摩耗、疲労、構造減衰等援用学術や材料科学、表面処理、トライボロジー、材料力学、破壊力学、振動工学等、幅広い分野の研究・技術領域をカバーしながら対策技術を纏めた労作!
著者紹介
著者略歴
服部 敏雄(はっとり・としお,Toshio Hattori)
岐阜大学名誉教授
東京工業大学大学院理工学研究科 博士課程修了。博士(工学)。
株式会社日立製作所機械研究所 主任研究員,主管研究員を経て退社。
岐阜大学工学部 教授,静岡理工科大学工学部 特任教授を歴任,現在に至る。
日立製作所では,製品の強度・信頼性技術の開発に従事。
大学では,締結・接合部の信頼性設計技術関連の研究,学会活動を展開。
現在,企業の技術相談,技術書籍執筆活動中。
目次
第1章 序文
第2章 事故から学ぶ締結体の力学問題
2.1 タービン発電機ロータのフレッティング疲労破損
2.2 航空機ジェットエンジン動翼取付け部のフレッティング疲労破損
2.2.1 CFM56(ゼネラル・エレクトリック社系エンジン)
2.2.2 PW4000(プラットアンドホイットニー社系エンジン)
2.3 蒸気タービン動翼取付け部のフレッティング疲労破損
2.4 トレーラハブ,ゆりかもめハブ締結部の疲労破損
2.5 ジェットコースター締結ボルトフレッティング疲労破損
2.6 原子力蒸気発生器フレッティング疲労破損
2.7 原子力冷却ファンキー溝フレッティング疲労破損
第3章 フレッティング損傷の概要
3.1 フレッティング損傷とは
3.1.1 フレッティング損傷の特徴
3.1.2 フレッティング損傷の力学的条件
3.2 フレッティング損傷評価と強度設計
3.2.1 摩耗,疲労破損考慮損傷評価法
3.2.2 摩耗,疲労破損考慮損傷評価プロセス
第4章 フレッティング摩耗・疲労損傷のメカニズムと力学解析
4.1 フレッティング摩耗・損傷の力学解析と実験観察
4.2 フレッティング摩耗の力学解析例
4.3 フレッティング摩耗の材料因子と環境因子
4.4 フレッティング疲労の力学解析
4.4.1 フレッティング疲労のメカニズム
4.4.2 接触端微小き裂発生評価法
4.4.3 フレッティング疲労強度・寿命評価法
4.4.4 特定位置応力法による低サイクル疲労強度,寿命評価法
第5章 フレッティング強度設計例
5.1 マクロ応力を用いた強度,寿命評価
5.1.1 曲げ負荷を受けるねじ締結体における被締結体のフレッティング疲労
5.1.2 コンロッドボルトのフレッティング疲労
5.1.3 ジェットコースター車軸ボルト疲労
5.2 ミクロ応力を用いた強度,寿命評価
5.2.1 SUS304鋼球と鋼板のフレッティング疲労
5.2.2 SUJ2鋼球とガラス板のフレッティング疲労
第6章 フレッティング損傷の防止技術
6.1 力学的視点からの耐フレッティング設計法
6.1.1 面圧の影響
6.1.2 接触端形状の影響
6.2 応力緩和溝(Groove)
6.2.1 丸棒部材の場合
6.2.2 平面部材の場合
6.3 接触面の改良
6.3.1 接触面の低剛性化
6.3.2 表面圧縮残留応力の付与
第7章 フレッティング損傷の保全管理,ヘルスモニタリング
7.1 鉄道車軸の保全管理
7.1.1 新幹線車軸の超音波探傷
7.1.2 破断前漏洩(LBB)概念を適用した車軸き裂常時監視システム
7.1.3 破断前漏洩(LBB)き裂常時監視システムの台車枠への適用性の評価
7.2 ジェットエンジンファンブレードの保全管理
7.2.1 熱音響欠陥検出(Thermal Acoustic Imaging Inspection)検査プロセス
7.2.2 破断前漏洩(LBB)き裂常時監視システムのファンブレードへの適用性
7.3 ねじ締結体の保全管理
7.3.1 センサおよび実験準備
7.3.2 センサおよび実測結果
7.3.3 オンラインヘルスモニタリングへの展開
第8章 ねじり負荷下のフレッティング疲労
8.1 実験的検討
8.2 解析的検討
8.2.1 解析の概要
8.2.2 かん合部の摩擦係数
8.2.3 かん合面の面圧分布
8.2.4 応力分布
8.3 各種締りばめ継手の強度評価
第9章 鉄鋼材以外の材料のフレッティング疲労
9.1 チタン合金のフレッティング疲労
9.1.1 Ti-6Al-4V 合金のフレッティング疲労
9.1.2 Ti-6242合金のフレッティング疲労
9.2 アルミ合金のフレッティング疲労
9.2.1 2024-T351アルミニウム合金
9.2.2 溶接構造用アルミニウム合金(A7N01-T6)
第10章 結語
索引