レポートナンバー 0000026597
初めての人も、技術者も理解できる レーザ加工技術の基礎とその応用
株式会社シーエムシー・リサーチ
The Basic Knowledge and Application of Laser Process Technology
発刊日
2020/04/20
言語日本語
体裁A4/137ページ
ライセンス/価格137ページ
0000026597
※カラー
※セット:書籍+CD 77,000円(税抜価格 70,000円)もございます。お問い合わせ下さい。
レポート概要
【本書の特徴】
- レーザ加工技術の原理、特徴、課題を横断的に幅広く解説!
- 接合、肉盛、切断、表面熱処理、ピーニング等の応用を記述!
- 自動車ボディに用いられているレーザ接合技術の詳細を解説!
- CO2レーザ、YAG レーザ、半導体レーザ等主なレーザを説明!
- 近年注目のアディティブマニュファクチュアリングに言及!
= 刊行にあたって =
太陽の光は、虹の7色と赤外線・紫外線などの光が混じった混合された光で、360度すべての方向に拡散する。レーザとは、この内1色のみを取り出して、増幅させた人工の光である。このレーザは、数多くの優れた特性があるため、金属の切断、溶接、表面処理から、プラスチック、ゴムなどの有機材料の加工にまでアプリケーションが拡大している。
例えば、レーザは指向性と集光性が良いため、微細加工幅あるいは微細加工面積での加工が可能であり、最近は、ファイバーレーザ、半導体レーザなどの様に、紫外域の短波長レーザや短パルスレーザを用いて更に加工精度の改善がされている。また、レーザビームをレンズに集光することにより高密度エネルギーを得られるので、ほとんどの材料(金属、ガラス、有機材料など)を溶融もしくは蒸発させることができる。更に、TIG溶接やMIG溶接と比べ、溶融ビート幅が狭く溶融深さが大きく、熱影響層や溶接ひずみの小さい接合が可能である。レーザ加工では、このように小領域にエネルギーを集中し、非常に効率的に材料の溶融あるいは蒸発を起こすので、切断速度や溶接速度を大きくすることもでき、光合成、光分解、合金元素添加の利用も可能である。レーザ加工技術は産業界の発展に大きく寄与していく、これからの技術であると考えられる。
本書では、各種製品の設計、製造に関わっている技術者、レーザ加工関係の仕事をされている技術者、また将来これらの分野に進まれる予定の学生を対象にして、各種分野で適用可能な主なレーザ加工技術(接合、肉盛、切断、表面熱処理、ピーニング、その他)の知識とその応用について記述した。また、自動車をはじめとして、原子力発電設備など各種分野への適用事例について述べた。更に、最近の新技術についても紹介した。今までに出版されたレーザ加工分野の書物は、レーザ溶接、レーザ切断などのように一つか二つの技術に絞った内容のものがほとんどであり、レーザ加工技術を横断的に幅広く説明したものはあまりない。従って、本書では、各種のレーザ加工技術について、横断的にその原理、特徴、課題、その応用方法などを出来るだけ具体的にわかり易く説明し、レーザ加工技術がどのような技術なのかを理解できるようにした。
1章では、先ずレーザの基本的な特性、課題について説明し、次にCO2レーザ、YAGレーザ、半導体レーザ、ファイバーレーザ等の主なレーザについて、そのメカニズム、特徴などの基礎的な知識について具体的に説明している。
2章では、各種のレーザ加工技術(レーザ切断、レーザ溶接、レーザ精密加工、レーザブレージング、レーザクラッディング、レーザ合金化、レーザ焼入れ、レーザピーニングなど)について、各々その原理、特徴、課題等を他の従来法(アーク、プラズマ、溶射、高周波など)と比較評価しながら説明した。また適用事例についても述べた。
レーザクラッディングの項では、造形技術としても利用できるため、近年注目されているアディティブマニュファクチュアリングについてもその特徴と応用例に言及している。
園家 啓嗣
レポート詳細
著者
園家 啓嗣
ソノヤラボ(株) 代表 / 山梨大学 名誉教授 工学博士、技術士(金属)、International Welding Engineer (IWE)、 環境マネジメントシステム(ISO14001)審査員補
【経 歴】
1977年 大阪大学大学院 修士課程修了
1977年 石川島播磨重工(株)(現 IHI)勤務
2006年 産業技術総合研究所 客員研究員
2007年 芝浦工業大学教授
2009年 山梨大学 教授
2018年 ソノヤラボ(株) 代表
【研究歴】
企業、大学で、接合技術(アーク溶接、レーザ溶接、接着、超音波接合、摩擦攪拌等)、表面処理技術(溶射、めっき等)、金属材料、 ライフサイクルアセスメント(LCA)などの研究開発を行ってきた。
【所属学会】
溶接学会、溶射学会、表面技術協会
【著 書】
「溶射技術とその応用」、「環境圏の新しい燃焼工学」など
構成および内容
第1章 レーザの概要
1. レーザの基本
2. レーザ加工技術の歴史
3. レーザの特性
4. レーザ加工の課題
4.1 熱加工における課題
4.2 非熱加工における課題
5. レーザの種類
5.1 CO2レーザとYAGレーザ
5.2 高出力ファイバーレーザ
(1) ファイバーレーザの基本構成
(2) 増幅用ファイバーの構造
(3) ファイバーレーザの特徴と特性指標
6. 金属材料におけるレーザの吸収と反射
参考文献
第2章 各種レーザ加工技術
1. レーザ加工技術の概要
2. レーザ切断
2.1 レーザ切断の歴史
2.2 レーザ切断の原理と特徴
2.3 水中レーザ切断
2.4 ファイバーレーザ切断(最新のアプリケーション)
2.5 レーザマイクロマシニング
2.6 レーザ切断の保安
3. レーザ溶接
3.1 レーザ溶接の歴史
3.2 レーザ溶接の原理
3.3 レーザ溶接パラメータ
3.4 レーザ溶接装置の種類および継手の分類
(1) レーザ溶接装置の種類
(2) レーザ溶接継手
3.5 レーザ溶接の特徴
3.6 レーザ溶接の欠陥
(1) ポロシティ
(2) 割れ
3.7 溶加材添加型レーザ溶接
3.8 自動車ボディへのレーザ溶接適用
(1) 自動車ボディに用いられる材料
(2) 自動車ボディの接合工法
(3) 自動車ボディでの各種接合技術使用比率
(4) 自動車ボディに用いられているレーザ接合技術
(5) テーラードブランク(TB:Tailored Blanks)溶接
(6) 自動車の3次元溶接
(7) リモートレーザ溶接
(8) LSW(Laser Screw Welding)
(9) 自動車部品への主なレーザ溶接適用例
(10) レーザ加工技術の将来展望
4. レーザ精密加工
4.1 YAGレーザ
4.2 ファイバーレーザ
(1) ファイバーレーザの特徴
(2) レーザ精密加工法の特徴
(3) レーザ精密加工の適用例
5. レーザブレージング
5.1 レーザブレージングの概要
5.2 高張力鋼のレーザブレージング
5.3 異材接合レーザブレージングを可能としたフラックスコアードワイヤ
5.4 レーザブレージングの異材接合の原理
5.5 レーザブレージングの適用可能な自動車部位
6. レーザクラッディング
6.1 レーザクラッディングの原理
6.2 レーザクラッディングのシステム構成
(1) レーザ源
(2) 粉末供給装置
(3) 加工ヘッド
6.3 レーザクラッディングの特徴
6.4 施工上の留意点
6.5 レーザクラッディングと他の表面処理法の比較
6.6 アディティブマニュファクチュアリング
6.7 レーザクラッディング材料および積層組織
6.8 レーザクラッディング適用事例
(1) 補修・形状修復
(2) 複雑形状部品の形状修復
(3) 耐摩耗性コーティング
(4) アディティブマニュファクチュアリング
6.9 レーザ合金化
(1) レーザ合金化の概要
(2) 実験方法
(3) 実験結果
7. レーザ焼入れ
7.1 従来の熱処理法
7.2 レーザ熱処理法
7.3 ダイレクト半導体レーザ
7.4 レーザ焼入れの原理
7.5 各種焼結材料への適用
(1) Fe-2Cu-0.8Cへの適用
(2) Fe-2Cu-0.5Cへの適用
(3) Fe-4Ni-0.5Mo-1.5Cu-0.5Cへの適用
7.6 各種形状への適用
(1) 局所焼入れ
(2) 円周状焼入れ
(3) その他
7.7 レーザ焼入れの利点
(1) 品質上の利点
(2) 工程上の利点
8. レーザピーニング
8.1 レーザピーニングの概要
8.2 レーザピーニングの原理と特徴8.3レーザピーニングの効果
(1) 圧縮残留応力
(2) 応力腐食割れの防止
(3) 疲労強度の改善
8.4 レーザピーニング施工システム
参考文献
索引