目次
第1章 中分子医薬品の概要と位置付け
1. 低分子・高分子医薬品との差異
2. 核酸医薬品の特徴と創薬戦略
3. ペプチド医薬品の特徴と創薬戦略
第2章 核酸医薬品の創薬開発におけるポイント
第1節 核酸医薬の各作用機序と概要
1. アンチセンス核酸医薬の作用機序
2. miRNA標的
2.1 miRNAと疾患との関係性
2.1.1 miRNAの作用機序とその機能
2.1.2 miRNAと疾患との関連性
2.2 miRNAを標的とした核酸医薬品の開発
2.2.1 Anti-miRNA oligonucleotide(AMO)
2.2.2 AMOの化学修飾
2.2.3 miRNA mimic
2.3 miRNAを標的とした核酸医薬品の現状
2.3.1 AMOの臨床試験例
2.3.2 miRNA mimicの臨床試験
3. 核酸医薬におけるsiRNAの分子デザイン
3.1 RNA干渉の機構で遺伝子発現抑制を実現するsiRNA
3.2 siRNAの性能向上のための化学修飾
3.2.1 酵素耐性
3.2.2 オフターゲット効果の抑制
3.3 免疫応答の回避
3.4 デリバリーシステム
3.5 siRNA医薬品の開発状況
4 核酸医薬における「デコイ」型の概要
4.1 転写因子の機能とデコイの作用機序
4.2 複数の転写因子と結合するキメラデコイ
4.3 対象疾患と課題
4.4 開発の現状
4.4.1 悪性腫瘍
4.4.2 慢性炎症性疾患
4.4.2.1 心血管疾患
4.4.2.2 気管支喘息
5. 核酸医薬における「アプタマー」型の概要
5.1 アプタマー医薬の特徴と課題
5.2 アプタマーの基本特性向上
5.2.1 血中滞留性の向上
5.2.2 結合親和性の向上
5.3 アプタマーならではの標的選択
第2節 核酸医薬品におけるDDS技術の概要
1. 核酸医薬に対するDDS技術
1.1 コンジュゲート型DDS
1.2 キャリア型DDS
2. 核酸医薬DDSにおける代表的な投与ルート
2.1 注射による局所および全身投与
2.2 経口投与
2.3 経鼻投与
第3節 核酸医薬品における非臨床安全性評価のポイント
1. 核酸医薬品の安全性評価の考え方
2. 安全性薬理試験
3. 一般毒性試験
3.1 動物種
3.2 オンターゲット毒性の評価
3.2.1 サロゲートの利用
3.2.2 疾患モデル動物の利用
3.2.3 サロゲートも疾患モデル動物も利用しなかった例
3.3 ハイブリダイゼーションに起因しないオフターゲット毒性
3.4 DDS製剤の安全性評価
3.5 投与量・投与期間
4. 遺伝毒性試験
5. がん原性試験
6. 生殖発生毒性試験
第4節 核酸医薬品の規制整備に向けた取り組み
1. 核酸医薬品の特徴
2. 核酸医薬品の記載整備に向けた取り組み
2.1 研究班における取り組み
2.2 日本製薬工業協会における取り組み
2.3 日本核酸医薬学会RS部会における取り組み
2.4 海外における取り組み
3. 核酸医薬品の品質・安全性評価の考え方
3.1 品質評価に関する考慮事項
3.2 安全性評価に関する考慮次項
第5節 核酸医薬品の構造と物理化学的特性の解析
-核酸医薬品の論理的な開発を目指して-
1. アプタマー医薬品の作成法
2. アプタマーの立体構造解析
2.1 アプタマーの立体構造解析
2.2 アプタマーの立体構造解析例
2.2.1 アプタマーによる広い領域の認識
2.2.2 非核酸結合タンパク質とアプタマーの相互作用
2.2.3 転写因子とアプタマーの相互作用
3. アプタマーと標的たんぱく質の相互作用の物理化学的解析
3.1 相互作用の速度論的な解析と熱力学的な解析
3.2 転写因子とアプタマーの相互作用の解析例
4. 修飾アプタマー
第6節 核酸医薬の精製および分析の考え方
1. 核酸医薬のHPLC分離
2. 分取精製システム
3. 応用例:2次元HPLCを使用した分離・精製
第3章 ペプチド医薬品の創薬開発におけるポイント
第1節 ペプチド医薬品における各合成の概要
1. 化学合成法
1.1 固相合成
1.2 液相合成
1.3 固相液相ハイブリッド合成法
1.4 現行のペプチド合成の問題点
1.5 マイクロフローペプチド合成法
2. 遺伝子組み換え技術を利用したペプチドの合成方法
2.1 リボソームを利用したペプチドの合成方法
2.2 リボソームに依存しないペプチドの生産方法
第2節 ペプチドの立体構造解析手法
1. ペプチドの立体構造解析・相互作用解析手法
2. 立体構造解析とペプチド試料調製技術
3. 安定性同位体標識ペプチドのNMR法による解析への応用例
3.1 転移NOE法による立体構造解析
3.2 安定同位体標識ペプチドの転移NOE法による解析への応用
3.3 転移NOE法の限界とさらなる安定同位体標識ペプチドのNMR測定技術の応用
第3節 ファージディスプレイ法を利用した機能性ペプチドスクリーニング
1. ファージディスプレイ法を含む各種ペプチドディスプレイ技術の比較
2. ファージディスプレイを行うための考慮点:技術障壁を中心に
2.1 どの種類のファージを用いるべきか
2.2 ペプチドライブラリーをコードするDNAライブラリーの構築等
2.3 標的蛋白質に対して結合するペプチドのスクリーニング
3. ファージディスプレイ法の実施例および応用例
3.1 天然アミノ酸のみからなるペプチドを提示させた従来形ファージディプレイ
3.2 人工分子をペプチド上に化学修飾させた拡張系ファージディスプレイ
第4節 構造計算を利用した高精度デザインペプチドライブラリー
1. ペプチドライブラリーの多様性
2. デザインペプチドライブラリー
3. 構造揺らぎを抑制したHER2結合デザインペプチドライブラリー
第5節 タンパク質-タンパク質相互作用(PPI)阻害活性を有する立体構造規制ペプチド「マイクロ抗体」の概要と安定性
1. ヘリックス-ループ-ヘリックス構造ペプチドを土台とするマイクロ抗体
2. 進化分子工学を用いたマイクロ抗体ライブラリーの作成
3. 立体構造情報に基づいたマイクロ抗体の分子設計:エピトープ・グラフティング
4. 細胞内PPIを阻害するマイクロ抗体の分子設計:エピトープ・グラフティング×アルギニン・グラフティング
5. マイクロ抗体の効率的合成およびラベル化方法
6. ペプチドを基盤とする中分子医薬品の安定性
第6節 ペプチド医薬品の品質に関するガイドライン及び規制の現状
1. 上市および開発中のペプチド医薬品
1.1 国内で承認されたペプチド医薬品
1.2 ペプチド医薬品の開発動向
2. ペプチド医薬品の品質評価
2.1 合成ペプチド
2.1.1 ガイドライン
2.1.2 特性解析、並びに規格及び試験方法
2.2 遺伝子組み換えペプチド
2.2.1 ガイドライン
2.2.2 特性解析、並びに規格及び試験方法
第7節 ペプチド合成におけるスケールアップのポイント
1. 化学合成によるペプチド製造技術
1.1 種類と特徴
1.2 ペプチドの製造における不純物
2. ペプチド製造のスケールアップにおける課題
2.1 各製造方法の相違点
2.2 ペプチド製造の各ステップでの課題
3. タグ液相法でのスケールアップ
3.1 Molecular Hiving法の特徴
4. 医薬品原薬製造への適用
第8節 不純物管理の注意点
1. 不純物の分類
2. ペプチドの固相合成と不純物について
2.1 原料中の不純物
2.2 構造合成中の不純物
2.3 切り出し反応時の不純物
2.4 精製~凍結乾燥時の不純物
3. ペプチド構造を有しない不純物について~ICH M7対応を見据えて~
3.1 対象化合物の選定
3.2 ハザード評価の手順
3.3 管理戦略の立案
3.4 推定パージファクターの利用
4. ペプチドの規格及び試験方法の設定
第9節 ペプチド医薬品における品質試験の考え方
1. 合成ペプチド原薬の品質評価項目
1.1 性状(Description)
1.2 確認試験(Identification)
1.3 定量法(Assay)
1.4 純度試験(Impurities)
1.5 原薬の特性に応じて設定すべき試験
2. 合成ペプチドの分析事例
2.1 構成アミノ酸の組成分析
2.2 タンデム質量分析によるフラグメントイオンのパターン
2.3 イオンクロマトグラフィーによる有機酸類の測定
第4章 中分子医薬品における特許戦略~クレームドラフティングの視点を含めて~
1. 核酸医薬品
1.1 核酸医薬品の種類と機能
1.2 核酸医薬品の技術要素
2. ペプチド医薬品
3. 配列に着目したクレームドラフティング
3.1 「~からなる」及び「~含む」
3.2 「~からなる」及び「~含む」の問題点
3.3 特許事例
3.4 日本、米国及びヨーロッパ
3.4.1 日本及び米国
3.4.2 ヨーロッパ
4. 「新規な作用原理」の特許事例