レポート概要
- 高齢者/病者用食品関連企業の取り扱い実態
- 2017年〜2021年までの販売実績、2026年までの売上予測
- 濃厚流動食、ゼリー類、とろみ増粘剤の商品別売上推移を把握
- 販売ルート、今後の注力チャネル、注力分野を調査
- 各社の販路別戦略、在宅向け取り組みを調査
わが国は諸外国に例を見ない速さで高齢化が進んでいます。2021年9月現在での65歳以上人口は3,640万人で、前年より22万人増加、過去最高となりました。総人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は29.1%で、同じく過去最高となっています。総務省統計局によれば、この割合は今後も上昇を続け、第二次ベビーブーム世代(1971~74年生まれ)が高齢者となる2040年の高齢化率は35.3%になる見込みです。
このような時代背景を踏まえ、高齢者/病者用食品のニーズは年々高まっており、市場は堅実な成長を続けています。参入メーカー大手の明治やクリニコなどは、従来の病院や高齢者施設だけでなく、在宅の患者や高齢者をターゲットとした販路の開拓を目指し、ドラッグストアや通販を通じた製品展開を拡大。一方、ネスレや大塚製薬工場、テルモなどは入院患者をターゲットとした新たなカテゴリーの製品を開発・投入しています。
アカデミアや業界団体は、各社ばらばらであった咀嚼・嚥下の基準を統一し、購入者/利用者が選択しやすいようにすべく、「ユニバーサルデザインフード」(日本介護食品協議会)や「嚥下調整食分類」(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)などを発表。
政府側でも、農林水産省の「スマイルケア食」やJAS規格(そしゃく配慮食品)、消費者庁の「特別用途食品」(総合栄養食品、えん下困難者用食品、とろみ調整用食品)などの区分を通じ、高齢者/病者用食品に対する理解の促進、利用に向けた社会システムの構築を進めています。
今後は、社会、時代のニーズに応じて、より科学的エビデンスに基づいた適切な治療食、介護食の研究開発が求められるとともに、対象となる高齢者や患者に「食べるよろこび」「生きるよろこび」を与えられる食品の開発が期待されています。
2022年版の当資料では、上記のような状況を踏まえ、参入企業の開発動向、商品販売動向を時系列に捉え、今後の高齢者/病者用食品市場を予測しました。
レポート詳細
Excel(CD-ROM)版に関しまして
本文中の商品別売上(2019年度~2021年度)をExcel形式でCD-Rに収めたものとなります
① 濃厚流動食、栄養・水分補給飲料 商品別売上
② ゼリー・ムース類、ゼリー状飲料(液状・粉末) 商品別売上
③ とろみ増粘剤・固形化補助剤 商品別売上
コーポレート版(CD-ROM)とExcel(CD-ROM)版のセット販売も取り扱っておりますので、お問い合わせください。
※Excel(CD-ROM)版単独での販売はございません。
調査対象
【調査対象商品】
濃厚流動食品、咀嚼・嚥下補助食品、腎臓病対応食品、糖尿病対応食品、褥瘡・PEM対応食品、
鉄・カルシウム・ファイバー補強食品、大腸検査食品
【調査対象企業】
主要参入企業50社 (明治、クリニコ、ネスレ、キユーピー、テルモ、ヘルシーフードなど)
調査項目
(1) 販売実績(2017 年〜2021 年)と売上予測(2022 年〜2026 年)
(2) 食品分野別取り扱い状況
(3) 主要売上商品と販売額
(4) 2022 年度新商品
(5) 販売ルート(全病食、医薬品卸、食品卸、病院給食事業者、直販/通販)
(6) 施設向けと在宅向けの比率
(7) 今後の注力分野、注力商品
(8) 在宅向け取り組み
(9) 原材料価格上昇対策
(10) 海外展開について
目次
はじめに
調査概要
調査対象企業リスト
Ⅰ.調査結果のまとめ
1. 高齢者/病者用食品市場規模推移と予測
2. 食品分野別市場規模推移(2017年度~2021年度)
3. 食品分野別市場規模予測(2022年度~2026年度)
4. 企業別参入分野
5. 企業別販売高推移(2019年度~2021年度)
6. 質問別調査結果
(1) 2021年度販売ルート別比率、今後の予測、今後の注力ルート
(2) 2021年度施設と在宅の比率、今後の予測
(3) 今後の注力分野、注力商品
(4)在宅向け取り組み
(5)原材料価格上昇対策
(6)海外展開について
Ⅱ.市場規模編: 食品分野別、企業別、商品別販売動向
1.濃厚流動食品、栄養・水分補給飲料
(1)市場規模、市場動向 (2017年度~2026年度)
(2)企業別販売動向 (2017年度~2021年度)
(3)企業別販売額とシェア (2021年度)
(4)カテゴリー別販売動向
1)経管/経口
2)容器
3)物性
4)濃度
(5)商品別販売動向 (2019年度~2021年度)
(6)<参考>医薬品の経腸栄養剤について
2.咀嚼・嚥下補助食品
(1)市場規模、市場動向 (2017年度~2026年度)
(2)キザミ、ミキサー、ソフト食 企業別販売動向 (2019年度~2021年度)
(3)キザミ、ミキサー、ソフト食 商品別販売動向 (2019年度~2021年度)
(4)ゼリー・ムース類、ゼリー状飲料(液状・粉末) 企業別販売動向(2019年度~2021年度)
(5)ゼリー・ムース類、ゼリー状飲料(液状・粉末) 商品別販売動向(2019年度~2021年度)
(6)とろみ増粘剤・固形化補助剤 企業別販売動向(2019年度~2021年度)
(7)とろみ増粘剤・固形化補助剤 カテゴリー別販売動向(2019年度~2021年度)
(8)とろみ増粘剤・固形化補助剤 商品別販売動向(2019年度~2021年度)
3.腎臓病対応食品
(1)市場規模、市場動向 (2017年度~2026年度)
(2)企業別販売動向 (2019年度~2021年度)
4.糖尿病対応食品
(1)市場規模、市場動向 (2017年度~2026年度)
(2)企業別販売動向 (2019年度~2021年度)
5.褥瘡・PEM対応食品
(1)市場規模、市場動向 (2017年度~2026年度)
(2)企業別販売動向 (2019年度~2021年度)
6.鉄・カルシウム・ファイバー補強食品
(1)市場規模、市場動向 (2017年度~2026年度)
(2)企業別販売動向 (2019年度~2021年度)
(3)食物繊維を主な成分とする商品の売上(2019年度~2021年度)
7.大腸検査食品
(1)市場規模、市場動向 (2017年度~2026年度)
(2)企業別販売動向 (2017年度~2021年度)
Ⅲ.解説編
1.濃厚流動食品、栄養・水分補給飲料
(1)経静脈栄養法と経腸栄養法
(2)経腸栄養剤の種類
(3)濃厚流動食品の進化
(4)PEGの適応と造設者数
1)PEGの適応
2)PEG市場が伸びた理由
3)PEG造設患者数と診療報酬改定、コロナ禍の影響
(5)総合栄養食品の許可基準
(6)水分補給に関する情報
1)経口補水液(ORS)と製品開発史
2)経腸栄養管理と水分補給
3)高齢者の水分補給
(7)リフィーディングシンドローム(再栄養症候群)
2.咀嚼・嚥下補助食品
(1)摂食・嚥下機能障害と原因
(2)嚥下障害者数・摂食嚥下障害者数
(3)摂食・嚥下機能障害の診断法と嚥下訓練食
(4)固形化補助剤
(5)とろみ剤の進化
(6)学会分類2021とろみ早見表
(7)半固形化補助食品
(8)日本介護食品協議会と「ユニバーサルデザインフード」
(9)ユニバーサルデザインフード統計
(10)スマイルケア食
(11)日本摂食嚥下リハビリテーション学会「嚥下調整食分類2021」
(12)介護食品の分類一覧: 学会分類2021と他分類の対応
3.腎臓病対応食品
(1)腎疾患の分類
(2)患者数
1)腎臓病総患者数
2)人工透析患者数(2020年末)
3)新規透析導入患者の原疾患(2020年末)
4)透析導入患者及び年末患者の平均年齢(2020年末)
5)慢性腎臓病(CKD)と患者数
(3)腎疾患と食事療法
1)CKDの栄養管理
2)透析期の栄養管理
3)糖尿病性腎症の栄養管理
4)CKDとPEW、サルコペニア、フレイル
(4)特別用途食品(低たんぱく質食品)
(5)特別用途食品(腎臓病用組合せ食品)
(6)腎臓病対応食品の開発
4.糖尿病対応食品
(1)糖尿病の分類
(2)糖尿病患者数
(3)糖尿病合併症
(4)高齢者と糖尿病
(5)糖尿病食事療法
(6)高齢者の糖尿病食事療法
(7)糖質調整流動食
5.褥瘡・PEM対応食品
(1)褥瘡
(2)褥瘡患者数
(3)褥瘡と診療報酬、介護報酬
(4)スキン-テア
(5)DESIGN-R、改定DESIGN-R2020
(6)褥瘡予防・管理ガイドライン等における栄養管理
(7)褥瘡患者の栄養アセスメント
(8)褥瘡治療のための栄養管理
(9)褥瘡治療のための食品
(10)PEM(Protein Energy Malnutrition)
(11)GLIM基準による低栄養診断
(12)PEMリスク患者数
(13)PEM治療に必要な栄養素
(14)サルコペニア
(15)フレイル
6.鉄・カルシウム・ファイバー補強食品
(1)骨粗鬆症の定義と診断
(2)骨粗鬆症患者数
(3)骨粗鬆症と骨折
(4)骨粗鬆症に必要な栄養素
(5)貧血
(6)貧血患者数
(7)貧血に必要な栄養素
(8)下痢・便秘とその対策
(9)プロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクス
7.大腸検査食品
(1)大腸がん患者数
(2)大腸がん検査と検査食
(3)開発経緯
Ⅳ.企業個票 (五十音順)
1.アイドゥ(株)
2.アサヒグループ食品(株)
3.旭松食品(株)
4.味の素(株)
5.アボットジャパン合同会社
6.イオントップバリュ(株)
7.伊那食品工業(株)
8.イーエヌ大塚製薬(株)
9.大塚食品(株)
10.(株) 大塚製薬工場
11.カイゲンファーマ(株)
12.カセイ食品(株)
13.キッセイ薬品工業(株)
14.木徳神糧(株)
15.キユーピー(株)
16.(株) クリニコ
17.(株) グンプン
18.サラヤ(株)
19.太陽化学(株)
20.大和製罐(株)
21.(株) タカキベーカリー
22.(株) タケショー
23.テルモ(株)
24.堂本食品(株)
25.(株) ニチレイフーズ
26.日清オイリオグループ(株)
27.日東ベスト(株)
28.日本ケアミール(株)
29.ニュートリー(株)
30.ネスレ日本(株)
31.ハインツ日本(株)
32.ハウス食品(株)
33.(株) ハーバー研究所
34.林兼産業(株)
35.バランス(株)
36.(株) ファイン
37.(株) フードケア
38.(株) ふくなお
39.フジッコ(株)
40.ヘルシーフード(株)
41.堀井薬品工業(株)
42.ホリカフーズ(株)
43.(株) マルハチ村松
44.マルハニチロ(株)
45.三島食品(株)
46.(株) 宮源
47.(株) 明治
48.名阪食品(株)
49.(株) ヤヨイサンフーズ
50.(株) 龍角散
Ⅴ.参考資料集
1. 高齢者人口の推移
2. 患者数、医療施設/介護施設の状況
(1)総患者数
(2)傷病分類別にみた施設の種類別推計患者数
(3)医療施設の状況
①種類別施設数、
②病床規模別施設数、
③病床種類別病床数、
④病床種類別平均在院日数、
⑤都道府県別にみた病院の平均在院日数、
⑥1日平均在院・新入院・退院患者数
(4)介護施設の状況
①事業所/施設数、
②介護保険施設の定員、在所(院)者数、利用率、
③介護保険施設の在所者数、施設の種類、年齢階級、要介護度別、
④介護保険施設在所者の医療処置等の実施者数、施設の種類、医療処置の種類、
⑤介護保険施設の在所者、傷病分類
⑥要介護・要支援認定者数、
⑦居宅介護(介護予防)サービス受給者数(人)、
⑧居宅介護(介護予防)サービスのサービス別受給者数(人)、
⑨居宅介護(介護予防)サービスのサービス別利用回(日)数、
⑩地域密着型(介護予防)サービス受給者数(人)、
⑪地域密着型(介護予防)サービスのサービス別受給者数(人)、
⑫地域密着型(介護予防)サービスの利用回数(回)、
⑬施設介護サービス受給者数(人)
3.保険制度
(1)医療保険制度
1)令和4年度診療報酬改定
2)栄養関連の診療報酬
(2)介護保険制度(令和3年度介護報酬改定後)
4.高齢者(65~74歳) の食事摂取基準(2020年版)
5.高齢者(75歳以上)の食事摂取基準(2020年版)