レポート概要
★2020年の国内通知とISO-10993シリーズのアップデート内容を反映。
社会変化に合わせた生物学的安全性試験の実際を解説した必携の一冊!
■本書のポイント
【改訂版のまえがきより】
生物学的安全性評価については、周知のとおりISO-109993シリーズのいくつかがこの7年間で改訂され、基本となるISO-10993-1が2018年に改訂されておりますので、それらを反映して今般、国内でも基本的考え方や個々の試験法がアップデートされました。
今までと比較して、大きな変更という訳ではありませんが、新しい医療機器や社会の変化に合わせて生物学的安全性の考えと実際について、見直されております。
そこで、本書も新しい情報を取り込む必要があると考え、この度改訂版としてリリースさせていただくこととなりました。医療機器の生物学的安全性評価やその試験方法のアップデートはもちろんのこと、物理学的・化学的特性の生物学的安全性評価への利用をはじめとして、この7 年間に新たに話題となってきたようなテーマについても書き加えたつもりでおります。
初版のまえがきにも示した「正当に安全性を評価する」という思いは変わりありませんが、皆さまに合理的な生物学的安全性評価が少しでも可能となるための情報を提供できればと考えております。
そして、本書がよりたくさんの新たな医療機器が世の中に広まる一助となれば幸いです。
!下記について、随所でアップデート内容を反映し解説しております!
○医療機器GLPの概要
○試験委託者としての立場、責務、注意点
○毒性学の基本的な考え方
○ガイダンスに挙げられた各試験法の概要と相違点
○ISO-10993シリーズなどの関連試験法との相違点
○各試験法における試験結果の読み方
○各試験法について結果が陽性になった場合の対応
○各試験法についてのリスク評価の考え方
○補足的な試験法の概要
○生物学的安全性に役立つ化学分析法の概要
レポート詳細
執筆者紹介
一般財団法人日本食品分析センター 理事 獣医学博士
勝田 真一 先生
1961 年 大阪生まれ
1986 年 大阪府立大学大学院農学研究科獣医学専攻修了
同年 財団法人日本食品分析センター大阪支所勤務
1993 年 財団法人日本食品分析センター多摩研究所勤務
1997 年 財団法人佐々木研究所病理部研究生
1999 年 東京農工大学農学部獣医学科産学共同研究員
1999 年 財団法人日本食品分析センター多摩研究所勤務
2006 年 財団法人日本食品分析センター千歳研究所勤務
2014 年 一般財団法人日本食品分析センター多摩研究所副所長
2016 年 一般財団法人日本食品分析センター彩都研究所長
2019 年 一般財団法人日本食品分析センター千歳研究所長 現在に至る
※日本毒性病理学会評議員、ISO/TC194 国内委員会、ISO/TC194 WG10 Technical Expert やJIS 関連の委員などを歴任
プレスリリース
第1章 医療機器GLP とその概要
1.GLP システムとは
2.医療機器GLP の適用
2.1 医療機器GLP の適用範囲、適用試験
2.2 医療機器GLP の被験物質
2.3 海外ラボの利用
2.4 試験委託者(スポンサー)
3.医療機器GLP の職員及び組織
3.1 組 織
3.2 運営管理者
3.3 試験責任者
3.4 信頼性保証部門
4.医療機器GLP の試験施設及び機器
4.1 ハードウエアとソフトウエアの概要
4.2 施設・設備
4.3 機 器
5.標準操作手順書(SOP)
6.被験物質の取り扱い
7.試験計画書、試験の実施及び報告
7.1 試験計画書
7.2 試験実施
7.3 最終報告書
7.4 資料の保存
8.医療機器GLP の調査
9.データインテグリティ
第2章 生物学的安全性の考え方
1.歴史的経緯
2.リスク評価
2.1 リスクについて考える
2.2 リスクとハザード
2.3 用量?反応関係(dose-response relationship)
2.3.1 閾値があるモデル
2.3.2 閾値がないモデル
2.3.3 2 相モデル
2.3.4 TTC
3.医療機器の生物学安全性試験の選択
3.1 試験を実施するまでに考えるべきこと
3.2 生物学的安全性評価項目の選択
4.試験試料の選択
第3章 生物学的安全性試験
1.試験の成り立ちと試験系
2.細胞毒性試験
2.1 試験の目的
2.2 20 号ガイダンスからの変更点
2.3 ISO 10993 シリーズなどの試験法との比較
2.3.1 関連する試験方法
2.3.2 ISO 10993-5:2009
2.3.3 第十七改正日本薬局方 一般試験法 プラスチック製医薬品容器試験法 細胞毒性試験
2.4 試験方法の概要
2.4.1 試験試料及び対照試料
2.4.2 細胞株
2.4.3 抽出法によるコロニー形成法
2.4.4 直接接触法によるコロニー形成法
2.5 試験結果の読み方と解釈
2.5.1 抽出法の場合
2.5.2 直接接触法の場合
2.6 陽性となった場合に検討すべきこと
2.7 リスク評価の進め方
3.感作性試験
3.1 試験の目的
3.2 20 号ガイダンスからの変更点
3.3 ISO 10993 シリーズなどの試験法との比較
3.3.1 関連する試験方法
3.3.2 ISO 10993-10:2010
3.4 試験方法の概要
3.4.1 一般的注意事項
3.4.2 試験試料・試験液の調製と試験法の選択
3.4.3 GPMT 法
3.4.3.1 試験系
3.4.3.2 対照物質
3.4.3.3 予備試験
3.4.3.4 操作法
3.4.3.5 判 定
3.4.4 A&P 法
3.4.5 LLNA 法
3.4.5.1 試験系
3.4.5.2 対照物質
3.4.5.3 予備試験
3.4.5.4 操作法
3.5 試験結果の読み方と解釈
3.6 陽性となった場合に検討すべきこと
3.7 リスク評価の進め方
4.遺伝毒性試験
4.1 試験の目的
4.2 20 号ガイダンスからの変更点
4.3 ISO 10993 シリーズなどの試験法との比較
4.3.1 関連する試験方法
4.3.2 ISO 10993-3:2014
4.4 試験方法の概要
4.4.1 復帰突然変異試験
4.4.1.1 試験の原理
4.4.1.2 試験系
4.4.1.3 抽 出
4.4.1.4 操作法
4.4.1.5 判 定
4.4.2 染色体異常試験
4.4.2.1 試験の原理
4.4.2.2 試験系
4.4.2.3 抽 出
4.4.2.4 操作法
4.4.2.5 判 定
4.4.3 マウスリンフォーマTK 試験(mouse lymphoma assay, MLA)
4.4.3.1 試験の原理
4.4.3.2 試験系
4.4.3.3 抽 出
4.4.3.4 操作法
4.4.3.5 判 定
4.4.4 in vivo 小核試験
4.4.4.1 試験の原理
4.4.4.2 試験系
4.4.4.3 抽 出
4.4.4.4 操作法
4.4.4.5 判 定
4.5 試験結果の読み方と解釈
4.6 陽性となった場合に検討すべきこと
4.7 リスク評価の進め方
5. 埋植試験
5.1 試験の目的
5.2 20 号ガイダンスからの変更点
5.3 ISO 10993 シリーズなどの試験法との比較
5.3.1 関連する試験方法
5.3.2 ISO 10993?6:2016
5.3.3 USP Implantation Test
5.4 試験方法の概要
5.4.1 一般的注意事項
5.4.1.1 試験試料及び対照材料
5.4.1.2 埋植部位
5.4.1.3 埋植期間
5.4.1.4 試験動物
5.4.1.5 埋植方法
5.4.1.6 観 察
5.4.1.7 評 価
5.4.2 筋肉内埋植試験
5.4.3 皮下埋植試験
5.4.4 骨内埋植試験
5.4.5 脳内埋植試験
5.5 試験結果の読み方と解釈
5.6 陽性となった場合に検討すべきこと
5.7 リスク評価の進め方
6. 刺激性試験
6.1 試験の目的
6.2 20 号ガイダンスからの変更点
6.3 ISO 10993 シリーズなどの試験法との比較
6.4 試験方法の概要
6.4.1 in vitro 皮膚一次刺激性試験
6.4.1.1 目 的
6.4.1.2 試験液の調製
6.4.1.3 操作法
6.4.2 in vivo 皮膚一次刺激性試験
6.4.3.1 目 的
6.4.3.2 試験液の調製
6.4.3.3 操作法
6.4.4 皮内反応試験
6.4.4.1 目 的
6.4.4.2 試験液の調製
6.4.4.3 操作法
6.4.5 眼刺激試験
6.4.5.1 目 的
6.4.5.2 試験液の調製
6.4.5.3 操作法
6.4.6 その他の刺激性試験
6.4.6.1 口腔粘膜刺激性試験
6.4.6.2 腟粘膜刺激性試験
6.4.6.3 装用試験
6.5 試験結果の読み方と解釈
6.6 陽性となった場合に検討すべきこと
6.7 リスク評価の進め方
7. 全身毒性試験
7.1 試験の目的
7.2 20 号ガイダンスからの変更点
7.3 ISO 10993 シリーズなどの試験法との比較
7.4 試験方法の概要
7.4.1 急性全身毒性試験
7.4.1.1 試験液の調製
7.4.1.2 操作法
7.4.2 反復投与毒性試験(亜急性・亜慢性・慢性全身毒性試験)
7.4.2.1 試験液の調製
7.4.2.2 操作法
7.5 試験結果の読み方と解釈
7.6 陽性となった場合に検討すべきこと
7.7 リスク評価の進め方
8. 発熱性物質試験
8.1 試験の目的
8.2 20 号ガイダンスからの変更点
8.3 ISO 10993 シリーズなどの試験法との比較
8.4 試験方法の概要
8.4.1 ウサギ発熱性物質試験
8.4.1.1 試験液の調製
8.4.1.2 操作法
8.4.2 エンドトキシン試験
8.4.2.1 試験液の調製
8.4.2.2 操作法
8.5 試験結果の読み方と解釈
8.6 陽性となった場合に検討すべきこと
8.7 リスク評価の進め方
9. 血液適合性試験
9.1 試験の目的
9.2 20 号ガイダンスからの変更点
9.3 ISO 10993 シリーズなどの試験法との比較
9.4 試験方法の概要
9.4.1 評価すべき項目
9.4.2 各カテゴリについて一般的注意事項
9.4.2.1 試験試料及び検体数
9.4.2.2 試験系
9.4.2.3 曝露する被験物質
9.4.3 各カテゴリの試験方法について
9.4.3.1 血栓形成
9.4.3.2 血液凝固
9.4.3.3 血小板
9.4.3.4 血液学
9.4.3.5 補 体
9.4.4 材料に起因する溶血性試験
9.4.4.1 試験の成り立ち
9.4.4.2 対照試料
9.4.4.3 試料の準備及び試験液の調製
9.4.4.4 血液の調製法
9.4.4.5 操作法
9.4.4.6 溶血率の算出
9.5 試験結果の読み方と解釈
9.6 陽性となった場合に検討すべきこと
9.7 リスク評価の進め方
第4章 追加的な生物学的安全性試験
1. 試験の必要性
2. 慢性全身毒性試験
3. がん原性試験
4. 生殖発生毒性
5. 生体内分解性試験
6. トキシコキネティクス
7. 免疫毒性
第5章 化学的特性検索と生物学的安全性評価に役立つ化学分析法
1. 化学分析を用いたサポート
2. リスク管理における化学的特性の把握
2.1 段階的なアプローチ
2.2 ISO 10993?18:2020 を利用した化学的特性の解析と生物学的安全性評価
3. 溶出物試験
3.1 分析の目的
3.2 分析法の概要
3.3 溶出物試験結果の生物学的安全性評価への利用
4. 高速液体クロマトグラフィー
5. ガスクロマトグラフィー
6. 赤外吸収分析
7. 元素分析
7.1 分析の目的
7.2 分析の概要と利用
8. 有機体(態)炭素分析
9. 化学物質の構造解析
第6章 再生医療等製品に関する生物学的安全性
1. 法規制
2. 生物学的安全性の考え方