目次
第1章 分かりやすいプラズモンの基礎
1. プラズモニクスの概要
1.1 プラズモンとは
1.2 ナノフォトニクスとプラズモニクス
1.3 プラズモニクスの考え方〜SERSを例にあげて
2. 表面プラズモンの基礎
2.1 伝搬型表面プラズモン
2.2 局在型表面プラズモン
2.3 プラズモンの励起方法
2.4 プラズモン励起によって生ずる現象
3. 表面プラズモン応用の概略
3.1 伝搬型表面プラズモン応用例
3.1.1 センサー
3.1.2 プラズモン導波路
3.1.3 受光素子,太陽電池
3.1.4 発光素子
3.2 局在型表面プラズモン応用例
3.2.1 センサー
3.2.2 受光素子
3.3 プラズモニクスと電磁界シミュレーション
3.4 プラズモニクス技術の課題
第2章 主な金属材料とナノ構造の制御
1. 金属材料の特性
1.1 金属の光学的特性
1.2 プラズモニクスと金属材料
1.3 光学特性のサイズや作製手法に対する依存性
2. AuやAgナノ構造の作製
2.1 化学的手法による微粒子の作製
2.2 物理的手法による微粒子の作製
3. 自己組織化によるナノ構造の作製
4. 物理加工によるナノ構造の作製
第3章 FDTD法による電磁界解析
1.基本概念とアルゴリズム
1.1 Yeeアルゴリズム
1.2 計算上の注意
1.2.1 物体のモデル化
1.2.2 波源
1.2.3 セルサイズと時間ステップ
1.2.4 計算機資源
2.吸収境界条件
2.1 Murの吸収境界条件
2.2 PML吸収境界条件
3.電磁界・アンテナ解析
3.1 散乱解析
3.2 アンテナ解析
4.周期構造の取り扱い
4.1 散乱問題
4.2 分散ダイアグラム
第4章 センサ関連〜実用化のための要求仕様/課題/解決策候補等〜
第1節 表面プラズモン共鳴センサ
1. 表面プラズモン共鳴のセンサへの応用
1.1 伝搬型SPRセンサの原理と特徴
1.2 金属ナノ粒子を用いた局在型SPRセンサ
1.3 ナノインプリント基板を用いたSPRセンサ
1.3.1 ナノギャップ周期構造を有するSPRセンサの設計
1.3.2 ナノインプリント法によるセンサ基板作製
1.3.3 ナノギャップ周期構造を有するSPRセンサチップの評価
1.4 導波路型SPRセンサ
第2節 FDTD解析テクニック
1. FDTD法
2. RCWA法
第3節 SPRバイオセンシング
1. バイオセンシング用膜の特性 〜固定化膜の作製、非特異吸着防止手法等〜
1.1 固定化膜作製に重要な3つの要素
1.2 Capture agent(キャプチャーエージェント)
要求される技術:アナライトに対する特異性、親和性、非特異吸着防止能、サイズなど
1.3 Surface chemistry(サーフェイス・ケミストリー)
要求される技術:リガンドの保持能力、配向制御能など
1.4 Surface matrix(サーフェイス・マトリックス)
要求される技術:夾雑物の非特異吸着防止能、リガンドの集積化能、金属薄膜との結合力など
1.4.1 3次元的にリガンドを固定化するデキストラン膜
1.4.2 2次元的にリガンドを固定化する自己組織化膜
2. 夾雑物の含まれた検体の測定 〜前処理技術、夾雑物の影響をいかに除くか〜
2.1 検体の前処理技術
2.2 夾雑物の影響をいかに除くか
3. SPR現象を用いたバイオセンサ応用の一覧
第4節 実用化に向けた現状の課題と解決に求められる材料への要求特性
1. 表面プラズモン共鳴センサの市場、開発企業の状況
1.1 表面プラズモン共鳴センサの開発、市場参入における課題
1.1.1 技術的課題
1.1.2 ビジネス的課題
1.2 表面プラズモン共鳴センサが普及していくストーリー(Biacoreシリーズ以外を含めて)
1.2.1 ハイエンドモデルの低価格化、普及拡大ストーリー
1.2.2 他技術との融合によるSPRセンサの高付加価値化、潜在市場の開拓ストーリー
1.2.3 機能限定によるローコストモデル出現、普及拡大ストーリー
1.2.4 SPRセンサの新たなアプリ展開、身近な装置としての確立ストーリー
第5節 インタラクトーム研究に応えるSPRセンサの最新展開
1. SPRセンサとは
2.SPRセンサにおける分析対象とそれに対応したセンサ表面の分子修飾
2.1 金表面の分子修飾の基本
2.2 タンパク質
2.3 ウィルスと関連物質
2.4 菌体
2.5 糖
2.6 核酸
3. SPRセンサにおける新たな展開と基盤技術
3.1 マルチスポット化-マイクロアレイSPR
3.2 その場反応と高感度化
3.2.1 タンパク質合成反応
3.2.2 DNA伸長反応
3.2.3 多重抗体
3.2.4 金コロイド付加
3.3 その場分析 SPR-MS, SPR-XPS等
3.4 SPR装置の超小型化とナノイメージング
第6節 他技術とSPRバイオセンサとの性能比較表〜検出感度、特徴比較等〜
第5章 LED〜実用化のための要求仕様/課題/解決策候補等〜
1.金属蒸着膜によるLEDの発光増強
1.1 プラズモニクスを利用した高効率発光の原理
1.2 蒸着膜に必要な表面状態〜グレインサイズ、表面ラフネス、膜厚〜
1.3 発光増強を得るために必要な条件〜発光体の形態、金属の選択、金属と発光体との位置関係〜
1.4 具体的な蒸着方法と必要な表面状態を満たさなかった場合に起きる現象
1.5 検討するにあたって必要な周辺技術
2.FDTD解析テクニック〜条件・解析方法・解析事例等〜
2.1 3D-FDTD法によるSPPのシミュレーション
2.2 発光増強におけるSPPの発生・光放出のシミュレーション
2.3 損失を含むSPPの分散曲線の計算
2.4 さらなる高効率化のためのナノ構造の最適化
3.プラズモニックLEDのデバイス開発に向けて
3.1 競合する既存技術および開発中技術との優劣比較
3.2 プラズモニクスを使用したLED開発に向けた現状の課題と解決に求められる材料への要求特性
第6章 プラズモンレーザー〜実用化のための要求仕様/課題/解決策候補等〜
第1節 表面プラズモン・レーザー〜実現のための課題と解決策〜
1. プラズモニック・バンドギャップ・レーザーのメカニズム
2. レーザー発振に向けた課題〜解決に求められる材料・特性等〜
2.1 利得媒質の選択
2.2 吸収損失の低減
2.3 輻射損失の低減
2.4 短距離伝搬型表面プラズモンの抑制
2.5 蛍光分子から長距離伝搬型表面プラズモンへのエネルギー移動の増大
3.SPASER とナノレーザー
第2節 表面プラズモン面発光レーザー
1.プラズモンレーザーのメカニズム
1.1 金属ナノ構造と表面プラズモン
1.2 表面プラズモンの半導体レーザーへの応用
1.3 端面発光型レーザーと面発光レーザー
1.4 面発光レーザーの構造と特長
1.5 表面プラズモン面発光レーザーのコンセプト
2.実用化に向けた課題〜解決に求められる材料・特性等〜
2.1 表面プラズモン共鳴に適した金属材料の選定
2.2 面発光レーザー反射鏡としての表面プラズモンミラー
2.3 金属ホールアレイでの表面プラズモン共鳴
2.4 表面プラズモンミラーの光学的特性
2.5 透過ピーク起源の分析
3.競合する既存技術および開発中技術との優劣比較
3.1 表面プラズモン面発光レーザーのデバイス特性
3.2 表面プラズモン共鳴による特性向上
3.3 表面プラズモンミラーを用いた偏光制御技術
3.4 表面プラズモン面発光レーザーアレイの偏光制御
4.まとめと今後の展望
第7章 有機EL関連〜実用化のための要求仕様/課題/解決策候補等〜
第1節 有機ELの光取り出し技術とその向上
1. 電流注入によって生成された励起子のエネルギーがプラズモンへ移っていくメカニズム
2. 励起子エネルギーに対する表面プラズモンエネルギーと輻射エネルギーの割合
3. 有機EL 素子の金属電極表面におけるプラズモンへのエネルギー損失の低減方法
4. 金属クラスターのサイズ・形態および配列・実現への手順
5. プラズモニック結晶のピッチの設計
6. RCWA法による解析
7. 白色有機EL における光取り出し
8. 大面積金属陰極表面への凹凸構造の導入
9. 競合する技術との比較
第2節 有機EL素子の金属電極表面におけるプラズモンへのエネルギー損失とその低減
1. 有機EL素子における様々な光学現象とその解析方法
2. 低分子系燐光有機EL素子における双極子放射場のパワースペクトル
3. 偏光解析による表面プラズモン損失の影響
4. 表面プラズモン強度の屈折率依存性
第8章 受光デバイス用途光(情報伝送,センシング,イメージング)
1. 表面プラズモンとSiナノフォトダイオード
1.1 受光デバイスのサイズ
1.2 表面プラズモンアンテナ
1.3 シリコンナノフォトダイオード
1.4 ナノフォトダイオードの特性
2. さまざまな受光への応用
2.1 各種フォトダイオード
2.2 長波長光への適用
第9章 薄膜太陽電池におけるプラズモニクスによる高効率化
1. 薄膜太陽電池における高効率化のメカニズム
2. プラズモニック太陽電池の研究動向
3. 金属微粒子の最適なサイズ・形態・配列法とその実現方法
4. FDTD解析による金属ナノ構造の解析・最適化
第10章 ディスプレイ関連〜表面プラズモン共鳴を使ったカラーフィルタ〜
1.表面プラズモンのカラーフィルタへの応用可能性の検討
1.1 従来技術の課題
1.2表面プラズモン共鳴を利用したカラーフィルタ
2.液晶ディスプレイ用カラーフィルタ〜設計・試作、光学評価〜
2.1 アルミニウムホールアレイによる表面プラズモン励起
2.2 3次元FDTD法によるシミュレーション
2.3 電子ビーム描画と反応性イオンエッチングによるAlホールアレイ形成技術
第11章 表面増強ラマン散乱を利用した検出法
1. ラマン散乱と表面増強ラマン散乱
2. 特徴
3. メカニズムと増強効果
4. 表面増強ラマン散乱を示す構造設計法
5. ナノ構造の作製例
6. 応用分野
7.他の手法との比較とまとめ
第12章 高密度光記録媒体への応用
1.近接場光を用いた高密度光記録
2.微細積層構造を有する記録媒体と近接場ヘッドに関する検討
3.今後の展開
第13章 プラズモニックメタマテリアル
第1節 メタマテリアルとは 〜その光学特性に関して〜
1. メタマテリアルとは
2. メタマテリアルの特徴
3. 主なメタマテリアルの光学特性
3.1 負屈折現象
3.1.1 負屈折現象
3.1.2 負屈折物質の実現方法
3.2 座標変換媒質
3.2.1座標変換媒質
3.2.2 座標変換媒質の実現方法
第2節 プラズモニック・メタマテリアルの設計
1.負屈折率を示す左手系メタマテリアルの実現
1.1 左手系メタマテリアル(負の屈折率メタマテリアル)とは
1.2 研究の動向
2.メタマテリアルを用いた屈折率制御
2.1 Split-Ring Resonator(SRR)の動作原理
2.2 光周波数領域における金属の特性
2.3 SRRの磁気応答の周波数特性
3.反射抑制素子
3.1 ブリュースター
3.2 異性メタマテリアル
3.3 無偏光ブリュースター素子
3.4 高屈折率物質への応用
第3節 プラズモニックメタマテリアル用途への金属ナノ粒子の合成・分散
1. プラズモニックメタマテリアルを目指した金属ナノ粒子の合成・分散での課題
2. タバコモザイクウイルスを用いた金属ナノ構造の作製
3. ペプチド融合タバコモザイクウイルスを用いた金ナノ粒子列の作製
第4節 応用展開の可能性と現状〜メタマテリアルを用いたレンズ開発動向〜
1. メタマテリアルを用いたレンズ
2. メタマテリアルを用いたレンズの実際
2.1 スーパーレンズ
2.2 Far-fieldスーパーレンズ
2.3 Hyperlens
第14章 海外の研究動向
1. 海外の研究の動き
1.1 アメリカ
1.2 ヨーロッパ
1.3 東アジア
2. 応用展開事例
付録1:特許出願・登録の状況、主な出願者(日本国内外の状況、主たる特許の内容等)
1.プラズモニクス関連特許の分類
2.プラズモニクスに関する日本特許の出願・登録状況について
2.1 全体の出願・登録状況について
2.2 検出に関するプラズモニクス関連特許
2.3 デバイスに関するプラズモニクス関連特許出願
2.4 記録に関するプラズモニクス関連特許
2.5 材料・加工に関するプラズモニクス関連特許
3.プラズモニクスに関する世界の特許の出願・登録状況について
3.1 全体の出願・登録状況について
3.2 検出に関する世界のプラズモニクス関連特許
3.3 デバイスに関する世界のプラズモニクス関連特許出願
3.4 記録に関する世界のプラズモニクス関連特許
3.5 材料・加工に関する世界のプラズモニクス関連特許
4.プラズモニクスに関する特許出願・登録の状況のまとめ
付録2:プラズモニクス応用市場の動向
1.応用市場における現状と今後
2.ナノ光集積回路
3.高密度記録
4.有機薄膜太陽電池
付録3:主な材料の波長依存性データ一覧