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レポートナンバー 0000032581

製品利用に向けたバイオマテリアル開発の基本事項と注意点

株式会社情報機構

―材料の特徴・材料劣化・表面解析・安全性試験・ニーズ収集―

発刊日 2022/06/27

言語日本語

体裁B5/306ページ

ライセンス/価格306ページ

0000032581

書籍版 60,500 円(税込)

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レポート概要

☆現在のバイオマテリアル技術とこれからの関連技術開発のために!

★各マテリアルの特徴および材料コーティング技術の基本を概説。

☆バイオマテリアルとして必要な安全性試験項目・規制の状況や、
 生体内での劣化現象や評価方法についても掲載。

★医療現場での利用の現状やニーズ収集・商品化・臨床応用について、
 様々な立場の担当者による役立つヒントを掲載。

☆日本の関連政策や関連技術、また関連技術開発事例を知ることで、開発・実用化のヒントに!


【本書のポイント】

バイオマテリアルとは何か?
>金属系、セラミック系、高分子系、ハイブリッド系の各バイオマテリアルの各特長・概要を掲載。

利用されている材料表面コーティング技術にどのようなものがあるか?
>材料への生体適合性付与の手法の各ポイント
>抗血栓性の付与のための方法を紹介
>バイオマテリアルの表面解析手法
>ナノ領域におけるタンパク質と材料の相互作用

医用材料として利用想定したときの検討内容は?
>生体内での材料劣化の要因と材料評価方法を解説。
>生体適合および安全性に係る試験評価を規制動向も含め解説。
>生体内インプラント材料におけるMRI検査時の課題要因を掲載。

利用現場でのニーズ取得や、ニーズ収集後の実用化・臨床応用までどう進めればよいか?
>ニーズ取得の際の課題や考え方を方法論も含め解説。
>製品化・実用化に至った技術について、ニーズ取得から製品化・実用化まで至った道筋を当時の担当者が解説
>臨床応用に至った技術の開発者が、応用化までの流れやポイント等を紹介

バイオマテリアル関連技術にどのようなものがあるか。
>今後の技術トピックスや国内政策動向の現状を紹介。
>コーティング材料開発、ナノファイバー設計、組織接着剤技術開発、材料表面機能化技術開発、骨再生材料開発等、
 技術開発事例を掲載。

レポート詳細

執筆者一覧(敬称略)

塙 隆夫 (東京医科歯科大学)
菊池 正紀 ((国研)物質・材料研究機構)
田中 賢 (九州大学)
佐川 拓矢 (東京理科大学)
橋詰 峰雄 (東京理科大学)
上田 恭介 (東北大学)
成島 尚之 (東北大学)
水野 敏秀 ((国研)国立循環器病研究センター)
林 智広 (東京工業大学)
迫田 秀行 (国立医薬品食品衛生研究所)
多賀谷 基博 (長岡技術科学大学)
山田 翔太(クアーズテック(株))
勝田 真一 ((一財)日本食品分析センター)
唐 明輝 (北海道大学)
山本 徹 (北海道大学)
吉田 哲也 ((公財)神戸医療産業都市推進機構)
蒲生 秀典 (文部科学省 科学技術・学術政策研究所)
藤田 聡 (福井大学)
竹岡 敬和 (名古屋大学)
浅井 文雄 (ユニチカ(株))
有坂 慶紀 (東京医科歯科大学)
由井 伸彦 (東京医科歯科大学)
平栗  健二 (東京電機大学)
小口  亮平 (AGC(株))
伊藤  椎真 (筑波大学 /(国研)物質・材料研究機構)
西口  昭広 ((国研)物質・材料研究機構)
田口  哲志 ((国研)物質・材料研究機構)
徐  薇 (熊本大学)
佐々木 誠 (熊本大学)
新留 琢郎 (熊本大学)
平田 恵理 (北海道大学)
藤林 俊介 (京都大学)

目次

第1章 バイオマテリアルの概要
第1節 金属系バイオマテリアル
1. 特徴
2. 種類・使用用途
3. 生体との主な相互作用
4. 細胞接着性
第2節 セラミック系バイオマテリアル
1. 種類
2. 特徴・使用用途
3. セラミックス合成におけるポイント
4. 生体との主な相互作用
5. 細胞接着性
第3節 高分子系バイオマテリアル
1. 医療用合成高分子材料の特徴
2. 医療製品の表面で起きている現象
3. 合成高分子材料に水和した水の構造と運動性の解析
4. タンパク質吸着・細胞接着性
第4節 有機・無機ハイブリット材料における特徴
1. 生体用ハイブリッド材料の概要
 1.1 ハイブリッド材料とは
 1.2 生体用ハイブリッド材料
 1.3 生体用ハイブリッドの作製方法
  1.3.1 生物由来の有機 - 無機ハイブリッドとそれに倣った材料作製
  1.3.2 基材表面へのハイブリッド作製
2. 生体材料としての考え方と設計・開発のポイント
 2.1 ペプチド -HAp ナノハイブリッドの作製
 2.2 ポリイミド - 金属酸化物複合材料の開発

第2章 材料の表面コーティング技術
第1節 金属材料の表面コーティングによる生体適合性付与の考え方
1. 各金属系生体材料における表面処理
 1.1 コバルト - クロム合金
 1.2 ニッケル - チタン合金(NiTi)
 1.3 マグネシウムおよびマグネシウム合金
 1.4 ステンレス鋼
2. チタン・チタン合金に適用されている表面処理
 2.1 表面形態制御
 2.2 組成・相制御
  2.2.1 アパタイト形成促進表面処理
  2.2.2 アパタイト形成表面処理
  2.2.3 RF マグネトロンスパッタリング法による非晶質リン酸カルシウムコーティング
3. チタン製デバイスの骨形成能向上と抗菌性付与
 3.1 抗菌性付与の必要性
 3.2 チタン製デバイスへの抗菌性付与
 3.3 Ag 担持非晶質リン酸カルシウムコーティングによるチタンへ抗菌性付与 57, 58)
  3.3.1 Ag イオンによる抗菌性発現機序
  3.3.2 RF マグネトロンスパッタリング法による Ag, Ta 共添加 ACP コーティング膜からのAg イオン徐放による長期間の抗菌性発現
第2節 材料へのコーティングによる抗血栓性付与の考え方
1. 金属・高分子ポリマー系抗血栓性表面処理法(受動的作用)
2. 抗凝固物質による抗血栓性表面処理法(能動的作用)
 2.1 共有結合型ヘパリンコーティング
 2.2 イオン結合型ヘパリンコーティング

第3章 バイオマテリアル解析のための表面科学的手法
1. バイオマテリアルと表面・界面科学
2. バイオマテリアルの表面解析
 2.1 組成分析の手法
 2.2 構造解析
 2.3 バイオマテリアルと生体分子の相互作用の解析
 2.4 表面エネルギーの解析

第4章 医用材料の生体内劣化の要因とその評価法
1. 人工関節
2. ガンマ線照射と酸化劣化
3. 加速酸化試験法
4. 生体脂質による劣化
5. 抜去インプラント解析によるモニタリング

第5章 水酸アパタイト粒子の表界面設計とその水和状態とタンパク質相互作用
1. 生体材料への水和層の形成と機能
2. 水酸アパタイト粒子の表面改質による水和状態の制御
 2.1 水酸アパタイト粒子
 2.2 生体親和性の向上のためのケイ酸による改質と水和状態の制御
 2.3 メソ多孔質シリカによる改質と水和状態の制御
3. ポリエチレングリコールによる改質と水和状態の制御
4. 水酸アパタイト粒子の水和水を介したタンパク質吸着
 4.1 タンパク質の構造
 4.2 タンパク質吸着状態の計測
 4.3 表面改質された水酸アパタイト粒子への水和水を介したコラーゲンフィブリル形成
 4.4 表面改質された水酸アパタイト粒子への水和水を介したアルブミンの吸着
5. 細胞を活性化させるナノ材料とナノ粒子化技術の進展

第6章 生物学的安全性評価
1. バイオマテリアルの安全性とその評価項目
2. 生物学的安全性に係る規制
3. 生物学的評価の体系的手引き
4. 生体との接触様式に基づく生物学的安全性評価項目の選択
5. 生物学的安全性試験
 5.1 細胞毒性試験
 5.2 感作性試験
 5.3 刺激性試験/皮内反応試験
 5.4 発熱性物質試験
 5.5 全身毒性試験
 5.6 埋植試験
 5.7 血液適合性試験
 5.8 遺伝毒性試験
 5.9 がん原性、生殖発生毒性、生分解性
6. 物理学的・化学的情報
7. バイオマテリアルからの抽出物の評価
8. 生物学的安全性試験における抽出条件

第7章 金属インプラントの MRI 検査への影響およびその対策
1. 金属インプラント
2. MRI 検査安全性
 2.1 変位力
 2.2 トルク
 2.3 発熱
 2.4 MRI 適合性評価
3. 臨床現場の対応
4. アーチファクト
 4.1 アーチファクト評価
 4.2 低磁化率材料開発
 4.3 アーチファクト低減撮像法

第8章 医療現場におけるニーズ探索と医工連携
1. 医療機器開発におけるニーズの位置づけ
 1.1 医療機器の開発アプローチと市場の関係
 1.2 医療機器開発における現状と課題
 1.3 ニーズドリブンによる医療機器開発の難しさ
 1.4 ニーズの本質「ドリル理論」
 1.5 ニーズとウォンツのちがい
 1.6 顕在ニーズと潜在ニーズ
 1.7 ニーズから創出されるアイデア
 1.8 バイアス
  1.8.1 バイアスとは何か
  1.8.2 確証バイアス
  1.8.3 医療慣行
 1.9 バイアスの外し方
2. ニーズの探索手法
 2.1 ニーズ探索の全貌
 2.2 観察対象の選定(戦略的フォーカスと仮説の設定)
 2.3 ヒアリングにより顕在ニーズを把握する
 2.4 潜在ニーズの探索 ?医療従事者へのインタビュー
  2.4.1 事実と解釈を分ける
  2.4.2 必要性を引き出す質問を繰り返し投げかける
 2.5 潜在ニーズの探索 ?医療現場の行動観察
  2.5.1 行動観察におけるフライ・オン・ザ・ウォール
  2.5.2 デザイン思考
  2.5.3 5W1H と 6W2H
  2.5.4 「鳥の目・虫の目・魚の目」 + 「コウモリの目」
 2.6 ニーズステートメントの作成
3. ニーズの選択と評価
 3.1 ニーズの位置づけと価値の大きさ
 3.2 ニーズの「旬」をつかむ
 3.3 法規制を考慮した開発戦略
 3.4 ニーズ選択と開発戦略
 3.5 Frugal innovation
 3.6 ニーズの評価
4. ニーズドリブンによる開発事例
 4.1 事例 1 抗がん剤投与を目的とした輸液コントローラの改良、開発
  4.1.1 抗がん剤投与の背景
  4.1.2 既存の輸液コントローラの改良
  4.1.3 新型輸液コントローラの開発
  (1)操作説明に関するニーズ分析「エラーコード」
  (2)操作説明に関するニーズ分析「補正係数」
  (3)新型輸液コントローラの開発
  (4)輸液流量評価と結果
  (5)製品化
 4.2 事例 2 抗がん剤曝露防止を目的とした一体型輸液ラインの開発
  4.2.1 抗がん剤の曝露
  4.2.2 抗がん剤が医療従事者に及ぼす影響と対策
  4.2.3 抗がん剤曝露対策のニーズ分析
  (1)真の課題とメカニズム解明の必要性
  (2)コスト的な課題から生まれる臨床ニーズ
  4.2.4 一体型輸液ラインの開発
  (1)仮説と一体型輸液ラインの構想
  (2)仮説検証
    1)定性試験の方法と結果
    2)定量試験の方法と結果
  (3)定性試験、定量試験の結果と考察
  (4)ブレインストーミング(プロトタイプのブラッシュアップ)
  (5)製品化
 4.3 開発事例からみる医工連携の重要性

第9章 バイオマテリアルに関連する科学技術トピックの将来展望
1. バイオマテリアル関連科学技術の概要
2. 第 11 回科学技術予測・デルファイ調査の概要
3. デルファイ調査に見るバイオマテリアル関連科学技術の評価と将来展望
4. バイオマテリアルに関連する国の政策動向

第10章 バイオマテリアルの開発・適用事例
第1節 バイオ産業への応用に向けたナノファイバーの設計
1. エレクトロスピニング法
2. エレクトロスピニングナノファイバーの特徴
 2.1 繊維密度の制御
 2.2 配向性の制御
 2.3 高い多孔性
 2.4 紡糸装置の扱いやすさ
 2.5 3 次元エレクトロスピニング
 2.6 柔軟性
第2節 3D プリンティング可能な血液適合性ポリマーの開発
1. 背景
2. 血液適合性高分子
3. PMEA とシリカ微粒子の複合エラストマー
第 3 節 細胞 - 細胞間接着を調節する動的バイオ界面の設計
1. ポリロタキサン表面における細胞の接着と伸展
2. ポリロタキサン表面における幹細胞分化
3. ポリロタキサン表面上における上皮細胞間接着
第4節 ダイヤモンド状炭素(DLC)を使ったバイオマテリアルコーティングの開発
1. 序論
2. 試料作製および評価
 2.1 DLC コーティングによる低摩擦クスコの作製
 2.2 骨折治療用 Zn-DLC インプラントの作製
第5節 水和状態の制御によるフッ素系生体不活性高分子の設計
1. 生体不活性高分子
 1.1 フッ素系高分子
 1.2 親水性高分子
2. 分子設計指針と戦略
 2.1 分子設計指針
 2.2 分子設計戦略
3. フッ素系生体不活性高分子の合成
 3.1 HEMA共重合体
  3.1.1 合成と生体不活性の評価
  3.1.2 バルクの水和構造の評価
 3.2 MEA共重合体
  3.2.1 合成とバルクの水和構造
  3.2.2 生体不活性とバルクの水和構造との相関
  3.2.3 界面の水和構造の評価
4. 産業応用への可能性
第6節 早期消化管がん除去後の穿孔を閉鎖する組織接着性粒子の設計
1. 研究背景
 1.1 内視鏡粘膜下層剥離術(ESD)の特徴と課題
 1.2 消化管内における穿孔防止のための治療・予防法
2. 冷水魚由来ゼラチンを用いた組織接着性粒子の設計
3. 組織接着性粒子の穿孔閉鎖能評価
4. 組織接着性粒子の水中被覆安定性評価
5. 組織接着性粒子の穿孔閉鎖・接着メカニズム
第7節 生体吸収性 Mg 合金ステントにおける表面機能化技術
1. 冠動脈ステントの変遷
2. 生体吸収性ステント
3. 生分解性ポリマー層被覆による表面機能化
4. フッ化 Mg 層形成による表面機能化
第 8節 ナノカーボンの骨再生用材料への応用
1. CNHs のインプラント表面修飾
2. CNTs の骨再生誘導法への応用

第11章 バイオマテリアルの開発とその臨床応用における留意点? 生体活性チタン多孔体ケージの開発と臨床応用
1. チタン多孔体の作製
2. 生体活性チタン多孔体の骨誘導性
3. 生体活性多孔体チタンの骨伝導性
4. 犬脊椎固定における生体活性チタン多孔体の有効性
5. 生体活性チタン多孔体を用いた腰椎後方椎体間固定術(自主臨床試験)
6.生体活性チタン多孔体ケージを用いた骨移植を行わないXLIF の多施設前向き調査

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