内容
第1章 青果物の鮮度保持技術を支える包装フィルム・材料の基礎原理
はじめに
1.収穫後生理
1-1 収穫後鮮度低下の機作
1-2 呼吸
1-3 クライマクテリックライズ
1-4 蒸散
1-5 鮮度評価
1-5-1 水分・目減り・萎凋
1-5-2 外観色
(1)緑色の喪失
(2)褐変
1-5-3 L-アスコルビン酸
1-5-4 軟化
1-5-5 細胞膜劣化
1-5-6 鮮度評価の現状と課題
2.各種包装技術が鮮度保持のため有効に機能する仕組み
2-1 包装による鮮度保持の概要
2-1-1 鮮度保持包装資材の特殊性
2-1-2 青果物包装資材に要求される機能
(1)防曇性
(2)通気性
2-2 萎凋抑制用包装資材
2-2-1 防曇延伸ポリプロピレンフィルム
2-2-2 ハンカチ包装用資材
2-3 気体組成制御
2-3-1 基本原理
2-3-2 MAP の設計
2-3-3 MAP の鮮度保持効果
第2章 青果物の品質保持に関わる各種青果物の生理・劣化現象と包装資材の活用事例
第1節 各種果樹を中心とした青果物に用いる生鮮食品用MA包装と生理現象
第2節 山形県産オウトウ用鮮度保持パッケージの開発~ハイドロゲルと3D プリンタの活用~
はじめに
1.山形県産オウトウ用パッケージの設計
2.ハイドロゲルシートの評価
3.山形県産オウトウ用パッケージの小口輸送試験
おわりに
第3節 真空予冷に対応したニラの鮮度保持包装
はじめに
1.青果物の鮮度保持包装
2.ニラの鮮度保持包装
2-1 ニラの鮮度保持包装の開発
3.真空予冷に対応したベジブレスパック
4.ベジブレスパックの鮮度保持性評価
5.折り曲げ構造による通気制限
第4節 MA包装フィルムを用いたブロッコリーの低コスト・鮮度保持流通技術
はじめに
1.保冷庫での保管試験
2.実際の流通試験
3.経済性評価
4.まとめ
おわりに
第5節 カット青果物における劣化現象と鮮度保持へ向けた課題
はじめに
1.カット青果物のマーケット
1-1 カット青果物の種類
1-2 市場ニーズ
1-3 購入意識調査
1-3-1 食品摂取動向
1-3-2 カット青果物の購入意識
1-4 諸外国における利用状況
2.カット青果物の原料青果物
3.カット青果物の生理・化学的ならびに微生物学的特性
3-1 生理・化学的変化
3-2 栄養成分の変化
3-3 色調の変化
3-4 微生物による腐敗
3-4-1 微生物の変化
3-4-2 腐敗速度と切断方法
4.カット青果物の製造ならびに流通技術
4-1 製造工程
4-2 品質保持技術
4-2-1 温度・湿度制御
4-2-2 包装・保持環境ガス制御
4-2-3 化学物質処理
5.カット青果物製造の現状
6.筆者が行ったカット青果物の品質保持に関する研究の概要
6-1 カット青果物の生理・化学的特性と鮮度保持材による品質保持
6-2 プラスチックフィルム包装されたカット青果物の生理・化学的変化と品質保持
6-3 切断形状が異なるカットピーマンの生理・化学的特性と腐敗速度の差異
6-4 切断形状が異なるカットニンジンの生理・化学的特性と切断面の特性ならびに腐敗速度
6-5 冷風乾処理したカットキャベツの生理・化学的特性と品質保持
6-6 切断形状が異なるカットキュウリの生理・化学的特性と腐敗速度
6-7 切断形状と熟度が異なるカットバナナの生理・化学的特性と褐変・果肉の軟化速度
6-8 熟度が異なるミニトマトとピーマンの切断応答反応
6-9 栽培条件が異なる野菜の切断応答反応
6-10 電解水処理によるカット青果物の微生物制御と品質保持
6-11 野菜切片の生体膜の特性変化と腐敗速度の関連性
おわりに
第3章 青果物の鮮度保持技術を支える包装フィルム・材料の技術開発動向
第1節 鮮度保持フィルムによるMA 包装の技術動向と今後の課題
はじめに
1.青果物の生理活性
1-1 呼吸作用
1-2 成長ホルモン作用
1-3 水分蒸散作用
1-4 栄養成分の変化
2.青果物の鮮度に影響する要因
2-1 温度
2-2 湿度
2-3 環境ガス濃度
2-4 微生物
2-5 物理的要因
3.鮮度保持包材
3-1 防曇フィルム
3-2 MA包材
3-3 パーシャルシール包装
3-4 エチレン吸着包材
3-5 鮮度保持段ボール
4.防菌・防かびフィルム
5.鮮度保持包装の現状
第2節 鮮度保持フィルムとしてのOPPフィルム
第3節 無孔通気性フィルムによる鮮度保持包装
はじめに
1.無孔通気の原理
2.無孔通気性フィルムの機能
3.青果物に対する鮮度保持包装(例:ブロッコリー)
4.加工食品に対する鮮度保持包装(例:切り餅)
おわりに
第4節 ミクロ穴加工を行った鮮度保持フィルムP-プラスと各種適用事例
1.従来の包装形態の課題およびMA包装の概要
(機能・メカニズム・対象とする青果物)
2.P-プラスの機能概要および利用分野のメリット
3.P-プラスの適用事例
3-1 枝豆
3-2 カット野菜
3-3 ブロッコリー
3-4 不知火
4.P-プラスの新製品への展開
4-1 結露防止フィルム
4-2 防カビフィルム
5.P-プラス今後の展開について
第5節 MA/MH包装資材Xtend による青果物の鮮度保持と国内普及への道
はじめに
1.Stepac社が掲げる「鮮度保持」について
2.「単なるMA包装」ではないXtend包装袋の特徴
3.Xtend は、青果物毎、包装重量毎にパーソナライズされた袋
4.「周辺環境(コールドチェーン)」の構築
4-1 冷やし方
4-2 温度調整
4-3 湿度調整
4-4 効果的な冷やし方の結論
5.Xtend の国内展開時に顕在化した課題
第6節 青果物の鮮度を保持することができる段ボール包材
はじめに
1.青果物用段ボールケースと鮮度保持段ボールケースの使用量
2.鮮度保持段ボールケースの開発動向
3.鮮度保持段ボールケースの用途
3-1 蒸散抑制段ボールケース
3-2 蒸散抑制段ボールケースを用いたカキの軟化抑制
3-3 蒸散抑制段ボールケースを用いた青果物の輸出
3-4 保冷段ボールケース
3-5 ガス調節剤を併用した青果物の成分保持段ボール包装
さいごに
第7節 EVOH 樹脂の包装分野における取り組み
はじめに
1.EVOH樹脂の特性
1-1 ガスバリア性
1-2 耐薬品性
2.EVOH樹脂の用途例
2-1 コーヒーポーションカップ
2-2 スキンパックとMAP包装
2-3 パウチの脱アルミ化
今後の展望
第8節 青果物の品質保持に関わる各種の技術・包装設計
はじめに
1.青果物輸送のための損傷防止包装設計
1-1 荷扱いを考慮した損傷防止方法(オウトウ)
1-2 携行容器における低コスト緩衝設計(リンゴ・ナシ)
1-3 易損性が異なるものを混載する包装方法(イチゴ)
1-4 対象物の形状や大きさの違いに対応可能な損傷防止方法(ブドウ)
おわりに