目次
序 文(古賀 良彦)
1. ヒトと匂いの関わり
2. 匂いの積極的応用
3. 匂い研究の課題
4. 本書の構成
第1章 ●嗅覚・匂い物質の分子メカニズム
第1節 嗅覚の分子メカニズム(白須 未香/東原 和成)
1. 匂いの受容
2. フェロモンの受容
3. 新たに見出された嗅覚受容システム
第2節 線虫を用いた嗅覚に関わる分子神経メカニズム(吉田 和史/飯野 雄一)
1. はじめに
2. モデル生物としての線虫
3. 線虫の化学物質に対する行動の分子神経メカニズム
4. 嗅覚系に見られるさまざまな生命現象の分子メカニズム
5. おわりに
第3節 匂い分子による個体識別と疾病との関連(山崎 邦郎)
1. 匂い型と遺伝子
2. MHC匂い型
3. ヒトの匂い型
4. 疾病の匂い
第4節 フェロモンの受容認識メカニズム(山岸 公子)
1. はじめに
2. 脊椎動物のフェロモン
3. フェロモン受容を担う嗅覚系
4. フェロモン受容体とその機能
5. フェロモン受容に関わるシグナル伝達系
6. 多様なフェロモン受容系
7. ヒトのフェロモン
8. おわりに
第5節 匂い判別の情報伝達メカニズムの解明(三浦 佳二)
1. はじめに
2. ヒト以外の動物を用いた匂い知覚判断の研究方法
3. 嗅球と梨状皮質における神経活動の違い
4. 脳信号解読のための機械学習入門
第6節 嗅球における「匂い地図」形成の分子メカニズム(坪井 昭夫)
1. はじめに
2. 嗅覚受容体遺伝子の単一発現制御
3. 嗅細胞の嗅球への軸索投射
4. 嗅覚受容体遺伝子の嗅上皮における発現様式
5. 嗅上皮から嗅球への領域特異的な嗅細胞の軸索投射
6. 嗅球において「匂い地図」が形成されるメカニズム
7. 嗅球における「匂い地図」の生理的意義
8. おわりに
第2章 ●嗅覚認知と評価計測手法
第1節 嗅覚認知統合メカニズムの解明(外池 光雄)
1. はじめに
2. 匂いの知覚
3. 匂いの認知
4. f−MRIによる匂いの計測
5. 五感統合機能の解明に関する今後の課題
第2節 匂いの精神生理学的評価(小長井 ちづる/古賀 良彦)
1. はじめに
2. 脳機能画像
3. 心理評価
4. 脳機能画像による匂いの評価
5. まとめ
第3節 匂いと記憶(山本 晃輔)
1. はじめに
2. 匂いの記憶
3. 匂いの想起手がかりとしての有効性
4. 要約と今後の課題
第4節 視覚と嗅覚の連動メカニズムの解明(伴野 明)
1. はじめに
2. 香り提示装置
3. 視覚・嗅覚連動システム
4. 香り付き映像の心理的効果
5. まとめ
第5節 五感と香りの心理メカニズム(坂井 信之)
1. はじめに
2. 香りと「味」
3. 嗅覚と味覚の相互作用
4. 学習性の共感覚
5. 嗅覚と味覚の相互作用に関わる脳機構
6. 嗅覚と視覚の相互作用
7. 嗅覚と視覚の相互作用に関わる脳機構
8. 嗅覚と触覚の相互作用
9. 五感の特性と嗅覚の位置づけ
10. おわりに
第6節 色彩と香りの心理メカニズム ―調和性からの検討―(齋藤 美穂)
1. はじめに
2. 色彩と香りの「調和」に基づく「香りの分類」
3. 香りと色の組み合わせがもたらす心理的・生理的な影響
4. おわりに
第7節 香りの官能評価(國枝 里美)
1. はじめに
2. 匂いや香りに対する嗅覚感度
3. 官能評価のパネルとその育成,主な試験法
4. 経時的な質的変化を確認する方法
5. 嗜好型パネルによる官能評価
6. 香りに対する嗜好と測定の難しさ
7. 嗅覚障害と嗅覚検査
8. おわりに
第8節 認知症への芳香療法(アロマテラピー)(谷口 美也子/浦上 克哉)
1. はじめに
2. 認知症の現状と近年の動向
3. アルツハイマー型認知症の病態と症状
4. 認知症に対する対処方法
5. アルツハイマー型認知症患者に対するアロマテラピーの効果
6. 認知症の対象者にアロマテラピーを行う注意点
第9節 嗅覚同定能力検査法の開発(斉藤 幸子)
1. はじめに
2. ニオイの選定
3. ニオイ提示具と提示方法
4. 同定の方法
5. 検査の信頼性
6. 採点と判定
7. 嗅覚同定能力検査の適用例
8. 製品化
9. おわりに
第10節 匂い成分のバイオセンシングと可視化モニタリング(三林 浩二)
1. はじめに
2. 薬物代謝機能に基づく匂い成分計測(バイオスニファ)
3. 光センシング技術を用いた匂い成分計測と可視化モニタリング
4. おわりに
第11節 匂いセンシングシステムの開発(Bartosz Wyszynski/中本 高道)
1. はじめに
2. 水晶振動子匂いセンサ
3. リポポリマーとリポポリマーを用いた自己組織化感応膜
4. おわりに
第3章 ●商品開発と香料選択
第1節 香りとその時代の先端化学(駒木 亮一)
1. ベルエポックの時代
2. 最新化学と香り
3. 香りの効能,機能
4. 最後に
第2節 トイレタリー商品への香りの適用(土生 知恵美/宮澤 清)
1. はじめに
2. 女性用の生理用品パンティライナーの香り開発事例
3. おわりに
第3節 香りイメージの色表現手法の開発(元永 千穂/妹尾 正巳)
1. 緒言
2. 実験方法
3. 天然香料の香りイメージと色イメージの対応関係
4. フレグランスの香りイメージと色イメージの対応関係
5. おわりに
第4節 生活臭改善のための芳香剤開発(永友 茂美)
1. はじめに
2. 芳香剤の市場および消費者環境
3. 家庭内の香りや消臭ニーズの変化
4. 生活臭対策と製品への応用
5. おわりに
第5節 香りの感性評価と商品開発の実際(芳賀 理佳)
1. はじめに
2. 洗口液の嗜好の形成に対する刺激の関与
3. 印象に残るシャンプーの香り
4. おわりに
第6節 健康・医療への応用に向けたアロマテラピー研究
―精油の化学成分および向精神作用に関する研究―(村上 志緒)
1. 背景
2. 精油の向精神作用についての研究
3. ゲットウ精油の化学成分および向精神作用に関する研究
4. 総括
第7節 画像の臨場感を高める香料の選定手法(大島 千佳/中山 功一)
1. はじめに
2. 香りで臨場感が高まるか?
3. Contentsから臨場感を高める香りを選定できるか?
4. 香料を選定するための特性
5. 議論
6. おわりに
第8節 代替香の可能性(保坂 憲一)
1. 代替香の可能性
2. 代替香の可能性を探る評価
3. 代替香の可能性を探る検討の今後
第9節 香料開発と処方(吉原 正明)
1. 香料とは
2. 香料の開発
3. 開発の手段
4. 合成香料の開発方法
5. 天然香料の開発方法
6. 調合香料の開発方法
7. 香料の処方(フォーミュラ)について
8. まとめ
9. おわりに
第10節 香料のリスク管理(松尾 弘幸)
1. はじめに
2. IFRA/RIFMおよび業界基準
3. 世界の化学物質規制など
第4章 ●香りによる生活の質(QOL)の改善の提案と将来像(矢田 幸博)
1. はじめに
2. 生活の質に影響する因子
3. 香りによる生活の質の向上の可能性
4. 香りによる生活の質の向上における課題
5. 課題を克服するための香りの探索
6. セドロールの鎮静効果の発見と作用機構
7. セドロールによる生活の質向上のための検討
8. 香りによる生活の質の向上の可能性と将来像