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レポートナンバー 0000023977
株式会社シーエムシー出版
Continuous Manufacturing of Solid Pharmaceutical Preparations and Biopharmaceutical Drug Substance
発刊日 2019/07/26
言語日本語
体裁B5/191ページ
ライセンス/価格191ページ
0000023977
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【 刊行にあたって 】
近年、製造業の未来を視野に入れた目標設定に関する各国での動きが目立つ。最も早くは、「第4次産業革命(Industry4.0)」としてドイツで、2011年にデジタル化AI 活用を主眼とした効率化を目指した国家プロジェクトが開始された。アメリカでは、2014年に関連大手企業群による「IIC(Industrial Internet Consortium:インターネット・インダストリアル・コンソーシアム)」が新しいサービス提供を目指して動き始めている。さらに最近では、2015年に、「中国製造2025」がIT、電気自動車から、宇宙開発までの分野に関して、また2016年には、日本は「ソサイエティ5.0」として、10以上の産業分野における目標の明示化が、国家主導で進められている。 医薬品の製造においても、これらに連携するように、連続生産の推進に大きな関心が集まっている。連続生産は、バッチ生産に比べて効率が良いことは以前より認識され、化学製品分野をはじめとする各種産業で進められている。医薬品製造においても、部分的な連続化(セミ連続)は進められている。医薬品製造における連続化においては、その品質担保が、当局の承認を得るうえでは大切であり、この部分で他産業と若干異なる進化をしてきたものと思われる。FDAはこのような医薬品製造の特異性に対して対応すべく、新技術を取り扱うETT(Emerging Technology Team)を結成し、そのプロセスの承認に対する検討をいち早くスタートした。欧州、日本でもそれぞれの当局は同様な動きをしている。実際、FDAにより2015年7月にVertex社が申請していた新薬の嚢胞性線維症治療薬「Orkambi」が初の連続生産として承認を受け、欧州EMAでも承認された。翌年にはJanssen社から、「Prezista」が米、欧で承認された。前者は、湿式造粒による間接打錠であり、後者は直接打錠であることから製剤の連続生産としては、それぞれ違った観点での興味がある。これらを含めこれまでに、米国では5品目の連続生産品が、欧州でも数品目が承認され、日本でもこれら海外の製造品の2品目が承認された。 医薬品生産の連続化に関しては、製剤製造だけにとどまらず、原薬製造、さらには、最近の新薬の多くを占めるバイオ医薬品の生産にまで急速に話が進められている。バイオ医薬品開発に関しては、欧米の製薬会社に後れを取っていると言われている日本にこの連続生産の分野でリードすることができるか、期待がかかるところである。ただ、バイオ医薬品の連続生産に関しては、その製造に精製が加わり、多くの解決すべき問題が存在しているようである。 本書は、このような本国では初期段階とも言える医薬品連続生産に関して、可能な限り多角的な観点での執筆をお願いした。いわゆる論文化、製品化等本来の目標に向けて多忙な中で執筆をお引受け頂いた著者の皆様には書面を借りて厚く御礼申し上げたい。我々は、同志と共に、医薬品連続生産の実現及び推進を考える会(CCPMJ)を昨年立ち上げた。我が国の連続生産を推進するためには多角的な情報共有が必要である。本書がその観点でも貢献できることを確信している。
岐阜薬科大学 竹内洋文
竹内洋文
竹内洋文 岐阜薬科大学 田原耕平 岐阜薬科大学 松井康博 大日本住友製薬(株) 大島正裕 田辺三菱製薬(株) 吉本則子 山口大学 山本修一 山口大学 田中伸宏 三菱ケミカルエンジニアリング(株) 竹田浩伸 三菱ケミカルエンジニアリング(株) 河野浩司 三菱ケミカルエンジニアリング(株) 長田智之 三菱ケミカルエンジニアリング(株) 松木章洋 三菱ケミカルエンジニアリング(株) 原田諒 (株)徳寿工作所 梶田理 日曹エンジニアリング(株) 長谷川孝夫 日本ポール(株) 近藤修平 千代田化工建設グループ 千代田テクノエース(株) 石井明子 国立医薬品食品衛生研究所 内田和宏 (株)パウレック 浅井直親 (株)ダルトン 北村直成 (株)菊水製作所 西村英之 (株)菊水製作所 伏見伸介 (株)菊水製作所 奥本一尚 (株)菊水製作所 嶋多剛介 (株)ユーロテクノ 杉山弘和 東京大学 松並研作 東京大学 服部祐介 武蔵野大学 大塚誠 武蔵野大学 藤沢尚人 横河電機(株) 池谷勝俊 テックプロジェクトサービス(株) 阪本光男 秋山錠剤(株) 山田昌樹 シミックCMO(株) 鈴木望 エボニック ジャパン(株)
第1章 連続生産の現状と展望 1 連続生産の進展と展望 1.1 はじめに 1.2 医薬品製造におけるバッチ式と連続式の比較 1.3 固形製剤化プロセスの連続化 1.4 連続式生産で承認された医薬品 1.5 連続生産に関する海外の産学連携 1.6 日本国内の動向 1.7 原薬プロセスの連続化:フロー合成と連続晶析 1.8 連続一貫製造・モジュール化 1.9 装置の小型化とオンデマンド製造 1.10 新しい固形製剤プロセス 1.11 連続生産の課題と今後の展望 2 国内における医薬品連続生産の取り組み状況 2.1 緒言 2.2 国内における連続生産の取り組み状況 2.2.1 日本製薬工業協会 品質委員会 製剤研究部会 連続生産プロジェクト 2.2.2 PMDA革新的製造技術ワーキンググループ 2.2.3 AMED医薬品の連続生産における品質保証に関する研究班 2.2.4 アカデミアにおける取り組み 2.2.5 ICH Q13原薬および製剤の連続生産 2.3 まとめ 3 原薬連続生産の現状と課題 3.1 はじめに 3.2 原薬連続生産の現状 3.2.1 海外での取り組み状況 3.2.2 国内での取り組み状況 3.3 今後の原薬連続生産への期待 3.4 おわりに 4 バイオ医薬品精製プロセスの高度化・連続化 4.1 はじめに 4.2 ダウンストリームプロセスとクロマトグラフィー 4.3 等組成溶出クロマトグラフィープロセスの効率化 4.4 吸脱着(段階溶出)クロマトグラフィープロセスの効率化 4.5 まとめ
第2章 低分子原薬からバイオ原薬まで,連続生産の実際 1 連続生産システム「PharmaStream®」 1.1 PharmaStream®概要 1.2 処方に適した機器選定のポイントと粉体シミュレーション技術の活用 1.2.1 供給装置 1.2.2 混合機 1.2.3 造粒乾燥機 1.2.4 検査選別装置:iSorter 1.3 品質管理戦略の検討とソフトセンサー,RTD実装化 1.3.1 医薬品製造の管理戦略 1.3.2 ソフトセンサー基礎 1.3.3 ソフトセンサーの課題と対応 1.4 PharmaStream®におけるPATシステム 1.4.1 製薬業界の動向 1.4.2 モニタリングに関する現状の課題 1.4.3 MSPCを適用したPAT 1.5 今後の展開 2 小型連続晶析装置「リアクタライザー」 2.1 背景 2.2 テイラー渦流と装置の特徴 2.2.1 テイラー渦流 2.2.2 反応管内部のクリアランスと操作条件 2.2.3 構造上の特徴 2.2.4 装置 2.3 晶析事例 2.3.1 非溶媒添加晶析(塩化ナトリウム) 2.3.2 反応晶析(硫酸バリウム) 2.3.3 L-アスパラギン酸の晶析(滝山研究室との共同研究) 2.4 まとめ 3 高効率小型連続反応器「ミリリアクター」 3.1 はじめに 3.2 「ミリリアクター」の基本概念と開発経緯 3.3 「ミリリアクター」混合性能について 3.4 「ミリリアクター」を使用した反応例 3.4.1 Grignard反応 3.4.2 ベンジルアルコールの臭素化 3.4.3 アルデヒドのDIBAL-H還元 3.4.4 芳香族化合物のリチオ化・ホルミル化反応 3.4.5 金属酸化物の還元反応 3.5 最後に 4 抗体医薬連続製造のための「Cadence™」製品シリーズ 4.1 はじめに 4.2 抗体医薬製造工程における単位操作 4.3 細胞除去・回収工程の連続化 4.4 クロマトグラフィー工程の連続化 4.5 ウイルス不活化工程の連続化 4.6 濃縮工程の連続化 4.7 脱塩・バッファー交換工程の連続化 4.8 おわりに 5 連続生産による抗体製造プロセスの効率化 5.1 はじめに 5.2 バイオ連続生産の特徴 5.3 連続培養法 5.4 Capturing 5.5 連続クロマトグラフィーの導入 5.6 連続Batch Capturing法を用いたプロセスの実際 5.7 工場設計 5.8 終わりに 6 バイオ医薬品の連続生産における品質管理 6.1 バイオ医薬品の連続生産 6.2 連続生産における品質管理に関する規制文書 6.3 バイオ医薬品の連続生産における品質管理 6.3.1 基本的な考え方 6.3.2 連続生産に特有の事項 6.4 おわりに
第3章 固形製剤のための連続生産装置の開発 1 連続生産装置の開発「CTS-MiGRAシステム」 1.1 はじめに 1.2 CTS-MiGRAシステム概要 1.3 装置構造 1.3.1 混合ユニット:SCTS-MG-200 1.3.2 混合/造粒ユニット:CTS-MG-100 1.3.3 乾燥ユニット:CTS-FD-01W 1.3.4 輸送・滑沢剤混合ユニット 1.3.5 打錠ユニット:1090i WiP 1.3.6 錠剤コーティングユニット:CTS-PRC-EVO 1.4 CTS-MiGRAラボスケール 1.5 おわりに 2 連続混合混練造粒乾燥システムの開発「DOME-EX」 2.1 はじめに 2.2 連続造粒システムの特徴 2.2.1 連続造粒システムの概要 2.2.2 各ゾーンの機能 2.3 混練および造粒・整粒ゾーン条件の顆粒への影響 2.3.1 実験方法 2.3.2 顆粒および錠剤の評価 2.3.3 結果および考察 2.4 PATの導入例 2.4.1 NIRセンサーによる薬物含量測定 2.4.2 画像解析法による粒子径測定 2.4.3 NIRセンサーによる水分測定 2.5 おわりに 3 直打連続生産システムの開発 3.1 はじめに 3.2 直打連続生産システム構成 3.3 定量フィーダの立ち上げと供給性能 3.4 連続混合機(CRATER/ARIES CRA-RIS,クラリス)の混合性能 3.5 NIRによる主薬濃度の確認 3.6 連続混合生産量に応じた打錠スピードの調整 3.7 滑沢剤の直前混合 3.8 混合顆粒の打錠特性とその錠剤物性 3.9 おわりに 4 GEA社における連続生産機器の開発 4.1 連続生産機器開発の経緯 4.2 ConsiGma25湿式造粒打錠ライン 4.3 CDC50直打ライン 4.4 連続生産用打錠機・コーティング機 4.5連続生産の長所 4.5.1 製造時間により生産量を調整できる 4.5.2 薬の設計開発段階から商用生産機を使用することも可能 4.5.3 開発時間の短縮化が可能 4.5.4 機械の設置スペースの削減 4.5.5 中間品保管場所の削減 4.6 生産機とR&D 機 4.7 プロセスの状況把握に優れた操作画面とトレンドグラフ 4.8 最後に
第4章 連続生産実現のための制御・支援技術 1 連続生産を対象とするプロセスシステム工学研究 1.1 はじめに 1.2 経済性評価の研究例 1.2.1 Step 1:製造コストのモデル化 1.2.2 Step 2:評価値計算 1.2.3 Step 3:感度解析 1.2.4 Step 4:結果の解釈 1.3 品質評価の研究例 1.3.1 実験方法 1.3.2 評価系 1.3.3 結果と考察 1.3.4 スケールアップに関する考察 1.4 おわりに 2 連続生産プロセスにおけるPAT 2.1 はじめに 2.2 モニタリングツール 2.3連続生産制御のためのPAT 2.4 Real time release testing 2.5 Feedforward control 2.6 まとめ 3 連続生産におけるシステム化のアプローチ 3.1 はじめに 3.2 連続生産を可能とするためのインラインリアルタイムモニタリング技術 3.3 バイオ医薬品の連続生産に向けた品質安定化に向けた取組み 3.4 ペプチド合成における品質監視制御に対する取組み 3.5 実生産へと繋げる連続生産システムに対する取組み 3.6 おわりに 4 連続生産の開発から商用生産に向けたアプローチと事例 4.1 はじめに〜原薬連続生産における課題 4.2 “R&Dエンジニアリング”とは 4.3 “R&Dエンジニアリング”のアプローチ 4.4 “R&Dエンジニアリング”の実施事例 4.4.1 尿素プロセス(ACES21®)のスケールアップ事例 4.4.2 バッチプロセスから連続プロセスへの開発 4.5 原薬連続生産における“R&Dエンジニアリング”の実施例 4.5.1 プロセス開発支援 4.5.2 原薬連続反応設備の構築事例 4.6 おわりに
第5章 連続生産への様々な取り組み 1 医薬品の連続生産プロセスの構築 1.1 はじめに 1.2 連続生産の特徴と課題 1.2.1 バッチ生産 1.2.2 連続生産 1.2.3 連続生産のメリット 1.2.4 連続生産の課題 1.3 連続生産への取り組みの現状 1.4 おわりに 2 CMOの取り組み戦略 2.1 はじめに 2.2 連続生産設備に関して 2.3 連続生産の製剤設計に関して 2.4 CMOとしての戦略:製剤設計 2.5 CMOとしての戦略:設備導入 2.6 CMOとしての受託戦略 3 有機金属反応のための連続製造プロセスの開発 3.1 はじめに 3.2 連続工程の利点 3.3 従来の化学研究室および連続プロセス研究室 3.4 ケーススタディ:有機金属反応からの連続製造プロセスの開発とワークアップ 3.5 結論・アウトルック
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