目次
序論 ダイレクトリプログラミング研究の現状と未来展望
《 鈴木 淳史 》
1.はじめに
2.ダイレクトリプログラミングとマスター因子
3.医療応用に向けたダイレクトリプログラミング研究の展望と課題
4.ダイレクトリプログラミングの分子機構
5.おわりに
第1編 細胞運命制御因子を用いたダイレクトリプログラミングの技術開発
第1章 ダイレクトリプログラミングによるミクログリアから神経細胞への運命転換
《 松田 花菜江,松田 泰斗,中島 欽一 》
1.はじめに
2.ダイレクトリプログラミング法を用いたin vitro での人為的ニューロン新生
3.中枢神経系に存在する非ニューロン細胞からの人為的ニューロン新生
4.ダイレクトリプログラミングによるミクログリアからの人為的ニューロン新生
5.成体脳ミクログリアからの人為的ニューロン新生
6.in vivo ダイレクトリプログラミングのための遺伝子導入方法
7.おわりに
第2章 ダイレクトリプログラミングによる網膜神経細胞の作製《 渡邉 すみ子 》
1.はじめに
2.イモリにおける目の再生と虹彩
3.網膜幹細胞
4.網膜プロジェニター細胞
5.ミュラーグリア細胞
6.ミュラーグリアの再生
7.ゼブラフィッシュの網膜再生とその分子機構
8.マウス網膜でもミュラーグリアからの再生が起こるのか?
9.傷害を背景とせずにミュラーグリアのリプログラミングを起こさせる試み
10.最近の新しい論文についての記述
11.今後の期待と展開
第3章 ダイレクトリプログラミングによる神経堤細胞の作製
《 赤木 祐香,髙山 祐三,木田 泰之 》
1.はじめに
2.発生と分類,疾患との関連
3.多能性幹細胞からの誘導法
4.ダイレクトリプログラミングによる誘導法
5.マウス神経堤細胞の作製
6.ヒト神経堤細胞の作製
7.神経堤細胞へのダイレクトリプログラミングの課題
8.神経堤細胞の応用に向けて
第4章 ダイレクトリプログラミングによる心筋再生
《 村方 好子,貞廣 威太郎,家田 真樹 》
1.はじめに
2.線維芽細胞から心筋細胞へのダイレクトリプログラミング
3.生体内における心筋ダイレクトリプログラミング
4.ヒト線維芽細胞からの心筋ダイレクトリプログラミング
5.心筋ダイレクトリプログラミングの分子生物学的機序の解明と,誘導効率改善
6.臨床応用に向けた心筋ダイレクトリプログラミングの最前線
7.おわりに
第5章 ダイレクトリプログラミングによる心臓ペースメーカ細胞の作製
《 中尾 周,川村 晃久 》
1.はじめに
2.心臓の自動能と洞房結節
3.徐脈性不整脈とペースメーカ治療
4.徐脈性不整脈に対する再生療法:生物学的ペースメーカのコンセプト
5.心臓ペースメーカ細胞へのダイレクトリプログラミング
6.多能性幹細胞から心臓ペースメーカ細胞への分化誘導と純化
7.新規リプログラミング候補因子の探索に向けて
8.おわりに
第6章 ダイレクトリプログラミングによる骨格筋幹細胞の作製《 佐藤 貴彦 》
1.はじめに
2.骨格筋発生・再生過程時に働く役者たち
3.骨格筋細胞誘導研究
4.今後の展開
第7章 ダイレクトリプログラミングによる肺上皮細胞の作製
《 石井 誠,小川 卓範 》
1.はじめに
2.直接リプログラミングを用いた内胚葉由来細胞の作製
3.直接リプログラミングを用いたⅡ型肺胞上皮細胞の作製
4.直接リプログラミングを用いた基底細胞の作製
5.直接リプログラミングで誘導した肺上皮細胞を用いた今後の展望
6.おわりに
第8章 ダイレクトリプログラミングによる肝細胞の作製《 鈴木 淳史 》
1.はじめに
2.誘導肝細胞様細胞(iHepC )の誕生
3.iHepC の機能的成熟誘導
4.ヒトiHepC の作製
5.iHepC 研究の進展
6.生体内肝臓におけるiHepC の誘導
7.おわりに
第9章 肝臓細胞から膵臓β細胞へのダイレクトリプログラミング《 高橋 智 》
1.肝臓細胞から膵臓β細胞へのダイレクトリプログラミングの利点および原理
2.肝臓細胞へのダイレクトリプログラミング因子の導入方法
3.肝臓細胞から膵臓β細胞へのダイレクトリプログラミングを検出するための方法
4.ダイレクトリプログラミングに用いられる膵臓β細胞特異的因子
5.ダイレクトリプログラミングを促進する肝臓細胞側の因子
6.今後の展望
第10章 ダイレクトリプログラミングによる膵β細胞作出と1型糖尿病に対する
機能再建《 松本 征仁 》
1.はじめに
2.今日の1 型糖尿病治療と再生医療への実用化の課題
3.直接分化転換によるインスリン産生細胞の誘導
4.リプログラミング因子の同定の着想と同定までの道のり
5.考察と展望
第11章 ダイレクトリプログラミングによる腸幹/前駆細胞の作製
《 三浦 静,鈴木 淳史 》
1.はじめに
2.腸の発生
3.近年の腸上皮オルガノイド培養
4.おわりに
第2編 ダイレクトリプログラミングの医療応用に向けた取り組み
第1章 神経疾患治療へのダイレクトリプログラミングの応用
《 山下 徹,阿部 康二 》
1.はじめに
2.iN 細胞の発見とその後の展開
3.ダイレクトリプログラミングを誘導する因子と阻害する因子
4.ダイレクトリプログラミングを用いた疾患モデルの開発
5.ダイレクトリプログラミングを用いた治療法開発
6.おわりに
第2章 角膜上皮幹細胞疲弊症治療へのダイレクトリプログラミングの応用
《 北澤 耕司 》
1.はじめに
2.角膜上皮幹細胞疲弊症
3.コア転写因子
4.コア転写因子の遺伝子導入
5.コア転写因子の細胞特異性メカニズム
6.おわりに
第3章 ダイレクトリプログラミングによるMYOD1 変換尿中細胞作製と
筋ジストロフィー治療薬スクリーニング
《 佐藤 充人,青木 吉嗣 》
1.はじめに
2.Duchenne 型筋ジストロフィー
3.ダイレクトリプログラミングによるDMD 骨格筋細胞モデルの作成
4.尿中細胞を用いたダイレクトリプログラミング法の実際
5.MYOD1 変換尿中細胞のエクソン・スキップ評価法
6.おわりに
第4章 非ステロイド性抗炎症薬ジクロフェナクによる心筋リプログラミングの促進
《 村岡 直人,家田 真樹 》
1.はじめに
2.化合物スクリーニングによる新規リプログラミング促進因子ジクロフェナク
の同定
3.ジクロフェナクによる新生児・成体期線維芽細胞からの効率的な心筋誘導法の
確立
4.ジクロフェナクは加齢老化に伴い上昇するシクロオキシゲナーゼ-2/
プロスタグランジンE2/プロスタグランジン受容体EP4 経路を遮断して
心筋誘導を促進する
5.ジクロフェナクはインターロイキン1β/インターロイキン1 受容体タイプ1 経路
を阻害することで炎症・線維芽細胞の特性を抑制して心筋誘導を促進する
6.既知の心筋誘導促進化合物との比較
7.おわりに
第5章 ダイレクトリプログラミングを用いたがん細胞制御と腫瘍抑制
《 堀澤 健一,鈴木 淳史 》
1.はじめに
2.肝細胞がんのダイレクトリプログラミングによる分化誘導療法の開発
3.他のがんに対するダイレクトリプログラミング治療
4.おわりに
第6章 低分子化合物を用いたダイレクトリプログラミング《 武田 行正,戴 平 》
1.はじめに
2.外胚葉系細胞
3.中胚葉系細胞
4.内胚葉系細胞
5.組織前駆細胞
6.共通する低分子化合物の種類について
7.おわりに
第3編 ダイレクトリプログラミングの発展を担う基盤技術
第1章 マイナス一本鎖RNA ウイルスベクターの開発と応用《 中西 真人 》
1.はじめに
2.細胞リプログラミングに必要な遺伝子導入・発現技術
3.RNA ウイルスを利用した遺伝子導入・発現系
4.ダイレクトリプログラミングに適したステルス型RNA ベクターの開発
5.今後の展望
第2章 組換え人工転写因子タンパク質によるダイレクトリプログラミング
《 高品 智記,石坂 幸人 》
1.はじめに
2.人工転写因子
3.ダイレクトリプログラミングへの応用
4. 組換えタンパク質を用いることで見えてきたリプログラミングにおける
新たな可能性
5.本システムのアドバンテージ
6.おわりに
第3章 エピゲノム編集による細胞運命制御《 堀居 拓郎,森田 純代,畑田 出穂 》
1.はじめに
2.エピゲノム
3.エピゲノム編集
4.エピゲノム編集と細胞運命制御
5.おわりに
第4章 細胞分化の多様性と階層性を解析する1細胞トランスクリプトーム解析
《 坂本 智子,渡辺 亮 》
1.シングルセル遺伝子発現解析の特徴
2.シングルセル遺伝子発現解析の実験ワークフロー
3.データ解析とその応用
4.ダイレクトリプログラミングを解析した実例
5.おわりに
第5章 単一細胞エピゲノム解析技術の開発《 富松 航佑,大川 恭行 》
1.はじめに
2.エピゲノム解析の背景
3.単一細胞エピゲノム解析法
4.ダイレクトリプログラミング解析への展望
5.おわりに
第6章 転写制御ネットワークと細胞直接変換
《 鈴木 治和,鈴木 貴紘,中野 令,Jing-Ru Li,渡邊 和秀 》
1.転写制御ネットワーク解析と細胞直接変換
2.エピゲノムと細胞直接変換
3.小分子化合物による細胞直接変換
4.おわりに
第7章 細胞系譜軌跡推定ツールとそのアルゴリズムについて
《 川崎 秀二,林 寛敦,冨永 陽子,中戸 隆一郎 》
1.背 景
2.次元圧縮
3.lineage 構成と擬似時間の計算
4.今後の展望
第8章 データ駆動型ダイレクトリプログラミング
《 江口 凌平,濱野 桃子,岩田 通夫,中村 透,沖 真弥,山西 芳裕 》
1.はじめに
2.オミクスデータを用いたダイレクトリプログラミング誘導転写因子の予測
3.予測される転写因子セットは使用するオミクス情報に依存する
4.さまざまな標的細胞に対してダイレクトリプログラミング誘導転写因子を予測
5.オミクス情報を融合することにより予測性能が向上
6.おわりに
第9章 幹細胞の自己組織化による器官再生とその展望
《 武尾 真,池田 悦子,仲川 雅人,小川 美帆,大島 正充,
桐田 忠昭,辻 孝 》
1.はじめに
2.哺乳類における器官の発生と再生
3.三次元器官再生に向けた発生生物学的な戦略
4.器官誘導能を有する胎児性幹細胞を用いた機能的な器官再生
5.多能性幹細胞を用いたオルガノイド研究
6.多能性幹細胞からの器官系再生
7.幹細胞系譜を調節するダイレクトリプログラミングによる器官再生の未来
8.次世代器官再生の研究開発と実現に向けた展望
第10章 メカニカルストレスによる細胞分化制御《 宮坂 恒太 》
1.メカニカルストレス
2.メカニカルストレスによる細胞分化制御
3.メカニカルストレスによるダイレクトリプログラミング制御
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