観察
6. まとめ
第2節 計算科学に基づく半導体ナノ界面構造と電子物性の評価
1. はじめに
2. 理論計算の概要
3. 偏析層によるSBH の変調
4. 界面乱れによるSBH の変調
5. おわりに
第3節 ナノ電子デバイスの動作下における電子状態の直接観測法の開発
1. はじめに
2. 実験
3. 結果および考察
4. まとめ
第2章 電子分光学的評価研究
第1節 半導体表面構造・電荷分布の原子スケール解析を実現する走査プローブ顕微鏡
1. はじめに
2. 走査型トンネル顕微鏡(STM; Scanning Tunneling Microscope)
3. 非接触型原子間力顕微鏡(NC − AFM;Noncontact Atomic Force Microscope)
4. ケルビン力顕微鏡(KPFM;Kelvin Probe Force Microscope)
5. ルチル型二酸化チタン(110)表面
6. 二酸化チタン表面のSTM 観察
7. 二酸化チタン表面のNC − AFM 観察
8. 二酸化チタン表面のKPFM 解析
9. おわりに
第2節 光電子分光法による仕事関数とバンドアライメント評価 吉武 道子
1. はじめに
2. 仕事関数評価のご利益
3. 光電子放出と仕事関数
4. 光電子放出とバンドアライメント
5. おわりに
第3節 反射高速電子回折鏡面反射スポットの強度測定に基づく結晶成長過程の観測
1. RO の観測と成長機構
2. 電子線回折の理論の概要
3. RO の機構
4. おわりに
第3章 薄膜・界面の量子論・計算科学的評価解析研究
第1節 ボンドエンジニアリングによる半導体表面状態図の予測と考察
1. はじめに
2. 計算方法
3. GaAs 表面構造
4. InAs ぬれ層表面構造
5. GaN 表面構造
6. おわりに
第2節 酸化シリコン基板上転写グラフェンの量子界面解析と電子物性
1. はじめに
2. 計算手法
3. SiO2 上のグラフェンの物性
4. HfO2 上のグラフェン
5. まとめ
第5編 結び 〜次世代半導体が拓くエレクトロニクス展望〜
1. 多様化し高度化する半導体材料への要求
2. 異種材料の界面制御に基づく新世代エレクトロニクス