- 【第1編 世界に誇るわが国の創薬】
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第1章 遥かなる創薬への夢―アルツハイマー病治療薬ドネペジルの開発への道―(杉本八郎)
1. はじめに
2. エーザイ筑波研究所が火事だ!!
3. ドネペジルの成功の原動力になった若手研究員
4. ドネペジルの研究開発
5. おわりに
第2章 アンジオテンシンII受容体拮抗薬カンデサルタンシレキセチルの創製(仲建彦)
1. はじめに
2. レニン・アンジオテンシン系阻害薬
3. ペプチド型アンジオテンシンII受容体拮抗薬
4. リード化合物ベンジルイミダゾール酢酸の発見
5. ロサルタンの発見
6. カンデサルタンの発見
7. カンデサルタンの化学構造と薬理学的特徴
8. カンデサルタンシレキセチルの創製
9. カンデサルタンシレキセチルの薬理・薬効
10. おわりに
第3章 抗血小板剤シロスタゾールの創製(西孝夫)
1. はじめに
2. 目標とシロスタミド
3. 目標の変更とシロスタゾール
4. 作用機序と臓器選択性
5. おわりに
第4章 ポストレボフロキサシン―抗菌薬の新たなブロックバスターの可能性―(早川勇夫)
1. ブロックバスター:レボフロサシン
2. ポストレボフロキサシンに期待する
第5章 アメリカにおけるアクトスの開発―ブロックバスタービルダーへの道―(大林幹彦)
1. アクトス
2. 武田アメリカ研究開発センター
3. アクトス開発の経緯
4. アクトスの開発戦略
5. 重要な容量設定試験
6. 開発プランの練り直し
7. アクトスの臨床試験
8. アクトスの安全性
9. NDA申請・承認
10. スピーディーでタイミングの良い開発の重要性
11. アメリカで開発を成功させた要因
12. おわりに
第6章 免疫抑制剤プログラフ(FK506)誕生秘話(木野亨)
1. はじめに
2. 藤沢薬品探索研究所
3. FK506の発見
4. FK506の単離と構造解析
5. FK506の薬理評価
6. FK506の臨床研究
7. おわりに
- 【第2編 創薬探索研究の話題】
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第1章 分子標的薬概説―新世紀の魔法の弾丸を求めて―(今井純)
1. はじめに
2. 分子標的薬の定義など
3. 世界を変える分子標的薬
3.1 治療の概念を変える分子標的薬
3.1.1 Zanamivir(Relenza),Oseltamivir(Tamiflu)
3.1.2 Infliximab(Remicade)
3.2 医薬品市場を変える分子標的薬
3.3 分子標的薬の単価
4. 分子標的薬の使用方法
4.1 抗HIV剤の多剤併用療法(HAART:highly active antiretroviral therapy)
4.2 Gefitinibの副作用
5. 分子標的薬の分類
6. おわりに
第2章 抗体医薬の最近の進歩(松下正行)
1. 分子標的薬としての抗体医薬と低分子薬
1.1 はじめに
1.2 低分子を用いた分子標的薬開発の現状
1.3 分子標的薬としての抗体医薬
2. 抗体医薬の特徴
2.1 ヒト化抗体作成の歴史
2.2 抗体医薬の作用機構
2.3 臨床で用いられる抗体医薬
2.3.1 リツキサン(RituxanTM,一般名リツキシマブ)
2.3.2 ハーセプチン(HerceptinTM,一般名トラスツズマブ)
2.3.3 アバスチン(AvastinTM,一般名ベバシズマブ)
2.3.4 アクテムラ(ActemraTM,一般名トシリズマブ)
3. 抗体医薬の後続品に関する現状と展望
4. まとめ
第3章 抗がん剤「塩酸イリノテカン(CPT-11)」開発の経緯(澤田誠吾,横倉輝男,宮坂貞)
1. はじめに
2. それまでの研究経過
3. 開発の基本方針
4. 難攻不落のカンプト城
5. 硫酸中のラジカル反応
6. A環への置換基導入戦略
7. 構造活性相関
8. 溶解性の改善
9. 効果と展望
10. 資源と供給
11. 7位のエチル基の持つ意味
12. 作用機序の研究
13. おわりに
第4章 痛風治療薬フェブキソスタットの創製(近藤史郎)
1. はじめに
2. テーマ選定
3. 要因解析とクライテリア設定
4. 合成展開と活性評価
5. 研究の落とし穴
6. 開発化合物の選定
7. おわりに
第5章 代謝型グルタミン酸受容体(mGluR1)非競合的拮抗薬の創薬研究―新しい統合失調症治療薬を求めて―(川元博,伊藤智,太田尚)
1. はじめに
2. スクリーニングヒット化合物
3. テトラハイドロピリジン誘導体の構造活性相関
4. In vivo拮抗作用
5. トリアゾールライブラリー
6. イソインドリノン誘導体の構造活性相関
7. キノリン誘導体の構造活性相関
8. 総括
第6章 16員環マクロライド抗生物質誘導体研究の軌跡と新規アザライドの創製(三浦知明,味戸慶一)
1. マクロライド系抗生物質の創薬研究
1.1 マクロライド抗生物質の概略と創薬研究の意義
1.2 構造活性相関と化学修飾から見たマクロライド誘導体合成
2. 16員環マクロライド誘導体合成の軌跡
2.1 16員環骨格を選択する理由と第1期誘導体合成:水酸基のアシル化
2.2 16員環マクロライドの第2期誘導体合成:中性糖水酸基のアルキル化
2.3 16員環マクロライドの第3期誘導体合成:ラクトン環の変換
3. 16員環マクロライドを出発物質とした新規アザライドの合成研究
3.1 One-Pot Macrocyclizationによる新規15員環アザライド等の創製
3.2 Sequential Macrocyclizationによる新規16員環アザライド等の創製
3.3 代謝による中性糖部分の脱アシル化に対する新たな試み
3.4 16員環アザライドの最適化と残された評価
4. 本研究のまとめとマクロライド創薬研究の今後
4.1 まとめ
4.2 アザライド創薬研究の未来
第7章 PETを用いた創薬支援における有機合成化学(西村伸太郎)
1. はじめに
2. PETとは
3. 創薬支援のためのPETの方法論
4. 創薬支援におけるPET測定のプロセス:有機合成化学の役割
5. 創薬支援のためのPET薬剤自動合成・GMP対応システム構築
6. PET薬剤合成研究例
6.1 半減期110分への挑戦:18F標識合成
6.2 半減期20分への挑戦:11C標識合成
6.3 半減期2分への究極の挑戦:15O標識合成
7. おわりに
第8章 光感受性分子標的薬の創製研究(戸嶋一敦)
1. はじめに
2. 光感受性分子標的薬の設計・作用概念
3. 2-フェニルキノリン-エストラジオールハイブリッドの分子設計・化学合成
4. 2-フェニルキノリン-エストラジオールハイブリッドによるin vitroでの標的タンパク選択的光分解
5. 光感受性分子標的薬2-フェニルキノリン-エストラジオールハイブリッドの乳がん細胞MCF-7に対する効果および標的タンパク選択的光分解
6. おわりに
第9章 医薬品に秘められたキラリティー(夏苅英昭)
1. 医薬品とキラリティー
2. 有機化合物のキラリティー
3. 医薬品に秘められたキラリティー:立体配座異性体
3.1 アミド構造をもつNK1受容体拮抗薬のキラリティー
3.2 1,4-ベンゾジアゼピン系化合物のキラリティー
3.3 ジベンゾアゼピノン骨格のキラリティー
3.4 最近の文献に現れたアミド軸不斉化合物
4. おわりに
第10章 PC12細胞に対する突起伸展促進活性を持つネオビブサニン類の合成―アルツハイマー病の新しい治療薬をめざして―(今川洋,西沢麦夫)
1. はじめに
2. ネオビブサニンの合成計画
3. 分子内Diels-Alder反応による骨格合成
4. 配位効果を利用した立体選択的求核付加反応
5. (±)-ネオビブサニンBの合成
6. 活性評価
7. おわりに
第11章 タミフルを見守る基礎研究(佐藤かな子)
1. はじめに
2. タミフルの疫学
3. くすりを見守る基礎研究
4. タミフルおよびGS4071の中枢神経における神経伝達物質への影響
4.1 再取り込み阻害作用
4.2 遊離促進作用
4.3 G-タンパク結合作用
4.4 タミフルおよびGS4071の再取り込み阻害作用,遊離促進作用,G-タンパク結合作用への影響
5. タミフル服用と異常行動に関連性はあるのか
6. タミフルと異常行動をめぐるその後の状況
7. おわりに
第12章 スルホン酸エステルの光反応とバイオケミカルツールへの応用(青木伸)
1. はじめに
2. スルホン酸エステルの光分解反応
3. 亜鉛イオン蛍光センサーの化学とスルホン酸8-キノリニルエステルの光分解反応の発見
4. スルホン酸8-キノリニルエステルの光分解反応の解析
5. スルホン酸8-キノリニルエステルの光分解反応の光分解性ビオチンリンカーへの応用
6. おわりに
- 【第3編 プロセス研究の話題】
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第1章 鈴木カップリングを革新するボロン酸誘導体(山本靖典,宮浦憲夫,角野元重)
1. はじめに
2. 有機ボロン酸,ボロン酸エステル
3. 有機トリフルオロボレート塩
4. 有機トリオールボレート塩
4.1 トリオールボレート塩の合成
4.2 クロスカップリング反応
4.3 銅触媒N-アリール化反応
4.4 ロジウム触媒を用いる不斉共役付加反応
5. ボロン酸の保護基
6. おわりに
第2章 鉄触媒クロスカップリング反応の進展と展望(清家弘史,中村正治)
1. はじめに
2. 有機マグネシウム反応剤の鉄触媒クロスカップリング反応
3. 有機亜鉛反応剤の鉄触媒クロスカップリング反応
4. 有機アルミニウム反応剤の鉄触媒クロスカップリング反応
5. 有機ホウ素反応剤の鉄触媒クロスカップリング反応
6. 極微量金属成分の混入と鉄触媒クロスカップリング反応
7. 鉄触媒による薗頭カップリング反応,その他カップリング反応
8. おわりに
第3章 グリーン酸化とTEMPO/AZADO(岩渕好治)
1. はじめに
2. アルコール酸化反応と有機合成
3. 超安定有機ラジカルTEMPO
3.1 アルコール酸化能の発見と発展
3.2 TEMPO酸化の精密合成化学的機能性
3.3 TEMPOが抱える問題:触媒安定性と基質適用性
4. アザアダマンタン型ニトロキシルラジカルAZADO
4.1 AZADOの潜在的機能性
4.2 1-Me-AZADOの合成と触媒活性
4.3 アザアダマンタン型ニトロキシルラジカルの構造-活性相関
4.4 1級アルコールからカルボン酸へのワンポット酸化反応への応用
4.5 AZADO酸化の特徴とポイント
5. おわりに
第4章 金属クラスター錯体による環境調和型触媒反応の開発(大嶋孝志)
1. はじめに
2. 金属クラスター錯体
3. 亜鉛四核クラスター錯体の触媒機能
4. 水酸基選択的な触媒的アシル化反応(O-アシル化 VS. N-アシル化)
5. 触媒機構(協奏機能型触媒)
6. 他の金属クラスター触媒反応
7. おわりに
第5章 酵素反応によるC-C結合形成と創薬研究への展開(梶本哲也)
1. はじめに
2. アルドラーゼの種類とその反応特性
3. L-スレオニンアルドラーゼの利用
4. おわりに
第6章 創薬支援分子の開発(根本尚夫)
1. Combinatorial Chemistryの夜明け前
2. 医薬品を水溶性化する鍵化合物,Branched Glycerols(BGL)
3. Cyclopenta[1,2b]furane=CPF超高性能光学分割剤
4. Masked Acyl Cyanide=MAC 3成分連結剤
5. おわりに
第7章 水が関与するプロセス開発(間瀬暢之)
1. はじめに
2. 「水」を積極的に有機合成に使うことについて
3. 反応試薬としての「水」の利用
4. 反応促進剤・反応溶媒としての「水」の利用
4.1 “On Water”条件下での反応加速効果
4.2 亜臨界水の積極的な利用
5. “耐水型”触媒による有機合成
5.1 “耐水型”有機金属錯体・ルイス酸触媒の開発
5.2 “耐水型”有機分子触媒の開発
6. 反応装置からのアプローチ
7. おわりに
第8章 単体ヨウ素を用いた簡便な有機合成(東郷秀雄)
1. はじめに
2. 酸化的変換反応
2.1 カルボン酸誘導体への酸化的変換
2.2 ニトリルへの酸化的変換
2.3 糖類での酸化的変換
3. 保護基の導入と除去
3.1 THP化
3.2 アセチル化
3.3 ケタール化
3.4 選択的脱保護反応
4. 環化反応
5. 分子間反応
6. 複素環形成反応
7. おわりに
第9章 古典的不斉還元研究の回顧(岩隈建男,山田幸一郎)
1. はじめに
2. 不斉還元剤の検討
3. 試薬6cの単離とその性質
4. 溶媒効果と基質の拡張
5. 医薬品への応用
6. おわりに
第10章 医工連携・産学連携による高次生体イメージング研究―京都大学を例として―(近藤輝幸)
1. 「高次生体イメージング先端テクノハブ」プロジェクトの背景
2. 「高次生体イメージング先端テクノハブ」プロジェクトの目的
3. ミッションステートメントの達成状況
3.1 研究開発・製品化
3.2 教育・人材育成
3.3 拠点形成
3.4 知財に関するシステム改革
4. 第II期の取り組み
5. おわりに
第11章 グリーンケミストリーと医薬プロセス開発(鳥澤保廣)
1. はじめに
2. 環境に調和した医薬品合成
3. グリーンケミストリーのテキスト
4. 古典的反応に注目
5. 現実的な方向
6. 実用性の高い水系触媒反応
7. さまざまなグリーンケミストリー研究