近年、ICT及び産業・社会インフラのスマート化・ワイヤレス化、電子デバイスの短小化・微細化、ビックデータ活用の波に乗り、これらを集約させた技術大系である「IoT(Internet of things)/IoE(Internet of Everything)」は次世代技術の寵児として衆目を集めている。
本調査報告書(白書)は、IoT/IoE/M2Mやビッグデータなどのイノベーティブな技術によって生み出される先進ソリューション、国内及びグローバル市場、多元的な利用可能性、規格化・標準化、その他最新動向及び近未来シナリオについて、学際的なアプローチで分析・考察を加え、総合的に解説したものである。
内容編成(目次)
序
第1章 IoT/M2M概説
1-1 IoTの概念・コンセプト
[1] IoT
[2] M2M(マシン・ツー・マシン)
[3] ビジョナリーサービスとしてのIoT/M2M
[4] IoTの適用場所
[5] IoTの発展で形成される製品群・サービス群
[6] IoTがもたらすビジネスの可能性
[7] IoT/M2Mサービスの需要母体・供給モード
1-2 IoTと関連性の深い先進プラットフォーム技術
[1] ビッグデータ
[2] 並列処理基盤/並列処理フレームワーク
[3] エッジコンピューティング
[4] フォグ(霧)コンピューティング
[5] ビジネス・アナリティクス
[6] 仮想移動体通信事業者(MVNO)
1-3 IoT/M2Mの関連技術
[1] センサー/スマートセンサー/センサーフュージョン
[2] Bluetooth
[3] BeagleBoard(ビーグルボード)
[4] SoC/Intel Quark(インテルクォーク)
[5] Intel edison
1-4 IoT時代に対応した情報政策
[1] 経済産業省 産業構造審議会
[2] IoT育成基金
第2章 IoTの基本構造/フレームワーク
2-1 IoTの構造
[1] IoT (Internet of Things)の基本構造
[2] ハードウェアの価値を再定義するIoT
[3] マシンやデバイスが知恵を持つ“IoT 2.0”
[4] 10倍効果("10x effect")
[5] インターネット3.0/デバイス・ファーストが促進するIoTの進化
[6] IOE(Internet of Everything)
[7] インターネット・オブ・アビリティーズ(IoA)
[8] モバイルアドホックネットワーク
2-2 IoTの動作環境/ネットワーク環境
[1] グローバルなアドレスを振る方法
[2] IEEE802.15.4
[3] 6LoWPAN(通信プロトコル)
[4] ZigBee(無線通信プロトコル)
2-3 IoTの無線通信仕様
[1] IoTの無線通信仕様概説
[2] 920MHz帯無線(サブギガ帯無線)
[3] 2.4GHz帯
[4] 世界標準規格(IEEE802.15.4とIEEE802.15.4g/e)
[5] ワイヤレスセンサーネットワーク(WSN)構築に必須となる無線モジュール
2-4 IoTセキュリティ
2-5 スマートバッテリー
第3章 IoT/M2Mの規格・標準化動向[1]
3-1 IoT/M2Mの規格
3-2 IoT/M2M事業発展の鍵を握る標準化
[1] 規格競争で火花を散らすIT/家電大手
[2] スマート家電開発用プラットフォーム制御用国際通信規格
[3] M2M標準化の経緯
[4] M2Mの基本技術領域と標準化課題
[5] 通信に関するM2M標準化
3-3 IoT/M2Mの主な標準化団体/フォーラムの活動状況
[1] OIC(Open Interconnect Consortium)
[2] 3GPP
[3] ETSI
[4] IETF
[5] ITU-T
[6] JTC1(ISOIEC/IoT関連WG)
[7] FCC(米連邦通信委員会)
[8] ZigBee(無線センサネットワーク用プロトコル)
[9] IP500 Alliance(インターネット回線センサーネットワーク無線通信規格)
[10] oneM2M(M2M向けサービスレイヤ標準化)
[11] TSN(産業・自動車用途向けEthernet AVB拡張規格)
[12] 6LoWPAN(ワイヤレス・メッシュ・ネットワーク)
[13] MQTT(MQ Telemetry Transport)
[14] 情報処理学会 情報規格調査会 「WG10(Internet of Things)」
3-4 標準化活動間の連携
3-5 非電気通信業界のM2M標準化
第4章 IoT/M2Mの規格・標準化動向[2]
4-1 スマートハウス/スマートメータ/HA用国際標準通信規格
[1] Wi-SUN Profile for ECHONET Lite
[2] Wi-SUN/Wi-SUN HAN
[3] Thread(Nest Labs・ホームオートメーション向けプロトコル)
[4] JEM-A(スマートハウス、HEMS通信規格)
4-2 スマートデバイス制御規格
[1] CSRmesh(Bluetooth Smart対応スマートデバイス制御規格)
4-3 IoT関連機器連携フレームワーク/ガイドライン
[1] AllJoyn
[2] Smart Objects Guideline
[3] HyperCat
[4] HomeKit/HalthKit(iOS・機器連携フレームワーク)
第5章 IoT/M2M関連コンソーシアム
5-1 Open Interconnect Consortium
5-2 AllSeen Alliance
5-3 欧州委員会 eCo-FEV(efficient Cooperative infrastructure for Fully Electric Vehicles)
5-4 ビッグデータ・オープンデータ活用推進協議会
5-5 情報処理学会 「ビッグデータ活用フォーラム」
5-6 次世代医療ICT基盤協議会
5-7 農業データ交換・システム規格統一に関する協議会
5-8 京都未来交通イノベーション研究機構
5-9 IIJ他 「データエクスチェンジ・コンソーシアム」
5-10 LOHACOECマーケティングラボ
5-11 セブン&アイグループ 「オムニチャネルプロジェクト」
5-12 オプトグループ 「オプトデータサイエンスラボ」
5-13 全脳アーキテクチャ勉強会
第6章 IoTによるビジネス構成/ビジネスモデル論
6-1 ハードウェアとサービス結合による価値の再定義
6-2 ビジネス全体の構成力が試されるIoT
6-3 センサーネットワーク(WSN)とIoT/M2M
6-4 IoEが形成する膨大なデータ資産・経済価値
6-5 センサーネットワーク基盤とビジネスモデル覇権争い
6-6 IoTとビッグデータの結合
第7章 IoTと製造業イノベーション
7-1 インダストリ4.0とIoT
[1] 工場そのものをスマート化するインダストリー4.0
[2] IoT/IoS/M2Mとビッグデータの結合
[3] Industry4.0を実現するための4つの課題
[4] ビッグデータ活用による製造イノベーション
7-2 次世代自動車とIoT
7-3 オフィス機器イノベーションとIoT
第8章 M2Mによるビジネス構成/ビジネスモデル論
8-1 M2Mの概念・コンセプト
8-2 M2Mシステムの活用分野・適用対象
8-3 M2Mから派生する新しいビジネス形態
8-4 M2Mシステムを実現するための技術的要素
[1] M2Mデバイス
[2] ネットワーク/通信プロトコル
[3] マシンデータ集約技術/M2M専用クラウド
[4] マシンデータ分析/アプリケーション
[5] M2Mエコシステム
8-5 問われるM2Mシステムの企画・構想力
第9章 IoT/M2M市場概況・市場展望
9-1 IoT/M2M市場概況・市場展望
[1] IDC
[2] 野村総合研究所
[3] M2M通信モジュールの国内出荷動向
9-2 調査会社分析/シンクタンク予測
[1] ガートナーグループ
[2] 野村総合研究所
[3] 矢野経済研究所
[4] ROA Holdings
9-3 IoT/M2Mの今後の展開予測
[1] グローバルに展開するM2M需要
[2] IoT/M2M政策需要
[3] IoT/M2M企業需要
[4] IoT/M2M消費者需要
[5] IoT/M2M通信インフラ高度化需要
[6] IoT/M2Mサービス需要
第10章 IoT/M2Mを巡る業界動向
10-1 概説
10-2 IoT/M2Mの業界別動向
[1] 製造/ロボット業界
[2] システムインテグレーション業界
[3] 通信業界
[4] 情報サービス業界
[5] 半導体業界
[6] 医療業界
[7] ヘルスケア業界
[8] 介護業界
[9] 家電業界
[10] 交通関連業界
[11] 物流/通信販売業界
[12] 防犯/セキュリティ業界
[13] 防災業界
[14] 農業/林業
第11章 IoT/M2Mインプリケーション
11-1 IoTインプリケーション/IoTが抱える課題
[1] レガシーと新規の円滑な接続、統合化
[2] ビッグデータ解析技術の基盤確立あってのIoT
[3] IoTビジネス収益化に向けた障壁
[4] 相互接続性とプラットフォーム課題
[5] インターネットの不安定性・輻輳問題
[6] IoTのセキュリティ/プライバシー問題
11-2 M2Mインプリケーション/M2Mが抱える課題
第12章 IoT/M2M先進技術・先端技術の研究開発動向
12-1 IoTと機械学習、人工知能の結合
12-2 非接触充電で実現するIoT拡張
[1] ワイヤレス給電 概況・近況
[2] EV用の非接触給電装置に関する実証実験動向
[3] ワイヤレス給電の標準仕様
[4] 非接触給電に規格「J2954」の基本案・規格化進捗状況
[5] ワイヤレス給電参入企業動向
12-3 加速度センサー技術
[1] 加速度センサー技術概説
[2] 加速度センサー端末向け超低電力IoTチップ
12-4 音声認識や視線の分析技術
第13章 スマートグリッドの潮流とIoT
13-1 エネルギーマネジメントシステムと結合するIoT
13-2 M2M/センサーネットワークの導入・活用事例
[1] 大成建設
[2] 日立コンサルティング
[3] NEC
[4] コクヨ
13-3 M2Mネットワークによる送信電力の最適制御
13-4 IoTで実現する電力見える化サービス
13-5 M2M通信技術によるベストミックスエネルギー
第14章 スマートシティクラウド/M2Mクラウド
14-1 スマートシティクラウドとM2Mクラウド概説
[1] スマートシティの定義
[2] スマートシティクラウド 概況・近況
[3] スマートシティクラウドに取り組むITサービス大手
[4] M2Mクラウド 概況・近況
14-2 スマートシティとテレマティックス、M2Mクラウドの融合
[1] ITS/テレマティクスの進化を支える交通クラウド・M2Mクラウド
14-3 テレマティクス関連のビジネス・専業ビジネス動向
[1] 次世代テレマティクスの急速な発展を促進する次世代緊急通報システム
[2] 交通クラウド基盤の拡張・整備とテレマティックスビジネスの進展
[3] 次世代型モビリティ・プラットフォームと交通クラウド
[4] スマートハウスとスマートシティを媒介する次世代テレマティクス
14-4 動き出すM2M志向のプラットフォームサービス
[1] 富士通 「コンバージェンスサービス」
[2] NEC M2Mサービスプラットフォーム「CONNEXIVE」
[3] NTTデータ 「M2Mプラットフォーム 「Xrosscloudマルチデバイス・アプリケーションプラットフォーム(CoreStage)」」
14-5 M2Mクラウド上で実現できる集合型アプリケーション
[1] 個別最適型クラウドからITインフラ志向・ビッグデータ共有・アプリ集合型クラウドへ
14-6 M2Mクラウドを使ったスマートシティ関連の実装・実証実験
[1] 国際競争力を左右するほどの影響力を持つM2Mクラウド
[2] NEC/中国 「物聯網(ウーレンワン)」プロジェクト
[3] 日立製作所/米国 「離島型スマートグリッド実証事業」
第15章 ウェアラブルデバイスと先進IoTソリューション
15-1 ビッグデータ解析で活性化するウエアラブル・ソリューション
[1] ビッグデータと結合したウエアラブル技術
[2] ウェアラブルデバイスを介したユーザーのライフログ分析
[3] 動くセンサネットワークとしてのウェアラブルデバイス
[4] ウェアラブルデバイスとビッグデータの結合でもたらされるソリューション
15-2 センサー服型デバイスによる先進IoTソリューション
第16章 次世代自動車とIoT/M2M
16-1 次世代自動車の現況と自動車産業にもたらす構造変化
[1] 次世代自動車の競争軸は“車両・制御系+交通・情報系”へ
[2] 先進モビリティ・プラットフォームの台頭と“自動車時代”の終焉
[3] ビッグデータ連携による次世代自動車関連サービス
16-2 自動運転システムの概況・近況
[1] 産業・社会を一変させる自律走行・自動運転システム
[2] SAEで議論中の自動運転車の定義
[3] 自律走行・自動運転システムとITSの結合
16-3 日本政府が掲げる成長戦略と自動走行の具体的な将来像
[1] 総合科学技術会議主導による府省横断型の自動運転システム研究開発
[2] 国土交通省:自動走行実現に向けた工程表骨子案
[3] 経済産業省:運転支援システムの高度化計画
16-4 複合化・高度化する自動運転のシステム構成
[1] ロボット、センサーとの統合
16-5 自律走行・自動運転システムの新規アイデア、新発想
[1] ロボティクス指向で開発が進む無人・自律型の建機、大型輸送トラック
[2] 建機の自律走行車動向
16-6 次世代自動車と衝突回避・事故防止システム
[1] 車両間(V2V:Vehicle-to- Vehicle)通信技術による事故防止機能
[2] 衝突回避回避システム
[3] 緊急操舵回避支援システム
[4] 異常検知・警告・ドライバモニタリングシステム
[5] ペダル踏み間違いによる暴走事故防止システム
[6] 福祉車両向け衝突回避システム
16-7 衝突被害軽減ブレーキ
[1] 衝突被害軽減ブレーキ概説
[2] 衝突被害軽減ブレーキの効果とそれに対する評価
[3] ミリ波レーダーによる運転支援システム
16-8 車載コンピュータによる車両制御
[1] 日産 自動運転機能を装備した車載コンピュータによる車両制御
[2] 日産 単眼カメラを用いる自動ブレーキ機能「エマージェンシーブレーキ」
第17章 次世代ロボットとIoT
17-1 進化を続ける次世代ロボット
[1] IoT、スマートデバイス、ビッグデータの統合体としての次世代ロボット
[2] センサー・ネットワーク型社会の進展と次世代ロボット
[3] IoTが促すロボットの空間知能化
17-2 次世代ロボットの産業促進政策とIoT/インテリジェントセンサー
[1] 技術強化策
[2] 基本的な機械技術の更なるドリルダウン
[3] ロボット材料技術のイノベーション
[4] メカトロ的最適化とコントローラ・制御技術の発展
[5] インテリジェントセンサの導入・活用促進
[6] フレキシブルエンドエフェクタの導入・活用促進
[7] 次世代ロボットに適用可能なオープンプログラミングツールの促進
[8] 安全対策に関する規制緩和
17-3 社会インフラ、ビッグデータを活用した次世代ロボットの展望
[1] 社会インフラの最適化と結合する次世代ロボットの展望
[2] 関係強化が進む社会システムとビッグデータ・ソリューション
[3] 都市活動のセンシング(観測・感知)とビッグデータ系ソフトウェアによる制御
[4] 都市のエネルギー危機管理とビッグデータ活用
[5] 環境データと生体データのビッグデータ活用による次世代ロボット
17-4 スマートロボティックスの潮流とIoT
[1] スマートロボット/スマートロボティックスとIoT
[2] スマートモビリティロボットとITS
[3] カーロボティクスとIoT
[4] 拡張現実とウェアラブルデバイスを用いた被災者支援ロボット
[5] 次世代レスキューロボットの可能性
[6] 拡張現実とウェアラブルデバイスを用いた被災者支援ロボット
17-5 資源探索ロボット
[1] 深海資源探索ロボット
[2] 自律型海中ロボット(AUV)
17-6 テレプレゼンス型代理行動ロボット
[1] 海外で普及が進むテレプレゼンス型代理行動ロボット
[2] テレプレゼンス・ロボットの開発・製品化最新動向
第18章 IoT/M2Mと次世代セキュリティ/認証技術
18-1 IoTセキュリティのフレームワーク
[1] サイバー脅威の実態
[2] ビジネス・エコシステムの拡大とIoTセキュリティの課題
18-2 公共インフラのセンシング機能高度化とセキュリティ制御
18-3 スマートハウス/スマートメータのセキュリティ
18-4 セキュリティ面を重視したスマートメーターの設計
[1] スマートメーターの宅内表示器機能
[2] 上位システムとの通信方式
[3] MDMS(Meter Data Management System)
18-5 各国におけるスマートハウス・セキュリティへの取組み
18-6 マイナンバー/ガバメント・トラストフレームワーク
18-7 IoT/M2Mサービスプラットフォームとセキュリティ機能実装事例
[1] NEC M2Mサービスプラットフォーム「CONNEXIVE」
[2] NTTデータ 「Xrosscloudマルチデバイス・アプリケーションプラットフォーム」