レポートナンバー 0000012534
医療機器および医薬品の滅菌手法とバリデーションの基礎と実務のポイント
株式会社情報機構
〜滅菌理論から工程の設計、バリデーション、日常管理、および関連試験解説〜
<エチレンオキサイド(EO)・放射線滅菌を中心とした>
発刊日
2016/03/25
言語日本語
体裁B5/188ページ
レポート概要
☆どこまで滅菌すべきか?滅菌による製品への影響は?
☆各種滅菌法の基礎とバリデーションはどのように考えるべきか?
☆バイオバーデン等の関連試験の実務に役立つ情報も満載!
【本書のポイント】
○滅菌に関連した医療機器・医薬品の法令はどのようなものがあるか?
○滅菌の技術理論をエチレンオキサイド(EO)・放射線を中心に基礎から解説
微生物はどのような条件で死滅するのか?
EO・放射線滅菌の滅菌手法と滅菌バリデーションの考え方を解説!
○EO・放射線滅菌の際にどのような影響が起こるのか?
放射線滅菌の際に起こる材料の劣化の可能性と対応策とは?
放射線による高分子材料への物性低下・匂い・着色の要因および劣化の原因も解説!!
○滅菌に関連する各種試験にどのようなものがあるのか?
バイオバーデンの基礎から測定手法・生菌数測定・同定・日常管理も解説!
バイオロジカルインジケーター(BI)の適用と評価も抵抗性測定法や無菌試験等を解説します。
その他にも、エチレンオキサイド残留物測定や環境モニタリング・管理も解説します。
○EO滅菌・放射線滅菌困難な材料の対処法やバリデーション不適合時の対処法はどうすればよいか?
エチレンオキサイド滅菌・放射線滅菌それぞれの不敵な材料とは何か?
レポート詳細
著者
コンサルタント(滅菌、微生物管理、放射線改質) 山口 透 先生
元日本電子照射サービス(株) つくばセンター 技術担当部長
○ご経歴
ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)にて開発、品質保証、薬事業務に従事し、微生物管理やEOG滅菌バリデーションに関わる。
2002年より日本電子照射サービス(株)において、放射線利用技術開発および放射線滅菌関連業務に従事。ISO TC198 WG8、ISO TC85 WG3 メンバー。JIS化検討委員も務める。
2015年退社、現在は滅菌全般、微生物管理、放射線材料開発のコンサルタント業
○主な研究内容
放射線利用、微生物関連研究
○関連学会でのご活躍など
日本防菌防黴学会会員
高分子学会会員
目次
1. 滅菌関連法規制
1.1 医療機器の法令、規格基準
1.2 医薬品の法令、規格基準
2. 滅菌の理論的考察
2.1 微生物について
2.2 微生物の死滅と滅菌理論
2.3 微生物の滅菌抵抗性と作用機序
2.3.1 エチレンオキサイド(EO)による影響
(1)温度の影響
(2)湿度の影響
(3)EO濃度の影響
(4)物理的バリア、製品構造の影響
(5)担体および有機物による影響
2.3.2 放射線による影響
(1)線質による影響
(2)線量率による影響
(3)酸素の影響
(4)含水分の影響
(5)温度の影響
(6)担体および有機物による影響
(7)放射線による損傷と回復能力
2.3.3 紫外線による影響
3. 滅菌の材料および成分への影響と対策
3.1 放射線による高分子化合物の素材劣化
3.1.1 放射線による物性低下
(1)ポリプロピレンの物性低下
(2)その他の樹脂の物性低下
3.1.2 放射線による照射臭
3.1.3 放射線による着色
(1)ポリプロピレンの着色
(2)ポリ塩化ビニル樹脂の着色
(3)ポリカーボネ―トの着色
3.1.4 高分子材料放射線劣化の原因
(1) 初期反応
(2) 主鎖切断と架橋反応
(3) 架橋反応
(4) 分解反応
(5) 酸化分解反応
(6) 分子構造による影響(PTFE)
(7) 高分子材料の放射線劣化対策
(8) 放射線による医薬品成分、生体由来材料の劣化
4. 滅菌法と滅菌バリデーション
4.1 エチレンオキサイド(EO)滅菌
4.1.1 エチレンオキサイド滅菌方法の長所と短所
4.1.2 エチレンオキサイド滅菌の法規制と安全性の確保
4.1.3 製品設計
4.1.4 滅菌条件の設定(工程開発)
(1) 工程パラメーターと許容値の設定
(2)温度分布測定と改善
(3)工程パラメーターについて
4.1.5 滅菌剤としてのEOの特性
4.1.6 プロセス及び装置の特性
4.1.7 滅菌装置の特性
(1)装置の仕様
(2)温度センサー
(3)湿度センサー
(4) EOガスボンベ
(5)気化器
(6)加湿蒸気
4.1.8 製品の定義
(1)製品の同等性
(2)EO残留物測定
(3)包装の同等性
(4)積載の同等性
4.1.9 プロセスの定義
(1)滅菌条件の設定
4.1.10 BI(バイオロジカルインジケーター)とPCDについて
(1)バイオバーデンの抵抗性とBIの抵抗性との比較
(2)PCD使用要件
4.1.11 滅菌バリデーション
(1) IQ(据付時適格性の確認)
(2) OQ(運転時適格性の確認)
(3) PQ(稼動性能適格性)
4.1.12 滅菌工程管理(日常)と出荷
4.1.13 プロセス有効性の維持
(1) 装置の保守
(2) リクオリフィケーション
4.1.14 変更管理
4.1.15 滅菌工程の見直し
4.2 放射線滅菌
4.2.1 放射線滅菌の特徴
4.2.2 照射装置の特性
(1) ガンマ線照射施設
(2)電子線照射施設
4.2.3 放射線の生物効果
4.2.4 医薬品の放射線滅菌事例
4.2.5 滅菌条件の設定
(1)方法1
(2)方法2A、2B
(3)VDmax法/VDmaxSD法
4.2.6 製品の定義
(1)バイオバーデンの計測法と評価
4.2.7 最大許容線量の設定
4.2.8 滅菌バリデーション
(1)据付時適格性の確認(IQ)
(2)運転時適格性の確認(OQ)
(3)稼動性能適格性の確認(PQ)
4.2.9 日常の滅菌工程管理
4.2.10 製品の出荷
(1)パラメトリックリリース
4.2.11 プロセス有効性の維持
4.2.12 変更管理
4.2.13 バリデーション計画書、報告書
(1)バリデーション計画書(プロトコール)
(2)バリデーション報告書
5. 製品の無菌性保証と考え方
5.1 滅菌保証と無菌性保証
6. 滅菌関連試験
6.1 バイオバーデン測定
6.1.1 バイオバーデンとは
6.1.2 バイオバーデン測定の意義
(1)滅菌条件設定のため
(2)製造工程の微生物管理
(3)微生物汚染の原因調査のため
6.1.3 バイオバーデン測定手順
(1)試料数の決定
(2)試料採取方法の決定(SIP)
(3)回収液の選定
(4)回収方法の検討
6.1.4 回収バイオバーデンの培養(生菌数測定)
(1) メンブランフィルター法
(2) 寒天平板混釈法
(3)カンテン重層法(培地浸漬法)
(4)シェーカー法
6.1.5 測定方法バリデーション
(1)回収率測定
(2)培地の検証
(3)培養条件の検証
(4)培地性能試験
(5)発育阻止活性試験
6.1.6 バイオバーデンの同定
(1)細菌の同定
(2)真菌の同定
(3)同定キットについて
6.1.7 バイオバーデンの抵抗性測定
(1)抵抗性のモニタリング
(2)滅菌抵抗性を変化させる要因
(3)滅菌抵抗性測定方法
6.1.8 バイオバーデンの日常管理(微生物管理)
(1)サンプリング
(2)限度値の設定
(3)汚染対策と衛生管理
(4)バイオバーデンスパイク
6.1.9 バイオバーデン測定上の問題点
(1)バイオバーデンで検出される微生物について
(2)バイオバーデンの培養
(3)バイオバーデンの回収
(4)包装、梱包の汚染
(5) バイオバーデン測定上の問題点
6.2 バイオロジカルインジケーター(BI)の適用と評価
6.2.1 バイオロジカルインジケーターの調製
(1)接種菌液の調整
(2)接種担体
(3)バイオロジカルインジケーターの菌数測定
6.2.2 バイオロジカルインジケーターの抵抗性測定
(1)生残曲線法によるD値測定
(2)部分生残法によるD値測定
6.2.3 バイオロジカルインジケーターの無菌試験
(1)培養条件
(2)判定
6.3 エチレンオキサイド残留物測定
(1)基準値設定
(2)残留物測定方法(EOG, ECH)
(3)抽出方法
6.4 環境モニタリングと環境管理(空中浮遊菌、落下菌、付着菌)
6.4.1 サンプリング装置及び測定方法
(1) 空中浮遊菌
(2) 器物付着菌
(3) 落下菌
6.4.2 環境モニタリングによる環境微生物管理
(1)環境モニタリングプログラム
6.4.3 微生物環境管理遵守事項のチェックポイント
7. バリデーション不適合時の対処方法
7.1 エチレンオキサイド滅菌
7.2 放射線滅菌
8. 滅菌困難な製品と対処法
8.1 エチレンオキサイド滅菌製品
8.2 放射線滅菌製品