目次
序章 高分子複合材料の技術変遷と最近の展開
はじめに
1.高分子複合材料の歴史
1-1 合成樹脂の複合材料
1-2 樹脂複合材料の要求特性
1-3 ゴム・エラストマーの複合材料
2.高分子複合材料関連要素技術の動向と本書の構成
おわりに
第1章 高分子合成技術の進展とポリマーアロイ
第1節 重合触媒と精密重合
第1項 重合体の分子設計技術の進展
はじめに
1.メタロセン触媒重合
1-1 メタロセン錯体触媒
1-2 メタロセン触媒による新規な重合体の開発
2.リビング重合
2-1 1990年代以前のリビング重合
2-2 2000年代以降のリビング重合
おわりに
第2項 リビングラジカル重合による高機能性アクリルブロックポリマーの設計
はじめに
1.アダマンチル基を含むアクリル酸エステルブロックポリマーの合成
2.ポリフマル酸エステルのリビングラジカル重合
3.RAFT重合によるポリフマル酸エステルの構造制御
4.アダマンチル基を含むポリフマル酸エステルブロックポリマーの合成
おわりに
第2節 ポリマーアロイ技術の進展:第四世代ポリマーアロイ
第1項 ミクロ分散とナノ分散
はじめに
1 ポリマーの相溶化と相容化
1-1 相溶と非相溶
1-2 相溶化と相容化
2 相容化剤の種類
2-1 非反応性相容化剤
2-2 反応性相容化剤
3 リアクティブプロセッシングと相容化剤
4 ナノサイズレベルの分散と第四世代ポリマーアロイ
5 相容化剤を用いた高分子複合材料
おわりに
第2項 グラフトコポリマーを使用した樹脂改質
はじめに
1 日油(株)のグラフトコポリマー
1-1 グラフトコポリマーの製造方法
1-2 グラフトコポリマーの組成および用途
2 モディパー® A,Cシリーズの添加効果と適用例
2-1 ポリマーアロイの相容性改良
2-2 耐衝撃性の改良
2-3 摺動性の改良
2-4 異音防止性の改良
おわりに
第2章 高分子複合材料の混練・成形技術
はじめに
1.ポリマー(樹脂)の混練技術
1-1 ポリマーの混練の基礎
1-2 バッチ式混練機におけるポリマーの混練
1-3 充塡材、フィラーの分散
1-3-1 充塡材、フィラーの傾向
1-3-2 無機充塡材の分散混練
1-3- 3 フィラーの分散に及ぼす粒子径の影響
1-4 粘度差のあるポリマーの混練
2.ポリマーの混練装置
2-1 連続式混練機
2-2 ポリマーの混練メカニズム
2-2-1 ローターによるせん断作用
2-2-2 ポリマーの混練に及ぼすローターの形状、寸法の影響
3 新しいポリマー混練技術
3-1 VCMT(Various Clearance Mixing Technology)の概念
3-2 フィラー充塡コンパウンドでの応用
3-3 ローターセグメントとニーディングデスクの比較
4 繊維強化樹脂の混練
4-1 はじめに
4-2 繊維強化熱可塑性樹脂
4-3 無機繊維強化樹脂の製造(コンパウンディング装置)
4-3-1 無機短繊維強化樹脂のコンパウンディング
4-4 無機長繊維強化樹脂の製造(コンパウンディング)
4-4-1 従来方式
4-4-2 新方式(撚り付与方式)
4-4-3 天然繊維強化樹脂の製造(コンパウンデング装置)
おわりに
第3章 高分子複合材料の劣化と安定化
第1節 高分子材料の劣化機構と安定化機構
1 高分子の劣化
1-1 劣化因子と劣化現象
1-2 劣化機構
1-2-1 自動酸化機構
1-2-2 C‒H結合の結合解離エネルギー
1-2-3 自動酸化機構の検証
1-2-4 光酸化劣化機構
1-2-5 Chromophore
2 高分子の安定化
2-1 安定剤の機能別分類
2-2 安定化機構
2-3 酸化防止剤(AO)の安定化メカニズム
2-3-1 フェノール系酸化防止剤(AO)の安定化メカニズム
2-3-2 ラジカル連鎖禁止機構の検証
2-3-3 アミン系酸化防止剤(AO)の安定化メカニズム
2-3-4 リン系酸化防止剤(AO)の安定化メカニズム
2-3-5 イオウ系酸化防止剤(AO)の安定化メカニズム
2-4 光安定剤の安定化メカニズム
2-4-1 紫外線吸収剤(UVA)の安定化メカニズム
2-4-2 Niクエンチャーの安定化メカニズム
2-4-3 HALSの安定化メカニズム
2-4-3-1 Klemchukの安定化メカニズム
2-5 金属不活性化剤の安定化メカニズム
2-6 熱劣化防止剤
2-6-1 熱劣化と熱酸化劣化
2-6-2 熱劣化防止剤(Sumilizer GM)の安定化のメカニズム
第2節 酸化防止剤と熱劣化防止剤の特性と選定、劣化対策に効果的な使用法
1 添加剤の性能評価フロー
2 相乗作用と拮抗作用
3 加工安定処方
3-1 基本的考え方
3-2 押出機を用いたSBS樹脂の加工安定性(事例)
3-3 押出機を用いたPP加工安定性(事例)
4 耐熱処方
4-1 基本的考え方
4-2 ギヤオーブンを用いたPP耐熱性(事例)
第3節 耐候安定剤の特性と選定、劣化対策に効果的な使用法
はじめに
1.紫外線吸収剤(UVA)
1-1 超高耐候性を実現するヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系紫外線 吸収剤
1-2 紫外線吸収剤の水系塗料・コーティング剤への適用
2.光安定剤(HALS / ハルス)
2-1 HALSの塩基性
2-2 超高耐候性を実現するHALS
2-3 HALSの水系塗料・コーティング剤への適用
おわりに
第4節 難燃剤の特性と選定、効果的な使用法
はじめに
1.難燃機構から見た難燃効率の向上
1-1 気相における難燃化機構と難燃効果の高い難燃剤
1-2 固相における難燃化機構と難燃効果の高い難燃剤
2 難燃剤の種類と難燃剤の特性、特徴、使い方
2-1 難燃剤の種類、化学構造、特性
2-2 難燃剤の今後の方向
第5節 高度な難燃化を達成するリン系難燃剤の分子設計はじめに
1 高分子材料の燃焼機構と難燃機構
2 ファイヤガード® FCX‒210の特徴
3 ファイヤガード® FCX‒210の難燃効果
3-1 スチレン系樹脂への適応
3-2 アクリル樹脂への適応
3-3 透明ポリアミド樹脂への適応
3-4 ポリエステル樹脂への適応
3-5 バイオプラスチックへの適応
4 難燃性塗料 「ランデックスコート 難燃クリア®」
おわりに
第4章 高分子複合材料の技術開発と応用展開
第1節 繊維強化複合材料
第1項 アクリル系現場重合型熱可塑性コンポジットマトリクス
はじめに
1 アクリル系現場重合型熱可塑性マトリクスELIUM®
2 Elium® 樹脂及び複合材の基本特性
2-1 繊維の選択
2-2 Elium®複合材の基本特性
2-3 Elium®複合材の衝撃特性および層間剝離靱性
2-4 疲労特性
3 Elium®の成形
3-1 インフュージョン成形
3-2 RTM成形
3-3 引抜成形
3-4 フィラメントワインディング‒光/熱デュアルキュア
4 Elium®のリサイクル性
おわりに
第2項 ガラス繊維強化複合材料(GFRTP)の特性と応用
はじめに
1 GFRTPとは
1-1 GFRTPの構成要素
1-2 FRPとの違い
1-3 GF‒PPを事例とした加工技術
1-3-1 GMT‒PP
1-3-2 Unidirectional シート
1-3-3 KPシート
1-3-4 D‒LFT(Direct long fiber reinforced thermoplastic)
1-3-5 LGF‒PP
1-3-6 GF‒PP
2 GFRTPの特性
2-1 GFの性状
2-2 界面特性
2-3 モルフォロジー
3 GFRTPの開発と用途
3-1 エンプラ系GFRTPの開発と用途
3-1-1 ポリカーボネート系GFRTPの開発と用途
3-1-2 シンジオタクチックポリスチレン系GFRTPの開発と用途
3-2 ポリプロピレン系GFRTPの開発と用途
おわりに
第3項 有機繊維複合材料の特性と応用
はじめに
1 複合材料に使用される有機繊維
1-1 アラミド繊維
1-2 PBO繊維
1-3 ポリエステル繊維
1-4 ナイロン繊維
1-5 ポリビニルアルコール繊維
2 有機繊維補強プラスチック複合材料
3 有機繊維補強ゴム複合材料
4 有機繊維補強コンクリート複合材料
おわりに
第4項 セルロースナノファイバーの特徴を活かした高分子複合材料
はじめに
1.CNFの高分子(プラスチック)補強繊維としての欠点と改良
2.CNFの高強度、軽量性を活かした複合材料
3.CNFのフレキシビリティーを活かした複合材料
4.CNFの熱特性を活かした複合材料
5.CNFの核剤効果を利用した複合材料
6.CNFの増粘効果を利用した複合材料
おわりに
第5項 炭素繊維樹脂複合材料(CFRP)の特性と応用
はじめに
1 炭素繊維樹脂複合材料(CFRP)について
2 CFRPの軽量化効果:比強度、比剛性について
3 炭素繊維及びCFRPの機械的性能の異方性
4 PAN系炭素繊維の特徴を活かした用途展開
4-1 航空機用途
4-2 自動車用途:車体など
4-3 圧力タンク用途
4-4 電線ケーブル用途
5 ピッチ系炭素繊維の特徴を活かした用途展開
5-1 軽量・高剛性
5-2 高熱伝導率
5-3 ゼロ熱膨張
第2節 高機能性高分子複合材料
第1項 室温にガラス転移温度を有するポリオレフィンの特性と複合化
はじめに
1 室温にガラス転移温度を持たせるための材料設計
2 熱可塑性オレフィン系共重合体 ABSORTOMER®(アブソートマー®)
2-1 ABSORTOMER®(アブソートマー®)の特徴
2-2 ABSORTOMER®(アブソートマー®)の動的粘弾性
2-3 ABSORTOMER®(アブソートマー®)の応力緩和性
3 ABSORTOMER®とEPDMの複合化
3-1 材料特性と低反発性
3-2 動的粘弾性特性
4 ABSORTOMER®とTPVの複合化
4-1 材料特性と動的粘弾性挙動
4-2 応力緩和性
おわりに
第2項 MOF(金属?有機複合材料)の特性と応用
はじめに
1 MOFの空間設計
1-1 空間サイズや形状の精密制御
1-2 活性サイト・相互作用サイトの導入
1-3 動的柔軟骨格
1-4 モルフォロジー
2 MOFの細孔機能
2-1 吸着
2-2 分離
2-3 反応場
2-4 高分子材料創製
おわりに
第3節 植物由来樹脂複合材料
第1項 トチュウエラストマー(トランスポリイソプレン)の開発と応用
はじめに
1.トチュウエラストマー(ENP)とは
2.トチュウエラストマーの特徴
2-1 特性および物性
2-2 ENPと合成樹脂とのブレンド
2-3 バイオ由来ポリマーの耐衝撃性向上(PLAとENP)
3.ENPの商品化事例
4.トチュウプラスチック
おわりに
第2項 バイオ由来原料を用いた水素添加スチレン系エラストマーの開発と応用
はじめに
1 「セプトン」BIO‒シリーズ
1-1 「セプトン」BIO‒シリーズの応用物性
おわりに
第4節 自動車分野に求められる高分子材料
はじめに
1.今日の自動車に求められている技術課題
1-1 主要な自動車「規制」
1-2 CO2規制動向
1-3 CO2削減対応技術
2.自動車軽量化技術
2-1 車体材料の転換
2-1-1 鋼材の高張力化
2-1-2 軽合金の採用
2-1-3 繊維強化樹脂
2-1-4 量産型CFRP車体
2-1-5 BMWの電気自動車用CFRP車体
2-1-6 マルチマテリアル
3.自動車に使用されている樹脂部材
3-1 車体外装
3-2 エンジン、パワートレイン
3-3 インテリア
4.今後の自動車用材料