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レポートナンバー 0000030696

動物細胞の培養システム

株式会社シーエムシー出版

~技術と市場~

Animal Cell Culture System - Technology and Market -

発刊日 2021/11/30

言語日本語

体裁B5/272ページ

ライセンス/価格272ページ

0000030696

書籍版 88,000 円(税込)

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レポート概要

【刊行にあたって】

 動物細胞培養は,近年のタンパク質医薬や再生医療の発展とも相俟って,大きな発展期かつ転換期を迎えている。本書は動物細胞培養における培地,培養系,培養方法などのハード面における変遷と現状および解決すべき問題点を中心に取りまとめた。内容は大きく,「培地」,「培養法・培養系」,および「培養の観察及び解析」にわたっている。
 動物細胞培養の研究においては,生産物の生理機能や応用が重要であるが,細胞を安全かつ簡便,安価に培養するための技術にも,重要でかつ困難な課題が含まれている。
 本書はこれらの課題を各分野の第一線でご活躍中の方々にご執筆いただいた。細胞培養に取り組んでおられる研究者の方々や生産物を応用されている方々にタイムリーで有用な情報をご提供できれば幸甚に存じます。

レポート詳細

監修

井上國世

著者一覧

井上國世   京都大学名誉教授
菅原卓也   愛媛大学
藤田泰毅   (株)大塚製薬工場
西村益浩   (株)大塚製薬工場
小森奈月   (株)大塚製薬工場
上田忠佳   DSファーマアニマルヘルス(株)
酒井康行   東京大学
チェ・ヒョンジン   東京大学
ファド・ガンジー・トリザール   東京大学
堀口一樹   東京大学;現 大阪大学
西川昌輝   東京大学 
森本康一   近畿大学
國井沙織   近畿大学
白木伸明   東京工業大学
増田誠司   近畿大学
黒澤 尋   山梨大学
久保木芳徳  北海道大学名誉教授
郁 小兵   江蘇安惠生物科技有限公司
松本沙知   山梨大学;現 扶桑薬品工業(株)
石山詩織   山梨大学
望月和樹   山梨大学
岸上哲士   山梨大学
岡田光加   (株)島津製作所
江連 徹   (株)島津製作所
白石優太   大塚電子(株)
中島雄太   熊本大学

目次

【培地編】
第1章 ハイブリドーマに適した無タンパク質無ホルモン培地(PHFM)の開発および
多能性幹細胞用培地の最近の進歩
1 はじめに
2 動物細胞培養と合成培地
2.1 動物細胞培養黎明期
2.2 EarlのBSS,EagleのBMEとMEM,DulbeccoのDMEM
2.3 血清添加の問題点
3 無血清培地(Serum-free medium)と成長因子ITES
4 ハイブリドーマ無血清培養用基礎培地eRDFの開発
4.1 ITES添加eRDF培地の有用性
4.2 ITES添加eRDFによるハイブリドーマ培養
5 その他の成長因子の検索
5.1 ニワトリ卵黄リポタンパク質(Yolk lipoprotein,YLP)
5.2 ホスファチジン酸(Phosphatidic acid,PA)
5.3 コラーゲン(Col)
5.4 ラクトフェリン(LF)
5.5 イムノグロブリン産生促進因子(IPSF)
6 無タンパク質無ホルモン培地(PHFM)の開発
6.1 PHFM開発の背景
6.2 PHFMの組成
6.3 PHFMでのハイブリドーマの培養
6.4 PHFM中でのハイブリドーマからのMAb生産
6.5 PHFMで培養したハイブリドーマ培養上清のSDS-PAGE
6.6 大量ハイブリドーマ培養によるMAb生産
7 ヒト多能性幹細胞(ES/iPS細胞)の培地
7.1 ゼノフリー・フィーダーフリー培養用の完全合成培地が望まれている
7.2 ヒトES/iPS細胞用無血清培地
7.3 FGF-2及びTGF-βに代わる増殖因子の探索
7.4 ES/iPS細胞の浮遊培養
8 おわりに

第2章 動物細胞の生産性を向上する培地添加因子
1 はじめに
2 コラーゲンによる抗体生産性の改善
3 コラーゲンの作用機構
4 マクロファージに対するコラーゲンの促進効果
5 塩基性タンパク質の抗体産生促進効果
6 おわりに

第3章 細胞懸濁保存液セルストアS及び細胞洗浄保存液セルストアWによるヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞の保存
1 はじめに
2 冷蔵保存及び常温保存条件での使用例
3 細胞濃度の均一性の維持
4 凍結保存液の基液としての使用例
5 セルストアS及びセルストアWの製造原料について
6 凍結解凍の影響について
7 結語

第4章 動物細胞用培養液の基礎と特長
1 組織培養と培養液の歴史
2 培養液の基本的な組成
2.1 無機塩類
2.2 アミノ酸
2.3 ビタミン
2.4 糖など有機化合物
2.5 微量元素(Trace Element)
2.6 脂肪酸,脂質
2.7 ホルモン,タンパク質
3 主な基礎培養液
3.1 199
3.2 BME
3.3 Alpha-MEM
3.4 D-MEM
3.5 RPMI1640
3.6 F10
3.7 F12
3.8 L15
3.9 McCoy
3.10 MEM
3.11 DF12
3.12 MCDB
3.13 混合培養液
4 血清の役割と無血清培養液
5 無血清培養液
6 無血清培養液の分類
6.1 血清代替品添加培養液
6.2 Defined培養液,Chemically Defined培養液
6.3 Xeno-Free培養液
6.4 Animal-Free培養液
7 培養液の今後について

【培養系編】
第5章 多能性幹細胞の大量培養法の現状と問題点および将来
1 はじめに
2 大量培養法
2.1 2つの培養形式
2.2 iPS細胞の凝集・増殖プロセス
2.3 iPS細胞の凝集体浮遊培養の種類
2.4 攪拌翼を用いる動的浮遊培養
2.5 容器振盪型の動的浮遊培養
3 凝集の制御
3.1 添加剤による凝集制御
3.2 容器形状による凝集制御
4 透析と高密度化
5 おわりに

第6章 動物細胞培養におけるコラーゲンの役割
1 はじめに
2 培養スキャフォールドとしてのコラーゲンとゼラチン
2.1 AcSColとPepColのゲル上でのHeLa細胞の培養
2.2 細胞低接着性コラーゲン塗布培養での骨髄間質細胞の観察
2.3 LASCol塗布培養でのNIH/3T3細胞の観察
2.4 スキャフォールドを用いたES細胞/iPS細胞の観察
3 コラーゲン以外のスキャフォールドタンパク質
4 異なる柔らかさの培養皿に塗布したコラーゲンでの細胞培養
5 コラーゲン塗布培養でのHUVEC細胞の観察
6 コラーゲンを用いた3次元培養
6.1 コラーゲンゲルを用いたサンドイッチ培養でのMDCK細胞の観察
7 コラーゲン塗布培養での卵巣の細胞の観察
7.1 コラーゲンゲル上培養での椎間板細胞の観察
7.2 コラーゲン塗布培養での神経細胞の観察
8 まとめ

第7章 動物細胞培養におけるアミノ酸の効果
1 はじめに
2 培養液に含まれるアミノ酸
3 細胞培養におけるアミノ酸の役割
4 おわりに

第8章 動物細胞におけるmRNAスプライシングをコントロールする生理活性物質およびタンパク質生産性の向上
1 動物細胞におけるmRNAスプライシングの制御
1.1 恒常的mRNAスプライシングと選択的mRNAスプライシング
1.2 mRNAスプライシングの制御
1.3 選択的mRNAスプライシングのタイプ
1.4 核外輸送を制御する細胞内因子
2 スプライシングを制御する化合物
2.1 スプライシングの阻害化合物とがん
2.2 スプライシングを制御する食品由来の化合物
3 動物細胞におけるタンパク質生産方法の向上
3.1 動物細胞におけるタンパク質生産の基礎
3.2 組換えタンパク質を生産するための仕組み
3.3 核外輸送に働くシスRNAエレメントを用いたタンパク質生産の強化

第9章 動物細胞培養系における酸素供給と酸素消費
1 Henryの法則と飽和溶存酸素濃度
2 物質移動の基礎
3 気-液間の酸素移動(二重境膜説)
4 酸素移動速度(OTR)と酸素移動容量係数(kLα)
5 静的方法(static method)によるkLαの測定
6 酸素供給速度を高める方法
7 種々の動物細胞培養系におけるOTRの推算
8 動物細胞の酸素消費速度
9 培養可能な細胞濃度の推算(酸素供給速度と酸素消費速度)

第10章 微重力培養と反重力培養の歴史・展開・実用性
1 はじめに
1.1 マトリックス概念とスキャフォールド(細胞の家)の概念
1.2 動力学要素への認識
1.3 圧縮と伸展のズレ応力の効果
1.4 動力学要素と3次元スキャフォールドとの複合
1.5 動力学情報伝達(Mechano-transduction)の解明
1.6 重力効果の新しい研究方法:微小重力装置と反重力装置
2 最も基本的で簡易な反重力・動力学培養装置
2.1 出発点
2.2 構造と操作
2.3 反重力培養法の結果
3 おわりに

第11章 着床前胚の体外培養とその長期影響~挑戦と課題,そして応用~
1 はじめに
2 体外受精と胚発生の概要
2.1 哺乳類の体内および体外受精の概要
2.2 哺乳類の着床前発生の概要
2.3 着床前発生にともなう細胞内変化の概要
3 着床前胚の培地
3.1 哺乳類胚の体外培養と体外受精技術の幕開け
3.2 その後の培地改良
3.3 培地の考え方によるバリエーション
3.4 培地の主な成分と役割
3.5 胚の培養環境
4 着長前胚環境の長期影響
4.1 胚環境の影響が胚の発生に与える影響
4.2 着床前胚の体外環境にともなう着床後の発生への影響
4.3 着床前胚の栄養環境が成体に与える影響
4.4 着床前胚の人為的環境操作による新規疾患モデルマウス作出の試み
5 着床前胚操作による生活習慣病のモデル動物へ:MEMマウスを含むモデルマウスの紹介概略
5.1 DOHaDと生活習慣病
5.2 既存の生活習慣病(糖尿病)モデル動物と課題
5.3 MEMマウスの解析と新規性
6 おわりに

【解析編】
第12章 細胞コロニーピッキング装置の開発と応用
1 はじめに
2 細胞コロニーピッキングの自動化
2.1 不要細胞除去の自動化
2.2 ピッキング機能の開発
2.3 自動化オプションの開発
2.4 細胞への応用例
3 むすび

第13章 バイオ分野でのゼータ電位の測定原理と測定例
1 はじめに
2 ゼータ電位について
3 ゼータ電位を求める理論について
4 電気泳動光散乱法
5 ゼータ電位の解析式
6 ゼータ電位の測定例
7 平板サンプル表面のゼータ電位への応用
8 平板サンプル表面のゼータ電位の測定例
9 おわりに

第14章 インキュベータ内での培養動物細胞リアルタイムモニタリング
1 はじめに
2 インキュベータ内でリアルタイムモニタリング可能なコンパクト型マイクロプレートリーダー
3 コンパクト型マイクロプレートリーダーを用いた溶液濃度測定
4 細胞培養環境のモニタリング
5 培養中の細胞活性の評価
6 おわりに

【市場編】
第1章 動物細胞用試薬と培地
1 概要
1.1 血清含有培地
1.2 無血清培地(完全合成培地)
1.3 その他の培地(半合成培地/天然培地)
1.4 培地添加物

第2章 培地開発の新たな動向
1 多能性幹細胞
1.1 概要
1.2 多能性幹細胞用培地
2 ハイブリドーマ
2.1 ハイブリドーマ細胞の概要
2.2 ハイブリドーマ培地

第3章 基本(基礎)培地
1 細胞培養の種類
2 基本培地の種類
2.1 199培地
2.2 BME培地(Basal Medium eagle;イーグル基礎培地)
2.3 Alpha(α)-MEM培地(イーグル最小必須培地α改変型)
2.4 D-MEM培地(ダルベッコ改変イーグル培地)
2.5 RPMI1640培地
2.6 Ham’s培地(F-10培地,F-12培地)
2.7 L-15培地(リーボビッツ)培地
2.8 McCoy5A培地
2.9 EMEM(MEM-Eagle)培地
2.10 MCDB培地
2.11 混合培地(DF-12培地)
3 主な基礎培地のメーカー
3.1 サーモフィッシャーサイエンティフィック
3.2 メルク
3.3 ステムセルテクノロジーズ
3.4 タカラバイオ
3.5 富士フイルム和光純薬
3.6 コスモ・バイオ

第4章 成長因子/サイトカイン
1 成長因子/サイトカインの概要
2 主な成長因子とサイトカイン
2.1 EGF(上皮成長因子)
2.2 bFGF(FGF-2,塩基性線維芽細胞増殖因子)
2.3 IGF(インスリン様成長因子)
2.4 TGF(トランスフォーミング成長因子)
2.5 NGF(神経成長因子)/BDNF(脳由来神経栄養因子)
2.6 VEGF(血管内皮細胞増殖因子)
2.7 G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)
2.8 GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)
2.9 PDGF(血小板由来成長因子)
2.10 EPO(赤血球造血刺激因子,エリスロポエチン)
2.11 TPO(血小板再生因子,トロンボポエチン)
2.12 HGF(肝細胞増殖因子)
2.13 HGH(ヒト成長ホルモン)

第5章 細胞外マトリックス(細胞外基質)
1 概要
2 主な細胞外マトリックス
2.1 コラーゲン
2.2 ゼラチン
2.3 プロテオグリカン
2.4 ヒアルロン酸(グリコサミノグリカンの一種)
2.5 フィブロネクチン
2.6 ラミニン
2.7 ビトロネクチン
2.8 テネイシン
2.9 エンタクチン
2.10 エラスチン
2.11 フィブリリン

第6章 その他の培地添加物
1 標準培地の構成成分
2 培地添加物
2.1 無機塩類
2.2 バッファー(緩衝液)
2.3 炭水化物
2.4 アミノ酸
2.5 ビタミン
2.6 タンパク質/ペプチド
2.7 脂肪酸,脂質
2.8 微量元素
2.9 血清

第7章 個別培養機器の動向
1 酸素供給装置
1.1 日揮/宮崎県工業技術センター
1.2 モット(mott)
1.3 トッケン
1.4 協同インターナショナル
1.5 コフロック
1.6 アズワン
2 細胞コロニーピッキング装置
2.1 島津製作所
2.2 マイクロテック・ニチオン
2.3 モレキュラーデバイス
2.4 ALS(オートメーテッドラボソリューションズ)
2.5 ヤマハ発動機
3 反重力培養装置
3.1 スペース・バイオ・テクノロジーズ
3.2 ジェイテック
4 細胞解析装置
4.1 アズワン
4.2 ニューロインデックス
4.3 ベクトン・ディッキンソン(日本BD)
4.4 ミッションバイオ
4.5 大塚電子
4.6 タカラバイオUSA

第8章 主な培養装置メーカー
1 培養装置の種類
1.1 接着培養装置
1.2 浮遊培養装置
1.3 マイクロキャリア培養装置
2 細胞培養の動向
2.1 シングルユース培養
2.2 3次元培養
2.3 細胞シート培養
3 主な培養装置メーカー
3.1 カネカ
3.2 ニプロ
3.3 川崎重工業
3.4 日立製作所
3.5 ジェイテックコーポレーション
3.6 エイブル
3.7 テルモ
3.8 ロート製薬/マイクロニクス
3.9 アステック
3.10 セルシード
3.11 シンフォニアテクノロジー

第9章 細胞搬送/輸送
1 概要
2 細胞輸送/搬送容器メーカー
2.1 タキゲン製造/スズケン/JFEテクノリサーチ/ヤマト運輸
2.2 トッパン・フォームズ/岩谷産業
2.3 サンプラテック
2.4 日立製作所/アルフレッサ
2.5 柴又運輸

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