レポートナンバー 0000006513
バイオ/抗体医薬品の開発・製造プロセス
株式会社情報機構
−開発・解析・毒性・臨床・申請・製造・特許・市場−
発刊日
2012/06/26
言語日本語
体裁B5/238ページ
ポイント
バイオ抗体医薬品の開発〜製造〜特許の流れをひと目で理解できる。
バイオ抗体医薬品の非臨床試験・臨床試験の考え方および注意点を解説!
レポート概要
◆バイオ抗体医薬品の毒性試験・薬物動態
・ガイドラインに沿った非臨床毒性試験の考え方とは?
・毒性試験における動物種・モデル動物選択の際の注意点
・バイオ医薬品の薬物の定量方法および薬物動態試験時の特徴と注意点
・曝露量被爆評価、組織分布、代謝および排泄の留意点
・バイオ抗体医薬品における免疫原性の評価
・免疫原性が非臨床安全性試験に及ぼす影響および事例を踏まえた対処の考え方
・バイオ後発品の開発の際の注意点
◆バイオ抗体医薬品の臨床試験
・バイオ医薬品のヒトへの投与の際の注意点
・ヒト初回投与量の考え方
・非臨床データの見るべきポイント
・FTH試験デザインの考え方
・QT/QTc試験
・後期臨床試験時におけるエンドポイント設定の考え方
・分子標的薬とコンパニオン診断薬の同時開発について
・臨床時注意すべき有害事象、副作用について
◆バイオ抗体医薬品の特許戦略
・バイオ抗体医薬品の特許出願の際の注意点
・国内外の特許保護における規制と対応の考え方
・バイオシミラーの特許の考え方
◆バイオ抗体医薬品の製造法・品質管理
・製造コストも視野に入れた培養プロセスおよび精製プロセスの考え方とは?
・ガイドラインにより提唱されているプロセス開発手法とはどのようなものか?
・治験薬製造におけるポイントおよびスケールアップ時の注意点とは?
・事例を踏まえた治験用原薬の規格・試験設定の考え方
・製造時の培養細胞安定性評価の考え方
・バイオ抗体医薬品におけるGMPおよび治験薬GMP中の重要要件とは?
◆バイオ抗体医薬品の分析法バリデーション
・分析法バリデーションで前検討にて留意すべき点とは?
・純度の分子量分析法について ・分子間相互作用解析法について
◆バイオ抗体医薬品の市販後制度
・市販後調査の際、一般医薬品の時との違いとは何か?
・調査期間、調査予定症例数、調査方法はどのように考えればよいか?
◆バイオ抗体医薬品の市場動向
・世界のバイオ医薬品の市場と日本の市場の現状と今後について
・バイオシミラーの現在の市場と今後の展望
◆バイオ抗体医薬品の糖鎖解析
・糖タンパクを解析する上での問題点および対応の考え方
・抗体のX線結晶構造解析および抗体のNMR解析について
◆バイオ抗体医薬品における糖鎖
・バイオ抗体医薬品の生産系における糖鎖の今後の展望
・バイオ抗体医薬品開発の際の均一性と不均一性について
レポート詳細
執筆者一覧
●山口 照英 ((国)医薬品食品衛生研究所)
●赤真 秀人 (エーザイ(株))
●熊谷 雄治 (北里大学東病院)
●村上 大吉郎 ((株)大気社)
● 郭 秀麗 (パレクセル・インターナショナル(株))
●福澤 時秀 (GEヘルスケア・ジャパン(株))
●岡村 元義 ((株)ファーマトリエ)
●平林 淳 ((独)産業技術総合研究所)
●加藤 晃一 (自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター)
●矢木 宏和 (名古屋市立大学)
●若松 久晃 (ホスピーラ・ジャパン(株))
●甲斐 修一 ((株)シミックバイオリサーチセンター)
●金子 佳寛 (中外製薬(株))
●片山 政彦 (エーザイ(株))
●人見 英明 (合同会社ヒトミライフサイエンス)
●竹田 英樹 ((株)Medical Patent Research)
●新見 伸吾 ((国)医薬品食品衛生研究所)
●荻原 琢男 (高崎健康福祉大学)
●井戸田陽子 (高崎健康福祉大学)
●小野寺 博志
●三木 崇生
目次
第1章 開発戦略と研究の考え方
1.バイオ医薬品開発の現状と抗体医薬品開発
2.抗体医薬品の品質特性
2.1 抗体医薬品の特徴
2.2 製造工程の観点
2.3 品質特性解析・構造解析
2.4 品質特性解析・生物活性
2.5 ウィルス安全性
3.抗体医薬品の安全性
3.1 抗体医薬品の安全性についての考慮事項
3.2 免疫抑制作用を持つ抗体医薬品による感染症発症
3.3 インヒュージョン反応を引き起こす抗体
3.4 Herceptinによる心毒性
3.5 異種抗原
第2章 バイオ/抗体医薬品の毒性・薬物動態試験
第1節 バイオ医薬品の非臨床毒性試験と薬物動態試験
1.バイオ医薬品のガイドラインと非臨床毒性試験の位置づけ
2.バイオ医薬品の毒性試験
3.動物種・モデルの選択
4.薬物の定量方法
5.バイオ医薬品の動態試験
6.臨床試験開始に向けて
7.バイオ後発品の開発
第2節 免疫原性評価のポイント
1.ヒトと動物モデルにおける免疫原性の比較
1.1 通常の動物モデル
1.2 トランスジェニックマウス
1.3 非ヒト霊長類
1.4 ヒトにおける免疫原生予測における動物モデルの問題点
2.治療用たんぱく質の免疫原性のリスク因子を研究するための動物モデル
3.ICHS6(R1)ガイドラインにおける免疫原性の記載とその解釈
4.免疫原性がバイオ/抗体医薬品の非臨床安全性試験に及ぼす影響
4.1 抗薬物抗体を解したPKの変化
4.2 抗薬物中和抗体
4.3 交差反応性抗薬物中和抗体
4.4 糸球体腎炎及びアナフィラキシー/過敏症反応
5.免疫原性を考慮したバイオ/抗体医薬品の非臨床安全性試験の評価
5.1 事例研究1(免疫原性を考慮する必要がないケース)
5.2 事例研究2(抗薬物抗体の検出が薬物により妨害されたケース)
5.3 事例研究3(薬物曝露評価にPDマーカーを使用する場合)
5.4 事例研究4(抗薬物抗体の影響を最小限にするために研究デザインを変更する場合)
5.5 事例研究5(PDに対するADAの影響を明らかにすることが困難な場合)
5.6 事例研究6(抗薬物抗体が一部のバイオマーカーに影響を及ぼす可能性がある例)
5.7 事例研究7(抗薬物抗体が高い頻度で観察されてもPKに影響を及ぼさない例)
第3章 バイオ/抗体医薬品の臨床試験の留意点
第1節 早期段階における臨床試験のポイント
1.早期段階臨床試験
1.1 早期段階臨床試験の種類
1.2 FIH試験
1.2.1 ヒトへ初めての投与を行うということ-TGN1412事件の教訓
1.2.2 生物学的製剤の非臨床試験データに関する留意点
1.2.3 ヒトへの初回投与量
1.2.4 FIHの試験デザイン
2.QT/QTcの評価
第2節 後期臨床試験における注意点
1.後期臨床試験とは
1.1 最適なエンドポイントの設定
1.2 適切な対照薬の設定
1.3 国際共同試験の積極的活用
1.4 個別化医療の模索
1.4.1 EGFR(Epdermal Growth Factor Receptor)とKRAS
1.4.2 新規分子標的薬とコンパニオン診断薬の同時開発
1.5 有害事象、副作用に関する留意点
1.5.1 免疫原性の問題
1.5.2 重篤な感染症発症への注意
1.5.3 IP(interstitial pneumonia:間質性肺炎)
1.6 その他
第4章 バイオ/抗体医薬品における申請資料作成と申請時の留意点
第1節 CTDの作成の留意点
1.承認申請書
2.品質に関する概括資料(QOS)
2.1 製造方法
2.2 特性分析
2.3 原薬及び製剤の管理
3.M3.2品質文書
第2節 CTD(非臨床)の作成の留意点
1.薬理試験
2.薬物動態試験
3.毒性試験
第5章 バイオ/抗体医薬品における製造方法の構築
第1節 バイオ/抗体医薬品における製造方法の構築
1.抗体医薬品の製造プロセス
1.1 培養プロセス
1.2 精製プロセス
1.2.1 細胞除去、清澄化工程
1.2.2 クロマトグラフィー工程
2.効率的なプロセス開発
2.1 プラットフォームアプローチ
2.2 ハイスループットプロセス開発(HTPD)
2.2.1 "Quality by Design"とデザインスペース
2.2.2 クロマトグラフィーにおけるプロセス開発
2.2.3 HTPDの手法
2.2.4 ProteinAキャプチャーステップにおける溶出条件の検討例
2.3 開発・製造の委託
第2節 治験薬製造における留意点
1.治験薬GMPと医薬品GMP
2.バイオ医薬品における治験薬製造の概要
3.スケールアップにおける留意点
4.治験薬製造における留意点
5.Phase 1治験用原薬の製造における規格および試験法設定例
第6章バイオ/抗体医薬品におけるGMP対応及び品質・安定性評価
第1節バイオ(抗体)医薬品製造におけるGMPの要件
1.組織及び従業員
1.1 組織
1.2 教育訓練
1.3 従業員の選定及び遵守事項
1.4 保健管理
2.施設及び機械設備
2.1 建物
2.2 構造設備
3.製造
3.1 出発原料
3.2 培地及び培養
3.3 精製工程
3.4 無菌ろ過
4.精製工程のプロセスバリデーション
4.1 ウィルス不活性化/除去工程
4.1.1 ウィルスクリアランスに関する工程評価の一般的留意事項
4.1.2 ウィルスクリアランス試験
4.2 ウィルス除去工程のバリデーション
5.抗体医薬品の品質管理
5.1 原料の管理
5.2 工程内管理試験
5.3 原薬の規格及び試験方法
5.4 確認試験方法
5.5 純度と不純物
5.6 力価
5.7 製剤規格試験
5.8 安定性試験
6.FDA査察における警告書
第2節 治験薬のGMP対応について
1.治験薬製造の原則
1.1 基本的な考え方
1.2 PIC/S GMPの規定
1.3 WHO 治験用医薬品製造のための補足ガイドライン
1.4 FDA 治験用医薬品の製造に関するガイドライン
2.品質マネージメント
3.建物及び製造設備
3.1 バイオ治験薬の製造施設の構造設備
3.2 薬局等構造設備規則の規定
3.3 PIC/S GMP Annex13
4.文書化
4.1 規格及び指示書
4.2 製品規格書
4.3 製造処方及び工程指図書
4.4 包装紙図
4.5 工程、試験、包装バッチ記録
4.6 製造:包装資材
5.製造作業
5.1 治験薬GMP基準
5.2 PIC/S GMP Annex13
5.3 バイオ治験薬の効率的な製造
5.3.1 対照薬の原則
5.3.2 盲検化
5.3.3 包装
5.3.4 ラベル表示
6.逸脱管理
7.変更管理
8.品質管理
8.1 治験薬GMP基準
8.2 WHO GMP
8.3 PIC/S GMP Annex13
9.出荷・返却・廃棄
9.1 WHO GMP
9.1.1 出荷
9.1.2 返却
9.1.3 廃棄
9.2 PIC/S GMP Annex13
9.2.1 配送
9.2.2 回収
9.2.3 返却
9.2.4 廃棄
第3節 抗体原薬製造工程における抗体品質および製造時の培養細胞安定性の留意点
1.抗体原薬製造工程におけるCHO細胞株の生存率により影響を受ける抗体品質の変化
2.製造時の培養細胞安定性
第7章 バイオ/抗体医薬品における分析法バリデーションについて
1.探索研究(前臨床試験)段階の解析対象抗体についての情報の重要性
2.純度と分子量分析法について
3.分子チャージと親水性分析について
4.分子間相互作用解析法について
4.1 反応速度論的解析の重要性
4.2 反応速度論的解析の手法選択
4.3 高親和性抗体のアフィニティ-解析における課題
4.4 SPR法解析の標準化作業に関して
第8章 バイオ/抗体医薬品における構造解析
1.糖鎖修飾は構造解析の難易度を高める
2.バイオ医薬品の糖鎖構造解析
3.抗体のX線結晶構造解析
4.抗体のNMR解析
第9章 バイオ/抗体医薬品における構造設備のポイント
1.バイオ医薬品の製造設備
2.精製のスケールアップ及び設計のポイント
3.バイオ医薬品施設の設計要点と施設設計上の考慮点
4.バイオ医薬品施設における構造設備の設計上の室圧に対する留意点
5.バイオ医薬品製造施設のレイアウト構築の留意点
6.バイオ医薬品用の構造設備はソフトとのバランスが重要
7.無菌医薬品製造に類似したバイオ医薬品製造施設設計上の重要な留意事項
7.1 バイオ医薬品製造施設の区画(zoning)と留意点
7.2 Bio-burden Controlと無菌工程の関係
第10章 バイオ/抗体医薬品における市販後調査の考え方
1.調査実施計画
1.1 調査方法
1.2 調査予定症例数
1.3 調査期間、症例登録期間および症例観察期間
2.調査実施体制
2.1 薬剤使用制限
2.2 施設への薬剤納入制限
2.3 医学的、科学的妥当性の担保
2.4 規制当局への対応
2.5 企業内関連部署との連携
3.調査スケジュール
4.その他
第11章 バイオ/抗体医薬品における特許戦略
1.特許保護
1.1 天然物の特許
1.2 モノクローナル抗体
1.3 ヒト化抗体・ヒト型抗体
1.4 用途特許
2.医薬品の独占権
2.1 特許保護期間
2.2 医薬特許発明の存続期間
2.2.1 日本
2.2.2 米国
2.2.3 欧州
2.3 薬事法による独占期間
2.3.1 日本の再審査制度
2.3.2 米国の独占権販売権
2.3.3 欧州の試験データ保護
3.特許戦略
3.1 新規性・進歩性調査
3.1.1 蛋白質・抗原の新規性について
3.1.2 進歩性について
3.2 基本特許
3.3 バイオ後続品
第12章 糖タンパク質医薬品生産における課題と展望
1.はじめに:バイオ医薬品と糖鎖
2.生産系で留意すべき点:異種抗原
3.タンパク質配列中に糖鎖付加が起こる可能性
4.糖鎖によって変わるタンパク質の機能
5.バイオ後続品開発における留意点
6.さいごに:後続型新薬「bio-innovative」開発戦略を考える。
第13章 バイオ/抗体医薬品の市場展望
1.バイオ医薬品とは
2.バイオ医薬品市場の現状
2.1 世界のバイオ医薬品市場
2.2 日本のバイオ医薬品市場
3.バイオ医薬品市場の今後
3.1 日本におけるバイオ医薬品市場の展望
3.2 日本におけるバイオ後続品市場の現状
3.3 日本におけるバイオ後続品市場の展望