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レポートナンバー 0000039432

パワーエレクトロニクス技術の進展

株式会社シーエムシー出版

-脱炭素社会への貢献と期待-

Advances in Power Electronics Technology: Contributions and Expectations for a Decarbonized Society

発刊日 2024/09/19

言語日本語

体裁B5/245ページ

ライセンス/価格245ページ

0000039432

書籍版 71,500 円(税込)

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ポイント

持続可能な発展と脱炭素社会の実現に必要不可欠なパワーエレクトロニクス技術!
軟磁性材料の開発や受動素子技術,シミュレーション技術について解説!
車載用パワーエレクトロニクスの技術動向についても詳述!

レポート概要

■刊行にあたって

 現代の人間生活には石油由来のエネルギーや資源が必要不可欠である。一方,地球温暖化抑制に向けてCO2の実質排出量ゼロを目指すには化石資源の利用を段階的に制限していく必要がある。つまり,これまで石油に依存していた燃料を今後はカーボンニュートラルな方法で製造する燃料に置き換える必要がある。自然界から得られるエネルギーには太陽光,風力,水力,地熱,潮汐力などがある。CO2の排出がないという点では核エネルギーも同様である。これらのエネルギーはそのまま生活に使えるわけではなく,主に電力に変換して利用している。では,私たちの生活は電力があれば良いかというとそうではない。電力は同時同量の原則,電線供給が不可避というエネルギーの貯蔵・輸送方法に欠点がある。したがって,エネルギーを安定供給するためには,電気エネルギーを貯蔵・輸送できる化学物質に変換して,利用したいときに使えるような技術の開発・導入が必要である。電力から容易に変換できる化学物質に水素がある。水素は水の電気分解により効率的に製造できる。これからの社会は水素エネルギー社会と言われる所以である。しかし,水素は常温・常圧で気体であり,水素を高密度に貯蔵・輸送するには超高圧・極低温にする必要がある。したがって,水素は長時間の貯蔵には不向きである。そこで,これを常温・常圧で長期に貯蔵が可能な液体燃料に変換することが望ましい。そのためには空気中に約0.04%含まれるCO2を炭素源として利用する。CO2を回収して水素と化合させて常温・常圧で液体のアルコールや炭化水素に変換してしまえば,燃焼時に排出したCO2をまた燃料の一部として利用できる。これで自然のエネルギーを液体燃料に変換したことになる。ここまで変換できれば,これまでの社会基盤やモビリティーを大きく変更せずにこれまでの生活を継続することができる。特に,電力系統と接続できない航空機,船舶,自動車の燃料をカーボンニュートラル化するためには,このような取り組みが必要である。

 本書では電力(水素)とCO2を利用してメタノール,炭化水素を製造する技術とそれらをモビリティーへ適用する取り組みについて,それぞれの専門家の立場で解説していただいた。現在,多くの産業でカーボンニュートラルに向けた取り組みを検討されていると思う。本書がその取り組みの一助になれば幸いである。

成蹊大学 理工学部 教授
里川重夫

レポート詳細

監修

岩室憲幸

著者一覧

岩室憲幸   筑波大学
磯部高範   筑波大学
三浦友史   長岡技術科学大学
多留谷政良  三菱電機(株)
藤﨑敬介   豊田工業大学
高下拓也   JFEスチール(株)
遠藤 恭   東北大学
井上俊太郎  (株)豊田中央研究所
成田芳正   岩崎通信機(株)
綾野秀樹   東京工業高等専門学校
今岡 淳   名古屋大学
関屋大雄   千葉大学
長谷川一徳  九州工業大学
平上克之   (株)指月電機製作所
前畑安志   (株)指月電機製作所
内藤正浩   (株)村田製作所
鈴木祥一郎  (株)村田製作所
重松浩一   名古屋大学
山本真義   名古屋大学
増澤高志   三菱重工業(株)
石戸亮祐   ローム(株)
川口雄介   東芝デバイス&ストレージ(株)
福西篤志   (株)デンソー
髙木茂行   東京工科大学

目次

【第Ⅰ編 総論】
第1章 パワーエレクトロニクス技術とパワー半導体の役割
1 はじめに
2 パワーデバイスの主役:MOSFETとIGBT
3 最新シリコンMOSFET技術
3.1 低耐圧MOSFET
3.2 高耐圧MOSFET
4 最新シリコンIGBTならびにモジュール技術
5 SiC MOSFETの最新技術
6 SiC MOSFET最新モジュール技術
7 まとめ

第2章 パワーエレクトロニクスの最新動向
1 研究開発に関する動向
2 応用先に関する動向

第3章 給配電システムに適用が拡大するパワーエレクトロニクス技術
1 はじめに
2 次世代パワー半導体素子
3 高圧回路技術
3.1 モジュラーマルチレベル変換器
3.2 Solid-State Transformer
4 系統連系インバータ
4.1 系統電圧上昇対策
4.2 余剰電力対策
4.3 事故時運転継続機能
4.4 GFLインバータとGFMインバータ
4.5 疑似慣性
4.6 GFMインバータの課題
5 まとめ

第4章 最新パワー半導体モジュールのトレンドと性能進化の方向性
1 はじめに
2 パワー半導体素子技術
3 パワー半導体モジュールのパッケージ技術
3.1 素子接合技術
3.2 ワイヤー配線技術およびダイレクトリードボンディング技術
3.3 放熱技術
3.4 封止技術
4 最新パワー半導体モジュール製品の例
5 まとめ

【第Ⅱ編 軟磁性材料開発と磁気特性】
第5章 高周波大電力用軟磁性材料と評価技術
1 はじめに
2 パワエレ磁気
2.1 高周波パワエレ磁気の現状
2.2 高周波パワエレ磁気不在の要因
3 パワエレの磁性材料
4 パワエレ磁気デバイスとパワエレの影響
4.1 パワエレ磁気デバイス
4.2 パワエレの磁気特性への影響
5 磁気計測
6 おわりに

第6章 圧粉磁心用純鉄粉
~低鉄損化のための製造プロセスおよび粉体特性の適正化~
1 圧粉磁心の鉄損
2 圧粉磁心の製造工程
3 圧粉磁心の鉄損に及ぼす原料鉄粉粉体特性の影響
3.1 粒子形状の影響
3.2 粒子径の影響
3.3 純度の影響
4 低鉄損圧粉磁心と電磁鋼板の鉄損の比較

第7章 複合配向化した軟磁性微粒子コンポジット材の静的・動的磁気特性
1 はじめに
2 実験方法
3 実験結果および考察
4 まとめ

第8章 高電力密度DC-DCコンバータのための磁気統合技術
1 はじめに
2 マルチポート回路
3 トランス・磁気結合リアクトル統合磁気素子
4 統合と冗長性
5 フィルタビルトイン回路
6 結論

第9章 高周波向け軟磁性材料の磁気特性の測定・評価方法
1 はじめに
2 磁気特性評価の背景
3 軟磁性材の磁気特性評価
4 試料形状や歪と磁気特性
5 直流バイアスと磁気特性
6 高周波での磁気特性測定時の注意点
6.1 共振現象に注意
6.2 パワーアンプの最大出力に注意
6.3 発熱に注意
6.4 巻線に注意
6.5 周囲で発生する渦電流に注意

【第Ⅲ編 受動素子】
第10章 パワーエレクトロニクス機器におけるEMCの概論
1 はじめに
2 パワーエレクトロニクス機器におけるEMC
3 電磁ノイズの発生要因となるパワーデバイスのスイッチング
4 電磁ノイズに影響する寄生インダクタンスと寄生容量
4.1 寄生インダクタンス
4.2 寄生容量
5 サージ電圧とリンギング
5.1 サージ電圧やリンギングの発生メカニズム
5.2 サージ電圧・リンギングの対策方法
6 モータから漏洩するコモンモード電流
6.1 コモンモードの等価回路
6.2 コモンモード電流の対策方法
7 まとめ

第11章 パワーコンバータ用磁気デバイスの高電力密度化・高性能化へ向けた要素技術
1 はじめに
2 パワーコンバータ用磁気デバイスの応用技術
2.1 高放熱化に向けた要素技術
2.2 磁気部品の統合化と磁性材料特性に着目した特性改善
3 おわりに

第12章 高周波パワーコンバータと受動素子
1 はじめに
2 共振形コンバータ
2.1 増幅器のクラス分け
2.2 整流回路
2.3 高周波コンバータの実現
3 高周波コンバータの実装例
3.1 スイッチングデバイス
3.2 磁性素子
3.3 コンデンサの選定
3.4 実装写真と実験波形
4 まとめ

第13章 パワーエレクトロニクス回路用キャパシタの評価技術
1 はじめに
2 キャパシタの損失推定
2.1 矩形波電流流入時の電解コンデンサ損失の推定
2.2 カロリー法を用いたフィルムキャパシタ損失測定
3 キャパシタのコンディションモニタリング
3.1 モータ駆動用インバータの回路構成とキャパシタ等価回路
3.2 電解コンデンサ寿命の直流バイアス電圧依存性
3.3 ESRとキャパシタンスの分離抽出
3.4 電流センサレス・コンディションモニタリング
3.5 モニタリング手法のブロック図
3.6 モニタリング実験結果
4 おわりに

第14章 パワーコンバータ用フィルムコンデンサ
1 はじめに
2 フィルムコンデンサの基本構造
2.1 構造
2.2 SHコンデンサにおける蒸着パターンとヒューズ動作による保安性
3 小型化
3.1 エネルギー密度と電位傾度
3.2 xEV用フィルムコンデンサの小型化の技術変遷
4 フィルムコンデンサの電力損失
4.1 交流電流による損失と等価直列抵抗
4.2 直流電流による損失
5 フィルムコンデンサの製品寿命
5.1 寿命の考え方と加速性
5.2 SHコンデンサの蒸着パターンによる長寿命化の取り組み
6 耐熱性
7 おわりに

第15章 パワーエレクトロニクス分野で用いられる積層セラミックコンデンサ(MLCC)用誘電体材料の方向性
1 パワーエレクトロニクス分野のトレンド
1.1 エレクトロニクス分野の拡大
1.2 MLCCに求められる特性
2 MLCC用誘電体材料の方向性
2.1 温度補償用MLCC向け誘電体材料
2.2 高誘電率系MLCC向け誘電体材料
3 まとめ

【第Ⅳ編 モデリングとシミュレーション技術】
第16章 パワーエレクトロニクスシステムにおけるシミュレーションの役割
1 はじめに
2 システムシミュレーション
3 システムシミュレーションのためのモデルとバリアフリーシミュレーション技術
4 まとめ

第17章 電動航空機におけるシステムシミュレーション技術
1 はじめに
2 構築する電動航空機のモデル概要
3 電動航空機駆動用インバータモデル
4 電動航空機モデルの挙動モデルとその評価
5 電動航空機モデルにおけるパワー半導体性能評価
6 まとめ

第18章 寄生磁界結合を考慮したEMCフィルタシミュレーション
1 寄生磁界結合を考慮したEMCフィルタシミュレーション
1.1 主要な寄生磁界結合のモデリング手法
1.2 寄生磁界結合抽出を目的としたフィルタ構成部品のモデリング手法
1.3 寄生磁界結合を考慮したEMCフィルタシミュレーションの実機検証
1.4 EMCフィルタシミュレーションを用いた実製品におけるノイズ低減事例

【第Ⅴ編 車載用パワーエレクトロニクス】
第19章 自動車用パワーエレクトロニクスの現状と動向
1 はじめに
2 バッテリ電圧とインバータの動向
2.1 バッテリの高速充電と高電圧化
2.2 高電圧化によるSiC-MOSFET利用
2.3 BEVのインバータに用いられるパワーデバイス
3 DC/DCコンバータ・車載充電器の動向
3.1 DC/DCコンバータ
3.2 車載充電器
3.3 双方向車載充電器
4 自動車用パワーエレクトロニクスの展開

第20章 車載用パワー半導体の技術動向
1 はじめに
2 車載用パワー半導体の分類
3 シリコンパワーMOSFET
3.1 低耐圧パワーMOSFET
3.2 高耐圧パワーMOSFET
3.3 パワー IC
4 シリコンIGBT
5 新材料パワー半導体
5.1 SiC MOSFET

第21章 e-Mobilityインバータ生産における最新技術動向
1 はじめに
2 INV生産工程の概要
2.1 ライン構成と自動化推移
3 接合技術の変革
3.1 はんだ付け工法
3.2 レーザ接合技術

第22章 電気自動車向けパワーエレクトロニクス回路の設計
1 電気自動車向けパワーエレクトロニクス回路の構成
2 モータとバッテリの仕様から回路の概要設計
3 昇圧チョッパ回路の設計
3.1 時間関連パラメータ決定
3.2 回路パラメータの決定
3.3 電流変動の評価
4 インバータ回路の設計
4.1 駆動方式・信号
4.2 回路ハードの設計とスイッチング素子の選定
5 回路シミュレーションによる評価
6 まとめ

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