目次
はじめに・予めお断りしたい事
【第1章 栽培管理・制御技術の総論】
1.栽培管理・制御技術の視点
1.1.光合成と呼吸の関係を土台に、必須栄養素(元素)を考える
1.2.植物には「損」な栽培環境でも、人間には「得」であれば採用する
1.3.修復可能範囲および適応可能範囲で栽培管理する
2.植物の成長と植物体内のエネルギーの関係
2.1.植物成長での糖とATPの働き
2.2.植物の成長
2.3.アデノシン三リン酸(ATP)
2.4.呼吸とATP生産
2.5.栽培管理・制御のポイント
<参考>植物と動物の比較
3.転流
3.1.糖の合成:カルビン回路と転流
3.2.転流による移動
3.3.養水分の移動経路
4.生産性の向上とチップバーン
4.1.チップバーンを防ぎながら生産性を高める
4.2.生産効率の全体最適にするため、部分最適を寄せ集めてはならない
5.マイナスリスク管理
5.1.細菌数
5.2.機能性野菜
5.3.有害物質
5.4.安定生産
【第2章 栽培管理・制御技術の各論】
1.生育を早める環境・栽培管理
1.1.光環境光条件
1.2.光強度と必須元素
1.3.光合成と温度
1.4.温度管理
1.5.風と湿度
1.6.栽培室の二酸化炭素濃度
1.7.酸素・養液の根部への供給
1.8.バラツキの少なく、生育の良い苗を使用する
1.9.栽培環境の安定化
1.10.養液更新で微量成分欠乏や自家中毒を防いでいる
1.11.栽培段階に応じた養液管理
2.完全人工光型植物工場に適した栽培品種
2.1.完全人工光型植物工場に適した栽培品種は葉物野菜である
2.2.半陰性植物と陰性植物を選択する理由
2.3.ベビーリーフについて
2.4.無農薬栽培
3.種子
3.1.種子の選択
3.2.種子の保管について
3.3.発芽について
4.アオコ管理
4.1.養液はpH7未満で管理する
4.2.藻(アオコ)が発生するとアルカリ性になりやすい
4.3.藻(アオコ)の大量に発生で、生育に悪影響が生じる
4.4.藻(アオコ)にはマイクロシスチン等の毒が報告されている
5.植物の成長と萎れ
5.1.植物の成長
5.2.細胞の萎れ
5.3.細胞壁の緩み
5.4.細胞間隙(細胞と細胞の間にある隙間)
6.低湿度環境でも光合成能力が高い
6.1.気孔が開き二酸化炭素を取り込めるので、光合成能力は高い
6.2.蒸散により養分吸収と養分移動が生じる
<蒸散速度の考え方>
7.二酸化炭素濃度
7.1.二酸化炭素濃度1,000ppmで生育が良い
7.2.二酸化炭素濃度を大気中より高める理由
8.人工光源は光質をコントロールできる
8.1.完全人工光型植物工場の光源
8.2.緑色光は光合成に役立つ
8.3.青色光は気孔を開口する
8.4.LED光と蛍光灯
9.光は毒にもなる
9.1.なぜ強すぎる光は光合成によくないのか?
9.2.明反応と暗反応は、本質的に両者は独立である
9.3.光阻害のメカニズム
【第3章 水耕栽培について】
1.水耕栽培の特徴
1.1.良い畑
1.2.水耕の種類
2.噴霧水耕のメリット
2.1.特長
2.2.微生物管理が容易である
2.3.使用する水量が少なくて済む
3.噴霧水耕栽培の特徴
3.1.根
3.2.湿気中根と水中根について
3.3.湿気中根と水中根が併存する根系
4.噴霧水耕の管理ポイント
4.1.噴霧液滴サイズ
4.2.間欠噴霧のメリット
4.3.噴霧水耕だと根が増える
4.4.側根が増えるメカニズム
【第4章 レタスの生理障害と植物病理】
1.レタスの生理障害
2.病害虫
【第5章 細菌の制御技術】
1.低細菌数の野菜を生産する為の基本的な考え方
1.1.完全人工光型植物工場に食品工場の衛生管理手法を取り入れる
1.2.細菌汚染
1.3.養液(地下系)の殺菌は行わない
1.4.微生物診断は収穫後の野菜の細菌検査から行う
<試験結果一例>
2.植物工場野菜の食中毒菌制御の考え方
2.1.食中毒菌感染防止方法
2.2.生鮮野菜とその最少加工品を原因食品とする国内外の食中毒事例
2.3.植物体内への侵入について
3.微生物と殺菌
3.1.有機酸の殺菌作用
3.2.微生物の増殖できるpHの限界と死滅
3.3.微生物の増殖を妨げる酸
3.4.有機酸の効果と溶液中での有機酸の形
3.5.Bacillus属細菌の変敗
4.次亜塩素酸の殺菌作用
4.1.水道水殺菌剤の次亜塩素酸ナトリウム
4.2.次亜塩素酸(HOCl)
5.栽培現場作業での細菌対策
5.1.作業での注意点
5.2.栽培管理上の注意点
5.3.栽培室入退出
【第6章 低硝酸塩化の制御技術】
1.低硝酸塩野菜
1.1.硝酸態窒素について
1.2.低硝酸化の技術
2.美味しい野菜を生産する
2.1.旬の時期と栄養価
2.2.低硝酸塩濃度のレタスはエグ味がすくない
2.3.低硝酸化によりレタスが甘くなる
2.4.収穫作業は、明期終了時間から暗期直後に行うのが望ましい
3.硝酸塩濃度の基準値
4.硝酸塩の蓄積について
【第7章 チップバーン】
1.チップバーン発生原因
1.1.チップバーンはカルシウム不足で生じる
1.2.カルシウムの吸収および移動が遅い理由
1.3.余剰光エネルギーにより、活性酸素が生産される
1.4.光化学反応:マンガンクラスター説
2.チップバーン発生時期
2.1.仮植期間
2.2.定植期間
3.チップバーン管理
3.1.日長時間と細胞膨圧の変化
3.2.細胞強度≧細胞膨圧になるように管理する
3.3.低照度(光飽和点以下)の完全人工光型植物工場
3.4.強光や連続日長
3.5.強光下でのチップバーン対策の基本的な考え方
3.6.事例:強光の栽培ラインで生じる現象について
4.光阻害のメカニズム
4.1.過剰エネルギー(Excess energy)仮説
4.2.マンガンクラスター説
4.3.修復
4.4.マンガンについて
【第8章 養液管理】
1.養液管理の基本的な考え方
2.塩化カルシウムを配合する理由
2.1.塩化カルシウムは必須元素である塩素とカルシウムの供給源である
2.2.塩素の生理作用
2.3.塩化カルシウム
2.4.生体膜の透過性
3.窒素源として硝酸塩を使う理由
4.養液成分の溶解度とpH(養液のpH6.4で管理する理由)
4.1.pHの養液管理幅は pH5.5?6.5とする
4.2.細胞壁とアルカリ性
<電気的中性の原理(pHが変化するメカニズム)>
4.3.植物の適応
4.4.リン酸カルシウムはpHが上がると溶解度が低くなる
5.酸素欠乏と湿害
5.1.露地栽培と水耕栽培
5.2.酸欠障害(湿害発生)のメカニズム
5.3.水温(養液水温)と酸欠
5.4.根への酸素補給
6.水道水の使用
6.1.水道水とクロラミン
6.2.水道水の確認
6.3.クロラミン(結合塩素)には次の3種類がある
【第9章 収穫後日持ちする理由】
1.健全な野菜
2.植物病害防御機構・免疫システム
2.1.静的抵抗性
2.2.動的抵抗性
3.呼吸作用を抑制する
【第10章 栽培管理】
1.栽培室環境管理
1.1.温度
1.2.湿度
1.3.二酸化炭素
1.4.風の管理
2.養液管理
3.ノズルおよびフィルターの保守・点検
4.蛍光管保守・交換
5.養液ろ過フィルターの洗浄
6.機器保守校正管理
7.資材保管(種子、ウレタン、肥料)
8.点検チェック
8.1.栽培室内
8.2.各ライン
8.3.微酸性電解水
【第11章 トラブル対応】
1.栽培設備関連のトラブル
1.1.噴霧ノズルのトラブル
1.2.養液漏れトラブル
1.3.栽培ベッドからの養液漏れトラブル
1.4.炭酸ガス異常
1.5.停電時
1.6.漏電ブレーカーが落ちた
1.7.栽培室内が結露した
2.養液管理項目?基準オーバー時の対応
3.栽培トラブル時の対応
3.1.播種・発芽発根・育苗
3.2.仮植
3.3.定植
【第12章 測定値】
1.照度測定データ
2.水耕栽培室?環境データ
3.レタスの各葉中の成分分析値 一例
3.1.フリルレタス
3.2.リーフレタス
3.3.サラダ菜
4.蒸散水分量と葉中水分量、葉中成分濃度の関係
おわりに