医療機器産業は世界で成長が見込まれる高度知識集約型産業であり、我が国では高度なものづくり技術を活用した先端的な医療機器も開発が進んでいる。しかしながら、約25 兆円といわれる世界の医療機器市場では、そのほとんどを欧米企業が占めており、日本企業の存在感は薄いことが現状です。最近では安倍政権で成長戦略の柱の一つに医療分野を盛り込んだことに関連し、グローバル戦略は益々重要となっています。
2010 年には「医療機器開発における実務ガイド 欧州編 治験と販売承認の最新動向」を発刊してまいりましたが、このたびは、2014 年版の改定を行うこととなりました。2014 年版では、医療機器開発に関わる承認の仕組みの他に、償還制度の仕組みや欧州各国で実際に医療機器販売に結びつけるための留意事項に焦点を当て、日本企業の海外進出を支援することを目的とし、本書をまとめます。
目次
調査の背景と目的
第Ⅰ章 欧州市場 とCE マーキング
1−1.序論
1−1−1.EC 統合の歴史
1−1−2.ECからEUへ
1−1−3.EUは全欧州へむけて発展
1−2.CE マーキング制度 :基準の調和の象徴
1−3.CE マーキング制度の概要
1−3−1.CE マーキングの原則
1−3−2.CE マーキングの大きさ
1−3−3.CE マーキングの必要な国々
1−3−4.医療機器におけるCE マーキング
第Ⅱ章 EC 指令と医療機器指令
2−1.概略
2−1−1.EC 指令
2−1−2.EU 法令と各国の国内法との関係
2−1−3.ハーモナイズした整合性評価に関する基準
(品質管理システムである国際規格、とヨーロッパの標準規格であるEN)
2−1−4.ECの医療機器関連通知・ガイドライン(MEDDEV)
2−1−5.指定機関(NB)運営協議会の勧告
2−1−6.医療機器規制国際整合化会議(GHTF)のガイドライン
2−2.EC 指令の概要
2−2−1.EC 指令とは
2−2−2.EC 指令の種類
2−2−3.EC 指令への適合性
2−2−4.EC 指令の適合性評価
2−3.医療機器指令の概要
2−3−1.医療機器指令MDD
2−3−2.MDD と適合性評価
2−3−3.必須要求事項
2−4.必須要求事項と規格との関係
2−5.医療機器の分類
2−5−1.機器の維持時間による分類
2−5−2.侵襲機器の種類と非侵襲機器
2−5−3.機器の分類規定
2−6.適合性評価及び技術文書について
2−6−1.EC 指令の適合性評価
2−6−2.医療機器における適合性評価について
2−7.医療機器のクラス分類と適合性評価
2−7−1.EU 医療機器指令(MDD)93/42/EEC 附属書IX によるクラス分類
2−7−2.医療機器におけるEC 適合性評価手順
2−8.技術文書の作成
2−9.システム構築手順
第III 章 製造・規格関連の留意事項
3−1.国際規格ISO と医療機器
3−2.ISO 13485
3−2−1.ISO 13485 の要求事項
3−2−2.ISO 14971(医療機器のリスクマネジメント)
3−2−3.ISO 14971 規格要求事項
3−2−4.GHTF とISO
3−2−5.ISO13485 上のリスクマネジメント要求事項
3−3.品質マネジメントシステム
3−3−1.一般要求事項
3−3−2.文書化に関する要求事項
3−4.経営者の責任
3−4−1.経営者のコミットメント
3−4−2.顧客重視
3−4−3.品質方針
3−4−4.計画
3−4−5.責任、権限及びコミュニケーション
3−4−6.マネジメントレビュー
3−5.資源の運用管理
3−5−1.資源の提供
3−5−2.人的資源
3−6.製品実現
3−6−1.製品実現の計画
3−6−2.顧客関連のプロセス
3−6−3.設計・開発
3−6−4.購買
3−6−5.製造及びサービスの提供
3−6−6.監視機器及び測定機器の管理
3−7.測定、分析及び改善
3−7−1.一般
3−7−2.監視及び測定
3−7−3.不適合製品の管理
3−7−4.データの分析
3−7−5.改善
第Ⅳ章 欧州での医療機器の開発の留意点
4−1.開発の概要
4−2.医療機器開発のための留意点
4−2−1.クラス分類
4−2−2.リスク分析
4−3.クラス毎の開発の留意点
4−3−1.クラスⅠ
4−3−2.クラスⅡa
4−3−3.クラスⅡb
4−3−4.クラスⅢ
4−3−5.能動的埋め込み型医療機器
4−4.医薬品と比較した場合
第Ⅴ章 医療機器の臨床試験
5−1.欧州で臨床試験を実施する際の留意事項
5−1−1.臨床評価と臨床試験
5−1−2..臨床評価の手順
5−1−3.臨床評価の中の臨床試験
5−1−4.臨床データの評価
5−1−5.臨床試験
5−2.欧州指令 2001/20/EEC
5−3.臨床試験実施を決定するに際しての留意点
5−4.臨床試験開始の承認プロセス
5−5.臨床試験の実施
5−5−1.定義
5−5−2.倫理的事項・被験者の同意
5−5−3.有害事象と安全性報告
5−5−4.治験実施計画書
5−5−5.治験機器概要書
5−5−6.契約
5−5−7.治験倫理委員会
5−5−8.治験依頼者の責務
5−5−9.モニタリング
5−5−10.治験責任医師・実施医療機関の責務
5−5−11.品質管理・品質保証と監査
5−5−12.治験の中止・終了
5−5−13.記録・文書の保存
第VI 章 各国別の臨床試験の留意事項
6−1.ドイツ
6−1−1.所管省庁:CA(Certificate Authority)
6−1−2.指定機関:NB(Notified Body)
6−1−3.翻訳
6−1−4.申請の必要事項
6−1−5.保険
6−1−6.その他事項
6−2.フランス
6−2−1.所管省庁:CA(Certificate Authority)
6−2−2.指定機関:NB(Notified Body)
6−2−3.翻訳
6−2−4.申請の必要事項
6−2−5.保険
6−2−6.その他事項
6−3.オランダ
6−3−1.所管省庁:CA(Certificate Authority)
6−3−2.指定機関:NB(Notified Body)
6−3−3.翻訳
6−3−4.申請の必要事項
6−3−5.保険
6−3−6.その他事項
6−4.イタリア
6−4−1.所管省庁:CA(Certificate Authority)
6−4−2.指定機関:NB(Notified Body)
6−4−3.翻訳
6−4−4.申請の必要書類
6−4−5.保険
6−4−6.その他事項
6−5.英国
6−5−1.所管省庁:CA(Certificate Authority)
6−5−2.指定機関:NB(Notified Body)
6−5−3.翻訳
6−5−4. 申請に必要な書類
6−5−5.保険
6−5−6.その他事項
6−6 その他
6−6−1.オーストリア
6−6−2.ベルギー
6−6−3.フィンランド
第VII 章 EU における医療機器のPMS 及びビジランス報告
7−1.PMCF 試験
7−1−1.PMCF 試験の必要性
7−1−2.PMCF 試験の結果
7−2.ビジランスシステム
7−3.事故報告(Incident Reporting)
7−3−1.製造業者の対応
7−3−2.所管省庁への報告対象
7−3−3.報告期限及び報告先
7−3−4.定期報告
第Ⅷ章 主要国別の償還の仕組み
8−1.償還の概要
8−2.ドイツ
8−2.ドイツ
8−2−1.医療保険制度
8−2−2.医療機器費の償還
8−2−3.上市にあたっての留意事項
8−3−1.医療保険制度
8−3−2.医療機器費の償還
8−3−3.上市にあたっての留意事項
8−4.オランダ
8−4−1.医療保険制度
8−4−2.医療機器費の償還
8−4−3.上市にあたっての留意事項
8−5.イタリア
8−5−1.医療保険制度
8−5−2.医療機器費の償還
8−5−3.上市にあたっての留意事項
8−6.英国
8−6−1.医療保険制度
8−6−2.医療機器費の償還
8−6−3.上市にあたっての留意事項
第IX 章 医療機器と欧州市場
9−1.欧州市場の動向
9−2.国別市場の動向
9−2−1.ドイツ
9−2−2.フランス
9−2−3.イギリス
9−2−4.イタリア
9−2−5.スペイン
9−2−6.オランダ
第X 章 参考資料