世界中の市場調査レポートを販売!当社に無いレポートもお探しします。

レポートナンバー 0000030694

微生物を用いた発電および水素生産

株式会社シーエムシー出版

Electricity Generation and Hydrogen Production Using Microorganisms

発刊日 2021/11/15

言語日本語

体裁B5/245ページ

ライセンス/価格245ページ

0000030694

書籍版 63,800 円(税込)

無料サンプル

  • サンプルはお問い合わせください。

ポイント

微生物の働きにより、次世代主要エネルギーの「電気」や「水素」を生産!
クリーンエネルギー生産とともに環境浄化も行える究極のエコシステム!
微生物の発電・水素生成メカニズム、燃料電池化・プラント化に向けた最新知見を収載!

レポート概要

【刊行にあたって】

 地球温暖化の第一の原因は、化石燃料の燃焼に伴い発生するCO2と言われております。現代社会は一次エネルギーの80%以上を石油などの化石燃料に依存しており、それらの大量使用が温暖化を引き起こしているのです。そこで化石燃料に代わる一次エネルギーの利用拡大が望まれており、バイオマスの有効利用がその一翼を担うと期待されています。
 バイオマス廃棄物の中でもウエット系の廃棄物(食品廃棄物や家畜糞尿など)の処理とエネルギー利用には、微生物プロセスが適しています。従来技術としてメタン発酵を利用した嫌気消化があり、国内でも普及が図られています。一方、微生物学の進歩に伴い新技術も提案され、それらには電気化学活性菌を用いた発電装置である微生物燃料電池や嫌気微生物を利用した水素発酵が挙げられます。本書では、サステイナブルな社会の実現に貢献する新技術として「微生物を用いた発電および水素生産」を紹介します。本書に紹介するように国内の様々な研究者が取り組む研究課題となっており、今後それら研究の成果が集約され、サステイナブルバイオテクノロジーとして社会実装されることが望まれます。現状では大学の研究者が主な執筆者となっていますが、本書がより多くの企業の関心を引き起こし、産学連携で関連技術が実用化されることを望みます。
(本書「はじめに」より抜粋)

レポート詳細

監修

渡辺一哉

著者一覧

渡辺一哉   東京薬科大学
井上謙吾   宮崎大学
高妻篤史   東京薬科大学
岡本章玄   (国研)物質・材料研究機構;
       北海道大学
二又裕之   静岡大学
加藤創一郎  (国研)産業技術総合研究所
東 雅之   大阪市立大学
尾島由紘   大阪市立大学
藤長愛一郎  大阪産業大学
森田 廣   山陽小野田市立山口東京理科大学
横山 浩   (国研)農業・食品産業技術
       総合研究機構
山下恭広   (国研)農業・食品産業技術
       総合研究機構
渡邉智秀   群馬大学
窪田恵一   群馬大学
吉田奈央子  名古屋工業大学
日比野忠史  広島大学
カビール ムハムドゥル   秋田大学
土屋美愉   東京薬科大学
和久井健司  横浜国立大学
中村一穂   横浜国立大学
谷生重晴   バイオ水素(株);横浜国立大学名誉教授
大西章博   東京農業大学
今井 剛   山口大学
藤井 学   東京工業大学
モハメド エルサマドーニ   東京工業大学
寺本陽彦   (公財)地球環境産業技術研究機構
乾 将行   (公財)地球環境産業技術研究機構
金井 保   富山県立大学
佐藤 剛   神奈川大学
井上和仁   神奈川大学
本田裕樹   奈良女子大学
落合一太   東京薬科大学
川南朱里   東京薬科大学
上田 恵   東京農工大学
ホイロン ミフタフル   東京農工大学;
             現 ジェンバー大学
東城清秀   東京農工大学
黒田桂菜   大阪府立大学大学院
藤井克彦   工学院大学

目次

【第Ⅰ編 発電】
第1章 Geobacter属細菌の発電機構と応用
1 はじめに
2 Geobacter属細菌
3 電極への電子伝達機構
4 Geobacter属細菌による細胞外電子伝達の応用

第2章 Shewanella属細菌の発電機構と応用
1 はじめに
2 Shewanellaの発電機構
3 Shewanellaと電極を利用したバイオテクノロジー
4 おわりに

第3章 病原細菌の発電機構と応用
1 はじめに
2 病原細菌の細胞外電子移動機構
3 バイオフィルム評価技術
4 バイオフィルムにおけるEETの生理的役割
5 おわりに

第4章 負極槽内に形成される微生物生態系の解析
―微生物の電子授受の場における微生物生態系の特徴―
1 はじめに
2 負極槽内の微生物生態系を決定づける因子とは:
それは電極電位
3 より効率的なMFCに向けた微生物生態系のデザインは可能か:
電極電位と細胞外電子伝達の向上による相乗効果
4 微生物群集の構造と機能の関係を電子フローの観点から再考察する:
負極槽の中は微生物電子共生系と捉えた方が良い
5 今後の展望

第5章 電気共生のメカニズムと応用
1 はじめに
2 栄養共生:エネルギー授受にもとづく相利共生
3 電気共生:直接的な電子授受にもとづく栄養共生
4 電気共生の応用利用
5 おわりに

第6章 中枢代謝経路を改変した大腸菌を触媒として用いた微生物燃料電池
1 はじめに
2 大腸菌の中枢代謝経路の欠損株
3 単一遺伝子欠損株の出力評価
4 欠損の重ね合わせによる多重遺伝子欠損株の出力評価
5 電池システムの条件検討によるΔ5株の更なる出力向上
6 バイオ燃料電池との比較
7 おわりに

第7章 微生物燃料電池の閉回路/開回路の繰り返しによる発電力向上
1 はじめに
2 実験方法と解析方法
2. 1 MFCの設計と操作
2. 2 実験条件
3 数理モデル
3. 1 電流の近似式
3. 2 有機物濃度の変化を求める物質収支式
3. 3 拡散層の厚さの算出
4 結果
4. 1 実験結果:CC-OCの繰り返しによる電圧降下の抑制
4. 2 数理モデルによる解析
5 考察
5. 1 CC-OCの繰り返し効果
5. 2 電力向上のためのCCとOCの最適な時間
5. 3 回路の工夫による電力向上
6 おわりに

第8章 多孔質材料を用いた微生物集積化による微生物燃料電池の発電力向上
1 はじめに
2 微生物燃料電池の原理と基本構成
3 微生物燃料電池の課題と解決方法
4 多孔質体“ポーラスα”
5 多孔質体を用いた微生物燃料電池
5. 1 電池の構成
5. 2 電池の評価方法
5. 3 電池の試作評価結果
6 多孔質体を用いた微生物燃料電池の実用化に向けて
6. 1 屋外予備試験
6. 2 フィールド試験
6. 3 多孔質体を用いた微生物燃料電池の湖沼での活用
7 おわりに

第9章 微生物発電を促進する実用的な金属系負極の開発
1 背景
2 発電細菌から負極への電子伝達
3 新しい金属系負極「炎酸化ステンレス鋼電極」
4 炎酸化ステンレス鋼負極を備えたMFCによるアプリケーションモジュールの駆動
5 新規金属電極の網羅的探索
6 おわりに

第10章 生物電気化学システムを応用した含窒素有機性廃水処理
1 はじめに
2 MFCの基本構成と窒素処理の関係
3 槽形式で大別したMFCにおける有機物・窒素処理特性
3. 1 二槽式MFC
3. 2 一槽式MFC
4 新たな生物電気化学的窒素変換経路とその応用

第11章 下水処理型微生物燃料電池のラージスケール化の課題と展望
1 はじめに
2 実用性を判断するパラメータ
2. 1 COD分解速度
2. 2 クーロン効率と電流生産
2. 3 電力量と総エネルギー評価
3 都市下水を処理するラージスケールMFCの種類と課題
3. 1 アノード
3. 2 セパレータ
3. 3 カソード
4 終わりに

第12章 ヘドロ燃料電池の高電力化を考える
―海底泥を燃料とする微生物燃料電池の性能向上のために―
1 ヘドロ燃料電池の構造
1. 1 SMFC(Sediment Microbial Fuel Cells)の発電機構
1. 2 高電力化を拒む3つの機能的構造
2 燃料となる有機泥の特性
2. 1 ヘドロのエネルギー準位
2. 2 微生物による電子生成と電極への電子伝達
2. 3 ヘドロ内での電子伝達
2. 4 有機泥の半導体としての特性
3 SMFC性能の向上
3. 1 自然水中に設置するSMFCの可能取得電圧
3. 2 高電力化の手段①~④
3. 3 アノード層(泥層)の電位低下と有機物の活性化
3. 4 電荷の収支(電荷のつり合い)の考え方
3. 5 電極の接続による電圧,電流の増加
4 SMFCの高電力化

第13章 アオコを利用した微生物燃料電池(MFC)の試み
1 はじめに
2 MFCの原理
3 実験方法
3. 1 アオコの特徴・培養環境
3. 2 ラボスケールでの培養
3. 3 MFC実験
4 実験結果および考察
5 おわりに

第14章 植物を利用した微生物発電
1 はじめに
2 PF-MFCの装置
3 PF-MFCに関与する菌叢
4 おわりに

【第Ⅱ編 水素生産】
第1章 CO2削減率を効果的に増大する菌叢水素発酵
1 はじめに
2 高速水素生産菌を用いた水素生成の現状と課題
3 培地の発酵制御を必要としない菌叢の発見
4 同定した菌叢の乳酸の消費と水素発酵特性の確認
5 乳酸代謝に基づく高速水素生産菌と乳酸利用菌の共培養によるCO2排出削減量の評価
6 おわりに

第2章 Megasphaera属細菌を用いた乳酸駆動型水素発酵
1 はじめに
2 水素発酵の微生物学的な問題点
3 水素発酵法の盲点
4 ゲームチェンジャーMegasphaera elsdeniiの特徴
5 Lactate-driven dark fermentation(乳酸駆動型水素発酵)
6 Megasphaera属の展望

第3章 高度塩分耐性を持つ嫌気性菌による水素生産
1 はじめに
2 実験方法
2. 1 菌叢の採取場所および採取方法
2. 2 バイアル実験
2. 3 測定項目
2. 4 理論的水素生産量
2. 5 水素生産活性試験
2. 6 PCR-DGGE法による菌叢解析と優占種の同定
3 結果と考察
3. 1 初期塩分耐性と水素生産能力について
3. 2 最適F/M比(基質濃度と微生物濃度の比)の把握
3. 3 馴致後の塩分耐性と水素生産能力について
3. 4 Na+イオン耐性及び塩素(Cl-)イオン要求性について
3. 5 PCR-DGGE法による菌叢解析と優占種の同定について

第4章 ナノ材料を活用した嫌気性消化バイオガス生産の効率化
1 はじめに
2 微生物間の電子伝達
3 NMDs特性が嫌気性消化に及ぼす影響
4 まとめ

第5章 セルロース系バイオマスからの高効率水素生産技術の確立に向けた大腸菌水素生産株の改良
1 はじめに
2 水素生成酵素(ヒドロゲナーゼ)の異種発現
3 セルロース系バイオマス由来糖類の利用の検討
4 今後の展望

第6章 超好熱性アーキアによる発酵水素生産
1 はじめに
2 超好熱菌
3 Thermococcus属アーキアによる発酵水素生産
3. 1 Thermococcus kodakarensisを用いたバイオマスからの水素生産
3. 2 T.kodakarensisの水素関連代謝経路の予測
3. 3 遺伝学的手法によるT.kodakarensisの高水素生産株の育種
3. 4 キチンを基質とする水素生産系の構築
4 超好熱菌を用いた発酵水素生産の利点
5 おわりに

第7章 ニトロゲナーゼを利用したシアノバクテリア・光合成細菌による水素生産
1 はじめに
2 光生物学的水素生産
2. 1 水素生産に利用できる酵素
2. 2 光生物学的水素生産に利用できるシアノバクテリアと紅色非硫黄細菌
3 水素生産量向上のための取り組み
3. 1 取り込み型ヒドロゲナーゼの不活性化
3. 2 ニトロゲナーゼにおけるアミノ酸残基置換
4 今後の課題(おわりに)

第8章 光触媒と生体触媒を組み合わせた光駆動型水素生産
1 はじめに
2 無機光触媒と生体触媒とのハイブリッド型反応
3 無機光触媒と野生型の水素生成微生物を用いたハイブリッド系
4 無機光触媒と野生型の大腸菌を用いたハイブリッド系
5 無機光触媒と組換え大腸菌を用いたハイブリッド系
5. 1 大腸菌による[FeFe]-ヒドロゲナーゼ遺伝子の異種発現と菌体反応の利用
5. 2 無機光触媒と組換え大腸菌を用いたハイブリッド系
5. 3 光触媒側の効率改善による高効率な光駆動型水素生産への展開
6 おわりに

第9章 微生物電気分解槽による水素生産
1 はじめに
2 MECの原理と構造
3 水素生産に影響を与える因子
4 関与する微生物について
5 おわりに

第10章 バイオマスからの水素・メタンおよび電気の同時生産技術
1 はじめに
2 加圧熱水法を用いた水素生成菌群の選抜
3 加圧熱水処理した種菌源と原料を用いた水素発酵
4 加圧熱水処理したメタン発酵消化液を還流させる水素-メタン二段発酵
5 水素発酵消化液を原料とする微生物燃料電池

第11章 未活用海産バイオマスの水素・メタン発酵
1 はじめに
2 海産バイオマス利用の背景
2. 1 海藻のエネルギー利用の試み(1970~1980年代)
2. 2 海洋環境保全を目的とした海藻のエネルギー利用(2000年代~)
3 海産バイオマスのメタン発酵
4 海藻の水素発酵
5 おわりに

第12章 発想転換で2050年目標コストをクリアーする栽培海藻による発酵水素生産技法
1 はじめに
2 栽培による収穫可能量・世界のコンブ生産量と日本の生産量
3 コンブバイオマスを原料とした水素生産のコスト試算と開発課題
4 現状の発酵水素生産で2030年目標水素価格を可能にする並行産業
5 おわりに

第13章 消化汚泥を基質とした水素発酵
1 消化汚泥という名の未利用バイオマス
2 消化汚泥分解微生物の探索
3 消化汚泥を分解する酵素
4 分解酵素を用いたバイオガス生産
5 汚泥分解・バイオガス生産菌叢の開発
6 汚泥分解・バイオガス生産菌叢のメンバー解析
7 おわりに

この商品のレポートナンバー

0000030694

このカテゴリのレポート

バイオマス発電・熱利用技術と市場 2020

Biomass Power Generation, Heat Utilization Technology and Market 2020

発刊日2020/06/25 価格 88,000 円(税込)

脱石油に向けたCO2資源化技術

―化学・生物プロセスを中心に―

発刊日2020/07/31 価格 72,600 円(税込)

有機ハイドライド・アンモニアの合成と利用プロセス

Processes for Production and Utilization of Organic Hydride and Ammonia

発刊日2021/04/12 価格 68,200 円(税込)

水素エネルギー利用拡大に向けた最新技術動向

Latest Trends in Technology for Expanding the Utilization of Hydrogen Energy

発刊日2021/12/08 価格 68,200 円(税込)

近未来のデジタルヘルスを支える酵素バイオ技術

〜センサと発電〜

Enzyme Biotechnology Based on Biosensor and Biofuel Cell for Digital Health in the Near Future

発刊日2022/02/17 価格 81,400 円(税込)

クリーンエネルギーの技術と市場 2022

Technology and Market of Clean Energy 2022

発刊日2022/02/05 価格 88,000 円(税込)

水処理・水利用の技術と市場2022

Water Purification and Water-use Business 2022

発刊日2022/07/21 価格 88,000 円(税込)

再生可能エネルギーの開発と市場

Development and Market of Renewable Energy

発刊日2023/01/31 価格 88,000 円(税込)

独立栄養微生物によるCO2資源化技術

CO2 Utilization Technologies with Autotrophic Microorganisms

発刊日2023/12/13 価格 67,100 円(税込)

TOP