タッチパネルは多彩な分野で利用されているがその方式は数種あり、用途毎に最適な方式が採用されている。中でも低価格の抵抗膜式が最も採用されており、タッチパネル出荷金額の約半分(2010年)を占めていると見られる。一方でスマートフォン、タブレットPCの需要増に伴い、ここで採用される投影型静電容量式が今後は抵抗膜式を追い抜くと予想される。
さて、市場が拡大するタッチパネルにおいて、特に投影型静電容量式に焦点を当てて、【開発編】と【市場編】からなる本書を企画した。
【開発編】ではタッチパネル全体と投影型静電容量式の最新の開発動向、コントロールIC、さらなるタッチパネルの進化として注目のオンセル/インセル化技術、複数人によるマルチタッチ技術、そしてタッチパネルの構成材料のうちITO代替材料のCNTとグラフェンについて専門家の方々に執筆いただいた。
【市場編】ではタッチパネル全体と投影型静電容量式の市場規模を国内外別、方式別に市場推移と予測、そしてシェアについて明らかにし、投影型静電容量式パネルの価格動向予測を掲載した。続いて、投影型静電容量式タッチパネルの主要なアプリケーションとしてスマートフォン、タブレットPC、カーナビを取り上げ、それぞれ個別に市場規模推移と予測、メーカー動向をまとめた。次に投影型静電容量式タッチパネルの構成材料として、透明導電性基板、表面保護材料、 透明粘着シート、コントロールICについて開発動向も交えながら市場動向を掲載した。最後に、投影型静電容量式タッチパネルの主なメーカー動向について事業概要、製品動向、販売実績、製造拠点、各メーカーが抱く競合他社について言及している。
目次
【開発編】
第1章 タッチパネルの最近の開発動向(三谷雄二)
1 はじめに
2 新しく開発されたタッチパネル
2.1 投影型静電容量式タッチパネル
2.2 マルチ入力できるDigital 抵抗膜式タッチパネル
2.3 光学式タッチパネル
3 タッチパネル用材料・装置の開発動向
3.1 透明電極材料
3.2 細線配線用銀インキ
3.3 ガラス/ガラスの貼り合わせ装置
3.4 Analog抵抗膜式タッチパネル用超高速検査
4 タッチパネルがこれからも私達の生活を変える
4.1 駅が変わる
4.2 学校が変わる
4.3 店が変わる
4.4 家庭が変わる
4.5 Mobileが変わる
第2章 投影型静電容量式タッチパネル技術・材料とその評価(中谷健司)
1 投影型静電容量式タッチパネルの構造
2 検出方法
3 投影型静電容量式タッチパネルの材料
3.1 ガラス
3.2 光学粘着剤
3.3 機能性フィルム,機能性シート
3.4 ITOフィルム,ITOガラス
3.5 ITO代替低抵抗フィルム
3.6 配線材料
4 静電容量式タッチパネルの評価
5 おわりに
第3章 Programmable System-On-Chipデバイスの概要および投影型静電容量式タッチパネル向けTrueTouchTMシリーズ(松添信宏)
1 はじめに
2 PSoCデバイス
2.1 PSoCアーキテクチャ
2.2 PSoCアナログリソース
2.3 PSoCデジタルリソース
3 静電容量検出
3.1 スイッチド・キャパシタ
3.2 シグマデルタ変調
3.3 タッチ判定と座標演算
4 タッチパネル向けPSoCデバイス-TrueTouchTM Touchscreen Controller
4.1 投影型静電容量式タッチパネル
4.2 TrueTouchTMシリーズ
4.3 タッチパネルアプリケーションのシステム構成
5 おわりに
第4章 注目のタッチパネル技術と材料
1 インセル/オンセルタッチパネル(鵜飼育弘)
1.1 はじめに
1.2 タッチパネルのインセル化とオンセル化
1.3 In-Cell型TPの技術動向
1.3.1 抵抗式
1.3.2 光学式
1.3.3 容量式
1.4 On-Cell型
1.4.1 表面型静電容量(Surface Capacitive)
1.4.2 投影型静電容量(Projected Capacitive)
1.4.3 抵抗式
1.5 内蔵型TPの特徴比較
1.6 おわりに
2 マルチユーザ・マルチタッチの実現方式とその応用(古市昌一)
2.1 はじめに
2.2 協調作業環境へのタッチパネル応用の問題点
2.3 マルチタッチ方式
2.4 マルチユーザ・マルチタッチ方式
2.5 DTの基本構成と動作原理
2.5.1 静電容量結合による接触検出
2.5.2 接触位置の特定及びユーザの識別
2.5.3 電極の形状と配置
2.5.4 その他の特徴
2.6 応用例
2.6.1 会議への応用例
2.6.2 ゲームへの応用例
2.7 今後の展望
3 CNT利用透明導電フィルム-ITO代替材料(佐藤謙一)
3.1 はじめに
3.2 ITOフィルムについて
3.3 CNT利用透明導電フィルム開発のモチベーション
3.4 CNTを用いた透明導電フィルム開発に必要な技術
3.5 高品質なCNTおよびその製造技術について
3.6 CNT分散化技術
3.7 ドーピング方法
3.8 CNT分散液塗工方法
3.9 今後の展開と期待
4 グラフェンの大面積低温合成-ITO代替材料(長谷川雅考)
【市場編】(山本貴尋)
第1章 タッチパネル全体市場と投影型静電容量式の市場規模の現状と予測
1 世界のタッチパネル総市場の推移と予測
2 日本のタッチパネル総市場の推移と予測
3 世界の方式別タッチパネル市場の推移と予測
4 日本の方式別タッチパネル市場の推移と予測
5 世界の全タッチパネルのシェア
6 日本の全タッチパネルのシェア
7 世界の投影型静電容量式タッチパネルのシェア
8 日本の投影型静電容量式タッチパネルのシェア
9 投影型静電容量式パネルの価格動向予測
第2章 注目のタッチパネル市場
1 タッチパネルの主要アプリケーションについて
2 スマートフォン
2.1 スマートフォン市場の概要
2.2スマートフォンに対する投影型静電容量式の市場規模の推移と予測
2.3 スマートフォンへの参入タッチパネルメーカーの動向
2.3.1 世界市場の動向
2.3.2 国内メーカーの動向
3 タブレットPC
3.1タブレットPC市場の概要
3.2 タブレットPCに対する投影型静電容量式の市場規模の推移と予測
4 カーナビ
4.1 カーナビ市場の概要
4.2 カーナビに対する投影型静電容量式の市場規模の推移と予測
4.3 カーナビへの国内参入タッチパネルメーカーの動向
第3章 投影型静電容量式タッチパネルにおける構成材料市場
1 透明導電性基板
1.1 ITO膜
1.1.1概要
1.1.2開発動向
1.1.3市場動向
1.2 ITO膜代替材料
1.2.1 概要
1.2.2 開発動向
1.2.3 市場動向
2 表面保護材料
2.1 オーバーレイ
2.1.1 概要
2.1.2 開発動向
2.1.3 市場動向
2.2 ハードコート
2.2.1 概要
2.2.2 開発動向
2.2.3 市場動向
3 透明粘着シート
3.1 概要
3.2開発動向
3.3市場動向
4 コントロールIC
4.1 概要
4.2 開発動向
4.3市場動向
第4章 投影型静電容量式タッチパネルの主要メーカーの動向
1 日本写真印刷株式会社
1.1事業概要
1.2 製品動向
1.2.1 製品ラインナップと特徴
1.2.2 製品の技術的特徴
1.2.3 アプリケーションの動向
1.3 販売実績
1.4 その他
1.4.1 製造拠点
1.4.2 競合他社について
1.4.3 今後の事業戦略
2 株式会社ミクロ技術研究所
2.1 事業概要
2.2製品動向
2.2.1 製品ラインナップと特徴
2.2.2 製品の技術的特徴
2.2.3 アプリケーションの動向
2.3 販売実績
2.4その他
2.4.1 製造拠点
2.4.2 競合他社について
2.4.3 今後の事業戦略
3 アルプス電気株式会社
3.1 事業概要
3.2製品動向
3.2.1 製品ラインナップと特徴
3.2.2 製品の技術的特徴
3.2.3 アプリケーションの動向
3.3 販売実績
3.4その他
3.4.1 製造拠点
3.4.2 競合他社について
3.4.3 今後の事業戦略
4 タッチパネル・システムズ株式会社
4.1事業概要
4.2 製品動向
4.2.1 製品ラインナップと特徴
4.2.2 製品の技術的特徴
4.2.3 アプリケーションの動向
4.3販売実績
4.4その他
4.4.1 製造拠点
4.4.2 競合他社について
4.4.3タッチパネルの単価について
5 SMK株式会社
5.1 事業概要
5.2 製品動向
5.2.1 製品ラインナップと特徴
5.2.2 製品の技術的特徴
5.2.3 アプリケーションの動向
5.3販売実績
5.4 その他
5.4.1 製造拠点
5.4.2 競合について
5.4.3 今後の事業戦略
6 グンゼ株式会社
6.1 事業概要
6.2製品動向
6.2.1 製品ラインナップと特徴
6.2.2 抵抗膜式製品の技術的特徴
6.2.3 投影型静電容量式への参入について
6.2.4 ハードコーティングの外販について
6.2.5アプリケーションの動向
6.3販売実績
6.4その他
6.4.1製造拠点
6.4.2タッチパネルの単価について
6.4.3 競合他社について
6.4.4今後の事業戦略
7 Synaptics Inc.
7.1事業概要
7.2製品動向
7.2.1製品ラインナップと特徴
7.2.2 製品の技術的特徴
7.2.3 アプリケーションの動向
7.3販売実績
7.4 その他
7.4.1製造拠点
7.4.2 競合他社について
7.4.3 今後の事業戦略