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レポートナンバー 0000035043

未培養微生物研究の最新動向

株式会社シーエムシー出版

Recent Trends in Research on Unculturable Microbe (Microbial Dark Matter)

発刊日 2023/04/27

言語日本語

体裁B5/264ページ

ライセンス/価格264ページ

0000035043

書籍版 67,100 円(税込)

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ポイント

地球上に存在する全微生物の99%以上に及ぶ未発見・未利用のまま残されている“未培養微生物”の最新研究を収載!
進展する探索研究や培養・解析技術,様々な分野での有効活用方法,そしてAIをはじめとする最新技術などから多角的にアプローチし,未培養微生物の解明と可能性に迫る!
環境保全,医療,健康,食品,エネルギー分野への利活用に向けて未培養微生物への理解が深まる一冊!

レポート概要

【刊行にあたって】

 従来の微生物培養法では,自然界に存在する全微生物の1%程度しか培養できないことが明らかとなり,その限界が指摘されています。残された99%の未培養微生物は,“微生物ダークマター(Microbial dark matter)”と呼ばれ,国内外で学術,産業面での利活用が期待されています。“自然界に存在する全微生物の1%程度しか培養化できない” 未培養微生物(微生物ダークマター)が生み出す課題や学術的な問いは様々な微生物関連分野(生物工学,農学,環境学,食品学,化学,生物学,薬学,歯学,医学など)において共通の課題になっています。また,発酵化学産業など現在の微生物関連産業は,従来の微生物培養法を基盤に発展してきました(従来法で培養できる微生物を用いて得られた成果とも言い換えることができます)。もしも,残された99%の未培養微生物についても同様の検討ができれば,未解明な有用未培養微生物の機能解析や,それらを活用した新たな食品や化成品の開発や生産(新規有用物質の発見も含む),予防医療(宿主と口腔,皮膚,腸内などの常在菌との相互作用の制御も含む),医薬製造,環境低負荷型の肥料や農薬の生産,バイオ燃料の生産,環境浄化,等のイノベーション創出が期待できます。
 1972年にローマクラブのレポート“The Limit to Growth”が発表され(2022年には新レポート“Earth for All: A Survival Guide for Humanity”が発表),近年,SDGs(Sustainable Development Goals)が誕生し,生命・環境・人間が調和した持続可能な未来社会の創造が必須であることは誰もが共通の認識を持つようになってきています。未培養微生物資源の開拓と利活用はその実現の一つの鍵となる可能性を秘めております(人類が直面している人口増加に伴うエネルギーや食糧の問題,種々の汚染や環境問題,医療問題,地球規模課題の解消やSDGsの達成に貢献できます)。
 この様な背景から,国内外で次世代シーケンサーなどを用いた網羅的かつ大規模な微生物叢の解析や環境ゲノム解析が行われ,それらに基づく微生物の生態や機能の解明が進んでいます(今後は蓄積された膨大なゲノム,遺伝子情報情報の実用的な活用が求められます)。しかしながら,塩基配列だけでは分からない未知の微生物機能や生態の解明や,実用的利用を考えた場合,微生物ダークマターの解析,探索,分離・単離,培養,評価,機能解析,保存および利用に関する新たな技術開発が必要です。さらに,これまで得られたビッグデータと有機的に連携することで未培養微生物の培養化や未知の微生物機能や生態の解明や実用的利用に結びつける研究も重要です(2016年より公益社団法人 日本生物工学会では未培養微生物(微生物ダークマター)資源工学研究部会 (https://www.sbj.or.jp/division/division_mdarkmatter.html)が設立され,ダークマター微生物に関連する研究,基盤技術開発,利用の活性化を目指した活動が行われています)。
 未培養微生物を取り扱うためには,これまで受け継がれてきた手法や考え方のみでは対応できないため,今日まで蓄積してきた知見を活かすと共に,AI (artificial intelligence) 技術,大規模計測技術,データサイエンス等を駆使したり,異分野融合などにより新たな視点・発想を創成し,有効な方法論を開発・活用し,全体を俯瞰するアプローチも必要となります。
 以上の背景を踏まえ,本書では未培養微生物研究の最新動向を俯瞰的に把握することを目的とし,☆ 未培養微生物の探索,☆ 未培養微生物の培養・解析技術,☆ 未培養微生物資源の利用と展望,☆ 最新技術から見た未培養微生物研究,に焦点を当て,本分野を先導し,研究を推進している様々な微生物関連分野の先生方にご執筆をお願いいたしました。
 日本は天然資源が乏しいですが,(未培養)微生物資源は豊富であり,科学的,技術的,産業的にも大きな強みがあると言えます。本書が契機となり,将来,産,官,学,民の研究者や技術者など多くの方々が本分野に興味を持ち,集い,協力し,日本が先導する独創性に溢れる新たな学術や産業が生み出される端緒の一つになれば幸いでございます。

筑波大学
青柳秀紀

レポート詳細

監修

青柳秀紀

著者一覧

青柳秀紀   筑波大学
木村信忠   (国研)産業技術総合研究所
井口晃徳   新潟薬科大学
今井 優   信州大学
春田 伸   東京都立大学
高橋将人   筑波大学
髙野 力   筑波大学(現 北海道大学)
小林和輝   筑波大学
斉藤 諒   筑波大学
長谷川智弘  筑波大学
原田玲奈   筑波大学
青井議輝   広島大学
久富 敦   (国研)理化学研究所
大熊盛也   (国研)理化学研究所
坂本光央   (国研)理化学研究所
片山泰樹   (国研)産業技術総合研究所
井上圭一   東京大学
水谷雅希   (国研)産業技術総合研究所
古賀隆一   (国研)産業技術総合研究所
深津武馬   (国研)産業技術総合研究所;東京大学;筑波大学
柿澤茂行   (国研)産業技術総合研究所
坂元 仁   大阪公立大学;関西大学
町田光史   早稲田大学
中尾洋一   早稲田大学
小西正朗   北見工業大学
細川正人   早稲田大学;bitBiome(株)
平岡聡史   (国研)海洋研究開発機構
三浦信明   新潟大学
大野宗祐   千葉工業大学
竹末信親   アサヒビール(株)
浅川弓希   アサヒビール(株)
鈴木康司   アサヒクオリティーアンドイノベーションズ(株)
野川俊彦   (国研)理化学研究所
植木雅志   (国研)理化学研究所
長田裕之   静岡県立大学;(国研)理化学研究所
西岡友樹   (国研)産業技術総合研究所
玉木秀幸   (国研)産業技術総合研究所;筑波大学
高畑 陽   大成建設(株)
伊藤雅子   大成建設(株)
内野佳仁   (独)製品評価技術基盤機構
木谷 茂   青山学院大学
辻 雅晴   旭川工業高等専門学校
藤井直樹   広島大学
金田一智規  広島大学
大槻隆司   山梨大学
大野博司   (国研)理化学研究所
田村宗明   日本大学
今井健一   日本大学
福﨑英一郎  大阪大学
相馬悠希   九州大学
花井泰三   九州大学
堀之内貴明  (国研)産業技術総合研究所

目次

【第Ⅰ編 未培養微生物の探索】

第1章 メタゲノム法による未知微生物資源の探索
1 はじめに
2 メタゲノム法とは
3 メタゲノムライブラリー作製に利用する環境サンプル
4 メタゲノムライブラリー作製に利用する宿主・ベクター
5 ファンクショナルメタゲノム法のターゲット
6 ファンクショナルメタゲノム法のスクリーニング技術
7 メタゲノム法による未培養微生物資源の探索と技術課題

第2章 新潟市内に自噴する原油とそれらを分解する土着微生物の探索
1 はじめに
2 好気性オクタデカン分解最近の探索
 2.1 新津川土壌試料の好気性オクタデカン分解細菌のコロニー形成率
 2.2 オクタデカン培地でコロニー形成した細菌の16SrRNA遺伝子配列に基づく系統分類
 2.3 新津川土壌試料の16SrRNA遺伝子に基づく微生物群集構造解析
 2.4 新規なn-アルカン分解細菌
3 嫌気性オクタデカン分解細菌の探索
 3.1 新津川底泥試料を植種とした嫌気性処理(メタン発酵)法による嫌気性オクタデカン分解細菌群集の集積培養
 3.2 オクタデカン処理メタン発酵リアクターの微生物群集構造解析
 3.3 アルキルコハク酸シンターゼをコードするassA遺伝子の多様性
4 おわりに

第3章 線虫共生細菌を利用した有用抗生物質探索研究
1 はじめに
2 未利用微生物資源の抗生物質探索研究への利用
3 昆虫病原性細菌Photorhabdus属およびXenorhabdus属細菌をスクリーニング源とした抗生物質探索研究
 3.1 Photorhabdus属およびXenorhabdus属細菌の生活環と二次代謝産物生産
 3.2 種特異的活性を指標としたスクリーニング系の導入
 3.3 Photorhabdus属およびXenorhabdus属細菌から発見された有用抗生物質
  3.3.1 - ダロバクチン(グラム陰性細菌に特異的な活性を示す抗生物質)
  3.3.2 - イヴィバクチン(結核菌に特異的な活性を示す抗生物質)
4 新しい抗生物質探索源としての線虫共生細菌

第4章 未発見微生物の探索
1 はじめに
2 熱力学的探索
 2.1 高還元物質を利用する反応
 2.2 酸化毒性のある物質を利用する反応
 2.3 鉱物を利用する反応
 2.4 クロロフィル/バクテリオクロロフィルを利用する反応
 2.5 補助的なエネルギー利用
 2.6 複数反応の組み合わせ/種間相互作用を利用する反応
3 系統学的探索
 3.1 機能遺伝子の分子系統解析からの示唆
 3.2 メタゲノムアセンブルゲノムからの示唆
 3.3 系統関係からの示唆
4 生態学的探索
 4.1 中温性菌と好熱性菌
 4.2 淡水性菌と海洋性菌
 4.3 好酸性菌,好中性菌,好アルカリ性菌
5 増殖学的探索
 5.1 好低栄養
 5.2 低速増殖
 5.3 接触刺激
 5.4 その他
6 おわりに

【第Ⅱ編 未培養微生物の培養・解析技術】

第1章 従来の微生物培養法の特性:問題点と新たな培養法の提案
1 はじめに
2 微生物の平板培養法の特性:問題点と新たな培養法の提案
3 振盪フラスコ培養法:問題点と新たな培養法の提案
4 その他の新たな微生物培養法
5 おわりに

第2章 難培養性微生物を対象とした分離培養技術の革新
1 はじめに
2 分離培養手法におけるイノベーション
 2.1 環境模擬
 2.2 特定のターゲットを物理的に濃縮し分離する方法論
 2.3 微細加工技術を利用した培養手法
 2.4 マイクロドロップレットを利用した分離培養手法
3 まとめ

第3章 ヒトの口腔・腸内細菌叢における共培養を必要とする菌株の分離・培養技術
1 はじめに
2 口腔内細菌の共培養技術
3 シデロフォアを用いた培養
4 メンブレンフィルター法を用いた共培養
5 コハク酸を用いた培養
6 健康を促進する細菌種の培養技術
7 おわりに

第4章 新門Atribacterota細菌の分離培養と生理生態
1 はじめに
2 Atribacterota門の名称の変遷
3 Atribacterota門細菌の培養戦略
4 Atribacterota門細菌RT761株の細胞構造
5 RT761株ゲノムの特徴
6 Atribacterota門OP9の生理生態
7 おわりに

第5章 ロドプシンを用いた光受容と新奇シゾロドプシンファミリー
1 ロドプシンとは
2 アスガルドアーキアのロドプシン
3 シゾロドプシンのH+輸送機構
4 好熱性アーキアのシゾロドプシン
5 今後のシゾロドプシン研究

第6章 細菌の全ゲノムクローニングと未培養細菌への応用
1 未培養微生物のゲノム
2 細菌のゲノム合成と全ゲノムクローニング
 2.1 長鎖DNAの合成と全ゲノムクローニング
 2.2 ゲノム移植
 2.3 人工ゲノム細菌の作製
 2.4 細菌ゲノムの最小化
 2.5 その他の生物の全ゲノム合成や全ゲノムクローニング
3 未培養な昆虫共生細菌
4 未培養細菌の全ゲノムクローニング
5 全ゲノムクローニングが作る未来の展望

第7章 微生物制御における損傷菌の問題と培養不能生存菌・未培養菌との比較論
1 はじめに
2 自然環境下での損傷とVBNC状態
3 VBNC状態とは何か
4 未培養菌について

第8章 海綿における微生物共生系を支えるメカニズムの理解にむけた海洋微生物叢とその二次代謝産物プロファイルの解析
1 はじめに
2 海綿の共生微生物叢
3 海綿の共生微生物と二次代謝産物の生合成
4 ケミカルコミュニケーション手段としての二次代謝産物と共培養による二次代謝産物の生合成
5 海綿における共生微生物系を支えるメカニズムの理解に向けた難培養性共生微生物の培養法開発
6 おわりに

第9章 機械学習を活用した培地分析および探索の未培養微生物への適用可能性
1 はじめに
2 メタボローム解析技術の利用
3 統計学的手法を活用した培地設計
4 未培養微生物への統計学的培地最適化の適用可能性
5 おわりに

第10章 未培養微生物を活用するためのシングルセルゲノム解析
1 未培養微生物のゲノムデータが拓く未来
2 未培養微生物のゲノム解析
3 Metagenome-Assembled Genome(MAG)の獲得法と特徴
4 Single―Amplified Genome(SAG)の獲得法と特徴
5 SAG の精度や取得効率を向上させるための技術群
6 SAGの品質を高めるデータ解析技術
7 ターゲットを定めてSAGを回収する
8 おわりに

第11章 原核生物・ウイルスが持つエピゲノム機構とその系統網羅的解析
1 原核生物・ウイルスが持つエピゲノムの特徴
2 原核生物・ウイルスにおけるDNA化学修飾の機能
3 エピゲノム検出技術とPacBioシーケンサ
4 メタエピゲノム解析の概要
 4.1 微生物叢サンプリングとDNA抽出
 4.2 PacBio シーケンサによるショットガンメタゲノムシーケンシング
 4.3 メタゲノムアセンブリとビニングによるmetagenomic assembled genome(MAG)作成
 4.4 PacBioリードのMAGへのマッピングと修飾推定
 4.5 修飾モチーフの推定
 4.6 DNA化学修飾酵素の同定
5 環境細菌叢を対象としたメタエピゲノム解析
6 原核生物・ウイルスエピゲノム研究の展望

第12章 メタプロテオミクスによる疾患機序解明とバイオインフォマティクスにおける課題
1 序論
2 疾患機序解明におけるメタプロテオミクスを用いた菌叢解析
 2.1 1 型糖尿病
 2.2 人工呼吸器関連肺炎(VAP)
 2.3 多剤耐性腸内細菌科細菌(MRE)を有する白血病患者
3 質量分析を用いたメタプロテオミクスについての課題とその克服
 3.1 メタプロテオミクス解析のためのタンパク質アミノ酸配列データベース
 3.2 大規模な配列データベースを用いることによる解析上の課題
4 おわりに

第13章 成層圏微生物採取実験 Biopauseプロジェクト
1 生物圏の上端biopauseと生命の天体間移動
 1.1 生命は天体間を移動しうるのか?:パンスペルミア仮説について
 1.2 成層圏の生物と地球生命圏の上端biopause  
2 Biopauseプロジェクトとは
 2.1 降下式インパクター型試料採取装置
 2.2 Biopause プロジェクトの大気球実験

第14章 ビール混濁性微生物の難培養性と検査技術開発
1 はじめに
2 ビールを変敗させる乳酸菌の諸問題
3 検出困難な乳酸菌の検査培地の開発
4 ビール混濁性微生物検査法と未培養菌種への対応
5 おわりに

【第Ⅲ編 未培養微生物資源の利用と展望】

第1章 微生物に新規物質を求めて
1 はじめに
2 微生物由来天然物探索に未来はあるのか?
3 培養条件で新規化合物を生産させる
4 分析・解析で新規化合物を見出す
5 おわりに

第2章 植物共生微生物の培養化
1 はじめに
2 ネギ類の根圏に優占して棲息する細菌種の分離培養
 2.1 研究背景
 2.2 Flavobacterium属細菌の選択的分離用培地の開発
3 ラン科植物の根内に棲息する細菌種の分離培養
 3.1 研究背景
 3.2 ラン科植物の根内に優占して棲息する細菌種の分離培養
 3.3 ラン科植物の根内に棲息する難培養性細菌種の分離培養
4 おわりに

第3章 バイオレメディエーションにおける未培養微生物の活用
1 バイオレメディエーションとは
2 バイオレメディエーションによる浄化方法と対象物質
3 バイオスティミュレーションによる塩素化エチレン類の浄化技術
 3.1 塩素化エチレン類による地下水汚染の浄化方法
 3.2 脱塩素細菌を効率的に活性化できる浄化材
 3.3 浄化材を用いる汚染地下水の浄化事例
4 バイオオーグメンテーションによる塩素化エチレン類の浄化技術
 4.1 Dehalococcoides属細菌によるバイオオーグメンテーション
 4.2 Dehalococcoides属細菌の単離
 4.3 Dehalococcoides属細菌の導入による浄化効果の検証
 4.4 Dehalococcoides属細菌の導入による汚染地下水の拡散防止事例
5 今後の展望

第4章 化学コミュニケーションに基づいた放線菌における休眠天然物の生産覚醒
1 はじめに
2 放線菌ホルモン制御系を活用した休眠有用資源の開拓
3 放線菌ホルモンによる化学コミュニケーション
4 化学コミュニケーションの応用による休眠天然物の生産覚醒
5 おわりに

第5章 南極産・北極産菌類の培養とその産業利用への挑戦
1 はじめに
2 南極域における菌類調査の歴史
3 南極と高緯度北極に生息する菌類の培養
4 南極と高緯度北極に生息する菌類の種数の推定
5 南極産菌類の産業利用への挑戦
 5.1 酪農排水処理への応用
 5.2 南極産酵母を利用した酒類の醸造
6 今後の展開

第6章 都市下水処理場の活性汚泥に生息する微生物ダークマターの機能に迫る
1 はじめに
2 Patescibacteriaの提案と活性汚泥内での生息状況
3 Patescibacteriaの検出技術
4 活性汚泥内のPatescibacteriaの調査結果の一例
5 活性汚泥内のPatescibacteriaの生理・生態
6 まとめ

第7章 未培養微生物の循環型社会への有効活用
1 循環型社会には生物プロセス活用は不可欠である
2 メタン発酵の酸敗発生を回避する

第8章 腸内細菌と腸管免疫系,自己免疫疾患
1 はじめに
2 腸管免疫系と腸管免疫応答
3 腸内細菌叢による免疫系の発達
 3.1 Th1
 3.2 Th17
 3.3 Treg
 3.4 CD8+T細胞
4 腸内細菌叢と自己免疫疾患
 4.1 T1D
 4.2 MS
5 おわりに

第9章 口腔細菌と口腔および全身疾患-未培養菌の話題を中心に-
1 はじめに
2 口腔マイクロバイオーム
3 口腔細菌の同定
4 口腔の未培養細菌
 4.1 口腔の健康状態における未培養口腔細菌
 4.2 疾患に関わる未培養口腔細菌
  4.2.1 う蝕
  4.2.2 歯周病
  4.2.3 歯内感染症
  4.2.4 その他の口腔疾患
5 未培養口腔細菌に対する戦略
 5.1 培養環境
 5.2 栄養素と代謝産物
 5.3 培養時間の延長
 5.4 被験菌の取り扱い
 5.5 発育阻害物質の存在
 5.6 他菌種との共生環境
 5.7 新しい培養装置の開発
6 まとめ

【第Ⅳ編 最新技術から見た未培養微生物研究】

第1章 未培養微生物研究におけるメタボロミクス技術の可能性
1 はじめに
2 微生物研究におけるメタボロミクス
3 発酵食品のメタボローム解析
4 メタボロミクスは未培養微生物研究にどのように関われるのか?
5 おわりに

第2章 合成生物学からのダークマター微生物研究へのアプローチ
1 ダークマター微生物への合成生物学的アプローチ
2 人工合成細菌叢:“相利共生”を理解するためのボトムアップアプローチ
3 代謝活性制御を介して微生物増殖能を制御する人工遺伝子回路
4 微生物の細胞間シグナル伝達を介した菌体数制御
5 人工合成細菌叢の応用
6 総括

第3章 ロボティクス・AIによる自動化技術からのダークマター微生物研究へのアプローチと期待
1 はじめに
2 分離・培養・アッセイに関する実験自動化
3 オミクス解析に関する自動化
 3.1 オミクス解析のサンプル調製に関する実験自動化
 3.2 オミクス解析によって得られたデータ解析の自動化
4 おわりに

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