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レポートナンバー 0000024151

凝集体の抑制と材質設計を意識したバイオ医薬品に適したプレフィルドシリンジ開発

サイエンス&テクノロジー株式会社

〜安定したバイオ医薬品用PFS開発に要求される品質事項及び部材/製品の開発から市販後対応、タンパク質凝集の研究事例の紹介〜

発刊日 2019/08/27

言語日本語

体裁B5/179ページ

ライセンス/価格179ページ

0000024151

B5版 40,700 円(税込)

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レポート概要

<< 本書のポイント>>

■ 医療市場におけるプレフィルドシリンジの状況
自己投与課題と医療製品製造業者でのGMP&QMS管理

■ プレフィルドシリンジの日欧米の規格試験
  ~医薬品規制調和の状況と相違点とは~

医薬品の安全基準は、日欧米共に薬局方で規制されている。
しかし、欧米は基本的コンセプトと安全基準にかなり共通点が多いが、 日本は欧米との相違点が多々あり、課題が多いのが現状である。
※本書より抜粋

■ プレフィルド化したバイオ医薬品において
 考慮すべき課題と要求される品質部材
  ~シリンジを製造する立場からの具体的な開発事例~

医薬品市場全体に対するバイオ医薬品の比率は年々高まりつつある。
バイオ医薬品の安全性に対する関心が、より一層強まり安全、安定な 製剤の供給が求められる。PFS剤型ではアンプル品・バイアル品と 異なり投与器材と薬液の接触時間が著しく長い。そのためPFS製剤に おいては、部材が薬液に与える影響を考慮する必要がある。
※本書より抜粋

■ シリンジ材質に求められる容器材質と包装設計の流れ
  ~基本要件と薬剤特性に合わせて~

プレフィルドシリンジをはじめとする医薬品は「有効性」と「安全性」の 本質的な価値を基本に、「使いやすさ」「安心感、信頼性」、 「使用に関する情報」が付加的な価値として積み重なったものであると いわれている。使用するシリンジの選択においても上記の基本要件を 満たすものであることを確認する必要がある。
※本書より抜粋

■ 「抗体製剤アクテムラ」の開発事例
  ~市販後-適正使用と実際のクレーム報告~

デバイス開発は、対象となる疾患の特徴的病態や患者の年齢層、実際に 使用される医療者や自己注射する患者自身,更にはその家族が使いやすく 安全であることが重要であり、かなり早い段階から検討を進めなければ ならない。デバイス開発において、各企業の開発者、設計者の役割は 大きいと考える。
※本書より抜粋

■ 医師から見たプレフィルドキット製剤の使いやすい点、改良が必要な点
  ~ミスに気づきエラーを予防するには~

人は必ずミスをする。そのためミスを犯してもそれに気づくシステム作り こそが重要となる。投薬ミスをなくすデザインだけではなく、その包装に おいてもミスをなくすための最低限の情報の記載が必要となる。
※本書より抜粋

■ バイオ医薬品の凝集体の発生メカニズムと抑制のためのポイント
  ~製剤の安定化へ~

今後、PFSタイプのバイオ医薬品が増加することが想定される。
バイオ医薬品の製造や保管中における凝集体の発生が課題として 認識され、凝集体と免疫原性の関係が徐々に理解されるに従い、 凝集体の抑制が求められるようになってきた。
※本書より抜粋

■ バイオ医薬品の凝集体の最小化
  ~抗体医薬品の凝集体除去および凝集化抑制に実用されている既存技術,
   新たな凝集体除去/凝集化抑制技術の開発動向の紹介~

凝集体の適切な評価と管理は、有効性と安全性が保証されたバイオ 医薬品の開発製造にとって不可欠となっている。バイオ医薬品の有効性と 安全性を保証するために、凝集体の最小化は最優先すべき課題である。
プレフィルドシリンジ製剤を含めて高濃度バイオ医薬品に対する需要は 今後拡大していくことが予想される。
※本書より抜粋

■ バイオプロセス(抗体生産CHO細胞系)構築を目的とした抗体凝集化機構の理解と制御
  ~タンパク質凝集事例~

近年抗体医薬品市場は急速に拡大しており、安全性の高い高品質な 抗体医薬品を生産するプロセス開発は社会的ニーズであると言える。
抗体医薬品の製剤溶液中に含まれる凝集化抗体が問題視されるように なってきたが細胞培養プロセスにおける抗体凝集化機構の包括的な 理解はすすんでいない。
※本書より抜粋

レポート詳細

著者

製剤開発アドバイザー 渡邊 英二
西包装専士事務所 西 秀樹
テルモ(株) 上田 努
(株)大塚製薬工場 武田 光市
中外製薬(株) 髙野 淳一
中外製薬(株) 渡邉 勝博
中外製薬(株) 伊藤 毅
中外製薬(株) 山中 祐治
中外製薬(株) 中曽根 彩子
中外製薬(株) 横山 大輔
中外製薬(株) 山下 勝久
中外製薬(株) 加藤 博之
中外製薬(株) 長島 秀之
帝京大学医学部附属病院 佐々木 翼
帝京大学医学部附属病院 田村 奈保子
大阪大学大学院 内山 進
(国研)産業技術総合研究所 本田 真也
(国研)産業技術総合研究所 千賀 由佳子
徳島大学 鬼塚 正義

目次

第1章 プレフィルドシリンジ/キット製品の最新情報と今後の課題
 はじめに
 1.医療市場におけるプレフィルドシリンジの現状
 2.蛋白凝集の課題
 3.プレフィルドシリンジの容器完全性試験について
  3.1 高電圧リーク試験法
  3.2 ヘッドスペース気体分析試験法
  3.3 真空圧力差法
 4.プレフィルドシリンジの自己投与について
 5.医療製品製造業者のGMP & QMS管理について
 6.個別医療におけるプレフィルドシリンジの役割

第2章 プレフィルドシリンジにおける3極(日欧米)の薬局方の規制と規格試験
 はじめに
 1.日欧米の薬局方
 2.薬局方の国際調和会議体
  2.1 三薬局方検討会議 (PDG:Pharmacopoeial Discussion Group)
  2.2 ICH (医薬品規制調和国際会議)
 3.医薬品容器包装の材料
 4.プレフィルドシリンジの構成と使用材料
 5.プレフィルドシリンジの承認申請の取り扱い
 6.日本薬局方(JP)の規制
  6.1 医薬品医療機器等法
  6.2 日本薬局方の構成
  6.3 製剤包装通則
  6.4 参考情報 (JP G項)
  6.5 プラスチック製水性注射剤容器 (JP 7.02 1項)
  6.6 プラスチック製医薬品容器の規格 (7.02 2項)
  6.7 注射剤用ガラス容器の規格
  6.8 シリコーンの基準
  6.9 新規材料の生物学的試験
  6.10 シリンジに関するJIS及びISO規格
  6.11 産業界の対応例
  6.12 食品包装用樹脂のPL制度化状況
  6.13 医療樹器における滅菌の現状
   6.13.1 ISO及びJIS規格
   6.13.2 滅菌医療機器包装ガイドラインと通達
   6.13.3 医療機器の滅菌手法
 7.米国薬局方 (USP)
  7.1 法体系
  7.2 注射器用エラストマー(381)
  7.3 材料の規格 (661)
  7.4 容器の性能規格(671)
  7.5 USP 1663とUSP 1664
 8.欧州薬局方(EP)
  8.1 法体系
  8.2 材料の規格(3.1項)
  8.3 容器の規格(3.2項)
  8.4 単回使用プラスチック製注射器の規格
  8.5 EPの改正の動き
 9.日欧米3極のプレフィルドシリンジ規制のまとめ

第3章 プレフィルドシリンジの材質特性と設計 ~設計時の留意点や必要な試験項目について~
 はじめに
 1.バイオ医薬品のプレフィルド化
  1.1. バイオ医薬品をプレフィルド化するメリット
  1.2. プレフィルド化したバイオ医薬品において考慮すべき課題
  1.3. バイオ医薬品に適したプレフィルドシリンジ
  1.4. プレフィルドシリンジの部材名
 2.バレル材料
  2.1. バレル材料における試験項目
  2.2. ポリプロピレン
  2.3. シクロオレフィンコポリマー
  2.4. シクロオレフィンポリマー
 3.プランジャーストッパー材料
  3.1. プランジャーストッパー材料における試験項目
  3.2. ブチルゴム
  3.3. 熱可塑性エラストマー
  3.4. 摺動性を確保するためのバレルとの適合
 4.チップキャップおよび針シールド材料
  4.1. チップキャップおよび針シールドにおける試験項目
 5.注射針材料
  5.1. 注射針における試験項目
 6.テルモ(株)におけるバイオ医薬品に適したプレフィルドシリンジ開発の事例
  6.1 シリコンオイルフリー
  6.2 プラスチックシリンジ
  6.3 バイオ医薬品酸化の対策
   6.3.1 酸素透過への対策
   6.3.2 滅菌方法の影響
 おわりに

第4章 プレフィルドシリンジのデザイン

【第1節 プレフィルドシリンジの容器包装設計】
 はじめに
 1. シリンジ部材への基本要件
  1.1 容器設計段階における安全性評価
  1.2 完全性評価
  1.3 プラスチック製バレルへの基本要件
  1.4 ガスケット及びトップキャップへの基本要件
  1.5 シリコーン油への基本要件
 2. シリンジバレル材質と薬剤の適合性
  2.1 ガラス製シリンジバレル
  2.2 ポリプロピレン製シリンジバレル
  2.3 環状ポリオレフィン製シリンジバレル
 3. ガスケット及びトップキャップの材質と薬剤適合性
  3.1 ブチルゴム製ガスケット(塩素化ブチル,臭素化ブチル)
  3.2 テフロンコート製ガスケット
 4. 容器包装設計
  4.1 適合性
  4.2 ガス透過性
  4.3 水分損失
  4.4 光安定性
  4.5 容器包装設計のステップ
  まとめ

【 第2節 製薬企業から見たプレフィルドシリンジ・デバイスの安全性
     ~実際の報告事例と適正使用に向けた企業活動~】
  はじめに
  1. 製品紹介 抗体製剤アクテムラとは
  2. 皮下注製剤開発経緯とPFS・AI
  3. 自己注射の適用
  4. PFS、AIの使い方
  5. クレーム報告の実際
  6. 報告事例への対策と結果
  7. 適正使用情報と安全対策活動
  おわりに ~期待されるデバイス~

【第3節 医師が考える使いやすく、現場で求められているプレフィルドキット製剤のデザイン】
  はじめに
  1. プレフィルドキット製剤の一般的な特徴
  2. 実際に使われているプレフィルドキット製剤の利点/改良すべき点
  2.1 ダブルバッグ製剤
  2.2 カリウム製剤
  2.3 昇圧剤・鎮静剤
  2.4 医療用麻薬製剤
  おわりに

5章 バイオ医薬品における安全性向上と効果的なプレフィルドシリンジ製剤の供給に向けて

【第1節 タンパク質の凝集の抑制と製剤の安定化へ
    ~プレフィルドシリンジにおける凝集体の発生メカニズムと抑制~】
  1.はじめに
  1.1. バイオ医薬品で発生する凝集体の特性と定量
  1.2. バイオ医薬品で発生する凝集体が免疫原性に与える影響
  2.バイオ医薬品の凝集体発生経路と関連する因子
  2.1. 分散性とコロイド安定性
  2.2. 変性と構造安定性
  2.3. 界面変性
  3.PFSにおける凝集体発生に関与する項目
  3.1 ヘッドスペース
  3.2 シリコンオイル塗布
  3.3 落下衝撃と振とう
  3.4 押出による投与
  3.5 製造や保管時の酸化
  3.6 凍結
  4.注射用水(WFI)を充填したプレフィルドシリンジ(PFS)における注意点
  おわりに

【第2節 バイオ医薬品の凝集体の最小化 ~抗体医薬品の凝集体除去と凝集化抑制】
はじめに
 1 バイオ医薬品の凝集
 1.1 規制当局の警鐘と推奨
 1.2 凝集体の定義と分類
 1.3 凝集体の発生と原因
 1.4 タンパク質の安定性
  1.4.1 コロイド安定性
  1.4.2 コンフォメーション安定性
  1.4.3 化学的安定性
  1.4.4 生物学的安定性
  1.4.5 熱力学的安定性と速度論的安定性
 1.5 凝集化のメカニズム
  1.5.1 タンパク質のフォールディング
  1.5.2 凝集化のモデル
 1.6 凝集体の分析法
 1.7 凝集体の除去
  1.7.1 クロマトグラフィーによる抗体医薬品凝集体の除去
  1.7.2 膜分離による抗体医薬品凝集体の除去
 1.8 凝集化の抑制
  1.8.1 抗体医薬品の開発と製造における凝集化抑制対策
  1.8.2 添加剤によるバイオ医薬品の安定化
 2 抗体医薬品の凝集体に関する新たな技術の開発
  2.1 人工タンパク質を用いた抗体医薬品の凝集体除去と凝集化抑制
  2.1.1 非天然型構造抗体を認識する人工タンパク質
  2.1.2 人工タンパク質を固定化したビーズによる凝集体の選択的除去
  2.1.3 さまざまなストレスによって生じた凝集体の除去
  2.1.4 人工タンパク質固定ビーズによる除去処理後の凝集体の成長
  2.1.5 凝集前駆体の除去による長期間の保管中の凝集化抑制
おわりに

【第3節 培養プロセスにおける凝集形成と制御について ~抗体生産CHO細胞を中心に~】
 はじめに
 1.細胞培養プロセスにおけるタンパク質凝集のケーススタディー
   1.1 培養液中(細胞外)におけるタンパク質凝集
   1.2 宿主細胞内におけるタンパク質凝集
   1.3 タンパク質凝集に関連した報告
 2.CHO細胞培養プロセスにおける凝集抗体の形成機構
   2.1 ケミカルシャペロン添加による難発現性抗体の凝集抑制の試み
   2.2 凝集抗体のN-型糖鎖構造解析
   2.3 抗体生産CHO細胞における凝集抗体の分泌仮説
   2.4 培養プロセスにおける凝集抗体の構造的特徴
   2.5 CHO細胞培養プロセスにおける凝集抗体形成に関する考察
 おわりに

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