目次
第1章 動的粘弾性を扱う上で知らなければならない基礎知識
第1節 動的粘弾性とは何か?
〜レオロジーにおける動的粘弾性とは!?〜
1. 等価回路とレオロジー
1.1 電気化学とインピーダンス
1.2 動的粘弾性測定とインピーダンス
2. 動的粘弾性測定の特徴
2.1 固体の動的粘弾性
2.2 液体の動的粘弾性
第2節 応力・ひずみと弾性率・粘度
1. 応力とひずみ
2. 変形様式
3. 各変形様式でのひずみ、応力、弾性率、粘度
3.1 伸長変形
3.2 ずり変形
3.3 体積変形
3.4 クリープコンプライアンス
3.5 ポアソン比
3.6 さまざまな弾性率間の関係
3.7 応力−ひずみ曲線
第3節 高分子の弾性・粘性・粘弾性とは?
1. 弾性
2. 粘性
3. 粘弾性
4. 高分子濃厚系、架橋高分子の弾性
5. 高分子濃厚系、架橋高分子の粘性
第4節 粘弾性関数
1. 静的測定により求められる粘弾性関数
2. 動的測定により求められる粘弾性関数
2.1 動的弾性率
2.1.1 損失弾性率のピークの意味
2.2 動的コンプライアンス
2.3 動的粘度
第2章 動的粘弾性の測定法
第1節 動的粘弾性の測り方・解析方法
1. 動的粘弾性測定の「動的」とは
2. 変形様式について
3. ずり測定に用いる治具について
4. 動的粘弾性測定に用いる歪み量の求め方
5. 動的粘弾性測定における注意点
5.1 ギャップ間隔と測定試料
5.2 昇温速度
6. 動的粘弾性測定
6.1 温度分散測定
6.1.1 ガラス領域
6.1.2 ガラス-ゴム転移領域
6.1.3 ゴム状平坦領域
6.1.4 流動領域
6.2 周波数分散測定
6.2.1 温度‐時間換算則
6.2.2 スライムの周波数分散測定
第2節 動的粘弾性率の測り方・解析方法
1. 低周波数での測定方法
2. 高周波数での測定方法
3. 波形解析による測定方法
第3章 動的粘弾性測定による高分子材料の特性評価
第1節 動的粘弾性と成形加工性との関係
1. 合成曲線と活性化エネルギー
2. 線形粘弾性関数と定常流特性との関係
3. 長鎖分岐ポリマーの加工性
第2節 動的粘弾性による結晶性高分子の評価
1. 動力学特性の概要
2. 冷結晶化現象
第3節 動的粘弾性による分子配向状態の解析
1. 非晶性高分子
2. 結晶性高分子
第4節 動的粘弾性を利用したポリマーブレンドの相溶性評価
1. 固体状態における動的粘弾性
2. 溶融状態における動的粘弾性
第5節 動的粘弾性測定による加硫ゴムの架橋度の評価
第6節 ポリウレタンにおける動的粘弾性と機械的物性の関係
1. ポリウレタンとは
2. ポリウレタン樹脂の動的粘弾性
2.1 ポリエステルの種類による物性の変化
2.1.1 サンプル
2.1.2 動的粘弾性と物性
2.2 化学架橋の導入による物性の変化
2.2.1 サンプル
2.2.2 動的粘弾性と物性
第7節 動的粘弾性測定によるポリウレタンの高次構造の解析と弾性評価
1. ポリウレタンの物性
1.1 ポリウレタンの用途と構造
1.2 ポリウレタンの高次構造解析の手法
2. 動的粘弾性による測定方法
2.1 試験片の調製 2.2 測定方法
3. 固体状ポリウレタンの測定結果と解析事例
3.1 軟質ポリウレタンフォーム
3.2 硬質ポリウレタンフォーム
3.3 ポリウレタンエラストマー
3.4 ポリウレタン接着剤
4. ポリウレタンの硬化反応過程における動的粘弾性
4.1 接着剤 4.2 熱硬化性エラストマー
5. ポリウレタン溶融体の測定結果と解析事例
5.1 ポリウレタン溶融体の動的粘弾性
5.2 ポリウレタン溶融体の一軸伸長流動挙動
第8節 炭素ナノ材料と熱可塑性エラストマーとの複合物の粘弾性挙動
1. 炭素ナノ材料/スチレン系TPE複合物
2. 炭素ナノ材料/ポリウレタン系複合物
第9節 プラスチック発泡体における耐熱性の評価
1. 試料と実験方法
2. 結果と考察
2.1 ポリウレタンフォーム
2.2 ポリエチレンフォーム
2.3 ポリ塩化ビニルフォーム
第10節 エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)における
動的粘弾性の特性評価への活かし方
1. EVOHの基礎的な粘弾性挙動
1.1 温度依存性
1.2 湿度依存性
1.3 水中での粘弾性挙動
2. EVOHの粘弾性挙動と実用物性との関係
2.1 延伸性とガスバリアー性
2.2 酸素透過度の湿度依存性との関係
2.3 シュリンク性
第11節 動的粘弾性法によるエポキシ系封止樹脂,ゴム・エラストマーの硬化・流動特性の評価
1. 動的粘弾性測定の基礎理論と流動性・硬化性評価への活用法
1.1 ひずみとトルク
1.2 複素剛性率,貯蔵剛性率,損失剛性率
1.3 複素粘性率(複素粘度)
1.4 Cox-Merz則とExtended Cox-Merz則
2. エポキシ系封止樹脂の流動性・硬化性評価例
2.1 昇温法における流動・硬化性評価例
2.2 流動性のせん断速度依存性の評価例
2.3 等温法による硬化性評価例
3. ゴム・エラストマーの硬化(架橋)反応評価例
3.1 エチレンプロピレンゴム(EPDM),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)の例
3.2 スチレンブタジエンゴム(SBR)の例
第12節 ポリエステル系熱可塑性エラストマーの動的粘弾性と諸物性の関係
1. 構造と物性
2. 動的粘弾性挙動の温度依存性
2.1 動的粘弾性挙動と材料物性
2.2 組成による影響
2.3 分子量による影響
2.4 結晶性による影響
2.5 ポリマーブレンドによる影響
3. 動的粘弾性挙動の周波数依存性
第13節 半導体パッケージ用封止材の構造粘性/動的粘弾性と成形性/耐熱性について
1. 封止材料の構造粘性
1.1 構造粘性が成形性に及ぼす影響
1.2 構造粘性最適化による摩擦抵抗低減、ボイド低減策
2. 次世代ワイドバンドギャップ半導体用材料の高耐熱化の必要性
2.1 高Tg化の必要性(動的粘弾性変化に伴う特性低下)
2.2 高Tg化に伴う背反事項
2.3 架橋点を増やさない高Tg化、高耐熱化手法
第14節 エンジニアリングプラスチックの固体粘弾性その解釈と活用
1. 固体粘弾性測定用試料
2. 固体粘弾性
2.1 PBT, PPS, PEEKの固体粘弾性比較
2.1.1 ガラス転移温度
2.1.2 耐熱温度
2.1.3 耐衝撃特性
2.2 固体粘弾性の周波数依存性
第15節 動的粘弾性測定結果の解釈における注意点
1. 動的粘弾性測定適用の経緯
2. 測定結果読み取りの注意事項
2.1 Tg値読み取り方法の明記
2.2 Tg値の意味
2.3 試験条件の明記
2.4 弾性率の温度依存性
2.5 弾性率値の平均
第16節 高分子の粘弾性特性のシミュレーション
1. シミュレーション理論
2. 計算事例
第4章 動的粘弾性測定によるインク,塗料,粘/接着剤の特性評価
第1節 分散系における動的粘弾性の測定とデータ解析
1. レオロジーデータの信頼性に関する注意点
2. 壁面スリップと動的粘弾性曲線
3. 時間依存性をもつ系の動的粘弾性測定
4. 非線形粘弾性-ひずみ制御と応力制御の違い
第2節 動的粘弾性によるインキの流動特性評価
1. UV硬化型マイクロカプセルインキの粘弾性
1.1 インキの作製とレオロジー測定
1.2 インキの定常流粘度
1.3 インキの動的粘弾性
1.4 インキの応力成長測定
2. UV硬化型フレキソインキの粘弾性と印刷適性
2.1 フレキソインキの作製とレオロジー測定
2.2 動的粘弾性
2.3 構造回復の特性
2.4 印刷適性の評価
2.4.1 アニロックス転移性
2.4.2 ロール転移性
3. マイクロカプセル化低温溶融トナーの粘弾性
3.1 モデルトナーの作製とレオロジー測定
3.2 動的粘弾性の温度依存性
3.3 定着性とモデルトナーのレオロジー特性
第3節 平均摩擦係数によるタックの評価と動的粘弾性との相関性
1. 平均摩擦係数によるタックの評価
2. 平均摩擦係数と動的粘弾性
3. その他のタック試験
第4節 粘着剤における動的粘弾性の特性評価への活かし方
1. 粘着剤の特性
1.1 粘着加工製品の構成および粘着剤の特性
1.2 粘弾性測定
2. モデル粘着剤とサンプル作製
2.1 粘着主剤の物性
2.2 サンプルの構成と被着体の選定
3. 粘着物性と動的粘弾性測定による特性評価
3.1 粘着力測定結果
3.2 動的粘弾性測定結果
3.3 被着体の粗さの影響
第5節 アクリル系粘着剤と動的粘弾性
1. アクリル系粘着剤
2. 粘弾性とそのモデル化
2.1 粘弾性
2.2 粘弾性体のモデル化
3. アクリル系粘着剤と動的粘弾性測定
3.1 動的粘弾性の測定原理
3.2 動的粘弾性測定用の粘着剤サンプルの作製
3.3 動的粘弾性測定によるアクリル系粘着剤の温度分散測定
3.4 粘着物性と粘弾性の相関
4. 粘着剤の各因子と温度分散測定の相関性
4.1 分子量・分子量分布と温度分散測定
4.2 ゲル分率(架橋度)と温度分散測定
4.3 Tg(ガラス転移温度)と温度分散測定
4.4 粘着付与樹脂の添加と温度分散測定
5. LCD・偏光板用粘着剤への応用
5.1 偏光板用粘着剤の動的粘弾性
5.2 偏光板用粘着剤の耐久性と動的粘弾性
5.3 動的粘弾性を指標とした光漏れ制御
第5章 動的粘弾性測定による香粧品の特性評価
第1節 マッサージ化粧品よる使用感と物性研究
1. はじめに
2. マッサージクリーム
2.1 官能評価
2.2 動的粘弾性
3. エマルション
3.1 官能評価
3.2 動的粘弾性
4. 両親媒性高分子
4.1 化粧品原料(両親媒性高分子)の官能評価
4.2 XPSによる分子配向
第2節 ヘアリンス・ヘアコンディショナーの動的粘弾性
1. 歪依存性
2. 周波数依存性
3. Cole-Coleプロット
第3節 粘弾性の観点から見たスキンケア製品の塗り心地と使用感
1. 化粧品の塗り心地,使用感における粘弾性の位置づけ
1.1 化粧品使用感の官能評価
1.2 化粧品使用感の主因子の抽出
2. スキンケア製品の使用状態を反映した粘弾性測定のために
2.1 「粘性感」と粘性率
2.2 成分蒸散による組成の変化
第4節 熱測定/動的粘弾性測定による毛髪のダメージ度の評価とヘアケア剤使用後の改善効果
1. 毛髪構造と種々のダメージ因子による毛髪変化
1.1 毛髪の構造
1.2 ダメージ要因と毛髪変化
2. 熱測定,動的粘弾性測定による毛髪ダメージ度の評価
2.1 実験方法
2.1.1 ダメージ毛髪の調製
2.1.2 HPDSC測定
2.1.3 動的粘弾性測定
2.1.4 疲労破壊測定
2.2 熱測定(HPDSC)による毛髪ダメージの評価
2.3 動的粘弾性測定と疲労破壊特性による毛髪ダメージの評価
3. ヘアケア剤使用後の改善効果
第6章 動的粘弾性測定による食品の特性評価
第1節 動的粘弾性とおいしさとの関係
1. 食品の「おいしさ」
2. 食品の構造
2.1 食品成分に働く相互作用
2.2 コロイド科学や界面科学から見た食品の状態
2.3 レオロジーから見た食品の状態
3. 食品テクスチャー
3.1 食品テクスチャーの定義
3.2 食感要素の中の食品テクスチャーの位置づけ
3.3 食品テクスチャー知覚の物理学的意味
3.4 食品テクスチャー用語
3.5 食品テクスチャーの客観的評価
3.5.1 経験的原理に基づく手法
3.5.2 咀嚼運動の模倣的手法
3.5.3 機械的・物理的特性を測定する手法
3.5.4 咀嚼筋・舌骨上筋の筋電位測定により得られる
筋電図から筋活動特性を測定する手法
3.5.5 口蓋圧を測定する手法
3.5.6 咀嚼力・咀嚼圧を測定する手法
3.5.7 咀嚼音を振動波形解析する手法
3.5.8 食品テクスチャーの分子論的評価
4. 食品のレオロジー的性質
4.1 摂食とレオロジー的性質との関係
4.2 大変形領域でのレオロジー的性質
4.2.1 非線形粘弾性
4.2.2 破断特性
4.3 微小変形領域でのレオロジー的性質
4.3.1 静的粘弾性
4.3.2 動的粘弾性
第2節 動的粘弾性とおいしさとの関係
1. おいしさの評価
1.1 おいしさの要因
1.1.1 化学的要因
1.1.2 物理的要因
1.1.3 食品のテクスチャー
2. 食品の粘弾性
2.1 おいしさと粘弾性
2.2 人間の感覚と機器分析
2.3 やわらかい食品
2.4 液状食品
2.5 ゲル状食品生成過程の粘弾性
2.6 ゲル化の判定と動的粘弾性
2.7 ゲル状食品
第3節 動的粘弾性と咀嚼・嚥下との関係
1.1 増粘剤の動的粘弾性および力学特性
1.2 テクスチャー特性との関係
1.3 超音波測定による食塊の移動特性と力学特性
1.4 嚥下造影検査(VF)による食塊の移動特性
1.5 食塊の移動特性と動的粘弾性の関係
2. 咀嚼との関係
2.1 食片サイズの分布
2.2 累積サイズ分布関数
第4節 動的粘弾性と嚥下特性の関係
1. 市販とろみ調整食品の力学的特性
2. 嚥下特性の評価 −舌骨上筋群嚥下時筋電位測定−
3. 粘稠液状食品の力学的特性と嚥下特性の関係
第5節 動的粘弾性と嚥下性との関係
1. ゾル状食品における食品レオロジーと嚥下性の関係
1.1 増粘剤溶液のレオロジー特性と嚥下の感覚評価
1.2 嚥下時の筋活動量
1.3 食塊の咽頭相通過速度
1.4 嚥下音解析
2. ゲル状食品における食品レオロジーと嚥下性の関係
2.1 異なるゲル化剤を用いた3種のお茶ゼリーの動的粘弾性特性
2.2 嚥下障害者および高齢者に向くゲル状嚥下食の開発の研究
2.3 咀嚼・嚥下困難者に適したゲル状食品の開発
2.4 介護食品のテクスチャー
2.5 嚥下したゲル状食品の咽頭部での超音波による流速比較
2.6 嚥下困難者用食品の咽頭部での超音波による流速比較
2.7 ゲルの嚥下特性と食塊レオロジーの関係
2.8 食塊のレオロジーおよび感覚特性
第6節 ゲル製品の動的粘弾性事例
1. 食品製造におけるゾル-ゲル転移
2. 食品高分子のゾル-ゲル転移の判定
3. ゲル状食品の製造工程の解析
4. ゲル状食品の弾性率の温度依存性
第7節 乳製品の動的粘弾性事例
1. チーズ
1.1 ナチュラルチーズ
1.2 プロセスチーズ
2. ヨーグルト
3. アイスクリーム
4. 油脂系食品(バター,マーガリン)