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レポートナンバー 0000017048

2017年 水処理・水利用の技術と市場

株式会社シーエムシー出版

Water Purification and Water-use Business 2017

発刊日 2017/09/13

言語日本語

体裁B5/約280ページ

ライセンス/価格約280ページ

0000017048

B5版 93,500 円(税込)

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ポイント

60兆円規模といわれる水処理・水利用ビジネス!
海水淡水化、上水処理、下水処理、飲料ビジネスなどを解説!
これらの技術を支える分離膜、有機・無機凝集剤、活性炭、ゼオライトなどの化学品や材料の現状を詳述!

レポート概要

【 刊行にあたって 】

地球上に存在する水の量は14億立方キロメートルと膨大な量だが大部分が海水で、人が利用できる水はその0.01%といわれている。世界の人口増加、新興国の経済成長、都市への人口集中などで世界中の多くの地域で水不足が起こっている。また水質汚染や地下水枯渇が懸念されている。このことは水処理・水利用ビジネスのニーズの拡大をもたらしている。

水処理および水利用技術には大別して、海水淡水化、上水処理、下水処理、飲料ビジネス、家庭用浄水器などの分野がある。これらの技術を支えているのが、分離膜、有機・無機凝集剤、活性炭、ゼオライトなどの化学品や材料である。

膜技術では、RO 膜(逆浸透膜)による海水淡水化、MF 膜(精密ろ過膜)/ UF 膜(限外ろ過膜)による浄水処理、MF/UF/RO 膜による下水・排水処理などがある。RO 膜を用いた海水淡水化技術については、エネルギー回収の高効率化と低コスト化が進み、中東、中国、スペイン、オーストラリアの沿岸部を中心として大型の海水淡水化プラントの建設が進んでおり、アルジェリアでは50 万トン/日(約200 万人の飲み水を供給可能)の世界最大級のプラントが稼動した。さらに廃水処理分野においても、活性汚泥そのものを使った膜分離により汚泥と処理水に分離する方法MBR(Membrane Bioreactor)の利用が拡大しており、シンガポール、アメリカ、オーストラリアなどで大規模膜利用排水再利用設備が導入されている。

凝集剤は、原水中の懸濁質を表面電荷の中和と架橋作用により凝結させる。これには硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウム(PAC)やポリ硫酸第二鉄が古くから利用されてきた。凝結した集合体をポリアクリルアミド系の有機系凝集剤などでさらに大きな集合体にして沈降分離する。その他水処理薬品としては凝集補助剤、酸化・還元剤、ポリアクリル酸などのスケール防止剤、洗浄剤、pH調整剤など多くの薬剤が使われる。
また、水処理には有機物を分解する生物処理、殺菌処理、オゾンや活性炭を用いた色や臭いの除去処理、ゼオライトによる吸着処理などもある。

一方、水利用ビジネスでは、海洋深層水、ミネラルウォーター、茶飲料、スポーツ飲料などが一定の市場を築いている。

本書は、海水淡水化、上水処理、下水・排水処理、水利用ビジネス、水処理関連の装置・設備技術、水処理関連の分離膜や、薬剤・材料についてのビジネス動向、技術動向、市場動向をまとめた。水処理・水利用に携わる方々のお役に立てれば幸甚に存じます。

(本書「はじめに」より)

レポート詳細

著者一覧

松山秀人 神戸大学
野村幹弘 芝浦工業大学
池田歩 芝浦工業大学
竹内淳登 芝浦工業大学
安川政宏 山口大学
佐伯大輔 神戸大学
高橋智輝 神戸大学
熊野淳夫 東洋紡(株)
田中聡 東洋紡(株)
石丸豊 (株)神鋼環境ソリューション
藤本瑞生 (株)神鋼環境ソリューション
根本雄一 前澤工業(株)
高橋周作 三菱ケミカル(株)
西尾彩 東レ(株)
馬場淳一 東レ(株)
島秀直 住友電気工業(株)
野口基治 メタウォーター(株)
伴正寛 日鉄鉱業(株)
野田公彦 野田公彦技術士事務所
吉村和就 グローバルウォータジャパン
宇都正哲 東京都市大学

目次

【海水淡水化・上水処理技術】

第1章 海水淡水化膜の開発動向  

第2章 無機系逆浸透(RO)膜の開発 
1 はじめに
2 無機系逆浸透膜の開発状況
2. 1 ゼオライト膜
2. 2 ゾルゲル膜
2. 3 その他の膜
3 CVD 膜
3. 1 対向拡散法によるCVD 膜の詳細
4 おわりに

第3章 FO膜プロセスの要素技術に関する開発動向  
1 はじめに
2 FO 膜の開発動向
2. 1 FO 膜の透水理論
2. 2 FO 膜の支持層構造と透水性能の関係
2. 3 FO 膜に適した支持層の開発に関する動向
2. 4 FO 膜の市販化動向
3 FO 膜の開発事例
3. 1 TFC-FO 膜の開発事例
3. 1. 1 TFC-FO 膜の開発指針
3. 1. 2 支持層と活性層の接着性
3. 1. 3 支持層の膜厚がFO 性能に与える影響
3. 1. 4 支持層の緻密構造がFO 性能に与える影響
3. 2 生体模倣型FO 膜の開発事例
3. 2. 1 アクアポリンを用いた生体模倣型FO 膜
3. 2. 2 アクアポリン以外のチャネル物質を用いた生体模倣型FO 膜
4 駆動溶液の開発動向
4. 1 FO 膜プロセスにおけるDS の役割
4. 2 DS の開発動向
5 まとめ

第4章 正浸透(FO)膜による海水淡水化技術  
1 はじめに
2 FO膜プロセスとは
3 FO 膜の特徴
4 FO 膜モジュール
5 FO 法による海水淡水化技術
5. 1 Yale 大学チーム
5. 2 Modern Water 社
5. 3 Trevi Systems 社
5. 4 NEDO 神戸大
5. 5 その他
6 最近の開発動向
7 おわりに

第5章 生物接触ろ過  
1 はじめに
2 生物処理方式
3 生物接触ろ過設備
3. 1 下向流式生物接触ろ過設備D-BCF(Down-flow Biological Contact Filter)について
3. 1. 1 D-BCF の特長
3. 1. 2 実施例
3. 2 上向流式生物接触ろ過設備U-BCF(Up-flow Biological Contact Filter)について
3. 2. 1 U-BCF の特長
3. 2. 2 実施例
3. 2. 3 低水温への適用性
3. 2. 4 海外事例
4 おわりに

第6章 帯磁性イオン交換樹脂(MIEX)を用いた有機物除去システム  
1 はじめに
2 MIEXとは?
2. 1 特長
2. 2 除去原理と除去対象物質
2. 3 MIEX 処理システム概要
2. 4 導入実績
3 実施設事例
3. 1 山形県食肉公社
3. 1. 1 導入背景と経緯
3. 1. 2 処理概要
3. 1. 3 処理性
3. 2 小笠原村父島(扇浦浄水場)
3. 2. 1 導入背景と経緯
3. 2. 2 処理概要
3. 2. 3 処理効果
4 MIEX 処理によるその他の効果(実験結果)
4. 1 膜ろ過に対するMIEX 処理効果
4. 1. 1 実験フローと運転条件
4. 1. 2 結果
4. 2 MIEX 処理によるハロ酢酸(HAA)抑制効果
4. 2. 1 運転条件と薬注条件
4. 2. 2 結果

【下水・排水処理技術】

第7章 膜分離活性汚泥法(MBR:Membrane Bio Reactor)  
1 膜分離活性汚泥法(MBR)の概要
1. 1 MBRの特徴
1. 1. 1 活性汚泥を高濃度に維持
1. 1. 2 処理水質向上
1. 1. 3 沈殿槽が不要
1. 1. 4 リサイクルシステムに最適
1. 2 MBR の市場
1. 3 基本システムおよび処理水質
1. 4 MBR 用途の膜・モジュール
1. 4. 1 膜の素材
1. 4. 2 膜の形状
1. 4. 3 システム構成
2 MBR 省エネ化への取り組み(実証試験事例)
2. 1 実証試験概要
2. 2 実証試験結果および電力消費量の試算
2. 3 電力消費量試算
3 おわりに

第8章 PVDF平膜を用いたMBRモジュールとその応用  
1 はじめに
2 膜モジュールの形式
3 PVDF 平膜について
4 MBR モジュールのラインアップについて
5 MBR における設計、運転上の留意点
5. 1 原水について
5. 1. 1 水温
5. 1. 2 水量変動
5. 2 前処理について
5. 3 生物処理について
5. 4 膜のろ過運転について
5. 5 薬品洗浄について
6 適用例
6. 1 工場廃水の再利用
6. 2 遠隔地でのオンサイト廃水処理
7 消費エネルギー低減技術の開発
8 おわりに

第9章 PTFE中空糸膜を使った下排水処理  
1 はじめに
2 PTFEとは
3 ポアフロンⓇモジュールとは
3. 1 高耐久性
3. 2 耐汚染性
4 ポアフロンⓇモジュールの適用事例
4. 1 産業排水処理・再利用
4. 1. 1 実例1 -繊維工場排水-
4. 1. 2 実例2 -最終処分場浸出水-
4. 2 含油排水処理
4. 2. 1 石油精製工場排水
4. 2. 2 輸送機器工場塗装排水
4. 3 下水処理・再利用
5 おわりに

第10章 セラミック膜再生水造水システム  
1 背景
2 セラミック膜再生水造水システムの概要と特長
2. 1 システムの概要
2. 2 セラミック膜ろ過
2. 2. 1 セラミック膜
2. 2. 2 セラミック膜ろ過設備
2. 3 システムの特長
3 実施設運転結果
3. 1 溶存オゾン濃度制御による膜ろ過安定性
3. 2 セラミック膜の安定運転結果
3. 3 溶存オゾンによるセラミック膜の洗浄
3. 4 再生水の水質
4 まとめと今後の展開

第11章 ポリ硫酸第二鉄の効果と適用例について 
1 はじめに
2 ポリ硫酸第二鉄の特性
2. 1 物性
2. 2 耐腐食性
2. 3 脱臭性
2. 4 脱リン性
2. 5 MAP 抑制効果
2. 6 脱水性
3 ポリ硫酸第二鉄の適用例
3. 1 下水処理
3. 2 重金属処理
4 まとめ

第12章 高分子凝集剤と除濁  
1 はじめに
2 高分子凝集剤の種類と特徴
2. 1 非イオン性高分子凝集剤
2. 2 アニオン性高分子凝集剤
2. 3 カチオン性および両性高分子凝集剤
2. 4 製品形状について
3 高分子凝集剤の作用機構
4 高分子凝集剤による固液分離の実際
4. 1 適用範囲
4. 2 高分子凝集剤による各種産業廃水の処理
4. 3 有機性汚泥の脱水
4. 4 上水処理への高分子凝集剤の応用

【水利用ビジネス】

第13章 世界水ビジネスの動向と日本の水ビジネス戦略 
1 海外水ビジネスの動向
1. 1 世界水ビジネスの見通し
1. 2 先進国、新興国では上下水道の民営化が促進
1. 3 世界の上下水道民営化市場を寡占していた「水メジャー」
1. 3. 1 スエズ・エンバイロメント社(フランス)
1. 3. 2 ヴェオリア・ウォーター社(フランス)
1. 3. 3 水メジャーの動向(スエズ社とヴェオリア社)
1. 3. 4 上下水道事業の再公営化の動き
1. 4 グローバル巨大企業の水ビジネス戦略
1. 4. 1 シーメンス(ドイツ)― 新技術志向
1. 4. 2 GE(アメリカ)― 豊富な資金の活用
1. 5 世界各国の水ビジネス戦略 
1. 5. 1 フランスの水戦略
1. 5. 2 ドイツの水戦略
1. 5. 3 シンガポールの水戦略
1. 5. 4 韓国の水戦略
1. 5. 5 国家を挙げて水インフラ整備に取り組む中国
2 日本の水ビジネス戦略
2. 1 日系商社の海外水ビジネス
2. 2 日系水関連企業による水ビジネスの展開
2. 2. 1 海水淡水化市場の伸び
2. 2. 2 海水淡水化・RO 膜で突出する日本企業
2. 3 地方自治体の海外水ビジネス
2. 3. 1 自治体の海外水ビジネスへの取り組み
2. 3. 2 なぜ自治体が水ビジネスに取り組むのか
2. 4 自治体の海外進出の課題と展望

第14章 水資源ビジネス(Blue Gold)  
1 「Blue Gold」としての水資源の捉え方
2 世界における水賦存の現状
3 世界における水利用
4 世界における水問題の根源
5 世界における水ビジネス市場の拡大
6 日本の水資源を輸出という発想
7 輸送水の活用方法
8 水輸送を実施する意義
8. 1 相手国にとっての意義
8. 1. 1 水不足への対応、選択肢の増加
8. 1. 2 海水淡水化プラントへの依存度減少
8. 1. 3 日本から海外への民間投資、海外進出
8. 2 日本にとっての意義
8. 2. 1 資源外交の手段
8. 2. 2 仮想水対策、食料不足への対応
8. 2. 3 日本の先端技術の海外移転の促進
8. 2. 4 地方活性化
8. 2. 5 再生水の利用促進
9 水輸送の可能性を検証する視点

【市場編】

第15章 水処理ビジネス
1 日本の水処理技術と水道事業の輸出
2 海洋深層水
2. 1 概要
2. 2 海洋深層水の産業利用と市場
3 ミネラルウォーター
3. 1 概要
3. 2 市場動向
4 茶飲料
4. 1 概要
4. 2 市場動向
5 スポーツ飲料
5. 1 概要
5. 2 市場動向

第16章 水処理装置・設備の市場と技術
1 水処理装置・設備
1. 1 水処理装置・設備と原水
1. 2 水処理の種類
1. 3 水処理装置・設備の運用形態
2 浄水(上水道・地下水)ビジネスと装置・設備
2. 1 上水道の種類
2. 2 上水道の装置構成と水質改善
2. 3 上水道のメンテナンス市場
2. 4 原水としての地下水利用
3 下水道ビジネスと装置・設備
3. 1 下水道の現状
3. 2 下水道の処理方法と処理技術
3. 3 下水道の装置・設備の市場・企業動向
4 再生水ビジネスと装置・設備
4. 1 新たな水資源としての再生水
4. 2 水処理方法(再利用方式)と装置
4. 3 雨水利用と再生水
4. 4 産業分野の水再利用
4. 5 国内の下水再利用と市場
4. 6 海外の下水再利用と市場
5 海水淡水化装置と市場
5. 1 海水淡水化の現状
5. 2 海水淡水化装置の市場動向
6 産業用水処理装置と市場
6. 1 産業用水の現状
6. 2 工業的純水の製造と処理方法・装置
6. 3 産業用水処理装置の市場・企業動向
7 浄化槽と市場
7. 1 浄化槽処理の現状
7. 2 浄化槽の処理法と種類
7. 3 浄化槽の市場・企業動向
8 浄水器(家庭用・業務用)と市場
8. 1 浄水器の種類と現状
8. 2 浄水器の機能と分類
8. 3 家庭用浄水器の処理方式と製品形態
8. 4 浄水器の市場動向

第17章 水処理薬品・材料の市場
1 はじめに
2 水処理薬品の全容
3 凝集剤による凝集処理
4 金属・無機系凝集剤
4. 1 硫酸アルミニウム(硫酸バンド)
4. 2 ポリ塩化アルミニウム(PAC:Poly Aluminium Chloride)
4. 3 ポリ硫酸第二鉄(「ポリテツ」)
4. 4 ポリシリカ鉄(PSI:Polysilicato-Iron)
5 有機系高分子凝集剤
5. 1 ポリアクリルアミド
5. 2 その他の高分子凝集剤
5. 3 第4 級アンモニウム塩
6 塩素系酸化剤
6. 1 塩素ガス・液体塩素
6. 2 次亜塩素酸ナトリウム
6. 3 二酸化塩素
6. 4 次亜塩素酸カルシウム(さらし粉・高度さらし粉)
6. 5 塩素化イソシアヌル酸塩
6. 6 クロラミン
7 酸素系酸化剤
7. 1 オゾン
7. 2 過酸化水素
8 還元剤
8. 1 ヒドラジン(ヒドラジン水和物・水加ヒドラジン)
8. 2 亜硫酸ナトリウム
8. 3 亜硫酸水素ナトリウム
9 その他の水処理薬品
9. 1 ろ過助剤
9. 2 けいそう(珪藻)土
9. 3 キレート剤
9. 4 シリコーン消泡剤
10 微生物制御・スライムコントロール剤
10. 1 過酢酸
10. 2 イソチアゾロン系化合物
10. 3 2、 2-ジブロモ-2-シアノアセトアミド(DBNPA)

第18章 水処理用イオン交換膜・分離膜
1 はじめに
2 イオン交換膜
2. 1 概要
2. 2 市場動向
3 イオン交換樹脂
3. 1 概要
3. 2 市場動向
3. 3 企業動向
4 活性炭
4. 1 概要
4. 2 市場動向
4. 3 輸出入動向
4. 4 用途動向
4. 5 企業動向
5 水処理用分離膜・ろ過膜
5. 1 MF 膜(MicroFiltrationMembrane:精密ろ過膜)
5. 2 UF 膜(UltraFiltrationMembrane:限外ろ過膜)
5. 3 NF 膜(NanoFiltrationMembrane:ナノろ過膜)
5. 4 RO 膜(ReverseOsmosisMembrane:逆浸透膜)
5. 5 分離膜・ろ過膜の企業動向
5. 6 分離膜・ろ過膜の技術・開発動向

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