レポートナンバー 0000039345
日持ち向上剤の技術と市場
株式会社シーエムシー出版
Technology and Market of Keeping Food Quality
発刊日
2024/08/30
言語日本語
体裁B5/162ページ
ポイント
スーパーやコンビニの総菜はますます充実し、10兆円の市場規模に!
一方で腐敗による食中毒のリスクや品質低下への対応がますます重要に!
調理済み食品の日持ちを向上させる日持ち向上剤と鮮度保持容器について詳述!
レポート概要
■刊行にあたって
日本惣菜協会の惣菜白書によると2023年の惣菜市場は,対前年+4.9%の10兆9,827億円となった。2020年に新型コロナウイルス拡大の影響を受けて10兆円を割り込んだが順調に回復し,11兆円台が目前となっている。
食品ロスの軽減気運の高まり,物流の2024年問題による輸送時間への対応などの要因により,食品の保存性向上への関心が高まっており,保存性を高める食品添加物,特に日持向上剤が注目されている。日持向上剤は,食品の保存性を短期的に高めるために使用される食品添加物で,保存料ほどの強力な効果はないが食品の日持ちをよくすることができ,食品の安全性向上やフードロス削減に大きく貢献できる添加物である。
日持ち向上剤として使用される物質にはさまざまな種類があるが,単独で添加するほか組み合わせて使用することで効果が高まるものもある。また,特定の食材や細菌に対して効力のある成分も多く,食材にあわせて適切に配合して用いることが必要となる。
本書では日持ち向上剤の最新技術と食品添加物による食品腐敗防止,更には日持向上効果を強化する容器・包装などの技術と市場をまとめた。当該分野に関連する方々に本書をお勧めいたします。(「はじめに」より抜粋)
レポート詳細
著者一覧
小磯博昭 三栄源エフ・エフ・アイ(株)
早川夕紀子 (株)第一化成
森川瑶子 三菱商事ライフサイエンス(株)
武村翔太 旭化成(株)
大園直樹 オリエンタル酵母工業(株)
市川 優 ミヨシ油脂(株)
上杉謙吾 (株)ウエノフードテクノ
目次
【技術編】
第1章 食品添加物による食品の腐敗防止
1 次亜塩素酸ナトリウム・次亜塩素酸水
2 エタノール
3 有機酸
4 グリシン
5 ナイシン
6 リゾチーム
7 ε-ポリリジン
8 グリセリン脂肪酸エステル
9 重合リン酸塩
10 併用効果
10.1 グリシンと酢酸ナトリウム
10.2 ナイシンとの併用
10.3 リゾチームとショ糖脂肪酸エステル
10.4 リゾチームと食品素材の併用
11 殺菌効率の向上
第2章 ベジミート用日持ち向上剤「e-GIMAX」
1 背景
2 プラントベースミートの風味の課題
3 プラントベースミートの微生物的課題
4 プラントベースミートと相性のよい日持ち向上剤の開発
5 e-GIMAX添加プラントベースミートの風味
6 e-GIMAXの抗菌効果
7 おわりに
第3章 糖アルコールによる保存性向上
1 はじめに
2 糖アルコールとは
3 糖アルコールによる食品の品質低下(色調,味質,食感,微生物)抑制効果
3.1 ハンバーグの硬さと味質
3.2 糖アルコールの水分活性
3.3 腐敗原因菌の糖アルコール資化性
3.4 PO-500の静菌効果
4 糖アルコールと静菌素材の併用効果
4.1 卵白リゾチーム,チアミンラウリル硫酸塩との併用
4.2 エタノールと糖アルコールの併用による殺菌効果
4.3 グリシン,酢酸ナトリウムとの併用による味質調整効果
5 おわりに
第4章 結晶セルロース製品「セオラスTM」について
1 はじめに
2 粉体グレードについて
3 コロイダルグレードについて
4 おわりに
第5章 茹で緑色野菜用日持向上剤フレッシュロン・もえぎ
1 はじめに
2 クロロフィルについて
3 緑色野菜の退色要因について
4 「フレッシュロン・もえぎ」の開発
5 「フレッシュロン・もえぎ」の緑色退色抑制効果について
6 「フレッシュロン・もえぎ」の日持ち向上効果について
7 「フレッシュロン・もえぎ」を使用した効果について
8 「フレッシュロン・もえぎ」の活用方法
9 おわりに
第6章 粉末油脂を活用した食品の食感維持による日持ち向上
1 はじめに
2 ミヨシのSDFOODs
3 粉末油脂とは
4 惣菜への応用例
5 新製品「エレメント215」の紹介
6 おわりに
第7章 粉末化醸造酢の日持ち効果
1 はじめに
2 粉末醸造酢の製造方法
3 粉末醸造酢の抗菌力と静菌作用
3.1 粉末醸造酢の抗菌力
3.2 粉末醸造酢の静菌作用
4 粉末醸造酢製剤について
4.1 天然素材によるマスキング効果
4.2 天然素材の抗菌作用
4.3 粉末醸造酢製剤の静菌効果
5 粉末醸造酢製剤の表示について
6 おわりに
【市場編】
第1章 食品をとりまく市場環境
1 食品業界の動向
2 食品トレンド
2.1 RTE食品市場の拡大
2.2 食品ロス低減の促進
2.3 代替食品(大豆ミート,植物性ミルク,代替卵)市場の拡大
2.4 完全栄養食の普及
2.5 冷凍食品自販機需要の拡大
2.6 加工食品の低塩分化
3 食中毒の傾向
3.1 食中毒発生の現状
3.2 発生数の多い食中毒の原因
第2章 日持ち向上剤の市場
1 概要
2 日持ち向上剤の市場動向
3 日持ち向上剤の種類
3.1 酢酸ナトリウム
3.2 グリシン
3.3 リゾチーム
3.4 チアミンラウリル硫酸塩
3.5 その他の日持ち向上剤
第3章 日持ち向上機能を持つ食品添加物
1 食品添加物の分類
1.1 食品衛生法による分類
1.2 役割(有用性)による分類
2 日持ち向上に寄与する主な食品添加物
2.1 保存料
2.2 酸化防止剤
2.3 pH 調整剤
2.4 その他日持ち向上効果が期待できる添加物
第4章 日持ち向上効果を強化する容器・包装
1 概要
2 日持ちを向上させる包装技術
2.1 ガスバリアフィルム
2.2 アクティブバリア包装
2.3 レトルトパウチ包装
2.4 無菌充填・無菌化充填包装
2.5 真空包装・ガス置換包装
3 メーカー/製品動向
3.1 ガスバリアフィルム
3.2 アクティブバリア包装
3.3 レトルトパウチ包装
3.4 無菌充填・無菌化充填包装
3.5 真空包装・ガス置換包装