これらの対応には、コンピュータ化システムバリデーションを適切に実施し、合理的かつ経済的に信頼性を確保するのが重要である。本書では、下記解説を通し、合理的かつ経済的に信頼性を確保するためのコンピュータ化システムバリデーションの実務対応方法を解説する。
また、PIC/S加盟申請による影響やCSV社内教育についても説明する。なお、これからCSVに取り組む方にも十分理解していただけるよう、ERES/CSVの基礎から説明する。
■ERES指針およびCSVの基礎
■適正管理ガイドライン行間の読み方
■バリデーション事例
−コンピュータ組込機器
−PLC組込システム
−スプレッドシート
■GMP査察におけるコンピュータ調査のポイント
■FDA査察におけるコンピュータ指摘100件のポイント
■PIC/S Annex 11と査察官ガイダンスPI 011-3
■PIC/S GMPガイドライン活用の考え方
■GAMP 5のバリデーションアプローチ
■CSV教育方法
目次
1.コンピュータ利用と信頼性確保
1.1 ERES対応
1.1.1 日米欧3極のERES対応
1.1.2 国内ERES関連法令の体系
2.ERES指針の概要
2.1 ERES指針の対象品目
2.2 ERES指針の適用範囲
2.3 電磁的記録利用のための要件
2.3.1 真正性の確保
2.3.2 見読性の確保
2.3.3 保存性の確保
2.3.4 オープンシステムの利用
2.4 電子署名の利用
2.4.1 ERES指針における電子署名の定義
2.4.2 電子署名利用のための要件概要
2.5 その他の要件
3.電子署名法の概要
3.1 電子署名法における電子署名の定義
3.2 電磁的記録の真性な成立の推定
3.3 クローズドシステムにおける考え方
3.3.1 署名者の特定
3.3.2 非改変の確認
4.CSVとは
4.1 CSVの規制要件
4.2 CSVの基本形
5.CSV活動
5.1 供給者評価と供給者選定
5.2 供給者監査
5.3 初期リスク評価
5.4 VPの内容
5.5 URSの内容
5.6 FSの内容
5.7 DSの内容
5.8 詳細リスク評価
5.9 DQの内容
5.10 IQの内容
5.11 OQの内容
5.12 PQの内容
5.13 VRの内容
5.14 バックアップ/リストア
5.15 アーカイブ/リトリーブ
5.16 構成管理と変更管理
5.17 リスクマネジメント
5.18 CSVの参考書
6.CSV文書
6.1 CSV文書一覧
6.2 バリデーション計画書(VP)
6.2.1 VPの目次例
6.3 ユーザー要求仕様書(URS)
6.4 機能仕様書(FS)
6.5 設計仕様書(DS)
6.6 DQ文書
6.7 IQ文書
6.8 OQ文書
6.9 PQ文書
6.10 バリデーション報告書(VR)
6.10.1 VRの目次例
6.11 トレーサビリティマトリクスの作成方法と活用
6.11.1 TM形式例の説明
6.11.2 TMの作成方法
6.11.3 TMの活用方法
6.12 テストスクリプトの形式例
6.13 構成管理表
6.13.1 ハードウェアの構成管理
6.13.2 ソフトウェアの構成管理
7.GAMP5のポイント
7.1 GAMP4とGAMP5
7.2 GAMP改定の意図
7.3 5つのキーコンセプト
7.4 仕様書とCSVアプローチ
7.5 ソフトウェアカテゴリ分類
7.6 構成設定とランタイムパラメータ設定
7.7 カテゴリごとのバリデーションアプローチ
7.7.1 一般刑
7.7.2 カテゴリ3
7.7.3 カテゴリ4
7.7.4 カテゴリ5
7.8 GAMP5の読み方
7.8.1 GAMP5 本文の目次
7.8.2 GAMP5 付属資料の目次
7.8.3 GAMP5 付録CDの目次
8.バリデーションアプローチ
8.1 バリデーションアプローチの決め方
8.1.1 システム重要度の評価
8.1.2 供給者リスクの評価
8.1.3 システムリスク
8.1.4 ソフトウェアカテゴリ分類
8.2 バリデーションアプローチの例
8.3 ラボ機器のバリデーションアプローチ
9.適正管理ガイドラインのポイント
9.1 適正管理ガイドラインの概要と適用範囲
9.1.1 概要
9.1.2 適用範囲
9.2 適正管理ガイドラインに関する推奨資料
9.2.1 質疑応答(Q&A)
9.2.2 パブリックコメント回答
9.2.3 第30回GQP・GMP研究会資料
9.2.4 大阪府における当面のCSV指導方針
9.2.5 解説本
9.2.6 雑誌記事
9.3 適正管理ガイドラインの目次
9.4 適正管理ガイドラインの読み方
9.5 各条の実務対応
9.5.1 目的(1.1)
9.5.2 コンピュータ化システムの取扱い(1.2)
9.5.3 カテゴリ分類(1.3)
9.5.4 適用範囲(2)
9.5.5 開発、検証及び運用管理に関する文書の作成(3)
9.5.6 開発業務(4)
9.5.7 開発計画書(4.1)
9.5.8 要求仕様書(4.2)
9.5.9 システムアセスメント(4.3)
9.5.10 機能仕様(4.4)
9.5.11 設計仕様(4.5)
9.5.12 プログラムの作成及びプログラムテスト(4.6)
9.5.13 システムテスト(4.7)
9.5.14 受入試験(4.8)
9.5.15 検証業務(5)
9.5.16 バリデーション計画書(5.1)
9.5.17 設計時適格性評価(DQ)(5.2)
9.5.18 据付時適格性評価(IQ) (5.3)
9.5.19 運転時適格性評価(OQ)(5.4)
9.5.20 性能適格評価(PQ) (5.5)
9.5.21 適格性評価の一部省略と引用(5.6)
9.5.22 バリデーション報告書
9.5.23 運用管理基準書(6.1)
9.5.24 標準操作手順書(6.2)
9.5.25 保守点検事項の実施(6.3)
9.5.26 セキュリティ管理の実施(6.4)
9.5.27 バックアップ及びリストア(6.5)
9.5.28 変更の管理(6.6)
9.5.29 逸脱(システムトラブル)の管理(6.7)
9.5.30 教育訓練(6.8)
9.5.31 自己点検(7)
9.5.32 コンピュータシステムの廃棄(8)
9.5.33 文書及び記録の管理(9)
9.6 既設システムの適格性確認方法
9.7 設備・機器等に搭載されるコンピュータ
10.GMP適合性調査
10.1 GMP調査の基本方針
10.2 GMP適合性調査時の確認事項
10.2.1 製造所の概要説明
10.2.2 プラントツアー
10.2.3 ドキュメントレビュー
10.3 GMP適合性調査における確認方法
10.4 当面の指導方針(大阪府)
10.5 今後の課題
10.6 治験薬GMPにおける適合性調査
11.FDAコンピュータ指摘
11.1 FDA査察
11.2 対象規制
11.3 PART11の経緯
11.4 コンピュータ指摘の傾向
11.4.1 アプリケーションから見た傾向
11.4.2 スプレッドシートに対するFDA指摘
11.4.3 PART11条文から見た傾向
11.5 PART11条文別コンピュータ指摘
11.5.1 クローズドシステムの管理 §11.10
11.5.2 バリデーション §11.10 (A)
11.5.3 電子記録のコピー §11.10 (B)
11.5.4 電子記録の保護 §11.10 c
11.5.5 アクセス制限と権限チェック §11.10 (D) (G)
11.5.6 監査証跡 §11.10 (E)
11.5.7 電子記録の要素と管理 §11.200
12.EU-GMP Annex 11
12.1 ANNEX11 の概要
12.2 ANNEX11 のポイント
12.3 EMA によるANNEX11 Q&A
13.PIC/S 加盟の影響
13.1 PIC/S とは
13.2 PIC/S 加盟の必要性
13.3 PIC/S 加盟にあたっての課題
13.4 GMP 基準の国際整合
13.5 PIC/S GMP ガイドライン活用の考え方
13.6 GMP 調査当局会議
13.7 PIC/S 加盟に関する雑誌記事
13.8 PIC/S GMP ANNEX 11
13.9 PIC/S 査察官ガイダンス PI 011-3
13.9.1 ANNEX11 の参照
13.9.2 意訳部分の概要
13.9.3 バリデーション方針と優先順位(14章)
13.9.4 データ変更-監査証跡と重要データ入力(20章)
13.9.5 電子記録と電子署名(21章)
13.9.6 査察において考慮すべきこと(23章)
13.10 コンピュータ化システムへの影響と対応
13.10.1 国内当局の査察への対応
13.10.2 国内企業からの監査への対応
13.10.3 PIC/S 加盟国の当局査察への対応
13.10.4 PIC/S 加盟国企業からの監査への対応
13.10.5 EU 当局の査察への対応
13.10.6 EU 企業からの監査への対応
13.10.7 PIC/S 非加盟国の当局査察への対応
13.10.8 PIC/S 非加盟国企業からの監査への対応
14.事例研究
14.1 カテゴリ3 と4 のバリデーションアプローチ
14.1.1 想定事例:インテリジェント記録計
14.1.2 初期リスク評価
14.1.3 バリデーションアプローチ
14.2 PLC 組込機器/装置のバリデーションアプローチ
14.2.1 メーカー標準機器にPLC が組み込まれている場合
14.2.2 ユーザーの要求にあわせ装置とPLC を組み上げる場合
14.3 スプレッドシートのバリデーション
14.3.1 スプレッドシートの種類
14.3.2 電卓的使用
14.3.3 ワープロ的使用
14.3.4 データベース的使用
14.3.5 テンプレートとして使用
14.3.6 バリデーションの必要性
14.3.7 テンプレートのソフトウェアカテゴリ
14.3.8 スプレッドシートの管理とバリデーション
14.4 設備・機器等に搭載されるコンピュータのバリデーション
14.4.1 適正管理ガイドラインにおける説明
14.4.2 GAMP 5 における説明
14.4.3 厚労省GLP における当局の説明
14.5 HPLC 電子記録の維持
14.6 今後の事例
15.CSV 教育のポイント
15.1 CSV 教育の基本方針
15.2 CSV スキルレベルの定義
15.3 CSV 教育
15.3.1 入門教育の例
15.3.2 実践教育の例
15.3.3 エキスパート教育の例
15.3.4 ブラッシュアップ教育の例
15.4 CSV 技術の継承
解説1 カテゴリー分類とバリデーションアプローチ オリジナル資料
解説2 スプレッドシートの管理とバリデーション オリジナル資料
付録1 ERES指針 厚労省 2005/4/1
付録2 コンピュータ化システム適正管理ガイドライン 厚労省 2010/10/21
付録3 適正管理ガイドライン質疑応答集(Q&A) 厚労省 2010/10/21
付録4 適正管理ガイドラインパブリックコメント回答 厚労省 2010/10/21
<付録CD の目次>
1.ERES 指針 厚労省 2005/4/1
2. コンピュータ化システム適正管理ガイドライン 厚労省 2010/10/21
3. 適正管理ガイドライン質疑応答集(Q&A) 厚労省 2010/10/21
4. 適正管理ガイドラインパブリックコメント回答 厚労省 2010/10/21
5. 適正管理ガイドライン コメント挿入版 オリジナル資料
6. ガイドライン施行後のGMP 調査について PMDA 2010/10/27
7. 大阪府のCSV 指導方針 大阪府 2012/2/29
8. 厚労省令44 号の解説-GMP 編 オリジナル資料
9. FDA Part 11 邦訳 オリジナル資料
10. FDA ガイダンス Scope & Application 邦訳 オリジナル資料
11. FDA コンピュータ指摘100 件 オリジナル資料
12. EU-GMP Annex 11 邦訳 オリジナル資料
13. EU-GMP Annex 11 のEMA によるQ&A 邦訳 オリジナル資料
14. PIC/S のGMP ガイドラインを活用する際の考え方について 厚労省 2012/2/1
15. PIC/S GMP ガイドライン活用の考え方 Q&A 厚労省 2012/2/1
16. PIC/S GMP ガイドライン活用の考え方 パブコメ回答 厚労省 2012/2/1
17. PIC/S GMP ガイドライン パート1 邦訳 厚労省 2012/2/1
18. PIC/S GMP ガイドラインAnnex 11 邦訳 厚労省 2012/2/1
19. PIC/S 加盟に向けたGMP 調査当局の最近の取り組みについて PMDA 2012/12/12
20. PIC/S 査察官ガイダンス PI 011-3 抜粋意訳 オリジナル資料
21. HPLC のウォーニングレター FDA 2012/2/23
22. 解説-1:カテゴリ分類とバリデーションアプローチ オリジナル資料
23. 解説-2:スプレッドシートの管理とバリデーション オリジナル資料