目次
【第1編 骨組織の再生】
第1章 再生治療の実現に必要なバイオマテリアル技術 (田畑泰彦)
1 再生治療とは何か
2 再生治療の実現にはバイオマテリアル技術が必要不可欠
3 バイオマテリアル技術を生かした再生医療
4 バイオマテリアル技術を利用した再生治療の未来へ向けて
第2章 骨髄間質細胞を用いた骨再生治療法 (井上実, 朝比奈泉, 各務秀明)
1 はじめに
2 歯槽骨再生治療の対象について
2.1 インプラント治療のための骨造成
2.2 口腔外科領域における骨再生・再建治療
3 骨再生に用いられている移植材料について
4 培養骨の種類と調整法
5 培養骨による歯槽骨再生治療とその特徴について
6 おわりに
第3章 人工骨 (横井太史)
1 はじめに
2 バイオセラミックスの分類
3 人工骨と骨の結合
4 人工骨としてのリン酸カルシウム化合物
4.1 ヒドロキシアパタイト
4.2 リン酸三カルシウム
4.3 リン酸カルシウムセメント
5 まとめ
第4章 水中での化学合成を基盤としたカテキン担持骨再生材料の開発 (田中知成, 本田義知)
1 はじめに
2 カテキン
3 ゼラチン
4 水溶性脱水縮合剤
5 カテキン担持ゼラチン複合体の合成と骨再生材料への応用
6 EGCGとゼラチンが強固に結合することでもたらされたアンカー効果
7 課題
8 おわりに
第5章 サケ由来骨再生材料 (福島忠男, 大野純, 鍛治屋浩, 御手洗誠, 早川徹)
1 まえがき
2 サケ由来DNAの抽出と精製
3 DNA/人工脂質複合体とDNA/カチオン性高分子複合体
3.1 DNA/人工脂質複合体
3.2 DNA/カチオン性高分子複合体
4 DNA/プロタミン複合体
4.1 合成と基礎的性質
4.2 DNA/プロタミン複合体の生体への応用
5 まとめ
【第2編 歯および歯周組織再生】
第6章 歯槽骨の再生 (橋本典也)
1 はじめに
2 生体吸収性足場の有用性
3 アパタイト/アテロコラーゲン複合化スポンジを用いた骨再生
4 化学合成コラーゲンを用いた骨再生
5 非吸収性材料を用いた骨再生
6 おわりに
第7章 注入法による骨再生療法 (山田陽一)
1 はじめに
2 骨再生法(自家骨移植,人工材料から細胞治療へ)
3 再生医療の発展
4 再生医療による注入型骨再生法
5 注入法による骨再生療法の臨床応用
6 抜去歯(歯髄)による骨の再生
7 おわりに
第8章 歯周組織再生療法の実用化に向けた技術開発と課題 (半田慶介, 齋藤正寛)
1 はじめに
2 背景
3 歯周組織発生の分子メカニズム
3.1 歯周組織の構成と発生
3.2 歯小嚢細胞の特徴
3.3 歯小嚢細胞分化に関わる機能分子
4 歯周組織の再生医療
4.1 歯周組織再生療法の歴史
4.2 サイトカイン療法
4.3 幹細胞移植療法
4.4 未分化骨芽細胞様細胞による骨再生
5 細胞外マトリックス補充療法による新規歯周組織再生療法の確立
5.1 マルファン症候群と歯周炎
5.2 ADAMTSL6βによる微細線維再生医療技術の開発
6 おわりに
第9章 器官再生医療としての機能的な歯科再生技術の開発 (大島正充, 辻孝)
1 はじめに
2 歯の発生プログラムを利用した歯の再生戦略
3 歯胚再生のための三次元的な細胞操作技術の開発
4 成体内における機能的な歯の再生
4.1 再生歯の萌出および生着と咬合機能
4.2 再生歯による生理機能の回復
5 機能的な歯科再生治療の実現に向けた新たな取り組み
5.1 次世代型インプラントの開発
5.2 歯胚の分割による歯の再生
6 おわりに
第10章 歯髄と歯根膜からの選択的細胞分離〜バイオ再生医療における“安全”な細胞獲得法の実際〜 (中原貴)
1 バイオ再生医療とは
2 採取組織と初代培養
3 初期分離法と選択的分離法
4 「セル・フィッシング法」
5 歯根膜からの選択的細胞分離の実際
6 歯髄からの選択的細胞分離の実際
7 “安全”な細胞分離技術
第11章 歯根膜細胞シートによる歯周組織の再生 (岩田隆紀)
1 はじめに
2 間葉系幹細胞の定義とその臨床応用
2.1 歯根膜組織由来幹細胞シートを用いた臨床研究
2.1.1 細胞シート工学とは?
2.1.2 歯根膜組織由来幹細胞とは?
2.1.3 hPDL-MSCsの採取と培養
2.1.4 移植前処置としての分化誘導
2.1.5 臨床研究の実際
2.2 その他の細胞ソースを用いた歯周組織再生の臨床研究
2.3 細胞治療の近未来像
2.4 まとめ
【第3編 義歯による失った顎機能の修復】
第12章 ITによる義歯製作と3Dプリンター利用の可能性 (水口俊介, 金澤学)
1 はじめに
2 全部床義歯製作CAD/CAM化の基本的なフロー
3 デンチャ―スペースの印象とシミュレーション
4 人工歯排列と試適
5 義歯床の切削と人工歯の接着
6 3Dプリンター利用の可能性
7 CAD/CAM化の意義と未来
第13章 磁性アタッチメントの開発 (中村好徳, 神原亮)
1 はじめに
2 磁性アタッチメントの基本事項
2.1 基本構造
2.2 磁気回路
2.3 高性能磁石の利用
2.4 マイクロレーザー溶接の導入
3 磁性アタッチメントの臨床応用
3.1 従来の支台装置との比較
3.2 適用範囲の拡大
4 MRIへの対応
5 ISO規格の採用
6 おわりに
第14章 義歯床用軟質裏装材の開発〜シリコーン系軟質裏装材〜 (中島慶)
1 はじめに
2 裏装材とは
3 軟質裏装材とは
3.1 各義歯床用軟質裏装材の性質
3.2 シリコーン系軟質裏装材の硬化機構
4 シリコーン系軟質裏装材使用のポイント
4.1 硬さの違いとそれらの選択について
4.2 義歯床との接着のポイント
4.2.1 接着機構
4.2.2 接着操作上の注意点
4.3 裏装後の日常のメインテナンス
5 まとめ
【第4編 歯の修復】
第15章 光機能化の即時荷重における背景 (鈴木仙一)
第16章 インプラントの骨結合力改善 —液体内保存— (塩田真)
1 はじめに
2 チタン製インプラントの疎水性
3 改良型親水性インプラントの開発
4 改良型親水性インプラントの特徴
5 インプラント臨床での有用性
6 SLActiveインプラントの臨床治験
7 アーリーヒーリングの概念
8 おわりに
第17章 機能性高分子による金属表面処理 (塙隆夫)
1 はじめに
2 再生医療と金属
3 表面処理
4 生体機能分子固定化
5 生体機能分子電着
6 電着機能分子を介した細胞接着性ペプチドの固定化
7 おわりに
第18章 セラミックコーティングによる金属表面処理 (成島尚之, 上田恭介, 上田隆統志, 佐渡翔太)
1 はじめに
2 セラミックコーティングプロセス
3 TiおよびTi合金
3.1 セラミックコーティング
3.2 セラミックス/高分子複合コーティング
4 Co-Cr合金
5 NiTi
6 MgおよびMg合金
7 ステンレス鋼
8 まとめ
第19章 歯科材料(グラスアイオノマーセメント) (伏島歩登志)
1 はじめに
2 グラスアイオノマーセメントの基本
2.1 従来型グラスアイオノマーセメント
2.2 レジン強化型グラスアイオノマーセメント
3 グラスアイオノマーセメントの諸性質
3.1 フッ素徐放性
3.2 グラスアイオノマーセメントの硬化反応
3.3 グラスアイノマーセメントの歯質接着性
4 グラスアイオノマーセメントの臨床応用
4.1 合着用グラスアイオノマーセメント
4.2 充填用グラスアイオノマーセメント
4.3 シーラント用グラスアイオノマーセメント
4.4 その他の用途
5 おわりに
第20章 フレキシブルアパタイトシートによるエナメル質修復 (本津茂樹, 吉川一志)
1 はじめに
2 フレキシブルHApシートの作製
3 HApシートの歯質への貼付法
4 エナメル質修復への応用
5 象牙質知覚過敏治療への応用
6 審美歯科への応用
7 まとめ
第21章 歯科用接着材料「スーパーボンド®」 (山本隆司, 荒田正三)
1 はじめに
2 歯科用接着材料「スーパーボンド®」とは?
2.1 スーパーボンド®の成分と特長
2.2 スーパーボンド®の使用方法
2.3 スーパーボンド®の物理化学的性質
2.4 接着特性
2.5 樹脂含浸層形成のメカニズム
3 スーパーボンド®の生体組織への応用実績
3.1 歯科矯正学的応用
3.2 歯科補綴学的応用(ダイレクトボンドブリッジDBB)
3.3 歯科保存学的応用(動揺歯固定,象牙質/歯髄保護)
3.4 歯内療法的応用(シーラー)
4 スーパーボンド®の歯科再生・修復材料としての進歩的研究
5 将来展望
第22章 シナモン抽出成分による医療用接着剤 (早坂里奈, 金子大作)
1 はじめに-貝類からヒントを得て-
2 天然接着剤を模倣した分子設計
3 強力な接着力
4 さらなる接着力の強化
5 生体適合性
6 体内における加水分解性の制御
7 生体内(ラット)における骨接合試験と今後の課題
8 おわりに
第23章 抗菌性モノマー配合接着材 (河島光伸)
1 はじめに
2 歯科用接着材とは
2.1 レジン系歯科材料のはじまり
2.2 レジン系歯科用接着材の変遷
3 抗菌性モノマーの設計
3.1 抗菌性モノマーの構想
3.2 抗菌性モノマーの試作合成
3.3 試作抗菌性モノマー(メタクリル系長鎖アルキルピリジニウム塩)の抗菌力評価
4 抗菌性モノマー配合歯科用接着材の特性
4.1 MDPBの配合が歯質接着強さに及ぼす影響
4.2 最小発育阻止濃度
4.3 S.Mutansに対する阻止班形成
4.4 即時殺菌効果
5 今後の展望
【第5編 歯科用機器・診断機器】
第24章 歯科におけるレーザー治療の現状 (加藤純二)
1 組織表面吸収型レーザーと組織透過型レーザー
2 臨床における歯科用レーザーの応用
2.1 レーザーメスとしての口腔外科手術への応用
2.2 レーザーによる齲蝕予防
2.3 レーザーによる歯の切削
2.4 レーザーの歯周病への応用
2.5 レーザーの歯髄処置への応用
2.6 レーザーによる疼痛緩和
2.7 レーザーによる齲蝕診断
2.8 レーザーによる溶接
3 まとめ
第25章 CAD/CAMによる補綴 (疋田一洋)
1 鋳造修復からCAD/CAMへ
2 CAD/CAMで使用されている材料
2.1 セラミック系材料
2.2 金属系材料
2.3 有機系材料
3 歯科におけるCAD/CAMの将来
第26章 光干渉断層撮像(OCT) (岩田洋, 大林康二, 渡邉香, 樋渡史子)
1 光干渉断層撮像法
2 光干渉断層撮像装置
3 光干渉断層撮影とX線CT撮影
4 画像検査と放射線被ばくについて
5 光干渉断層画像法の義歯などへの応用