レポートナンバー 0000040062
企画セミナー 「相分離と創薬」 講演録と「相分離」に関連する技術開発動向
株式会社シード・プランニング
ー 病原性凝縮体が新規創薬ターゲットになる可能性 ー
発刊日
2024/12/02
言語日本語
体裁A4/189ページ
ポイント
Part 1では大好評だった企画セミナー「相分離と創薬」を紙面上で再現!カラーの講演スライドと発表内容を掲載。
Part 2では相分離に着目した海外ベンチャー企業の開発動向や大手製薬企業等からの出資・資金調達情報を整理。注目の相分離研究もピックアップ!
相分離研究の第一人者である白木 賢太郎先生、相分離とオートファジーの関係を探究する野田 展生先生の特別インタビューも収録。相分離研究に関する様々な最新動向がこの1冊でわかります!
レポート概要
相分離(そうぶんり)とは2つの層に分離する現象で、物理化学の分野では古くから知られており、研究されてきました。分かりやすい例として、ドレッシングが水と油の2層に分離する状態が相分離です。ここ10年ほど前から生物学においてもこの現象が注目されています。相分離現象が私たちの細胞の中でも起きており、特定の分子やタンパク質が独自の膜を持たない領域や、「ドロップレット(液滴)」と呼ばれる集合物を形成し、そこに機能を集約させ、効率的に生命現象を起こすことが明らかになってきました。
また、相分離は疾患との関連も多数報告されており、創薬研究においても注目され始めています。例えばアルツハイマー病やALS(筋萎縮性側索硬化症)は、細胞内での相分離異常により、タンパク質の毒性凝集体が形成/蓄積し発症につながると言われています。相分離を標的とした研究が進むことで、新しい治療戦略の糸口につながることが期待されています。さらに、特定の相分離液滴をターゲットにすることで、細胞内の特定の反応をより効果的に制御できる可能性があります。
そこで、弊社は2024年9月20日に、モルミル株式会社様との共催で、「相分離と創薬」セミナーを開催いたしました。森先生、齋尾先生をはじめ、モルミル様のご尽力で日本電子株式会社様、株式会社ニコンソリューションズ様にもご講演いただきました。本書のPart 1には本セミナーの講演録を収載しております。
Part 2では、相分離に着目した海外ベンチャー企業や相分離研究等を調査し、開発動向や事業参入状況、対象となる疾患へのアプローチ等を整理しました。
また、特別インタビューとして、筑波大学 数理物質系 教授 白木 賢太郎先生、北海道大学 遺伝子病制御研究所 疾患制御研究部門 教授 野田 展生先生に、相分離技術を応用した創薬の新たな可能性についてお話を伺いました。
本書が、新たに相分離技術に関連する新規事業への参入を考える企業様にとって、お役に立てれば幸いです。
レポート詳細
調査対象・調査方法
◆調査対象:
相分離に関するアカデミア研究、相分離創薬の対象疾患に対する治療薬の開発状況、相分離現象に注目した海外ベンチャー企業5社
◆調査方法:
【文献調査】 行政機関・企業のWebサイト、プレスリリース、論文 …等
【インタビュー調査】 有識者(2名)
◆調査項目:
相分離に関するアカデミア研究、相分離創薬の可能性、創薬研究における相分離に関連する技術の課題やニーズ、今後注目される研究・技術 …等
◆調査期間:
2024年8月~11月
目次
Part 1 企画セミナー 「相分離と創薬」 講演録
主催者挨拶
株式会社シード・プランニング 創薬バイオ・ビジネスユニット
執行役員/プリンシパルコンサルタント
渡部 正子
講演1 「相分離創薬」
モルミル株式会社 代表取締役
森 英一朗
講演2 「相分離評価技術」
徳島大学 先端酵素学研究所 教授/モルミル株式会社 科学顧問
齋尾 智英
講演3 「電子顕微鏡とNMR技術の紹介」
日本電子株式会社 経営戦略室 エグゼクティブスペシャリスト
鈴村 謙一
講演4 「光学顕微鏡を用いた相分離イメージングの事例と応用について」
株式会社ニコンソリューションズ 執行役員/バイオサイエンス営業本部長
大場 敬生
講演5 「海外ベンチャー企業の動向」
株式会社シード・プランニング ヘルスケアリサーチ&コンサルティング
ヘルスケア・ビジネスユニット シニアリサーチアナリスト
太田 あずさ
総合ディスカッション
(司会)株式会社シード・プランニング 創薬バイオ・ビジネスユニット
執行役員/プリンシパルコンサルタント
渡部 正子
※未発表および知財等に関わる講演資料は本講演録に含めていないことをご了承ください。
Part 2 「相分離」に関連する技術開発動向
調査概要
第1章 相分離研究
【1】 相分離研究のこれまで
【2】 シード・プランニングが注目する相分離研究
【3】 最近の主な国内相分離研究
第2章 各疾患に対する相分離創薬の可能性
【1】 各疾患に対する相分離創薬の可能性
【2】 ALSに対する主な開発パイプラインと相分離創薬
【3】 アルツハイマー病に対する主な開発パイプラインと相分離創薬
第3章 特別インタビュー
【Interview 1】 相分離の視点によって、新たなオーダーメイド医療へ
筑波大学 数理物質系 教授
白木 賢太郎 先生
【Interview 2】 相分離創薬の新たな可能性-感染症、オートファジー、睡眠-
北海道大学 遺伝子病制御研究所 疾患制御研究部門 教授
野田 展生 先生
第4章 海外ベンチャー企業(5社)の開発動向
※大手製薬企業の動き・出資情報のまとめを含む。