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レポートナンバー 0000024350

毛髪科学の新展開

株式会社シーエムシー出版

New Development of Hair Science

発刊日 2019/09/24

言語日本語

体裁B5/約280ページ

ライセンス/価格約280ページ

0000024350

B5版 71,500 円(税込)

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ポイント

毛髪形成のメカニズム,発毛・育毛促進有効成分について最新の研究動向を詳述!
男性はもとより女性患者の増加!脱毛症治療,毛髪再生医療の最前線を解説!
注目される頭皮環境と毛髪形成の関係について解説!進化するヘアケア製品の開発動向を詳述!

レポート概要

【刊行にあたって】

毛髪科学研究は1980年代に入り毛髪細胞の単離・培養技術や、毛包器官の培養技術の開発によって大いに進展した。時代は分子生物学発展の時代とも重なり、生命現象の観察、解析を中心とした研究から、現象の分子機構の解析も次第に可能となった。1990年代以降、遺伝子改変マウス作成技術が発展・普及し、各種トランスジェニックマウス、各種ノックアウトマウスの表現型に体毛に異常がみられる事例が増え、毛髪科学の発展に大いに貢献した。従来、医学部皮膚科出身で毛髪に興味を持つ研究者、化粧品企業の毛髪科学研究者、一部の発生生物学者の間でしか研究対象とされていなかった毛髪が、遺伝子改変マウスの登場によって、これまで毛髪に関心を抱かなかった研究者達に広く門戸が開かれたのである。また、これまで毛髪科学の世界とはやや縁遠かった遺伝学や発生学の知見、人材が毛髪科学の世界に流入したことも毛髪科学の発展に有益であった。

このような時代背景のおかげで、発生段階での毛包形成、毛周期調節に関わる各種因子の同定が進み、2000年に入るころには、基本的な部分はかなり理解が進んだ。TGF-βs、FGFs、BMPs、Wnts、β-catenin、Shh、Noggin、Notch、Foxn1等々が明らかとなったのである。多くの場合、マウスを用いた実験結果の知見であったが、大きな進歩であった。今後これらの分子がヒトでもマウスと同じように機能しているかの検証が必要となるであろう。

本書では、最近10年程度の間に新たに出てきた毛髪科学に関する興味深い話題を各専門家にお願いして寄稿して頂いた。基礎毛髪科学から、毛髪再生医療、新たな発毛・育毛薬剤、白髪研究とその応用、頭皮と毛髪の関係、そして最新のヘアケア製品までと実に幅広い領域の最新の研究をカバーした。
本書が毛髪科学および関連領域の研究者にとって有益なものとなることを心から願っている。

東京工科大学
岩渕徳郎
(「はじめに」より抜粋)

レポート詳細

監修

岩渕徳郎

著者一覧

岩渕徳郎  東京工科大学
工藤三希子 熊本大学大学院
伊藤尚文  熊本大学大学院
河野利恵  大分大学医学部附属病院
太田訓正  熊本大学大学院
押森直木  Oregon Health & Science University
長田真一  秋田大学大学院
筒井 仰  (国研)理化学研究所
待田大輝  (国研)理化学研究所
藤原裕展  (国研)理化学研究所
宮田光義  (株)サラヴィオ化粧品
御筆千絵  (株)サラヴィオ化粧品
加世田国与士 (株)サラヴィオ化粧品
伊藤泰介  浜松医科大学
乾 重樹  大阪大学;心斎橋いぬい皮フ科
大山 学  杏林大学
小川美帆  (国研)理化学研究所;(株)オーガンテクノロジーズ
武尾 真  (国研)理化学研究所
岡本尚一  (株)オーガンテクノロジーズ
佐藤明男  慶応義塾大学;東京メモリアルクリニック平山
辻 孝   (国研)理化学研究所;(株)オーガンテクノロジーズ
中嶋陸満  横浜国立大学大学院
景山達斗  横浜国立大学大学院;神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)
福田淳二  横浜国立大学大学院;神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)
高田弘弥  日本医科大学
片倉喜範  九州大学
岡田亜砂子 サントリーウエルネス(株)
東 和生  鳥取大学
青木仁美  岐阜大学
大沢匡毅  岐阜大学
伊藤真由美 New York University School of Medicine
田口暢彦  ホーユー(株)
曽我 元  花王(株)
福田令子  花王(株)
横山裕美  花王(株)
松熊祥子  (株)ファンケル
権 英淑  コスメディ製薬(株)
中村紀夫  (株)ファーマフーズ
玉城美根子 (株)シャルレ
山津敦史  (株)ファーマフーズ
長瀬 忍  花王(株)
江連美佳子 花王(株)

目次

【毛髪科学研究の最前線とメカニズム研究 編】
第1 章 総論:毛髪科学研究の最前線
1 はじめに
2 毛周期の制御
3 男性の薄毛の特徴
4 女性の薄毛の特徴
5 医薬品の育毛薬剤
6 医薬部外品の育毛薬剤(医薬部外品有効成分)
7 毛髪再生医療研究の現状
8 注目すべき最近の毛髪科学研究
9 おわりに

第2 章  毛周期調節におけるTsukushi とTGF-βシグナル
1 はじめに
2 Tsukushi(TSK)とは
3 毛周期と毛胞の構造
4 毛周期におけるTGF-βシグナルの役割
5 TSK の発現と毛周期
6 TSK 欠損が毛周期制御に及ぼす影響
7 TSK が毛周期のTGF-β1 シグナリングを調節する
8 最後に

第3 章 TGF-βによる毛包幹細胞の休眠状態解除
1 はじめに
2 毛髪サイクルと毛包幹細胞
3 毛包幹細胞を制御する因子
4 TGF-βシグナルと毛髪サイクル
5 TGF-βシグナルによる毛包幹細胞の制御機構
6 おわりに

第4 章 毛包形成・分化におけるSox ファミリー因子の役割
1 Sox ファミリーとは
2 Sox2
3 Sox9
4 Sox21
5 Sox13
6 Sox9 とSox13 の関係
7 おわりに

第5 章  細胞外マトリックスの多様性が支える毛包の異種組織間相互作用
1 はじめに
2 多様な表皮幹細胞コンパートメント
3 表皮幹細胞が生み出す細胞外マトリックスの多様性
4 表皮-筋ユニット
5 表皮-神経ユニット
6 表皮-毛乳頭ユニット
7 おわりに

第6 章 毛乳頭細胞の新規調節機構
~ミトコンドリア,一次繊毛,終末糖化産物の観点から~
1 はじめに
2 毛乳頭細胞のミトコンドリア
2. 1 ミトコンドリア
2. 2 血小板由来成長因子AA によるミトコンドリア調節
2. 3 細胞遊走中のミトコンドリア
3 毛乳頭細胞の一次繊毛
3. 1 一次繊毛
3. 2 一次繊毛を介した細胞間シグナル伝達
3. 3 一次繊毛を介した細胞遊走
3. 4 ミトコンドリアと一次繊毛の協同作業
4 終末糖化産物による細胞機能の変調
4. 1 終末糖化産物
4. 2 毛乳頭細胞を介した表皮ケラチノサイトの増殖活性
4. 3 AGEs による増殖阻害因子の誘導
4. 4 AGEs の作用機構
5 おわりに

【脱毛症治療、毛髪再生医療の最前線 編】
第7 章 円形脱毛症の病態から考えるこれからの治療選択
1 はじめに
2 円形脱毛症の病型
3 円形脱毛症の診断
4 円形脱毛症の病態の概略
5 遺伝的素因
6 発症の誘因
7 毛包の免疫寛容の破綻
8 毛包周囲への細胞浸潤
9 NKG2D+CD8+T 細胞の活性化
10 サイトカインループ
11 現在の治療の状況
12 これからの治療
13 最後に

第8 章  赤色Light emitting diode(LED)の毛成長促進作用
1 はじめに
2 Light emitting diode(LED)について
3 マウスの毛成長への影響
4 赤色LED によって毛乳頭細胞から誘導される因子
5 臨床効果

第9 章  脱毛症の病態から考える毛包再生医療の適応と課題
1 はじめに
2 毛包の構造・毛周期と脱毛
3 脱毛症の基本病態
3. 1 毛と毛包の傷害を特徴とする脱毛症
3. 2 毛周期の異常を特徴とする脱毛症
4 病態から見えてくる脱毛症治療のアプローチ
5 再生医療による脱毛症の治療戦略
5. 1 既存のミニチュア化した毛包の大型化
5. 2 通常サイズのヒト再生毛包移植による毛密度改善
5. 3 再生医学の方法論の応用による免疫応答に起因する脱毛症治療の可能性
6 おわりに

第10 章  次世代器官再生医療としての毛包器官再生医療の技術開発
1 はじめに
2 器官発生プログラムからの器官再生
3 器官原基法による機能的な毛包再生
4 毛包再生医療の実現に向けた技術開発
5 ヒト毛包器官再生医療の臨床応用化に向けた技術開発
6 ヒト毛包器官再生医療の臨床研究に向けた開発
7 今後の課題と展望

第11 章 毛包原基の大量調製技術の開発
1 はじめに
2 毛髪再生医療のための毛包原基調製技術
2. 1 自己組織化を利用した毛包原基の調製
2. 2 毛包原基の移植による毛髪再生
3 毛包原基の大量調製のための毛髪再生チップ
3. 1 球状組織の大量培養技術
3. 2 毛髪再生チップを設計する上での留意点
3. 3 毛髪再生チップの作製,及びこれを用いた毛包原基の培養
4 おわりに

【発毛・育毛促進有効成分の研究 編】
第12 章  ヒト毛乳頭細胞に対するミノキシジルと機械刺激の作用機序
1 ミノキシジルの歴史
2 ミノキシジルの局所性
3 日本のミノキシジル発毛剤
4 ミノキシジルの発毛作用機序
5 ミノキシジルの新しいアプローチ
6 機械刺激の発毛作用機序
7 おわりに

第13 章  新たな発毛・育毛促進化合物の探索とその機能性
1 皮膚および毛髪の構造
2 育毛剤の作用点
3 テロメラーゼを指標とした発毛・育毛促進成分の探索

第14 章  花色素ポリフェノール配合女性用育毛剤開発とその有効性評価
1 はじめに
2 ヒト毛乳頭細胞を用いた“花色素ポリフェノール”の育毛関連機能評価
2. 1 実験プロトコル
2. 2 毛乳頭細胞増殖活性の測定
2. 3 育毛関連タンパク質(FGF-7,VEGF)の測定
2. 4 結果
3 ヒトにおける有効性の確認
3. 1 ヒトモニター試験プロトコル
3. 2 結果
4 おわりに

第15 章 セファランチンの育毛効果
1 はじめに
2 セファランチンのヒト毛乳頭細胞およびヒト外毛根鞘細胞の増殖に対する影響
3 セファランチンのヒト毛乳頭細胞でのvascular endothelial growth factor 発現亢進効果
4 セファランチンのヒト毛乳頭細胞でのIGF-?発現亢進効果
5 セファランチンの外用臨床試験
6 おわりに

第16 章 キチン・キトサンの皮膚に対する機能
1 はじめに
2 キチン・キトサンの皮膚に対する機能
3 キチンナノファイバーの製造とその特徴
4 キトサン・表面脱アセチル化キチンナノファイバーの毛乳頭細胞に対する効果
5 今後の展開

【白髪研究と抗白髪有効成分の研究 編】
第17 章 色素細胞とケラチノサイト
1 はじめに
2 白髪化に影響する因子
3 早期白髪化マウスと白髪化の抑制
4 皮膚以外の色素細胞と毛包への寄与
5 創傷治癒後の白髪化とWnt シグナル
6 ニッシェ環境と白髪化
7 放射線誘導白髪化とそのメカニズム
8 おわりに

第18 章  白髪化のメカニズムの解明と抗白髪化のためのアプローチ法
~白髪化モデルマウスの研究から明らかになったこと~
1 はじめに
2 白髪化が起こる仕組み
3 毛球部のメラノサイトの異常による白髪化
4 メラノサイトの幹細胞の異常による白髪化
4. 1 メラノサイトの幹細胞を制御するシグナルとその異常による白髪化
4. 2 DNA 損傷によるメラノサイトの幹細胞維持機構の破綻
4. 3 酸化ストレスとメラノサイトの幹細胞の異常
4. 4 メラノサイトの幹細胞のエピジェネティックな制御
5 今後の展望

第19 章  協調的なWnt シグナル活性化による黒毛化メカニズム
1 はじめに
2 毛髪における色素形成
2. 1 Mc1R シグナリング
2. 2 Wnt シグナリング
2. 3 Edn シグナリング
3 協調的なWnt シグナル活性化による黒髪化
4 Wnt の活性化による黒毛化関連シグナルのクロストーク
5 おわりに

第20 章 ステルビンによる白髪改善・白髪防止
1 はじめに
2 毛母細胞から色素細胞に出されるシグナルと白髪改善について
3 科学的根拠が発表されている白髪改善成分の紹介
3. 1 サンショウエキス(?資生堂)
3. 2 ホップエキス(?資生堂・キリンビール?)
3. 3 レイシエキス(?資生堂・ハーバード医科大学)
3. 4 ディオスメチン・アカセチン・ケンペロール(中野製薬?・関西大学・ 独医薬基盤研究所)
3. 5 パルミトイルテトラペプチド20(ルーカスマイヤーコスメティックス社)
4 ニッシェ(=微小環境)の防御と白髪防止について
5 ステルビンの白髪改善・白髪防止効果
5. 1 ステルビンのメラニン色素産生効果とそのメカニズム
5. 2 ステルビンは放射線照射で生じるケラチノサイトのDNA 損傷や細胞死を抑制する
5. 3 ステルビンのヒト白鬚改善効果
5. 4 考察
6 おわりに

【頭皮環境と毛髪の研究 編】
第21 章 頭皮状態と毛髪物性の関連性
1 はじめに
2 実験
2. 1 頭皮観察および毛髪物性測定
2. 2 In vitro モデル系の構築と検証
3 結果
3. 1 頭皮状態と毛髪物性
3. 2 炎症性因子によるKAP5.1 遺伝子の発現抑制
4 考察
5 おわりに

第22 章 頭皮と髪の加齢変化と頭皮ケアの作用
1 はじめに
2 頭皮の構造と物性の加齢変化
3 頭皮物性と髪との関係
4 頭皮血流量と髪との関係
5 頭皮ケア行動(地肌マッサージ)の髪への作用
5. 1 マッサージ基本要素の血流上昇作用
5. 2 地肌マッサージによる毛髪の立ち上がり変化
5. 3 地肌マッサージの長期連用による毛髪,頭皮への作用
6 おわりに

第23 章  ヒト頭皮角層バイオマーカーとしてのHSP27
1 はじめに
2 頭皮の炎症状態と角層バイオマーカー
2. 1 頭皮の状態についての評価方法
3 アトピー性皮膚炎患者における頭皮の角層バイオマーカー
4 健常人女性における頭皮の角層バイオマーカー

【ヘアケア製品の開発 編】
第24 章  溶解型マイクロニードル技術を応用した育毛剤
1 はじめに
2 新開発育毛用マイクロニードルの特徴
3 育毛用マイクロニードルの処方設計
4 マイクロニードルによる育毛剤の浸透促進
5 マイクロニードル育毛剤の皮膚安全性
6 新開発マイクロニードル育毛剤を用いたボランティア検証試験
7 おわりに

第25 章 卵黄由来新規素材による育毛内外美容の進展
1 はじめに
2 卵黄タンパク由来の新規育毛素材
3 ヒトへの育毛効果
4 HGP のVEGF 産生メカニズム
5 おわりに

第26 章 ヒトのクセ毛のメカニズム
1 はじめに
2 加齢に伴うクセ毛の増加
3 クセ毛の構造と髪が曲がるメカニズム仮説
4 クセ毛緩和のアプローチ
5 おわりに

第27 章  しなやかな髪の力学特性と毛髪精密改質技術の開発
1 はじめに
2 しなやかな髪とは
3 力学特性測定の留意点と工夫
3. 1 弾性率測定の留意点
3. 2 表層部と内部の曲げ弾性率
4 しなやかな髪の力学特性とそれを支配する因子
4. 1 しなやかな髪の力学特性
4. 2 生来しなやかな髪としなやかでない髪の違い
4. 3 後天的にしなやかさを失った髪
5 毛髪の精密改質技術
6 おわりに

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