著者略歴
服部 敏雄(Toshio Hattori)
岐阜大学名誉教授
東京工業大学大学院理工学研究科 博士課程修了。博士(工学)。
株式会社日立製作所機械研究所 主任研究員,主管研究員を経て退社。
岐阜大学工学部 教授,静岡理工科大学工学部 特任教授を歴任,現在に至る。
日立では,製品の強度・信頼性技術の開発に従事。
大学では,締結・接合部の信頼性設計技術関連の研究,学会活動を展開。
現在,企業の技術相談,技術書籍執筆活動中。
成瀬 友博(Tomohiro Naruse)
株式会社日立インダストリアルプロダクツ 主管技師
大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻 博士後期課程修了。工学博士。
株式会社日立製作所機械研究所,日立研究所を経て,現職。
専門は,材料力学,個体力学,構造力学。職務としてポンプ,圧縮機,大型試験装置,発電機,
電動機,エレベータ,エスカレータなど産業機器の開発・構造設計に従事。
目次
はじめに
序文
1章 事故から学ぶねじ締結体の力学問題
1. 新幹線モータ取付ボルトのゆるみ事故
2. 日航ジャンボ旅客機隔壁の破損事故
3. ジェットコースター車軸ボルト疲労(Ⅰ)
4. ジェットコースター車軸ボルト疲労(Ⅱ)
5. 超電導リニアモータカー地上コイルねじ締結(開発)
6. KLMオランダ航空機パネル落下事故
7. トレーラハブ,ゆりかもめハブの疲労
8. ジェットコースター締結ボルトフレッティング疲労破損
9. タイタニック号脆性破壊事故
10. 風車高張力ボルトの遅れ破壊
11. 笹子トンネル天井板崩落事故
2章 ねじ締結体の力学解析,初期締付け技術および設計技術の基本
1. はじめに
2. ねじ締結体の力学解析と設計手順
3. ボルト寸法,材質の仮定と初期締付け力の設定
4. ねじ締結体の強度設計の基礎
3章 軸方向負荷,曲げ負荷下の力学解析と強度設計
1. はじめに
2. 軸方向負荷下の等価剛性と内力係数
3. 曲げ負荷下の等価剛性と内力係数
4. 偏心締付け、偏心外力負荷下の等価剛性と内力係数
5. ボルト締結部の有限要素法モデル化手法
6. 動的応答解析への適用とボルト締結体モデル化手法の妥当性検証
7. ボルト締結部の強度設計への適用
4章 軸直角方向負荷下の力学解析,ゆるみ解析と強度設計
1. はじめに
2. 軸直角方向負荷下の固着(線形)領域での変形挙動
3. 軸直角方向負荷下のすべり挙動
4. 軸直角方向負荷下のすべり挙動と回転ゆるみ機構
5. 限界相対すべり量Scr
6. ボルトに作用するモーメント
7. ボルト頭およびナット座面の曲げコンプライアンスkwhおよびkwn
8. 実験による検証
9. ゆるみと疲労を考慮した最適設計
10. 伸びボルトによる限界すべり量Scrの増大,ゆるみ速度低減
11. まとめ
5章 軸回り方向負荷下の力学解析,ゆるみ解析と強度設計
1. はじめに
2. 軸回り方向負荷下の変形・すべり挙動
3. 軸回り方向負荷下のゆるみと疲労を考慮した設計
6章 回転ゆるみと非回転ゆるみおよびゆるみ防止技術
1. ゆるみの分類と特徴
2. 非回転ゆるみ
3. 回転ゆるみ
7章 遅れ破壊の機構と対策
1. 遅れ破壊の機構
2. 遅れ破壊強さと材質
3. 遅れ破壊試験
4. 遅れ破壊対策
8章 フレッティング疲労とその対策
1. はじめに
2. フレッティング疲労の力学条件
3. ボルト締結体のフレッティング疲労
4. ボルトのフレッティング疲労
5. フレッティング疲労の検査管理
9章 被締結体の力学解析と強度設計
1. はじめに
2. 座面面圧とへたり
3. ねじ穴周りの力学解析
4. 被締結体接触端部のフレッティング疲労
10章 締結関連新技術
1. 塑性域締め付け
2. ねじ締結・接着併用継手
3. ロックワッシャーゆるみ止め
4. 植込み・ねじ込みボルト締結体の疲労強度
11章 ねじ締結関連国際諸規格の概要
1. JIS規格と国際規格の概要
2. ねじに関する主なJIS規格
3. VDI2230諸版の歴史と変遷
おわりに