目次
◇第1章 IPランドスケープの基礎 ◇
第1節 IPランドスケープとは ~知財スキル標準2.0設計者からの視点~
1. 知財人材スキル標準ver 2.0と「IPランドスケープ」
2. IPランドスケープは新しくない?(既存・類似概念との異同)
2.1 特許調査
2.2 パテントマップ
2.3 三位一体
2.4 技術マーケティング
2.5 知財情報解析
3. IPランドスケープの経営学における位置づけ(特にマーケティング論との関係)
3.1 マーケティング・ツールとして位置づけられる知的財産
3.2 マーケティング・リサーチの一種としてのIPランドスケープ
第2節 IPランドスケープ(知財戦略論含)の概要と代表的企業事例
1. はじめに
2. 経営戦略、事業戦略
2.1 経営戦略、事業戦略におけるグランドデザインの重要性
2.2 経営デザインシート
2.3 価値創造メカニズム
3. IPランドスケープ
3.1 IPとは何か?
3.2 知財スキル標準2.0におけるIPランドスケープの位置付け
3.3 パテントマップとIPランドスケープの違い
4. IPランドスケープの活用事例
4.1 新規事業開発、新規用途開発、新規R&Dテーマ検討
4.1.1 技術領域俯瞰分析
4.1.2 事例:化学メーカーにおける新規事業検討
4.1.3 被引用分析
4.1.4 事例:半導体メーカーにおける新規事業検討
4.2 オープン&クローズ戦略(Googleの事例)
4.2.1 背景
4.2.2 特許出願戦略
4.2.3 特許調達戦略
4.2.4 特許活用戦略
4.3 知財ミックス戦略(Appleの事例)
4.3.1 背景
4.3.2 Apple v. Samsungの知財訴訟事例
4.4 サプライチェーン・バリューチェーン分析
4.5 M&A・アライアンス検討
4.6 知財デューデリジェンス、知財価値評価
4.6.1 知的財産デューデリジェンスの実施方法
4.6.2 知的財産デューデリジェンスの手順
4.6.3 知的財産デューデリジェンスにおける分析のポイントと留意事項
4.6.4 知的財産デューデリジェンス等の活用・応用例
第3節 IPランドスケープ実践に役立つ会計、税務の視点と知財価値評価
1.はじめに
2.知財マネジメント体制
2.1 グローバル知財マネジメント体制
2.2 グローバル知財マネジメントの一元化の特徴
2.3 グローバル知財マネジメントの一元化モデル
2.4 グローバル知財マネジメントの事例
2.5 グローバル知財マネジメントと税金の関係
2.6 知財に関する優遇税制
3.移転価格税制
3.1 移転価格税制とBEPS(Base Erosion and Profit Shifting)行動計画
4.知財価値評価
4.1 知財価値評価の目的と場面
4.2 知的財産と会計
4.3 知的財産価値評価の考え方
4.4 評価対象となる知的財産の特定
4.5 インカムアプローチによる知財価値評価
第4節 狭義のIPランドスケープ概要と具体的事例
1. IPランドスケープ実践に役立つ知財情報戦略
1.1 はじめに
1.2 知財情報戦略
(1)知財情報戦略とは
(2)知財情報戦略の8つのポイント
1.3 知財情報戦略のアプローチ
2. 知財情報戦略の実践事例
2.1 研究開発テーマ検討への活用
2.2 新規事業開発,新規用途開発への活用
(1)用途関連特許分類法
(2)サイテーション法
(3)ランドスケープ法
2.3 大企業間M&A/アライアンス候補探索への活用
2.4 ベンチャー出資/資金調達検討
◇第2章 IPランドスケープ実践に向けた企業内取組事例◇
第1節 キヤノンにおけるIPランドスケープ実践体制
1. 歴史的な考察
1.1 特許マップ
1.2 「論文を読むより特許を読め」
1.3 「三位一体」の経営戦略
2. デジタル化とネットワーク化
2.1 デジタル化による技術の切り口の変化
2.2 記録技術と標準技術
2.3 キーとなる要素技術
2.4 ソフトウエア特許とビジネスモデル特許
3. 未来へ資するIPランドスケープ活動とは
3.1 ビジネス形態の変化
3.2 特許以外による事業や技術の保護
3.3 デザインドリブンイノベーション
3.4 IoT,AI時代の活動
第2節 日立製作所における知財マスタプラン(IPランドスケープ)実践事例
及び今後の知財活動の方向性
1. 日立製作所の知財活動のヒストリー
1.1. 特許出願の奨励
1.2 特許の量から質への転換
1.3 特許料収支改善重視の知財活動
1.4 事業構造の転換と知財活動の見直し
2. プロダクト事業における知財マスタプラン(IPランドスケープ)実践事例
2.1 日立が取り組むプロダクト事業
2.2 知財マスタプラン(IPランドスケープ)実践事例
2.3 知財マスタプラン(IPランドスケープ)のまとめ
3. デジタルソリューション事業におけるフットプリント拡大した知財活動
3.1 日立IoTプラットフォーム「Lumada」
3.2 デジタルソリューション事業における知財活動
3.3 デジタルソリューション事業を加速する知財活動
4. 新たな知財活動への挑戦
4.1 デジタルトランスフォーメーションと新たな知財課題
4.2 内閣府知的財産戦略本部「知的財産戦略ビジョン」
4.3 IPドリブンイノベーションへ
第3節 ナブテスコの知的財産経営戦略におけるIPランドスケープの実践
1. ナブテスコの紹介
2. ナブテスコの知財経営戦略活動
2.1 知財経営戦略の目的
2.2 知財経営戦略の実行体制
2.2.1 知財経営戦略活動体制と知的財産部の役割
2.2.2 ナブテスコグループ経営における知財経営戦略活動体制(経営者型)
2.2.3 カンパニーでの事業戦略と一体的な知財戦略活動(経営コンサル型)
2.2.4 事業競争力を強化する知財武装活動(知財管理者(特許事務所)型)
3. ナブテスコのIPランドスケープの活動内容
3.1 IPランドスケープの定義
3.2 IPランドスケープの事業戦略への活用(新事業の探索や開発テーマの妥当性検証)
3.3 IPランドスケープの経営戦略での活用(技術市場の見える化とM & A候補会社探索)
4. これからの知的財産部の役割(ミッション)
4.1 企業経営におけるIPランドスケープの実践
4.2 顧客(経営者や事業責任者)の立場からの知財情報収集と分析
4.3 技術の理解力と未来の洞察力を活かした事業ビジョンの提言(第4次産業革命)
4.4 知財情報共有と戦略活用
4.5 依頼される存在から,指導的な立場に
第4節 オムロンにおけるIPランドスケープ実践事例
1. オムロンの紹介
2. オムロンにおけるIPランドスケープに対する取り組み
2.1 IPランドスケープの嚆矢:技術資産マネジメント
2.2 出願・権利化業務革新プロジェクト:Compass PJ
2.3 IPランドスケープに関する近時の取り組み:オムロンユニークなIPランドスケープを目指して
3.IPランドスケープを成功に導く5つのポイント
第5節 経営戦略に資する知財・標準化の戦略的活用,知財体制等の取り組み
1. 当社知財部門の役割
2. 知財・標準化戦略を実行する組織体制
3. IP ランドスケープ観点での情報理解
3.1 インフォメーションとインテリジェンス
3.2 IP ランドスケープにおける情報処理の留意点
4. IP ランドスケープの事例紹介
4.1 標準化戦略とオープン・クローズ戦略
4.1.1 標準化情報基盤の構築
4.1.2 標準化戦略をコアとしたIP ランドスケープ
4.2 アライアンスと出口戦略
4.3 技術動向分析
4.4 提携スタートアップ選定
4.4.1 スタートアップの特許ポートフォリオ解析
4.4.2 チームメンバーの専門性解析
4.4.3 対他競争力分析
5. これからの知財部門の役割
第6節 昭和電工におけるIP ランドスケープ実践事例
~自社内組織改革とIP ランドスケープの取り組み~
1. IP ランドスケープの実践
1.1 昭和電工におけるIP ランドスケープ
1.2 IP ランドスケープの取り組み
2. 情報分析部門の設立
2.1 設立の経緯と狙い
2.2 設立当初の悩み
3. 非特許情報の活用促進
3.1 情報調査部門の連携強化
3.2 社外活動への参加と情報収集
4. 社内啓蒙活動
4.1 社外専門家を招いての啓蒙活動
5. 活用事例の紹介
5.1 既存材料の用途探索
5.2 アライアンス先の探索
5.3 事例からの学び
6. IP ランドスケープの将来像
6.1 人工知能の活用によるIP ランドスケープの将来像
第7節 リコーにおけるIPランドスケープ実践事例
1. リコーを取り巻く事業環境と成長戦略
2. 基盤事業の知財戦略と知財情報解析
3. 新たな事業における知財戦略とIPランドスケープ
4. IPランドスケープの進化
4.1 知財情報から新たな事業を探索
4.2 知財情報を使って協業候補企業を評価
4.3 知財情報から新たな商品利用ニーズを探索
第8節 スタートアップにおけるIPランドスケープ実践事例
1. 本パートの目的
2. スタートアップに必要な知財戦略
3. 知財戦略による企業価値の上げ方
3.1 知財戦略で市場を独占できる環境を整備する
3.2 知財戦略で優位なエコシステムを形成する
3.3 知財戦略で魅力的なプロモーションを行う
3.4 応用:相互連携
4. スタートアップ事例紹介
4.1 株式会社オプティムの事例
4.2 株式会社ウフルの事例
5. 資金調達に知財戦略を活用
6. 注意事項
7. 大企業のDX新規事業への応用
第9節 外部専門家の利活用のすゝめ
◇第3章 IPランドスケープ実践に向けた在り姿◇
第1節 研究会を通じた教育実践と海外の動き
1. 定点観測法にてIP Landscapeを自ら学ぶ
1.1 巨人の肩にのって
1.1.1 定点観測法にて得られた文献
2. IP Landscapeの予兆らしきモノ
2.1 World Patent Information誌にも2010年までに報告されている
2.2 IP Landscapeは進んだ事務所から
2.3 IP LandscapeをSCOPUSにて検索すると
2.4 IP Landscapeを世界特許情報データベースにて検索すると
3. IP Landscapeの必読資料
3.1 IP Landscapeの潮流
3.2 IP LandscapeとFTO調査の比較
4. 自主的なSDIテーマ(空飛ぶタクシー)によるIP Landscape研究
4.1 空飛ぶタクシーのIP Landscapeのプロセス
4.2 空飛ぶタクシーの主要プレーヤーの特許を調べる
4.3 非特許情報と特許情報の両者を調べる
4.3.1 GoFlyコンテスト
4.3.2 日本のCARTIVATOR社の動き
4.3.3 Droneスクールにて体感する
4.3.4 日本のキーエンス社の特許
4.4 全体のIP Landscape図を描く
4.4.1 XLPATでIP Landsapeを描く
4.4.2 ANAQUAでIP Landscapeを描く
4.4.3 Derwent InnovationでIP Landscapeを描く
4.4.4 PatentSightでIP Landscapeを描く
4.5 CARTIVATOR社の実証試作機の予測を試みる
第2節 特許事務所での教育実践
1. IPランドスケープとは何か?
1.1 ビジネスと知財の意外な関係
1.2 IPランドスケープとはどのようなものか?
2. IP ランドスケープに向けた活動経緯
2.1 調査グループの歴史
2.2 教育の実践
第3節 コンサル会社での教育実践
1. IPランドスケープスキル
2. 解析教育OJTの目的,事前検討,修得スキル
2.1 解析教育OJTの目的
2.2 解析教育OJTの事前検討
2.3 解析教育OJTのスキル修得
3. 解析教育OJTの解析手法例,指導方針,進め方
3.1 解析手法例
3.2 指導方針
3.3 進め方
4. 解析教育OJT評価
4.1 評価指標
4.2 評価項目と配点
4.3 評価フィードバック
5. 解析教育OJT実践での気付きや示唆
5.1 全体を通しての気付きや示唆
5.2 組織・体制についての気付きや示唆
5.3 企業内担当者についての気付きや示唆
5.4 企業内担当者が更に成長するための気付きや示唆
◇第4章 IPランドスケープ実践のための各種スキル◇
第1節 母集団設定と特許マップ活用基礎編
1. IPランドスケープの目的とアプローチ
2. 知財情報分析の前提
2.1 特許データベースと特許母集団の設定
2.2 母集団の設定
3. IPランドスケープを始めよう
4. IPランドスケープとはどのようなものか?
(1)着目分野における主要プレーヤ(及びその時系列)
(2)着目分野における技術分類(及びその時系列)
(3)発明者を切り口とした分析
(4)被引用状況を切り口とした分析
(5)着目会社と比較会社の件数比較(コンパラ)分析
(6)アイランドMAP
(7)周辺特許分析による新規用途・応用分野の探索
5. IPランドスケープの活用事例
第2節 特許マップ活用上級編
1. ドローンを対象にしたIPランドスケープ
1.1 より良いIPランドスケープを行うために
(1)はじめに
(2)「調査対象」の特定
(3)「特許文献の母集団」を作成
1.2 ドローン事業において今後重要になる可能性がある技術を探る
(1)はじめに
(2)ドローン開発企業の特許出願の主な特徴
(3)ドローン事業において,今後重要になる可能性がある技術
(4)まとめ
2. 5G技術に関するIPランドスケープ適用事例
2.1 IPランドスケープによる企業評価への影響を探る
(1)はじめに
(2)5Gの現状 (調査対象国:特許文献は日本・米国・欧州・中国等の文献)
(3)本格運用までの技術的な課題2)
(4)特許申請から見た5Gの技術動向
(5)まとめ(企業評価にかえて)
2.2 IPランドスケープによる技術融合の可能性を探る
(1)はじめに
(2)IPランドスケープによる「場の提供」
(3)自動車技術の動向(Connected Carを例に)
(4)Connected Carにおける出願状況(5Gとの関係を含めて)
(5)まとめ
第3節 営業視点を反映した知財情報解析の実践
1. 早稲田大学エクステンションセンター知財情報解析講座について
2. 営業視点を反映した知財情報解析の実践
2.1 営業視点と知財情報分析
2.2 何故営業視点が重要なのか
2.3 知財情報解析の必要性
3. 知財解析における視点
3.1 目的や分析対象と視点
4. 伝え方
5. 本講座での実践例:サンスター(歯ブラシ×IoT)
5.1 現状把握
5.1.1 会社概要理解
5.1.2 既存商品群の整理
5.1.3 自社技術確認
5.2 競合との優位性比較
5.2.1 技術の特徴把握
5.2.2 技術優位性検証
5.3 商品企画
第4節 研究開発に生かす社内知財コンサルティング事例
1. 企業内IPランドスケープ担当者として,どう取り組むか?
2. 積水化学工業株式会社・知的財産グループの紹介(戦略知財活動)
3. IPランドスケープの活用事例:新規事業検討
4. 担当者としての基本スタンス:「転ばぬ先の杖」
5. 組織的な扱い:本質的にはリスクマネジメント
6. IPランドスケープをどこへ提供するか?:社内の3つの顧客
第5節 ビジネスモデルにおけるIPデザイン
1. IPデザインの出発点
2. IPデザインについて
3. VIPMAPについて
3.1 VIPMAPとは
3.2 VIPMAPの作成方法
4. VIPMAPを作成する際の補足事項
4.1 VIPMAPのレイヤ構造について
4.2 IPサブレイヤについて
4.3 IPレイヤの「排他力」・「吸引力」
4.4 ICT対応型のVIPMAP
5. VIPMAP活用事例
5.1 Uberのライドシェアリングビジネス分析
5.2 新規事業検討~本講座でのグループワークテーマから
第6節 商標情報を活用した中国IT企業の動向俯瞰の試みと新結合に関する考察
1. 要旨
2. はじめに・背景
3. 商標情報活用事例1:ニース分類の活用(Baidu社、Alibaba社、Tencent社)
4. 商標情報活用事例2:出願国情報の活用(Didi社)
5. 商標情報活用事例3:共起情報の活用(商標共起マトリックス)
5.1 新規ビジネス発想支援
5.2 イノベーション論の観点からみた商標共起マトリックス
6. まとめ
第7節 IPランドスケープ2.0
1. 知財情報戦略
2. 「仮説検証の積上」の実践事例
3. 「論点のゴール」設定とIPランドスケープ2.0
4. 業界潮流
4.1 新潮流等の例
4.2 新潮流等把握に有効な4つのアプローチ
5. 「論点のゴール」設定/戦略提言
5.1 自社立ち位置確認/「論点のゴール」設定
5.2 自社ポジション分析
5.3 攻め筋/脅威抑制策の提言
6. IPランドスケープ2.0(まとめ)
7. コア事業を複数保有する大手企業向けの留意点
第8節 IPランドスケープの成果最大化に向けた序論