いま、IoTを起点に起こりつつある産業革命は、インターネット、生産技術、人間・組織とインフラの関係、社会システムの関係を根本から変えようとするダイナミックな動きとなりつつある。
本白書は、IoT情報政策・官民連携策、適用対象、IoTエコシステム、規格・標準化、先進プラットフォーム技術、需要母体・供給モード、IoTによるビジネス構成、業界別動向、実証実験/実装・課題などの主要ポイントについて分析・考察を加え、総合的に解説したものである。
内容編成(目次)
序
第1章 IoTの概念/構造/フレームワーク
1-1 IoTの概念・コンセプトを巡る論考
[1] 拡大するIoTの定義
[2] IoTと近似するM2M志向のエコシステム
[3] IoTとM2M:目的とアプローチの違い
[4] IoTの適用対象
[5] IoTの発展で形成される製品群・サービス群
[6] IoT/M2Mサービスの需要母体・供給モード
1-2 IoTの構造
[1] IoTアーキテクチャ
[2] IoTで対象となるデバイス群
[3] 次世代プラットフォームとの統合によってもたらされるもの
[4] IoTをコアとした新産業の需要喚起、経済効果
[5] インターネット3.0/デバイス・ファーストとの共進化
[6] 公共的なサービスやインフラとの連携・協調
[7] 人の能力がネットワークとつながる“IoA”
[8] 自己構成型ネットワークとの統合
1-3 IoTの通信方式、通信プロトコル
[1] IPv6の128ビットアドレス体系
[2] IEEE802.15.4
[3] 6LoWPAN(通信プロトコル)
[4] ZigBee(無線通信プロトコル)
1-4 IoTの無線通信仕様
[1] 無線通信仕様を巡る動向
[2] 920MHz帯無線(サブギガ帯無線)
[3] 2.4GHz帯
[4] 世界標準規格(IEEE802.15.4とIEEE802.15.4g/e)
[5] ワイヤレスセンサーネットワーク(WSN)構築に必須となる無線モジュール
1-5 IoT/M2Mの通信関連技術
[1] センサー/スマートセンサー/センサーフュージョン
[2] Bluetooth
[3] Bluetooth Smart(Bluetooth LE)/iBeacon
[4] BeagleBoard(ビーグルボード)
[5] SoC/Intel Quark(インテルクォーク)
[6] Intel edison
1-6 SDN、NFV、ネットワークの知覚化に向けた取り組み
1-7 IoTセキュリティ
第2章 IoT情報政策・官民連携策
2-1 IoT時代に対応した情報政策
2-2 一国の競争力を左右するIoT推進施策
2-3 製造業の競争力強化政策とIoT
2-4 始動する「日本版インダストリー4.0」 編集委員 関口和一(済)
2-5 経済産業省 産業構造審議会
2-6 産業革新機構
2-7 「第4次産業革命」の方針が盛り込まれた第5期科学技術基本計画
2-8 総務省/総務省 「情報通信白書2015年版」
2-9 官民連携によるIoT支援の仕組みづくり
2-10 IoT関連技術の規制緩和策
2-11 IoT関連ファンド/IoT育成基金
第3章 IoTによるビジネス構成/ビジネスモデル
3-1 ハードウェアとサービス結合による価値の再定義
3-2 ビジネス全体の構成力が試されるIoT
3-3 センサーネットワーク(WSN)とIoT
3-4 IoEが形成する膨大なデータ資産・経済価値
3-5 センサーネットワーク基盤とビジネスモデル覇権争い
3-6 IoTとビッグデータの結合
第4章 M2Mによるビジネス構成/ビジネスモデル
4-1 M2Mの概念・コンセプト
4-2 M2Mシステムの活用分野・適用対象
4-3 M2Mから派生する新しいビジネス形態
4-4 M2Mシステムを実現するための技術的要素
[1] M2Mデバイス
[2] ネットワーク/通信プロトコル
[3] マシンデータ集約技術/M2M専用クラウド
[4] マシンデータ分析/アプリケーション
[5] M2Mエコシステム
第5章 IoTの実証実験/実装・課題
5-1 IoTに向けた次世代データ通信の実証実験/技術評価
5-2 ワイヤレス送電の実証実験動向
5-3 IoTインプリケーション/IoTが抱える課題
5-4 レガシーと新規の円滑な接続、統合化
5-5 ビッグデータ解析技術の基盤確立あってのIoT
5-6 IoTビジネス収益化に向けた障壁
5-7 相互接続性とプラットフォーム課題
5-8 インターネットの不安定性・輻輳問題
5-9 IoTのセキュリティ/プライバシー問題
第6章 IoT市場・市場予測
6-1 IoT市場概況・市場展望
[1] IDC
[2] 野村総合研究所
[3] M2M通信モジュールの国内出荷動向
6-2 調査会社分析/シンクタンク予測
[1] ガートナーグループ
[2] 野村総合研究所
[3] 矢野経済研究所
[4] ROA Holdings
6-3 IoTの今後の展開予測
[1] グローバルに展開するM2M需要
[2] IoT政策需要
[3] IoT企業需要
[4] IoT消費者需要
[5] IoT通信インフラ高度化需要
[6] IoTサービス需要
第7章 IoTの規格・標準化[1]
7-1 IoTの国際標準整備に向けた動き
7-2 IoT事業発展の鍵を握る標準化
[1] 規格競争で火花を散らすIT/家電大手
[2] スマート家電開発用プラットフォーム制御用国際通信規格
[3] IoT標準化の経緯
[4] IoTの基本技術領域と標準化課題
[5] 通信に関するIoT標準化
[6] IoTサービスの水平統合モデルとインタフェース規準
第8章 IoT/M2Mの規格・標準化[2]
8-1 生産技術の規格・標準化とIoT
[1] 概説
[2] ファクトリーオートメーション(FA)におけるネットワークインタフェース標準化
[3] 分散制御システム標準化とIoT
[4] 産業制御システム標準化とIoT
[5] コンカレントエンジニアリング標準化とIoT
[6] サプライチェーン・マネジメント標準化とIoT
8-2 工場自動化/プロセス制御の規格・標準化
8-3 スマートハウス/スマートメータ/HA用国際標準通信規格
[1] Wi-SUN Profile for ECHONET Lite
[2] Wi-SUN/Wi-SUN HAN
[3] Thread(Nest Labs・ホームオートメーション向けプロトコル)
[4] JEM-A(スマートハウス、HEMS通信規格)
8-4 スマートデバイス制御規格
[1] CSRmesh(Bluetooth Smart対応スマートデバイス制御規格)
8-5 非電気通信業界のM2M標準化
8-6 標準化活動間の連携
8-7 知的所有権とIoT標準規格覇権を巡る動向
第9章 IoT/M2Mの主な標準化団体/フォーラムの活動状況
9-1 IoT/M2M主な標準化団体の活動状況概説
9-2 3GPP
9-3 ETSI
9-4 IETF
9-5 ITU-T
9-6 JTC1(ISOIEC/IoT関連WG)
9-7 FCC(米連邦通信委員会)
9-8 ZigBee(無線センサネットワーク用プロトコル)
9-9 IP500 Alliance(インターネット回線センサーネットワーク無線通信規格)
9-10 oneM2M(M2M向けサービスレイヤ標準化)
9-11 TSN(産業・自動車用途向けETHERNET AVB拡張規格)
9-12 6LoWPAN(ワイヤレス・メッシュ・ネットワーク)
9-13 MQTT(MQ TELEMETRY TRANSPORT)
9-14 情報処理学会 情報規格調査会 「WG10(INTERNET OF THINGS)」
第10章 IoT関連機器連携フレームワーク/ガイドライン
10-1 AllJoyn
10-2 Smart Objects Guideline
10-3 HyperCat
10-4 HomeKit/HalthKit(IOS・機器連携フレームワーク)
第11章 IoT/M2M関連協議会/研究機構/コンソーシアム
11-1 Open Interconnect Consortium
11-2 Allseen Alliance
11-3 欧州委員会 ECO-FEV
11-4 ビッグデータ・オープンデータ活用推進協議会
11-5 情報処理学会 「ビッグデータ活用フォーラム」
11-6 次世代医療ICT基盤協議会
11-7 農業データ交換・システム規格統一に関する協議会
11-8 京都未来交通イノベーション研究機構
11-9 IIJ他 「データエクスチェンジ・コンソーシアム」
11-10 デバイスWebAPIコンソーシアム
11-11 LOHACOECマーケティングラボ
11-12 セブン&アイグループ 「オムニチャネルプロジェクト」
11-13 オプトグループ 「オプトデータサイエンスラボ」
11-14 全脳アーキテクチャ勉強会
第12章 IoTと先進プラットフォーム技術
12-1 並列処理基盤/並列処理フレームワーク
12-2 エッジコンピューティング
12-3 フォグ(霧)コンピューティング
12-4 ビジネス・インテリジェンス/ビジネス・アナリティクス
12-5 ビッグデータ
12-6 スマートグリッド/スマートバッテリー
第13章 IoT関連先端技術の研究開発動向
13-1 加速度センサー/複合センサー技術
[1] 加速度センサー技術概説
[2] 加速度センサー端末向け超低電力IoTチップ
[3] 複合センサー搭載によるベアリングの知能化
13-2 非接触充電とIoT拡張
[1] ワイヤレス給電 概況・近況
[2] EV用の非接触給電装置に関する実証実験動向
[3] ワイヤレス給電の標準仕様
[4] 非接触給電に規格「J2954」の基本案・規格化進捗状況
[5] ワイヤレス給電参入企業動向
13-3 IoTと人工知能の結合
13-4 音声認識、視線の分析技術
13-5 IoT志向の次世代半導体/次世代チップ
[1] カーボンナノチューブを使った次世代メモリーチップ
[2] 半導体エネルギー研究所 IoT志向の次世代半導体量産技術
13-6 IoT対応型パワーモジュール
第14章 IoT事業化を巡る業界別動向
14-1 概説
14-2 IoTの業界別動向
[1] 社会インフラ/設備保守業界
[2] 製造/ロボット業界
[3] システムインテグレーション業界
[4] 通信業界
[5] 情報サービス業界
[6] 電子機器/電子部品業界
[7] 建設/建設機械業界
[8] 医療業界
[9] ヘルスケア業界
[10] 介護業界
[11] 家電業界
[12] 交通関連業界
[13] 物流/ロジスティックス業界
[14] 小売/通信販売業界
[15] 防犯/セキュリティ業界
[16] 防災業界
[17] 農業
[18] 林業
[19] ゲーム業界
[20] サービス業界/レジャー業界
14-3 IoT志向のプラットフォームサービス事例
[1] 富士通 「コンバージェンスサービス」
[2] NEC M2Mサービスプラットフォーム「CONNEXIVE」
[3] NTTデータ 「M2Mプラットフォーム 「Xrosscloudマルチデバイス・アプリケーションプラットフォーム(CoreStage)」」
第15章 製造業・工場管理のイノベーションを支えるIoT
15-1 工場制御・工場の自動化とIoT基盤
15-2 GEが提唱する製造業ビジネスモデルの変革
15-3 ファクトリーオートメーション(FA)とIoTの結合
15-4 ビッグデータ活用による製造イノベーション
15-5 次世代自動車とIoT
15-6 IoT志向クラウドによる工場一元管理
15-7 IoTによる工場内物流のイノベーション
第16章 インダストリ4.0とIoTの進化
16-1 インダストリ4.0が促すIoTの新しい次元
[1] スマート工場のコンセプト
[2] IoTとスマート工場、ビッグデータの結合
[3] Industry4.0とIoT結合を実現するための課題
16-2 日本版インダストリー4.0を支えるIoTプラットフォーム
[1] 日本版インダストリー4.0の傾向と課題
[2] 産業革新機構で推進する日本版インダストリー4.0
第17章 次世代ロボットとIoT
17-1 進化を続ける次世代ロボットとIoT
[1] IoT、ビッグデータを取り込んで展開する次世代ロボット
[2] IoTプラットフォームの進展とシンクロする次世代ロボット
[3] IoTが促すロボットの空間知能化
17-2 次世代ロボットの産業促進政策とIoT/センサーネットワーク
[1] 当面の重要課題
[2] 次世代志向のロボットとは
[3] 材料技術が促進するロボット開発のイノベーション
[4] メカトロ的最適化とコントローラ・制御技術の発展
[5] ロボットにおけるインテリジェントセンサの導入・活用
[6] 次世代型ハンド技術の研究開発
[7] 次世代型ロボットとプログラミングツールの発展促進
[8] 安全対策に関する規制緩和
17-3 IoTプラットフォームを活用した次世代ロボットの展望
[1] 社会インフラの最適化と結合する次世代ロボットの展望
[2] 次世代ソーシャルシステムとビッグデータ・ソリューション
[3] 都市活動のセンシング拡張とIoTプラットフォーム
[4] 都市のエネルギー危機管理とビッグデータ活用
[5] 環境データと生体データを活用する次世代ロボット
17-4 次世代型スマートロボティックスの潮流とIoT
[1] スマートロボティックスを支えるIoTプラットフォーム
[2] スマートモビリティロボティクスとITS
[3] カーロボティクスとIoT
[4] IoTプラットフォームと被災者支援ロボット
[5] 次世代レスキューロボットとIoT
[6] 拡張現実とウェアラブルデバイスを用いた被災者支援ロボット
17-5 資源探索型遠隔操縦ロボットとIoT
[1] 深海資源探索ロボットとIoT
[2] 自律型海中ロボット(AUV)トとIoT
17-6 テレプレゼンス型代理行動ロボットとトとIoT
[1] 海外で普及が進むテレプレゼンス型代理行動ロボット
[2] テレプレゼンス・ロボットの開発・製品化最新動向
第18章 IoTとベストミックスエネルギー
18-1 エネルギーマネジメントシステムと結合するIoT
18-2 エネルギーセンサーネットワークの導入・活用事例
[1] 大成建設
[2] 日立コンサルティング
[3] NEC
[4] コクヨ
18-3 IoTネットワークと電力の最適制御
18-4 IoTで実現する電力見える化サービス
18-5 IoTプラットフォームとベストミックスエネルギー
第19章 スマートシティとIoT
19-1 スマートシティクラウドとIoTの密接な関係
[1] IoTクラウド 概況・近況
[2] スマートシティの動向
[3] スマートシティクラウドとIoT
[4] スマートシティクラウドとIoT統合に取り組むITサービス大手
19-2 スマートシティとテレマティックス、IoTクラウドの融合
[1] ITS/テレマティクスの進化を支える交通系IoTクラウド
19-3 テレマティクス関連のビジネス・専業ビジネス動向
[1] 緊急通報システムと次世代テレマティクス
? 欧州では2014年から搭載が義務付けされる緊急通報システム
? わが国のテレマティクスに関係した実証実験・構築動向
[2] 交通クラウド基盤の拡張・整備とテレマティックス
[3] 次世代型モビリティ・プラットフォームとIoT系交通クラウド
[4] スマートハウスとスマートシティを媒介するテレマティクス
19-4 IoTクラウドを使ったスマートシティ実証実験
[1] 国際競争力を左右するIoTクラウド
[2] NEC/中国 「物聯網(ウーレンワン)」プロジェクト
[3] 日立製作所/米国 「離島型スマートグリッド実証事業」
第20章 次世代自動車とIoT
20-1 IoTが自動車産業にもたらす影響・構造変化
[1] 次世代自動車の競争軸の変化
[2] 先進モビリティ・プラットフォームの台頭
[3] IoT/ビッグデータ連携による次世代自動車関連サービス
20-2 自律走行/ITSとIoTのコンバージェンス
[1] 産業・社会を一変させる自律走行・自動運転システム
[2] 自動運転車の定義と進展
[3] 自動運転システムとITSの進展
[4] 自動運転システムとIoT/コネクテッドカー
20-3 IoTとの統合で複合化・高度化する自律走行システム
[1] ロボット、センサーとの統合
20-4 政府が掲げる自律走行の具体的な将来像
[1] 総合科学技術会議主導による府省横断型の自動運転システム研究開発
[2] 国土交通省:自動走行実現に向けた工程表骨子案
[3] 経済産業省:運転支援システムの高度化計画
20-5 自律走行・自動運転システムの実証実験
[1] 無人・自律型の建機、大型輸送トラックとIoT
[2] 建機の自律走行化とIoT
20-6 車両間通信技術(V2V)とIoT
[1] 車両間(V2V:Vehicle-to- Vehicle)通信技術による事故防止機能
[2] 衝突回避回避システム
[3] 緊急操舵回避支援システム
[4] 異常検知・警告・ドライバモニタリングシステム
[5] ペダル踏み間違いによる暴走事故防止システム
[6] 福祉車両向け衝突回避システム
20-7 前方衝突警報機能とIoT
[1] 衝突被害軽減ブレーキ概説
[2] 衝突被害軽減ブレーキの効果とそれに対する評価
[3] ミリ波レーダーによる運転支援システム
20-8 車載コンピュータとIoT
[1] 日産 自動運転機能を装備した車載コンピュータによる車両制御
[2] 日産 単眼カメラを用いる自動ブレーキ機能「エマージェンシーブレーキ」
第21章 ウェアラブルデバイス・ソリューションとIoT
21-1 ビッグデータ解析で活性化するウエアラブル・ソリューション
[1] ウエアラブル技術概況・近況
[2] ウェアラブルデバイスとライフログ分析
[3] ウェアラブルデバイス動くセンサネットワーク化
[4] ウェアラブルデバイスとビッグデータの結合でもたらされるソリューション
21-2 センサー服型デバイスによる先進IoTソリューション
第22章 IoTと次世代セキュリティ/認証技術
22-1 IoTセキュリティのフレームワーク
[1] サイバー脅威の実態
[2] ビジネス・エコシステムの拡大とIoTセキュリティの課題
[3] IoT向け認証暗号
22-2 公共インフラのセンシング機能高度化とセキュリティ制御
22-3 スマートハウス/スマートメータのセキュリティ
22-4 セキュリティ面を重視したスマートメーターの設計
[1] スマートメーターの宅内表示器機能
[2] 上位システムとの通信方式
[3] MDMS(Meter Data Management System)
22-5 各国におけるスマートハウス・セキュリティへの取組み
22-6 マイナンバー/ガバメント・トラストフレームワーク
22-7 IoTサービスプラットフォームとセキュリティ機能実装事例
[1] NEC M2Mサービスプラットフォーム「CONNEXIVE」
[2] NTTデータ 「Xrosscloudマルチデバイス・アプリケーションプラットフォーム」