ビッグデータソリューションや遺伝子解析装置の著しい進歩を背景に、近年、次世代産業の源泉として医療産業・次世代医療技術イノベーションに大きな期待がかけられている。医療現場でのスマートデバイス活用やスーパーコンピューターを用いた創薬など、先駆的・先進的な試みも目立っている。
政府も医工連携、広域医療連携、医療ITの事業機会拡大を今後の重要戦略に掲げ、医療機器に新規参入を目指す企業が拡大している。
本調査報告書は、医療クラウド、バイタルデータ活用ソリューション、EHR、医療ロボット、スマートヘルス/ソーシャルヘルスサービス、医療安全システムなど、次世代医療機器/医療ITの全容を体系化し、白書として編纂したものである。
目次
序
第1章 医療機器/医療IT産業の概況
1-1 変容過渡期にある医療機器産業
1-2 医療業界・医療機器業界の特殊性と産業シーズ
1-3 医療・介護改革と医療ITイノベーション
1-4 ICT化に向けた期待の高まりと課題点
1-5 国際的な潮流となった“スマートヘルスケア”と相次ぐプレーヤー参入
1-6 次世代型チーム医療、ソーシャルウェルネスを目指す動き
第2章 医療機器産業活性化に向けた政策・産業創出施策
2-1 政府
[1] 医療にも大きく影響を与えてきたアベノミクス
[2] 経済財政諮問会議 「経済財政運営と改革の基本方針2014」(骨太方針)
[3] 政府 「医療分野研究開発推進計画」
2-2 省庁別
[1] 厚生労働省 2014年度予算概算要求/予防・健康管理推進重点施策
[2] 厚生労働省 「第6期介護保険事業(支援)計画」
[3] 厚生労働省 「新たな財政支援制度(新基金)」
[4] 厚生労働省 「ゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース」
[5] 財務省 「医療・介護に関する制度改革・効率化の具体案」提示
[6] 総務省 「公立病院改革プラン」
[7] 経済産業省 「課題解決型医療機器等開発事業」
[8] 経済産業省 「医療用ソフトウエア分野 ヘルスソフトウエア開発に関する基本的考え方 開発ガイドライン 2014」
2-3 産業創出施策
[1] 経済産業省 「地域ヘルスケアビジネス推進フォーラム」
2-4 ファンド/政府系投資会社
[1] 地域経済活性化支援機構
2-5 法改正/規制緩和
[1] 改正医療法成立
[2] 医薬品医療機器等法(改正薬事法)の施行
[3] 保険診療と保険外診療を併用する際の保険外併用療養費制度の規制緩和
[4] 介護保険制度見直しの主要論点
第3章 予算編成/各種統計・報告書
3-1 厚生労働省 2016年度予算概算要求
3-2 2014年度概算医療費
3-3 介護サービス大手各社の2015年3月期決算
第4章 医療機器・医療IT・スマートヘルスケア市場
4-1 医療機器産業・市場の形成過程と今後の課題
4-2 医療機器市場にみられる特性・特殊性
4-3 変容する医療機器市場と今後の展開予測
4-4 スマートヘルスケアの注目分野・成長市場
4-5 医療機器市場の推移/展開予測
4-6 ヘルスケア/在宅医療のICT化と市場展開予測
[1] テクノ・システム・リサーチ
[2] 野村総合研究所
第5章 レギュラトリーサイエンスの基盤確立
5-1 医療機器研究開発にもとめられる科学的合理性と社会的正当性
5-2 レギュラトリーサイエンスの基盤確立に向けた取り組み
5-3 レギュラトリーサイエンスと産学官連携
5-4 医療技術の産業戦略確立とコンソーシアム活動
第6章 産学連携志向の医工連携活動動向
6-1 医療機器産業が成長を持続するための条件
6-2 医薬品医療機器総合機構(PMDA)プロジェクト報告
6-3 大学発医療イノベーションの社会実装と医工連携
[1] 総合バイオメディカルシステム国際研究センターの事例検証
[2] CIBiSを構成する4つの研究部門
6-4 3Dプリンターによる人工臓器作製
第7章 広域医療連携・地域包括ケアとシステム整備
7-1 地域包括ケアに向けたシステム整備の目的・課題
[1] 地域包括ケアとIT活用動向
[2] 地域包括ケア研究会・報告書公表
[3] 地域間医療格差是正と多職種間の連携
[4] 社会保障国民会議・論点整理
[5] 地域見守り支援システム
7-2 医療情報を起点とした情報サークル形成の取り組み
第8章 遠隔医療、在宅医療の飛躍的進展
8-1 多死社会の到来と遠隔診療の“解禁”
8-2 遠隔医療/テレヘルス・ソリューション
8-3 在宅医療の需要拡大とICT活用
8-4 モバイルICT活用型在宅医療
[1] 概況・近況
[2] IT活用型在宅血圧管理
8-5 在宅健康診断
第9章 病診連携、病薬連携の拡大
9-1 病診連携の動向
9-2 病薬連携の動向
9-3 本格化する第4次医療革命「MEDICINE 4.0」に向けた動き
第10章 医療ICTの階層構造とマイナンバー制度
10-1 階層構造で構成する医療圏・地域医療体制
10-2 医療イノベーション推進施策 「医療イノベーション5カ年計画」
10-3 個人情報保護法制「2000個問題」と医療マイナンバー
第11章 医療機器メーカー/医療ITベンダーの事業環境と課題
11-1 医療機器メーカー/医療ITベンダーのビジネス創出動向
11-2 医療機器のマクロ環境変化と課題
[1] 予防医療技術の普及課題
[2] 既存製品に対する低価格化圧力
[3] 医療費抑制効果への期待と課題
[4] 革新的な新製品・サービスの開発
11-3 異分野との業際による事業活性化
[1] 異業種メーカーが医療分野に参入する意義
[2] 購買意思決定要因と大手医療機器メーカーの施策例
11-4 成長課題
第12章 医療経済評価、HTA(医療技術評価)システムの導入と課題
12-1 バリューベース・ヘルスケアの潮流
12-2 リアルワールドデータの活用による事業付加価値創造
12-3 HTA(医療技術評価)導入にあたっての課題
第13章 医療クラウド
13-1 医療クラウド概説
[1] 医療分野の情報化と医療クラウド
[2] 我が国のクラウド関連施策
[3] 医療クラウドと地域連携ネットワーク
13-2 病院医療/EBMクラウド
13-3 在宅医療/NBMクラウド
13-4 地域包括ケア支援クラウド
13-5 スマートグリッド/スマートシティと医療クラウド
[1] スマートシティとの統合による開かれた医療クラウドへ発展
[2] 地域BCPと医療クラウドの結合
13-6 災害時・医療継続クラウド
[1] ディザスタリカバリ対策と医療クラウド活用
[2] BCP対応型医療クラウドへ発展させていく上での課題
13-7 進展著しい医療SAAS
13-8 クラウド型電子カルテ・ソリューションサービス
[1] クラウド型電子カルテ概説
[2] 医療分野向けクラウドストレージサービス
13-9 ストレスチェック支援クラウド
13-10 医療クラウドとセキュリティ対策
13-11 クラウド型のヘルスケアソリューション
[1] 拡大が予想されるクラウド型のヘルスケアソリューション
13-12 その他各種医療分野向けクラウドサービス
[1] 医療症例データ収集用クラウドサービス
[2] 医用画像の分散保管クラウド・サービス
第14章 医療ビッグデータの利活用とサービス創出課題
14-1 IT活用型医療(データヘルス)を支えるビッグデータ活用
14-2 ゲノム・オミックス医療を支える医療ビッグデータ
14-3 IT活用型医療(データヘルス)の推進施策
[1] 厚生労働省 「データヘルス計画」
[2] ビッグデータ活用による最適治療システム
14-4 ビッグデータ解析と臨床診断の可能性
[1] ビッグデータ解析と臨床診断
[2] 患者検査データ、診療記録のビッグデータ解析
14-5 ビッグデータ解析と予防医療
[1] ビッグデータ解析と予防医療
[2] 医療ライフログ分析とビッグデータ活用
14-6 バイタルデータのビッグデータ解析
14-7 DPC(Diagnosis Procedure Combination)とビッグデータ解析
第15章 EHR(生涯健康医療電子記録)」の共通基盤構築
15-1 EHR(生涯健康医療電子記録)」の共通基盤構築と医療クラウド
15-2 日本版EHRのロードマップ
15-3 「千年カルテ」プロジェクトとEHRの2次利用
第16章 次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子(ゲノム)解析
16-1 遺伝子解析データを生かした新たな産業創出
16-2 個人向け遺伝子検査サービス(DTC)の活発化
16-3 医療情報と遺伝情報を集積させたバイオバンク
16-4 ゲノム医療と消費者向け(DTC)遺伝子検査ビジネスの線引きを巡る議論
第17章 バイタルデータ活用技術
17-1 活発化するバイタルサインセンシングの研究開発・ソリューション
[1] バイタルサインセンシング技術概説
[2] バイタルサインセンシングの日本公開特許および先端技術動向
17-2 インテリジェントセンサーによるバイタルデータ活用ソリューション
17-3 血中酸素測定(センシング)技術
17-4 心拍・脈拍測定(センシング)技術
17-5 心電測定(センシング)技術
17-6 血圧測定(センシング)技術
17-7 血糖値センサー技術
17-8 スマート脳波センサー技術
第18章 非侵襲センシング活用技術
18-1 パルスオキシメーター(非侵襲センシング)概説
18-2 非侵襲センシングの標準規格化動向
18-3 非侵襲血糖値センサーの研究開発、事業化動向
18-4 技術方式別非侵襲血糖値センサー技術
18-5 測定部位別非侵襲血糖値センサー技術動向
第19章 スマートヘルスケアのビジネスモデル
19-1 スマートヘルスケアのビジネスモデル設計概説
19-2 ソーシャル・ヘルスケアというビジネスモデル(ヘルス2.0)
19-3 スマートヘルスケアのコミュニティ創成と日本版CCRC
19-4 ストレスチェック制度の運用とデータヘルス・予防サービス
19-5 メンタルヘルスの定量化共同プロジェクトの始動
19-6 PHR/PLRの進展と整備・運用課題
19-7 スマートヘルスケアとBRMS(ビジネスルール管理システム)
19-8 急速な広がりを見せるセルフメディケーション・システム
19-9 ヘルスケアREIT
19-10 スマートヘルスケアの参入企業動向
[1] エムティーアイ ライフ・ヘルスケア事業本部ルナルナ事業部
[2] イクシー(exiii Inc.)
[3] クックパッド ダイエットラボ
第20章 先端医療技術・機器開発・実装動向[1]
20-1 デジタルパソロジー(デジタル画像を用いた病理診断)の新潮流
20-2 遠隔病理診断(テレパソロジー)の新潮流
20-3 連携病理診断
20-4 光トポグラフィーの進展と新規機器開発・商品化
第21章 先端医療技術・機器開発・実装動向[2]
20-5 POCT(POINT OF CARE)/POCT検査
20-6 ナノエレクトロニクスを用いた疾病診断用チップ
20-7 マイクロRNAによるがんのメカニズム解明(血液1滴でがん早期診断)
第22章 先端医療技術・機器開発・実装動向[3]
22-8 超音波診断装置
22-9 コンピュータX線撮影装置(CR)/X線CT装置
22-10 コンパニオン診断システム
22-11 粒子線治療装置
22-12 4K映像システム/4K対応端末
[1] 4K映像リアルタイム撮影・表示システム
[2] 4K対応医療向け20型タブレット端末
22-13 人工知能の医療・ヘルスケア分野への適用
第23章 電子カルテ/電子パスの拡大・発展
23-1 電子カルテのプラットフォーム化に向けた動き
23-2 電子カルテと医療情報システム間のリアルタイム連携
23-3 バイタルサインを取込んだ新しい電子カルテ
23-4 電子カルテと臨床決断支援システムの結合
23-5 医療ナレッジベースシステムとしての電子カルテ
23-6 電子カルテの課題・今後の展望
23-7 データウェアハウス/BIとの統合に伴う諸課題
第24章 電子処方箋、電子投薬記録
24-1 電子処方箋の現状・展望
24-2 保健医療福祉分野公開鍵基盤HPKI
24-3 電子投薬記録
24-4 健診データ・レセプトデータ活用と生活習慣病管理
第25章 電子クリニカルパスの進展動向
25-1 クリティカルパスの定義・変遷・傾向
25-2 エビデンスに基づく医療とクリニカルパス
第26章 チーム医療と医療CRM
26-1 チーム医療とICT活用
26-2 医療CRMシステム
26-3 患者エンゲージメントの構築と課題
第27章 統合医療情報療プラットフォーム/EHR
27-1 EHR(生涯健康医療電子記録)」のプラットフォーム化
27-2 電子健康記録(EHR)の実現と環境整備
27-3 医療施設向け仮想デスクトップ環境構築
27-4 診療記録統合管理ソリューション
27-5 病院環境への無線通信導入
第28章 周産期医療の発展とスマートPHR(個人医療記録)
28-1 周産期医療とPHR(personal health record)概説
28-2 周産期部門電子カルテと基幹電子カルテの連携
28-3 胎児超音波遠隔診断システムの進展
28-4 電子母子手帳の標準化
28-5 モバイル型胎児心拍数測定装置の発展
28-6 周産期電子カルテ
第29章 メディカルロボットとMEDICINE 4.0
29-1 ロボットによる医療行為・医療作業代行の可能性
29-2 医療・介護ロボットの国際規格整備動向
29-3 手術支援ロボットの発展と課題
[1] 技術改良・市場拡大が進む手術支援ロボット
[2] 微細手術ロボットへの期待
[3] 内視鏡ロボットアームの開発・製品化事例
29-4 スマートヘルスケア・ロボット/症候発生予防ロボット
29-5 メディカルロボットの品質マネジメント認証
29-6 メディカルロボット/スマートヘルスケア・ロボット参入企業動向
[1] フィリップス・レスピロニクス
29-7 第4次医療革命「Medicine 4.0」を牽引するIoTの外科医療適用
第30章 介護支援ロボットの適用・応用
30-1 看護・介護/ケア用ロボット技術の進展
30-2 起立・歩行支援ロボット
[1] 起立・自立・歩行支援ロボット
[2] 自立支援ロボットアーム
30-3 ベッド型介護ロボット
30-4 リハビリテーション支援ロボット
第31章 メディカル・スマートデバイス活用ソリューション
31-1 タブレットを活用した電子カルテソリューション
31-2 スマートデバイスを活用した治療補助支援ソリューション
31-3 タブレットを活用した遠隔診断ソリューション
31-4 タブレットを活用したデジタルパソロジー(デジタル画像を用いた病理診断)
31-5 スマートデバイス活用型ヘルスケア・ソリューション
31-6 高度化するスマートフォン用疾病管理アプリ
第32章 医療向けウェアラブルデバイスの活用
32-1 医療・ヘルスケア分野におけるウェアラブルデバイス活用 概説
32-2 進展著しいウェアラブルデバイス用ヘルスケア・アプリケーション
32-3 ヘルスケア・アクティビティーモニター
32-4 ウェアラブル心拍センサ
32-5 ヘッド・マウント・ディスプレイを活用した手術生中継システム
32-6 内視鏡手術向け3Dヘッドマウント・ディスプレイ
32-7 医療系生体センサーネットワークの事例
第33章 ウェアラブルデバイス/とヘルスケアサービス[1]
33-1 花開くライフログ活用型デジタルヘルスビジネス
33-2 広がる健康増進機器と医療機器とのグレーゾーン
33-3 参入に続々名乗りをあげる大手ベンダー
[1] 概況・近況
[2] Google
[3] Apple
[4] Microsoft
[5] ソニー
[6] ソニーモバイルコミュニケーションズ
33-4 進展著しいウェアラブルデバイス用ヘルスケア・アプリケーション
33-5 介護・見守りサービス分野
33-6 スポーツ分野
33-7 フィットネス分野
第34章 ウェアラブルデバイスとヘルスケアサービス[2]
34-1 ウェアラブルなアクティビティーモニター
34-2 ウェアラブル心拍センサ
34-3 ウェアラブル脈波センサーモジュール
34-4 生体ガス成分測定ウェアラブルデバイス
34-5 遠隔・生涯ヘルスケアサポート
第35章 医療向けAR(拡張現実感)/3次元表示(3D)システムの活用
35-1 医療現場でのAR、ウェアラブルデバイス、テレビ会議システムの有用性
35-2 医療向けAR(augmented reality:拡張現実感)
35-3 パッシブRFIDタグによる患者用リストバンドの活用
35-4 外科用内視鏡(硬性内視鏡)を用いた内視鏡手術向け先進技術
35-5 3D対応のヘッドマウント・ディスプレイ
第36章 医療施設・病院のエネルギーコスト削減、見える化ソリューション
36-1 EMS(エネルギー管理システム)と医療施設のエネルギー効率管理
36-2 BEMS(ビルエネルギー管理システム)と医療施設のエネルギー効率管理
[1] BEMS概説
[2] BEMSの導入促進と補助金制度
[3] BEMSによる一元管理導入事例
36-3 エネルギー管理アプリケーションと医療施設のエネルギー効率管理
[1] 広がりを見せるエネルギー管理分野のビジネスチャンス
36-4 スマートシティと医療施設のエネルギー管理
第37章 災害医療とICT活用
37-1 ディザスタリカバリ対策重視へ傾斜する医療クラウド
37-2 医療・災害クラウドに適合しやすいシステムとは
37-3 EHR(生涯健康医療電子記録)」の共通基盤の構築と次世代BCP
37-4 BCP対応型医療クラウドへ発展させていく上での課題
第38章 医療におけるIT活用/データ活用の課題点・問題点
38-1 医療情報の公共性と個人情報保護
38-2 法整備課題
第39章 医療機器・スマートヘルスケアに関連した学会/団体/協議会
39-1 日本医療情報学会
39-2 ヘルスソフトウエア推進協議会
39-3 日本医療機器産業連合会
39-4 日本ヘルスケア協会
39-5 ヘルスケアデータコンソーシアム
39-6 ITヘルスケア学会
39-7 医療ビッグデータ・コンソーシアム
39-8 スマートウエルネスコミュニティ協議会
39-9 ウェルネス経営協議会
39-10 社会と健康研究センター
39-11 日本病理学会「デジタルパソロジー検討委員会」
39-12 日本デジタルパソロジー研究会
39-13 コンティニュア(Continua)認証ラボ/アリオン