産業ロボット/フィールドロボットの産業は日本の成長戦略を支える柱である。産業用ロボットで世界のトップクラスを走り、世界市場の半分のシェアを占める日本(日系メーカー)。新興国を中心に産業ロボットに対する需要も拡大が見込まれる一方で、グーグルの本格参入でICT活用型先進ロボットや人口知能を搭載した次世代産業ロボット/フィールドロボットの開発が国際的に活発な動きを見せている。
本白書は、産業ロボット/フィールドロボットの現状・新潮流、先端技術の粋を集めた次世代ロボットから実用フィールドロボットまで、産業ロボットのすべてを学際的なアプローチで編纂し、解説・分析した白書である。
内容編成(目次)
序
第1章 産業用ロボットの俯瞰・鳥瞰
1-1 産業ロボットの“新定義”
[1] 産業ロボットの“新定義“
[2] 産業ロボットの学術定義とその変遷
1-2 産業ロボットの地域別動向
[1] 概況・近況
[2] 米国
[3] 欧州
[4] 中国
[5] 韓国
[6] 日本
[7] 産業ロボットの意義・必要性の増大
[8] 産業用ロボットの用途拡大
1-3 産業ロボットの付加価値を巡る競争
1-4 産業ロボットの成長をサポートする要素
1-5 産業ロボットと次世代技術/次世代プラットフォーム
[1] センサー・ネットワーク型社会の促進
[2] IoTと次世代産業ロボット
[3] M2M(マシン・ツー・マシン)と次世代産業ロボット
[4] 救急医療・施設介護支援ソリューションの拡大と次世代ロボット
[5] 位置情報のデータ解析と次世代ロボット
第2章 産業ロボット/フィールドロボットの安全性/標準化動向
2-1 国際安全規格整備動向
2-2 ロボット/産業ロボットの標準化動向
[1] 国内のロボット標準化活動
[2] OMG内のロボティクス作業部会(Robotics-DTF)
[3] ISO(国際標準団体) ロボットの安全性に関する国際規格原案
[4] 日本品質保証機構(JQA) 生活支援ロボットの国際安全規格ISO/DIS 13482に基づく認証
2-3 ロボット技術のデファクト標準を巡る動向
[1] 概況・近況
[2] ロボットサービスイニシアチブ(RSi)
[3] RSiのこれまでの活動経過
第3章 産業ロボット/フィールドロボットの促進施策
3-1 推進施策・関連法令
[1] 国の主な推進施策(各府省庁等の取組と役割)
[2] 安全対策に関する規制緩和動向
[3] 産業ロボット化/フィールドロボットとソリューションビジネス
3-2 促進政策
[1] 技術強化策
[2] 基本的な機械技術の更なるドリルダウン
[3] ロボット材料技術のイノベーション
[4] メカトロ的最適化とコントローラ・制御技術の発展
[5] 安全対策に関する規制緩和
3-3 次世代産業ロボット/フィールドロボットの促進政策
[1] インテリジェントセンサの導入・活用促進
[2] フレキシブルエンドエフェクタの導入・活用促進
[3] 次世代ロボット用プログラミングツール促進
第4章 産業ロボットを軸とした産学官連携と新産業創出
4-1 産業ロボットを軸とした産学官連携動向
4-2 産学官連携によるロボットの研究開発支援・産業育成支援
[1] ロボット開発で産学官が同期・結集
[2] 中小企業向けで活発するロボット開発支援
4-3 ロボット産業特区−動向解説
[1] 神奈川県 「装着型ロボットを柱に据えた戦略特区事業の素案」
[2] さがみロボット産業特区協議会
4-4 実証実験
[1] つくば市 「モビリティロボット実験特区」
[2] 生活支援ロボット実証実験
[3] 「ロボット介護推進プロジェクト」に関連した実証試験
4-5 各種公募事業
[1] 福島県 「災害対応ロボット産業集積支援事業」
4-6 補助金支援動向
[1] 新潟県
第5章 産業ロボット/フィールドロボット工学の進展[1]
5-1 社会インフラの最適化と結合する次世代ロボット
5-2 関係強化が進む社会システムとビッグデータ・ソリューション
5-3 高度センシング(観測・感知)技術とビッグデータ系ソフトウェアによるロボット制御
5-4 都市のエネルギー危機管理と産業ロボット活用
5-5 環境・生体ビッグデータ活用による次世代ロボット
5-6 IoT/ビッグデータソリューションとロボット工学の融合
5-7 M2M/ビッグデータソリューションとロボット工学の融合
5-8 リアルタイム情報配信
第6章 産業ロボット/フィールドロボット工学の進展[2]
6-1 ICT活用型先進ロボットの研究開発
[1] スマートロボット/スマートロボティックス
[2] スマートモビリティロボットとITS
[3] カーロボティクス
6-2 “対人間コミュニケーション科学“の進歩
[1] 感情のセンシングで格段の進歩を見せる人型ロボット
6-3 ロボットオントロジー(存在学) −人の知性・感情に限りなく接近するロボット−
[1] ロボットオントロジー(存在学)概説
[2] メタデータ、オントロジー、知識エージェントとロボットの結合
[3] ロボットが仕事のパートナーになる時代
6-4 人口知能/生物工学とロボット工学の結合
[1] 機械学習と次世代ロボット
[2] ディープラーニングとロボット工学の進化
[3]ニューラルネットワークと次世代ロボット
[4] 生物工学/生物エレクトロニクスとロボット工学の結合
6-5 自己組織化原理で見た次世代ロボットの可能性
[1] 「場の自己組織化」と次世代ロボット
[2] インタレスト・アウェアネスと次世代ロボット
第7章 産業ロボット/フィールドロボット工学の進展[2]
7-1 ロボット開発のプラットフォーム化
7-2 相互運用性のあるロボットサービス開発に向けたコンソーシアム
7-3 素材・繊維技術の進歩とロボット工学の結合
7-4 装着者の意志を反映する随意制御と自律制御ロボットの統合
第8章 産業ロボット/フィールドロボット工学の進展[3]
8-1 M2Mクラウド上で実現できる集合型アプリケーション
8-2 M2Mクラウドを使ったスマートシティ関連の実装・実証実験
8-3 動き出すビッグデータ+M2M志向のプラットフォームサービス
[1] 富士通 「コンバージェンスサービス」
[2] NEC M2Mサービスプラットフォーム「CONNEXIVE」
[3] NTTデータ 「M2Mプラットフォーム 「Xrosscloudマルチデバイス・アプリケーションプラットフォーム(CoreStage)」」
第9章 次世代産業ロボットのソフトウェア
9-1 次世代産業ロボットのオープンソースミドルウエア(移動検討)
[1] ロボット用オープンソースミドルウエア概説
[2] ROSフレームワーク、ROSの開発状況
[3] ROSによるロボット開発の利点
[4] ROS実装事例
[5] 研究用BaxterとROS
9-2 次世代のロボット開発プラットフォーム
第10章 産業ロボット/フィールドロボットと知的所有権
10-1 ロボット分野の特許出願で強みを保持する日本
[1] ロボットの特許出願ランキング
10-2 「ロボット技術特許出願状況
第11章 産業ロボット/フィールドロボット 市場動向
11-1 ロボット市場概況
[1] はじめに
[2] 経済産業省/NEDO
[3] ロボット工業会 市場規模の推移
[4] 科学技術連携施策群次世代ロボット連携群
[5] 市場予測2013年度版
11-2 経済産業省/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査報告
[1] 国内ロボット市場
11-3 ロボット産業に関する各種統計
11-4 産業用ロボット市場
[1] 国際ロボット連盟 「産業用ロボットに関する調査報告」
[2] 経済産業省 「産業用ロボット市場に関する調査報告」
第12章 次世代産業用ロボットの現状と課題
12-1 産業用ロボットの現状と課題
[1] 概況・近況
[2] 今後の課題・提言
[3] 進化を続ける産業用ロボット
12-2 インダストリー4.0と次世代ロボット
[1] ドイツ/産官学一体プロジェクト 「Industry(インダストリー)4.0」
[2] インダストリー4.0のコンセプトを実現するための課題
第13章 各国の製造業とロボット産業の状況
13-1 概況・近況
13-2 北米・中南米
[1] 米国
[2] カナダ
[3] メキシコ
[4] ブラジル
13-3 アジア/豪州
[1] 日本
[2] 中国
[3] 韓国
[4] 台湾
[5] インド
[6] シンガポール
[7] タイ
[8] オーストラリア
13-4 欧州
[1] 欧州概況
[2] ドイツ
[3] イタリア
[4] フランス
[5] イギリス
[6] スペイン
第14章 次世代ロボットとシームレスメディアの融合
14-1 スマートデバイスと情報学の境界領域
14-2 ライフログ・ロボットの可能性
14-3 ウェアラブルロボティックシステムの可能性
14-4 エクスペリエンス志向ロボットの可能性
[1] セミリアルワールドの共有を可能とするエクスペリエンス志向ロボット
[2] “スマートフォンの次“を創出するウェアラブルロボットの可能性
第15章 産業用ロボットの課題
1 5-1 工場制御システム、産業用ロボットのセキュリティ課題
1 5-2 産業・工場制御・産業用ロボットへターゲットを移してきたサイバー攻撃
1 5-3 産業用ロボットとサイバー防衛、セキュリティー強化対策
1 5-4 制度改正、ルール整備上の課題
[1] 官民・国際間の情報共有
[2] 防衛手段をとるための根拠法の整備
1 5-5 スマートメーター・システムとセキュリティ対策計
[1] スマートメーターの宅内表示器機能
[2] 上位システムとの通信方式
[3] MDMS(Meter Data Management System)
第16章 ロボット教育・ロボット産業の人材育成
1 6-1 ロボット教育を取りまく状況
1 6-2 ロボット教育の意義と必要性
第17章 次世代自動車と産業ロボット
1 7-1 自動車産業の構造改革と産業ロボットが果たす役割
[1] 失われた日本の自動車メーカーの優位性
1 7-2 次世代自動車の現況と自動車産業にもたらす構造変化
[1] 次世代自動車の競争軸は“車両・制御系+交通・情報系”へ
[2] 先進モビリティ・プラットフォームの台頭と“自動車時代”の終焉
1 7-3 ビッグデータ連携による関連サービス
1 7-4 産学官連携活動による次世代自動車の技術向上策
1 7-5 国際競争力の強化と生産体制効率化の取り組み
[1] 自動車生産効率化の取り組み
1 7-6 生産ラインのコンパクト化
[1] 工程削減、工程短縮を目的とした生産ラインのコンパクト化
[2] 次世代工場建設とともに加速するコンパクトラインの潮流
1 7-7 プラットフォーム共通化・部品共通化の潮流
1 7-8 モジュール化を追及する次世代プラットフォーム
[1] 研究開発の柱となったプラットフォームの共通化とモジュール化の推進
[2] 新局面を迎えた部品共通化の取り組み
[3] フォルクスワーゲンの新構想「MQB」(モジュラー・トランスバース・マトリクス)
第18章 運転システム/自律走行・自動運転システム
18-1 自動運転システムの概況・近況
[1] 産業・社会を一変させる自律走行・自動運転システム
[2] SAEで議論中の自動運転車の定義
[3] 自律走行・自動運転システムとITSの結合
18-2 地域別/メーカー別 自動運転システム公道走行実験動向
[1] 自動運転システム公道走行実験動向 概況・近況
[2] 日本
? トヨタ自動車
? 日産自動車
? ホンダ
? 富士重工業
[3] アメリカ
? 米運輸省道路交通安全局(NHTSA)
? グーグル
? ゼネラルモーターズ
[4] 欧州
? ドイツ
? イギリス
18-3 自動運転車両に関する法制度上の検討状況
[1] 自動運転の実現に向けた法制度上の取組概要
[2] 製造物責任のリスク低減を目的とした開発・試験方法の検討
18-4 日本政府が掲げる成長戦略と自動走行の具体的な将来像
[1] 総合科学技術会議主導による府省横断型の自動運転システム研究開発
[2] 国土交通省:自動走行実現に向けた工程表骨子案
[3] 経済産業省:運転支援システムの高度化計画
18-5 複合化・高度化する自動運転のシステム構成
[1] ロボット、センサーとの統合
18-6 自律走行・自動運転システムの新規アイデア、新発想
[1] ロボティクス指向で開発が進む無人・自律型の建機、大型輸送トラック
[2] 建機の自律走行車動向
18-7 自律走行・自動運転システム参入企業動向
[1] 日産自動車
[2] 富士重工業
[3] ダイムラー
[4] Google(グーグル)
[5] デンソー
[6] 日立グループ
[7] ボッシュ
[8] コンチネンタル
[9] アイサンテクノロジー
第19章 自動車運転・運行の安全システム
19-1 次世代自動車と衝突回避・事故防止システム
[1] 車両間(V2V:Vehicle-to- Vehicle)通信技術による事故防止機能
[2] 衝突回避回避システム
[3] 緊急操舵回避支援システム
[4] 異常検知・警告・ドライバモニタリングシステム
[5] ペダル踏み間違いによる暴走事故防止システム
[6] 福祉車両向け衝突回避システム
19-2 衝突被害軽減ブレーキ
[1] 衝突被害軽減ブレーキ概説
[2] 衝突被害軽減ブレーキの効果とそれに対する評価
[3] ミリ波レーダーによる運転支援システム
19-3 車載コンピュータによる車両制御
[1] 日産 自動運転機能を装備した車載コンピュータによる車両制御
[2] 日産 単眼カメラを用いる自動ブレーキ機能「エマージェンシーブレーキ」
第20章 フィールドロボットの現状と課題
20-1 フィールドロボットの現状と課題
[1] 概況・近況
[2] 社会インフラ保全分野
[3] 原子力分野
[4] プラント保全分野
[5] 災害対応分野
[6] 農業分野
20-2 協調型フィールドロボットの現状・課題
第21章 建設・土木ロボット
21-1 土木・建設作業の自動化技術
[1] 整地・掘削作業用ショベル技術
21-2 建設・土木向けフィールドロボット
[1] ビル建設のロボット導入
[2] インフラ点検・補修ロボット
[3] 無人建設機械システム
[2] インフラ点検・補修ロボット
[3] 無人建設機械システム
第22章 インフラ点検ロボット
22-1 急ピッチで進むインフラ点検用ロボットの技術開発
22-2 情報通信インフラ被害復旧におけるロボット活用可能性
22-3 インフラ点検ロボット事例検証
[1] 道路・トンネル点検支援
[2] 送電線の不具合箇所特定
[3] 下水道管の強度測定
22-4 故障予測・故障検知ロボット
第23章 危険作業代行/災害対応ロボット
23-1 高機能化・多機能化する危険作業代行ロボット
23-2 拡張現実とウェアラブルデバイスを用いた被災者支援ロボット
23-3 次世代レスキューロボットの可能性
23-4 拡張現実とウェアラブルデバイスを用いた被災者支援ロボット
第24章 無人飛行ロボット
24-1 無人機時代、無人空輸時代を先導する無人ロボット
24-2 小型化・軽量化が進む小型飛行ロボット
24-3 メガソーラー監視用無人飛行ロボット
第25章 農作業支援ロボット
25-1 政府・省庁の農作業支援ロボット開発促進政策
25-2 成長監視・計測ロボット
第26章 資源探索ロボット
26-1 深海資源探索ロボット
26-2 自律型海中ロボット(AUV)
第27章 テレプレゼンス・ロボット/テレイグジスタンス・ロボット
27-1 海外で普及が進むテレプレゼンス型代理行動ロボット
27-2 テレプレゼンス・ロボットの開発・製品化最新動向