目次
◇第1章 ゲノム・エピゲノム解析による変異遺伝子の同定とその応用◇
1節 全ゲノムシークエンス解析による変異/多型の検出
1.ゲノムシークエンス技術の進展
1.1 次世代シークエンサー
1.2 長鎖シークエンサー
2.ゲノム配列データの解析
2.1 配列データ
2.2 マッピング
3.変異や多型
3.1 生殖系列の変異や多型
3.2 体細胞変異
4.長鎖シークエンサーの解析
2節 エクソームシーケンス解析による遺伝子変異の探索
1.WES解析のパイプライン
1.1 WES解析パイプラインの概説
1.2 解析フローで登場する機器やソフトウェア
2.バリアントの評価
2.1 遺伝形式モデルの分類とアレル頻度による評価
2.2 バリアントの機能的な評価
3.CNVの探索
3.1 XHMMとjNordによるCNVの探索
3.2 WESデータを用いたCNV探索の有用性
4.ガイドラインを参考にしたバリアントの病原性の解釈
5.症例提示
3節 次世代シークエンス解析技術を用いた遺伝性疾患の疾患原因遺伝子変異の同定
1.NGSによるターゲット・リシーケンスの方法論
1.1 キャプチャープローブ法
1.2 アンプリコン法
1.3 Long PCR base法
2.NGSにおける解析パイプライン
3.遺伝子変異の検出可能範囲と問題点
3.1 遺伝子変異の多様性と測定範囲
3.2 遺伝子変異の検出限界
4.Long PCR base ターゲット・リシークエンスの新展開
4.1 臨床現場における遺伝子検査のニーズ
4.2 CoLAS法の開発
5.常染色体劣性遺伝性疾患における複合ヘテロ変異のphasingの問題
6.シークエンス結果のアノテーション
6.1 遺伝子機能に異常をきたすか
6.2 疾患の原因となる変異か
4節 メタゲノム解析による病原体検出法
1.次世代シークエンサー (Next generation sequencer: NGS) とその特徴
2.メタゲノム解析による病原体検出のワークフロー
2.1 メタゲノム解析の全体像
2.2 病原体検出におけるNGSによるメタゲノム解析の利点
2.3 病原体検出におけるNGSによるメタゲノム解析の難点と改善策
2.4 NGS解読ライブラリ調整
2.5 バイオインフォマティクス (生物情報) 解析
2.6 解釈と報告
3.NGSによるメタゲノム解析の解釈と臨床的有用性
3.1 結果解釈
3.2 症例
4.メタゲノム解析の精度管理
4.1 内部コントロール
4.2 外部コントロール
4.3 その他の精度管理
5節 トキシコゲノミクスによるバイオマーカーの探索
1.血漿中miRNAの発現変動による肝障害の病型予測バイオマーカーの探索
1.1 バイオマーカーとしてのmiRNAについて
1.2 DILIのバイオマーカーとしてのmiRNAの探索
2.DILIにおけるエクソソームの役割
2.1 DILIにおけるエクソソームの役割の研究法
6節 エピゲノム創薬によるターゲット探索とその開発・応用動向
1.エピゲノム創薬における主要な制御標的
1.1 ヒストンのアセチル化制御
1.2 ヒストンのメチル化制御
1.3 DNAのメチル化制御
2.制御化合物を利用したエピゲノム解析の例
2.1 Chem-seq法による化合物の標的部位の同定
2.2こぶ穴戦略による標的タンパク質の選択的制御
2.3化合物による標的タンパク質の分解
7節 がんの発症に関与するエピゲノム異常の探索―非翻訳RNAによるエピゲノム制御―
1.DNAメチル化異常とがん
1.1 DNAメチル化とがん
1.2 DNAメチル化を利用した診断
2.非翻訳RNAとがん
2.1 long non-coding RNAとがん
2.2 核内構造とlncRNA
2.3 診断マーカー・治療標的としての lncRNA
3.液―液層相離を介したエピジェネティクス制御
3.1 液―液相分離によるクロマチン制御
3.2 液―液相分離による遺伝子発現制御
8節 エピジェネティクス異常の糖尿病性腎症の進行への関与と病態解析
1.研究の過程
1.1 網羅的なDNAメチル化解析法
1.2 DNA BeadChipを利用した解析
1.3 標的部位のメチル化解析
1.4 MethylCollector? Ultraキットを用いた解析(メチル化DNA結合蛋白を用いたChIP解析)
1.5 最終的に必要なbisulfite sequence解析
2.実験方法
2.1 マウス腎臓メサンギウム細胞抽出
2.2 MethylCollector? Ultraキットによるメチル化DNAの解析
2.3 ChIP アッセイによるDNAメチル化酵素のDNA結合状態の分析
2.4 Bisulfite sequence法によるDNAメチル化状態の詳細な検討
2.5 DNA脱メチル化の誘導因子の解析
2.6 DNA脱メチル化改善治療薬の開発の基礎研究
9節 アルツハイマー病、パーキンソン病におけるエピジェネティクス研究の動向と病態解明
1.孤発性神経変性疾患における後天的因子の意義
2.アルツハイマー病
3.パーキンソン病
10節 mRNA転写後制御の様々な生命現象,疾患における役割
1.核におけるmRNAプロセシング
2.mRNA修飾
3.mRNA翻訳
3.1 翻訳と共役した制御:タンパク質コード領域と終止コドン
3.2 遺伝暗号の書き換え(recoding, リコーディング)
4.翻訳開始の制御
4.1 遺伝子固有の制御:キャップ構造と5’非翻訳領域
4.2 ストレス依存的な翻訳開始制御
4.3 ストレス顆粒と疾患における液-液相分離構造
5.3’非翻訳領域における制御
5.1 mRNA分解制御機構
5.2 micorRNAによる制御
5.3 mRNA結合タンパク質による制御
11節 機械学習による遺伝子情報の解析技術と医薬品開発への応用
1.Structure Based Drug Design
2.AlphaFold2の衝撃
3.Ligand Based Drug Design
4.フェノタイプスクリーニング
5.DLと創薬
6.データベース
◇第2章 プロテオミクス解析による疾患原因の解明とその手法◇
1節 タンパク質構造解析による発症原因・関連メカニズムの解明
1.タンパク質の立体構造情報と物性に立脚した分子病態研究の概観
1.1 分子病理学におけるプロテオスタシス概念の重要性
2.疾患原因や関連メカニズム解明に資する構造生物学的手法とその実例
2.1 疾患関連タンパク質研究に適用可能な構造生物学的手法の概観と最近の進歩
2.2 各論1:アミノ酸配列からの構造予測の実際
2.3 各論2:タンパク質立体構造決定の実際
3.今後の展望と細胞内タンパク質科学の新展開への期待
2節 プロテオミクスにおけるバイオマーカー開発
1.プロテオミクスとバイオマーカーの出会い
2.バイオマーカー開発におけるプロテオミクスの限界
3.なぜ早期診断のバイオマーカーは開発されないのか?
4.バイオマーカー開発に必要なもの
5.患者由来がんモデル:バイオマーカー開発のツールとしての役割
6.将来の展望
3節 真空紫外円二色性法による疾患原因タンパク質の構造解析
1.真空紫外円二色性装置とタンパク質のスペクトル測定
1.1 光学系
1.2 試料セル
1.3 タンパク質の真空紫外円二色性スペクトル
2.タンパク質の生体膜相互作用研究
2.1 ミエリン塩基性タンパク質
2.2 測定・解析手法
2.3 ミエリン塩基性タンパク質の構造解析
3.アミロイド線維の分子間構造研究
3.1 円二色性理論を用いたスペクトル解析
3.2 解析方法
3.3 2m21-29アミロイド線維の構造解析
4節 様々な疾患の原因となるWntタンパク質の立体構造解析と創薬応用
1.Wntシグナル伝達経路
2.Wntの翻訳後修飾
2.1 糖鎖修飾
2.2 脂質修飾
3.脂質修飾によるWntの細胞外分泌の制御機構
4.Wntの立体構造
4.1 脂質修飾を介するWntとWntlessの結合
4.2 脂質修飾を介するWntとFzの結合
5.Wntの脂質修飾を標的とする新たな創薬応用
5節 疾患プロテオミクスによるバイオマーカーの探索
1.バイオマーカーの新たなコンセプト
2.プロテオミクス
3.高性能二次元電気泳動法
3.1 装置の改良5)
3.2 検体に特化した前処理法
4.タイムコースサンプリングとマルチプルバイオマーカーによる新たな知見の獲得と病気の進行予測
4.1 原理
4.2 実施例:敗血症7)
5.AIプロテオミクスによる診断
5.1 AIによるプロテオミクス画像診断
5.2 AIによる新たなバイオマーカーの定義
5.3 AIによる早期診断と治療支援
◇第3章 トランスクリプト―ム解析による疾患原因の解明とその手法◇
1節 シングルセルトランスクリプトーム解析の現状と今後の動向
1.シングルセル生物学の発展
2.遺伝子発現解析の歩みとシングルセル遺伝子発現解析
3.シングルセル遺伝子発現解析手法の開発
4.シングルセルRNA-seqライブラリ作製手法
5.シングルセルRNA-seq法の定量性の向上
6.シングルセルマルチオミックス解析
7.シングルセルRNA-seq法の発展と今後の動向
7.1. シングルセルRNA-seq法の多検体化とハイスループット化
7.2. 完全長シングルセルRNA-seq解析
7.3. 空間トランスクリプトーム解析
7.4. ヒト細胞アトラスの構築
2節 シングルセルトランスクリプト―ム解析による疾患の病態解明
1.シングルセルトランスクリプトーム解析技術の普及と疾患の病態解明への応用
2.ヒト細胞の統合的な解析
3.シングルセルトランスクリプト―ム解析によるがんの病態解明
3.1 がん細胞のシングルセルトランスクリプトーム解析
3.2 がんの微小環境
4.神経系疾患のシングルセルトランスクリプト―ム解析
4.1 アルツハイマー病
4.2 パーキンソン病
4.3 多発性硬化症
4.4 環境との相互作用
4.5 網膜の疾患
5.がん・神経系以外の疾患のシングルセルトランスクリプト―ム解析
5.1 心脈管系の疾患
5.2 筋、骨格系
5.3 呼吸器系
5.4 腸管
5.5 肝臓
5.6 腎臓
5.7 皮膚の疾患
5.8 口腔粘膜
5.9 免疫系の疾患
5.10 造血系の疾患
5.11 生殖器系
5.12 老化
5.13 先天疾患
6.感染症(COVID-19以外)
7.COVID-19
3節 RNA修飾によるエピトランスクリプトミクス制御と疾患
1.RNA修飾の多様性
1.1 新規RNA修飾の発見
2.RNA修飾の機能
3.RNA修飾の生合成
4.RNA修飾の解析技術
5.m6A修飾とエピトランスクリプミクス
5.1 m6A修飾の機能発現と可逆性
5.2 mRNAの5′末端特異的なm6A修飾
5.3 RNAスプライシングにおけるm6A修飾の役割
5.4 m6A修飾と液?液相分離
5. 5 m6A修飾によるレトロトランスポゾンの発現抑制
5. 6 m6A修飾とX染色体の不活性化
5.7 METTL3阻害剤によるがん治療
6.tRNA修飾の欠損に起因する疾患
7.RNA修飾遺伝子の変異による疾患
8.メタボライトの代謝異常とRNA修飾の変動
8.1タウリンや葉酸の欠乏とtRNA修飾の変動
8.2 炭酸ガスに敏感なtRNA修飾とワールブルク効果
3節 マルチオミクス情報を用いた認知症に関係するバイオマーカーの探索
1.マルチオミクス解析による認知症に関係するバイオマーカーの探索
2.マルチオミクス・トランスオミクス解析による認知症に関係するバイオマーカーの探索へ向けて
4節 トランスクリプトーム解析によるがんの原因解明とバイオマーカー探索
1.トランスクリプトーム解析とは
2.がん研究におけるトランスクリプトーム解析
2.1遺伝子発現解析によるmRNA発現上昇
2.2 mRNA発現による予後解析
2.3 治療標的分子:抗体薬物複合体
2.4融合遺伝子
5節 遺伝子改変マウスを用いたアルツハイマー型認知症の血液トランスクリプトームバイオマーカーの探索
1.方法
1.1 動物モデル
1.2 マイクロアレイ解析
1.3 PCR
1.4 Public Functional Genomics Dataを用いた検証
2.結果
2.1 3xTg-ADマウスとコントロールマウスの遺伝子発現の違い
2.2 Network and Functional Analysis
2.3 ADの血液トランスクリプトームバイオマーカー
2.4 Real-Time PCRによるマイクロアレイデータの検証
2.5 ヒト死後脳海馬と他のADモデルマウス(APP_PS1)海馬のデータによる検証
2.6 判別分析
3.考察
4.結論
5.その後の展開
6節 花粉症におけるトランスクリプトーム、メタボローム的アプローチとオミクス解析における今後の展望
1.トランスクリプトーム解析によるアプローチ
2.メタボローム解析によるアプローチ
3.結果
3.1 トランスクリプトーム解析
3.2 メタボローム解析
4.考察
5.今後のオミクス研究の展望
◇第4章 マルチオミクス、トランスオミクス解析による疾患原因の解明とその手法◇
1節 マルチオミクスによる疾患原因解明への応用
1.マルチオミクス解析のすすめ
1.1 トランスオミクス解析とこれからマルチオミクス解析の捉え方
1.2 マルチオミクス研究の疾患解明への応用
1.3 マルチオミクス統合解析から見えてきたがん微小環境
2節 生体内のインスリン作用に着目したトランスオミクス解析
1.トランスオミクス
2.インスリン作用に着目したトランスオミクス
2.1 トランスオミクスの発展
2.2 トランスオミクスの拡張
3.将来展望/医療応用
3節 メタボロミクスによるがんなどのバイオマーカー探索
1.メタボロミクスについて
1.1 メタボロミクスの特徴
1.2 がんと代謝
2.メタボロミクスによるがんなどのバイオマーカー探索
2.1 膵がんの早期発見を目指したメタボロミクス研究
2.2 膵がんの発症リスクの予測を目指したメタボロミクス研究
2.3 膵がんに対する前がん病変の検出を目指したメタボロミクス研究
3.メタボロミクスによるバイオマーカー研究の注意点
3.1 血清と血漿の比較
3.2 採血後血液の処理
3.3 その他の要因
◇第5章 各疾患でのゲノム・オミクス関連データベースとその活用 ◇
1節 神経変性疾患におけるゲノムデータベースとその活用
1.臨床像から疾患を抽出するために用いるデータベース
2.一般集団における変異データベース
3.疾患患者における変異データベース
4.関連解析の結果を整理・統合したデータベース
2節 精神疾患におけるゲノムデータベース
1.精神疾患の背景
2.精神疾患におけるゲノム研究の概要
3.海外におけるゲノムデータベースを用いた研究
3.1 PGCによる研究成果
3.2 PGCデータベースの利活用の例
3.3 CNV解析
3.4 デノボ変異およびレアバリアント
3.5 トランスクリプトーム・エピゲノムデータとの統合的解析
4.国内におけるゲノムデータとその成果
5.まとめと今後の展望
3節 がんにおけるゲノムデータベースとその活用
1.がんのゲノムデータについて
1.1 がんの原因となる変異や遺伝子の探索
1.2 大規模がんゲノムシークエンス研究
2.がんのゲノムデータベース
2.1 シークエンスデータベース
2.2 がん原因遺伝子データベース
2.3 解析ツール
2.4 その他のデータベース
3.ゲノムデータベースを用いた研究
3.1 新たながん化の原因変異の発見
3.2 発がん要因を解明する変異シグネチャー解析
3.3 変異シグネチャーを使用した日本人特有の発がん要因の解明
3.4 ゲノムの領域により異なる変異率の原因
4節 mRNA標的創薬技術を応用したmRNA構造データベースの構築とその活用
1.mRNA構造データベース「Kizashi」
1.1 mRNAとは
1.2 部分構造とは
1.3 部分構造の安定性と存在確率
1.4 部分構造の重要性
1.5 Kizashiとは、ヒト、マウス、ラットのmRNA部分構造の集積
2.mRNA部分構造を取り扱うためには
2.1 mRNAの置かれた環境
2.2 mRNA部分構造を取り扱う場合、実験より計算が適切である
2.3 計算で構造を予測する
2.4 予測精度問題を、解析問題へ変換
3.創薬および研究へ活用できるmRNA部分構造
3.1 核酸医薬
3.2 低分子医薬
3.3 生命現象と関連する構造
4.データベースの活用方法と実際
4.1 活用方法の例
4.2 留意事項
5節 免疫疾患におけるオミックス解析のデータベースとその活用
1.クローン病を例としたデータベース解析
2.エンリッチメント解析、パスウェイ解析
3.GSEAによる遺伝子発現解析
4.特定の遺伝子に関する詳細な解析
4.1 The Human Protein Atlas
4.2 がんゲノムのデータベース
6節 遺遺伝性網膜疾患におけるデータベースの活用とオミックス解析
1.遺伝性網膜疾患
2.データベースの活用
3.遺伝性網膜疾患の全エクソーム解析
4.遺伝性網膜疾患のオミックス解析による発症機序の解明
5.国際研究コンソーシアムの設立と国際共同研究
7節 ゲノム・エピゲノム・トランスクリプトームに関するデータベースとその活用法
1.データベースの種類
2.塩基配列の総合統合データベース
2.1 NCBI
2.2 EBI
2.3 DDBJ
3.ゲノム情報のデータベース
3.1 ゲノムブラウザ
3.2 ゲノム変異のデータベース
3.3 個人ごとの遺伝情報を収載する制限公開データベース
4.エピゲノムのデータベース
4.1 The International Human Epigenome Consortium(IHEC)
4.2 ENCODE project
4.3 ChIP Atlas
5.トランスクリプトームのデータベース
5.1 Expression Atlas
5.2 FANTOM5
6.プロテオームのデータベース
7.メタボロームのデータベース
7.1 MetaboLights
7.2 Metabolomics Workbench
8.マルチオミックス解析について
9.マルチオミックスのデータベース
9.1 The Genotype-Tissue Expression (GTEx) project
9.2 jMorp (Japanese Multi Omics Reference Panel)
9.3 iMETHYL
10.iMETHYLの利用方法
10.1 基本的な使い方
10.2 活用方法1: DNAメチル化率を利用したマーカー候補領域のDNAメチル化率の確認
10.3 活用方法3: eQTMを利用したマーカー候補領域のアノテーション
11.その他のデータベース活用について
8節 AI創薬を進める上で必要となるオミクスデータベースの構築と活用
1.オミクスデータベースの現状と構築
1.1基礎研究のオミクスデータベース
1.2 臨床研究のオミクスデータベース
1.3 国内のオミクス研究
2.オミクスデータベースの活用
2.1 バイオマーカー候補となる単因子の同定
2.2 バイオマーカー候補となる複数因子の同定
2.3 バイオマーカー探索のためのオミクス統合解析
9節 AI創薬に向けた医療ビッグデータベースの統合と解析
1.医療ビッグデータベースを構築する
1.1 臨床現場からのデータ収集
1.2 データの構造化
2.知識統合
2.1 知識データベースの構築:公共データベースとその統合
2.2 拡大する医学生物学分野のデータベース
3.AI創薬:オールジャパンの取り組み
3.1 LINC(Life Intelligence Consortium)
◇第6章 神経変性疾患、精神疾患の原因となる変異遺伝子・タンパク質とその診断・治療への活用◇
1節 アルツハイマー病の分子病態に基づく診断と治療戦略
1.アルツハイマー病と主要な関連分子
1.1 アミロイドβ(Aβ)
1.2 タウ
1.3 アミロイド仮説
1.4 タンパク伝播仮説
2.アルツハイマー病の遺伝学
2.1 家族性ADの原因遺伝子
2.2 孤発性ADに関与するリスク遺伝子および保護的遺伝子
2.3 多遺伝子リスクスコア(polygenic risk score:PRS)
3.アルツハイマー病のバイオマーカー
3.1 Aβを標的としたバイオマーカー
3.2 タウを標的としたバイオマーカー
3.3 その他のバイオマーカー
4.アルツハイマー病の治療標的
2節 パーキンソン病
1.家族性パーキンソン病
1.1 ポジショナルクローニングによる遺伝子探索: SNCA
1.2 次世代シーケンサーの登場: VPS35
2.孤発性パーキンソン病
3.パーキンソン病に関与する遺伝子
3.1 SNCA (PARK1, PARK4)
3.2 PRKN (PARK2)
3.3 LRRK2 (PARK8)
3.4 VPS13C (PARK23)
3.5 CHCHD2 (PARK22)
3.6 GBA1
3.7 PSAP (PARK24)
3.8 MAPT
3.9 GCH1
4.パーキンソン病のおける遺伝子解析
3節 先天性筋ジストロフィー・MEB病(ジストログリカノパチー)
1. はじめに
2. ジストログリカンとは
3. α-DGの糖鎖修飾(O-マンノシル型糖鎖修飾)
4. DGpathyの分類
5. 代表的疾患について: FCMD
6.DGpathyにおける治療開発の戦略
6.1 遺伝子レベルの治療
6.2 細胞治療
6.3 RNAレベルの治療(エクソンスキッピング治療)
6.4 基質補充療法
6.5 抗体療法(二重特異性抗体)
6.6 非特異的治療
6.7 モデル動物・細胞を用いた候補化合物スクリーニング
4節 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
1.家族性ALS (FALS) の原因遺伝子
1.1 Superoxide dismutase 1 (SOD1)
1.2 TAR DNA binding protein (TARDBP)
1.3 Fused in sarcoma (FUS)
1.4 Hexanucleotide repeat expansion in C9ORF72
1.5 多系統蛋白質症とALS原因遺伝子
1.6 FALSの遺伝子解析の現状と課題
2.孤発性ALS (SALS) の遺伝子解析
2.1 SALSの遺伝子解析の背景
2.2 ALSの疾患感受性遺伝子
2.3 複数のレアバリアントの重複による臨床病型の修飾
2.4 SALSの遺伝子解析の現状と課題
3.ALSの治療法
3.1 ALSの治療の研究状況
3.2 核酸医薬とSOD1変異陽性のALSに対する治療
5節 脊髄小脳変性症
1.リピート伸長型SCA
1.1 ポリグルタミン病
1.2 ポリグルタミン病以外のリピート病
2.非リピート伸長型SCA
2.1 SCA13
2.2 SCA42
6節 ジストニア
1.一次性ジストニア
1.1 DYT1(捻転ジストニア)
1.2 DYT5(ドーパ反応性ジストニア:瀬川病)
1.3 DYT10(発作性運動誘発性ジスキネジア)
1.4 DYT12(RDP; 急性発症ジストニア・パーキンソニズム、AHC
1.5 DYT18(Glut1欠損症)
2.DYTシリーズに含まれないジストニア
2.1 鉄沈着症
2.2 GNAO1異常症
2.3 芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症
7節 プリオン病・クロイツフェルト・ヤコブ病
1.疾患の概要
2.感染粒子プリオン
3.プリオン病診断技術の進歩
3.1 プリオン病診断の現状
3.2 プリオン病診断の各バイオマーカー
4.治療技術の開発
4.1 プリオン病の治療戦略
4.2 現在までに開発された治療
4.3 今後期待されるプリオン病治療
4.4 臨床応用への課題と取り組み
8節 精神疾患の原因遺伝子・タンパク質の解析と診断/治療技術の開発
1.精神疾患研究の現状と課題
2.精神疾患研究のゲノム解析
2-1 疾患発症に大きな影響力を持つレアバリアント(CNV、SNV)
2-2 疾患への影響力が小さいコモンバリアント
3.レアバリアントに基づく精神疾患の分子病態の解明
3.1 22q11.2欠失
3.2 3q29欠失
3.3 RELN欠失
3.4 ARHGAP10変異
3.5 KDM4C変異
4.統合失調症のプロテオミクス研究
5.精神疾患ゲノム解析の展望
6.精神疾患の病態解明に向けて
◇第7章 がんの発症原因となる変異遺伝子・タンパク質とその診断・治療への活用◇
1節 乳がん
1.遺伝性乳がん・卵巣がん症候群 (HBOC)
1.1 HBOC の特徴
1.2 原因遺伝子
1.3 原因遺伝子の機能
1.4 HBOCの診断
1.5 HBOCの診療
2.その他の乳がんを発症する遺伝性腫瘍
2.1 Cowden症候群 (PTEN過誤腫症候群)
2.2 Peutz-Jeghers症候群 (PJS)
2.3 Li-Fraumeni症候群
2.4 遺伝性びまん性胃がん (hereditary diffuse gastric cancer: HDGC)
2節 がんの発症原因となる変異遺伝子とその診断・治療への活用:非小細胞肺癌
1.肺癌の分子生物学
1.1 ドライバー変異
1.2 免疫チェックポイント分子/Tumor mutation burden
2.ドライバー変異に対する分子標的治療
2.1 EGFR (epidermal growth factor receptor)
2.2 ALK (anaplastic lymphoma kinase)
2.3 ROS1 (c-ros oncogene1)
2.4 MET (mesenchymal-epithelial transition factor)
2.5 BRAF (v-raf murine sarcoma viral oncogene homolog B1)
2.6 NTRK (neurotrophic receptor tyrosine kinase)
2.7 その他の遺伝子異常
3.今後の展望
3節 卵巣明細胞がん
1.臨床的特徴
2.診断
2.1 画像診断
2.2 病理組織所見
3.治療
3.1 手術療法
3.2 化学療法
3.3 分子標的薬治療
3.4 転移性または再発性疾患の治療
3.5 放射線治療
3.6 免疫療法
4.将来の方向性
4節 個別化治療を目指した小児脳腫瘍の分子遺伝学的診断と腫瘍増殖メカニズム
1.髄芽腫(Medulloblastoma)
1.1 WNT型髄芽腫
1.2 SHH型髄芽腫
1.3 Group3およびGroup4髄芽腫
2.上衣腫
2.1 テント上上衣腫
2.2 小脳・後頭蓋窩上衣腫
2.3脊髄上衣腫
◇第8章 希少疾患・難病の原因となる変異遺伝子・タンパク質とその診断・治療への活用◇
1節 リソソーム機能障害とパーキンソン病
1.リソソーム病とは
2.グルコセレブロシダーゼの変異とパーキンソン病
3.その他の糖脂質代謝酵素障害とパーキンソン病
4.サポシンDとパーキンソン病
2節 ミトコンドリア病、ミトコンドリア心筋症
1.ミトコンドリア病の原因遺伝子
2.ミトコンドリア病の診断検査
2.1 一般生化学検査
2.2 特殊生化学検査(呼吸鎖酵素活性・酸素消費量の測定など)
2.3 病理学的検査
2.4 ミトコンドリア病における包括的な遺伝学的検査
3.ミトコンドリア病におけるゲノム解析の実際
4.ミトコンドリア心筋症
4.1 ミトコンドリア心筋症の診断の流れ
4.2 ミトコンドリア心筋症における原因遺伝子
4.3 ミトコンドリア心筋症の予後
5.我々が報告した新規原因遺伝子
5.1 IARS異常症
5.2 ATAD3の欠失や重複によるミトコンドリア病
3節 原発性免疫不全症
1.診断
1.1 タンパク解析
1.2 遺伝子解析
4節 ネフローゼ症候群
1.単一遺伝子病としてのネフローゼ症候群
1.1 先天性ネフローゼ症候群/乳児ネフローゼ症候群
1.2ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群/高度蛋白尿
2.多因子疾患としてのネフローゼ症候群
2.1 小児ステロイド感受性NSにおけるGWAS
2.2成人ネフローゼ症候群におけるGWAS
3.1つの遺伝子がもたらす様々な影響
5節 ICF症候群
1.ICF症候群
2.ICF患者で認められるDNA低メチル化と遺伝子変異
2.1 ICF症候群とDNA低メチル化
2.2 1型ICF症候群(OMIM242860)
2.3 2?4型ICF症候群(OMIM614069、OMIM616910、OMIM616911)
3.ICF症候群の発症機序の解明
3.1 クロマチンリモデリングとDNA損傷修復
3.2 DNAメチル化が守護する染色体安定性
3.3 クロマチンリモデリングと維持DNAメチル化
6節 心筋症
1.心筋症の臨床的特徴と遺伝学的特徴
1.1 心筋症の臨床病型
1.2 心筋症の遺伝形式
2.心筋症の原因遺伝子
2.1 HCMの原因遺伝子
2.2 DCMの原因遺伝子
2.3 その他の心筋症の原因遺伝子
3.心筋症の病因変異に基づくタンパク質機能異常
3.1 HCMにおけるタンパク機能異常
3.2 DCMにおけるタンパク機能異常
3.3 病因変異による機能異常に着目した治療・予防の可能性
7節 家族性中枢性尿崩症
1.バソプレシンニューロンにおける小胞体内凝集体の形成
2.小胞体内に蓄積した異常タンパクの分解機構