医療機器産業は世界で成長が見込まれる高度知識集約型産業であり、我が国では高度なものづくり技術を活用した先端的な医療機器も開発が進んでいます。しかしながら、約25兆円といわれる世界の医療機器市場では、そのほとんどを欧米企業が占めており、日本企業の存在感は薄いことが現状です。
シード・プランニングでは、2010年から「医療機器開発における実務ガイド 欧州編」を発刊してまいりました。新欧州医療機器規則 Medical Devices Regulation (MDR)が、2017年5月に発表されました。この規則は欧州市場において医療機器を販売するManufacturerにとって重要事項です。また、ISO 13485: 2016が発行され、認証の移行または新規認証に備えるためには、規格要求事項について理解し、変更点を学ぶことが重要です。本ガイドブックの2018年版では、2017年5月に施行された新欧州医療機器規則 Medical Devices Regulation (MDR)及び2016年に改訂されたISO 13485: 2016を中心に、欧州での医療機器開発における最新の基準について解説し、認証の移行又は新規認証への備えの一助とすることを目的として、本書をまとめました。
目次
第Ⅰ章 欧州市場 とEU 法令
1-1.欧州連合(EU)
1-1-1.EC 統合の歴史
1-1-2.ECからEUへ
1-1-3.EUは全欧州へむけて発展
1-1-4.英国のEU 離脱(Brexit)
1-2.EU 法令
1-2-1.EU 規則/指令とは
1-2-2.EU 規則/指令の種類
1-2-3.EU 規則/指令への適合性
1-3.CE マーキング制度 :基準の調和の象徴
1-3-1.基準の調和の象徴:CE マーキング
1-3-2.CE マーキングの原則
1-3-3.適合性評価手続
1-3-4.医療機器におけるCE マーキング
第Ⅱ章 EU 法令と医療機器の法的フレームワーク
2-1.医療機器の法的フレームワーク
2-1-1.MDD(医療機器指令)からMDR(医療機器規則)へ
2-1-2.ハーモナイズした整合性評価に関する基準(品質管理システムである
国際規格ISO とヨーロッパの標準規格であるEN)
2-1-3.EU の医療機器関連通知・ガイドライン(MEDDEV)
2-1-4.第三者認証機関(NB)運営協議会
2-1-5.国際医療機器規制当局フォーラム(IMDRF)
2-2.医療機器規則の概要
2-2-1.医療機器規則の対象及び適用範囲
2-2-2.医療機器規則と適合性評価
2-2-3.必須要求事項
2-3.必須要求事項と規格との関係
2-4.医療機器における適合性評価
2-4-1.医療機器規則の適合性評価
2-4-2.EU適合宣言
2-4-3.品質管理システムに基づく適合性評価
2-4-4.型式検査に基づく評価
2-4-5.製品適合性検証に基づく評価
2-5.医療機器のクラス分類と適合性評価
2-5-1.医療機器のクラス分類
2-5-2.EU医療機器規則における分類規定
2-5-3.医療機器におけるEU 適合性評価手順
2-6.技術文書の作成
2-7.システム構築手順
2-8.UDI(機器固有識別子)
2-9.Common Specification の制定
2-10 規制遵守責任者の指名
2-11.MDD による認証機器のMDR による再認証
第III 章 製造・規格関連の留意事項
3-1.医療機器の国際規格ISO と欧州整合規格EN
3-1-1.ISO 13485(医療機器の品質管理)
3-1-2.ISO 14971(医療機器のリスクマネジメント)
3-1-3.ISO 14971 規格要求事項
3-1-4.GHTF とISO
3-2.ISO13485 の要求事項
3-2-1.ISO13485 の要求事項
3-2-2.ISO13485 上のリスクマネジメント要求事項
3-3.品質管理システム
3-3-1.一般要求事項
3-3-2.文書化に関する要求事項
3-4.経営者の責任
3-4-1.経営者のコミットメント
3-4-2.顧客重視
3-4-3.品質方針
3-4-4.計画
3-4-5.責任、権限及びコミュニケーション
3-4-6.マネジメントレビュー
3-5.資源の運用管理
3-5-1.資源の提供
3-5-2.人的資源
3-5-3.インフラストラクチャー
3-5-4.作業環境及び汚染管理
3-6.製品実現
3-6-1.製品実現の計画
3-6-2.顧客関連のプロセス
3-6-3.設計・開発
3-6-4.購買
3-6-5.生産及びサービスの提供
3-6-6.監視機器及び測定機器の管理
3-7.測定、分析及び改善
3-7-1.一般
3-7-2.モニタリング及び測定
3-7-3.不適合製品の管理
3-7-4.データの解析
3-7-5.改善
第Ⅳ章 欧州での医療機器の開発の留意点
4-1.開発の概要
4-2.医療機器開発のための留意点
4-2-1.クラス分類
4-2-2.リスク分析
4-3.クラス毎の開発の留意点
4-3-1.クラスⅠ
4-3-2.クラスⅡa
4-3-3.クラスⅡb
4-3-4.クラスⅢ
4-4.医薬品と比較した場合
第Ⅴ章 医療機器の臨床試験
5-1.欧州で臨床試験を実施する際の留意事項
5-1-1.臨床評価と臨床試験
5-1-2.臨床評価の手順
5-1-3.臨床評価の中の臨床試験
5-1-4.臨床データの評価
5-2.医療機器規則における臨床試験
5-2-1.一般要求事項
5-2-2.倫理的事項
5-2-3.臨床試験の申請
5-2-4.臨床試験の実施
5-2-5.有害事象と安全性報告
5-3.臨床試験実施を決定するに際しての留意点
5-4.臨床試験開始の承認プロセス
5-5.臨床試験の実施
5-5-1.定義
5-5-2.倫理的事項・被験者の同意
5-5-3.有害事象と安全性報告
5-5-4.治験実施計画書
5-5-5.治験機器概要書
5-5-6.契約
5-5-7.治験倫理委員会
5-5-8.治験依頼者の責務
5-5-9.モニタリング
5-5-10.治験責任医師・実施医療機関の責務
5-5-11.品質管理・品質保証と監査
5-5-12.治験の中止・終了
5-5-13.記録・文書の保存
第Ⅵ章 EU における医療機器の市販後調査及びビジランス報告
6-1.市販後調査システム
6-1-1.市販後調査システムの確立
6-1-2.市販後調査計画及び報告
6-1-3.定期安全性最新報告
6-2.ビジランスシステム
6-2-1.重大な事故の報告及び市場安全性是正措置
6-2-2.ビジランスデータの分析
6-2-3.傾向報告
6-2-4.ビジランス及び市販後調査における電子システム
6-3.市場監視
6-3-1.所管官庁による市場監視活動
6-3-2.容認できないリスクや不適合を示す疑いのある機器の取扱い手順
6-3-3.市場監視における電子システム
6-4.市場監視における第三者認証機関の権限
6-4-1.適合性評価における第三者認証機関
6-4-2.第三者認証機関によるPSUR のレビュー
6-5.市販後調査の実施
6-5-1.PMCF 試験
6-5-2.事故報告(Incident Reporting)
第Ⅶ章 主要国別の臨床試験の留意事項
7-1.ドイツ
7-1-1.所管官庁:CA(Competent Authority)
7-1-2.第三者認証機関:NB(Notified Body)
7-1-3.臨床試験申請の必要事項
7-1-4.安全性報告
7-2.フランス
7-2-1.所管官庁:CA(Competent Authority)
7-2-2.第三者認証機関:NB(Notified Body)
7-2-3.臨床試験申請の必要事項
7-2-4.安全性報告
7-3.オランダ
7-3-1.所管官庁:CA(Competent Authority)
7-3-2.第三者認証機関:NB(Notified Body)
7-3-3.臨床試験申請の必要事項
7-3-4.安全性報告
7-4.イタリア
7-4-1.所管官庁:CA(Competent Authority)
7-4-2.第三者認証機関:NB(Notified Body)
7-4-3.臨床試験申請の必要事項
7-4-4.安全性報告
7-5.英国
7-5-1.所管官庁:CA(Competent Authority)
7-5-2.第三者認証機関:NB(Notified Body)
7-5-3.臨床試験申請の必要事項
7-5-4.安全性報告
7-6.その他
7-6-1.オーストリア
7-6-2.ベルギー
7-6-3.フィンランド
第Ⅷ章 主要国別の償還の仕組み
8-1.償還の概要
8-2.ドイツ
8-2-1.医療保険制度
8-2-2.医療機器費の償還
8-2-3.上市にあたっての留意事項
8-3.フランス
8-3-1.医療保険制度
8-3-2.医療機器費の償還
8-3-3.上市にあたっての留意事項
8-4.オランダ
8-4-1.医療保険制度
8-4-2.医療機器費の償還
8-4-3.上市にあたっての留意事項
8-5.イタリア
8-5-1.医療保険制度
8-5-2.医療機器費の償還
8-5-3.上市にあたっての留意事項
8-6.英国
8-6-1.医療保険制度
8-6-2.医療機器費の償還
8-6-3.上市にあたっての留意事項